データ入力代行とは?メリット・デメリットや比較のポイントも解説

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  • データ入力代行は、入力・集計などの作業を外注してリソースを有効活用するもの
  • コア業務に集中できるなど、従業員の生産性の向上が期待できるのがメリット
  • 適正料金・業務品質・実績などを複数のデータ入力代行企業で比較することが重要

データ入力代行とは、あらゆるデータの入力業務を請け負うサービスのことです。この記事では、データ入力代行で依頼できる主な業務の例や、導入のメリット・デメリット、サービスを依頼する際の比較ポイントなどについて詳しく解説していきます。

目次

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  1. データ入力代行とは
  2. データ入力代行で依頼できる主な業務
  3. データ入力代行のメリット
  4. データ入力代行のデメリット
  5. データ入力代行に依頼する際の比較ポイント
  6. まとめ

データ入力代行とは

データ入力代行とは、あらゆるデータの入力業務をアウトソーシングで請け負うサービスのことです。名簿や申込書など紙媒体の文字をデジタルデータ化するのはもちろん、音声を文字に起こしたりグラフや図を用いて見やすく整えたりなどの業務も依頼できます。

データ入力は難しい作業ではないものの、処理する量が多くなりがちでまとまった時間を要します。また直接利益に繋がらない副次的な業務であることから、有能な自社の従業員を割くのは非生産的です。

しかしデータ入力代行を利用すれば、従業員は本来取り組むべき重要な業務に集中することができます。結果として、人件費の無駄を抑えながら社内の生産性向上に繋がるのがメリットです。

データ入力代行で依頼できる主な業務

ここではデータ入力代行に依頼できる主な業務について解説します。データ入力代行業者は文字入力のみならずリスト化や集計など、データを活用しやすくする加工・編集も請け負っています。

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文字データ(名刺・顧客名簿など)の入力

紙媒体でも音声媒体でも、文字としてデジタルデータに起こせるものはほぼすべて入力代行に依頼できます。具体的には以下のようなものが挙げられます。

  1. 名刺の内容
  2. 顧客名簿
  3. 申込書
  4. 商品情報
  5. 伝票
  6. アンケート結果
  7. 問い合わせ内容
  8. 会議や打ち合わせの議事録

近年はペーパーレス化が進んでいることもあり、紙媒体からデジタルデータへ変換する業務は需要が高まっています。デジタルデータ化することで書類を保管しておくスペースや管理する人員が削減でき、なおかつ情報を簡単に検索できるようになります。

データのリスト化

データは入力するだけでなく、リスト化を依頼することも可能です。ただ入力されただけでは見づらく使いにくいデータも、専門の代行業者なら参照しやすいよう整理してくれます。

業者によっては表・グラフ・図・イラスト等を使って見やすくしたり、特定のフォーマットに落とし込んで成形したりなどのアレンジも請け負っています。不規則なデータも視覚的に整えることで分析が容易になります。

アンケート結果の集計

音声や手書き、インターネットで集めたアンケート結果の入力や集計も、データ入力代行に依頼できます。また回答内容を集計してくれるだけでなく、以下のようなオプションを用意している業者もあります。

  1. データを活用しやすい入力フォーマットの提案・作成
  2. 集計したアンケート結果の分析・レポート作成
  3. 集計結果のグラフ作成

アンケート結果の集計は自社のサービス改善や開発に繋がる重要なタスクですが、情報が膨大なため整理に時間がかかりがちです。入力代行に依頼することで集計作業を効率化させ、すばやく顧客ニーズを把握できれば、新しい目標設定もスムーズになります。

データ入力代行のメリット

ここではデータ入力代行のメリットを詳しく解説します。データ入力代行を利用することで、コスト削減や社内の生産性アップが期待できます。

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コスト削減が期待できる

データ入力代行を利用することにより、会社のコスト削減が期待できます。単純作業に人件費の高い自社の従業員を割り当てるよりも、正確・迅速に作業してくれる専門業者に委託したほうが費用対効果が高いためです。

「外注するコストがもったいない」と考える方もいるかもしれませんが、社内の従業員を使えば精度も担保されず、結局はチェックや教育に時間がかかり非生産的です。プロが作業するデータ入力代行であれば短時間で高精度のデータが作成でき、結果的に安価になります。

コア業務に集中できる

データ入力代行を利用することで、従業員はコア業務に集中できます。コア業務とは利益を作り出す中心的な役割の業務のことで、具体的には営業・マーケティング・サービス開発などを指します。自社の従業員にしかできない代替不可能な業務です。

データ入力は必要な業務ではありますが、そのためにコア業務がおろそかになってしまっては本末転倒です。高度な技術を持つ人材や知識・経験のある従業員はコア業務に専念させ、代替可能なデータ入力は外注して効率化を図りましょう。

急な入力作業にも対応できる

「3日後までに資料が必要になった」「データの集計レポートを作りたいが他の業務で忙しく期日に間に合わない」など急にデータ入力作業が必要になった場合も、データ入力代行ならすぐに対応してくれます。

業者によっては短納期で納品できるよう24時間体制を整えていたり、追加料金を支払うことで即日納品に対応したりしているところもあります。従業員が手一杯のときも本来の業務を中断させることなく、必要なデータがすぐに手に入るので便利です。

精度の高いデータベース構築ができる

データ入力代行に依頼すれば、精度の高いデータベースが構築できるのもメリットです。データ入力は単純作業ではあるものの、正確さが求められます。慣れない従業員がミスをしながら作業すると、修正や校正で余計に時間がかかり非効率的です。

多くのデータ入力代行業者は99%以上の正確さを謳っており、入力後に間違いがないかを高精度でチェックするため以下のような体制を整えています。

チェック体制方法
クロスチェック複数のオペレーターが同じデータを入力し間違いがないか検証する
ロジックチェック決められた条件に沿って入力されているか検証する
(例:必ず4桁の数字で入力するところが3桁や5桁になっていないか)
目視チェック機械が自動で入力したデータを検査員が目視で確認する

また代行業者では上記のチェック体制に加え、正確に入力するためのノウハウも持っています。データ入力を外注することで、自社でマニュアルを作ったり人材を教育したりする手間もなくなります。

データ入力代行のデメリット

データ入力代行を利用すれば業務の効率化が期待できますが、デメリットもあります。ここではセキュリティ面の不安や料金基準の不明瞭さといった、データ入力代行のデメリットを解説します。

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セキュリティ面の不安がある

データ入力代行を利用するにあたっては、セキュリティ面のリスクについて知っておく必要があります。取引先にデータを渡す以上、顧客名簿・名刺の内容といった個人情報や会社の機密情報が万が一漏洩する可能性はゼロではありません。

特に、副業でデータ入力を代行している個人や在宅アルバイトが作業しているような場合は、専用の端末を持っているケースも少なく管理体制も不明瞭なため、注意が必要です。

社外秘のデータ入力を依頼するのであれば、個人ではなく信頼できる専門の代行会社を選ぶようにしましょう。

品質にばらつきが発生することがある

データ入力代行会社は現在100社以上あり、中には低品質のサービスも存在します。具体的には以下のようなトラブルが発生しうるので確認しておきましょう。

  1. タイピングミス(誤字・脱字)が多い
  2. 納期が守られない
  3. 担当者と連絡がつかない、返信が遅い

効率化を目的にデータ入力代行を依頼しても、品質が低ければ修正に余計な時間や経費がかかってしまいます。

こういったトラブルを避けるためには、利用する代行会社が品質をどのように担保しているかを事前に確認することが大切です。先述したようなチェック体制があるかどうかも指標になります。

料金の基準がサービス内容により異なる

データ入力代行の料金体系は会社によって異なり、分かりにくい場合があります。基準としては、多くの代行会社で以下のようなものが設けられています。

  1. 文字数(例:1文字0.4円)
  2. 書類の枚数(例:名刺1枚30円)
  3. データ集計数(例:アンケート1項目300円)

上記以外にも、扱うデータの分野によって料金が変わる場合や「月〇〇時間の作業で〇〇円」など時間単位で計算する場合もあります。「オンラインアシスタント」と呼ばれるサービスで、データ入力を含むさまざまな業務を依頼できる秘書のようなイメージです。

また納期によって料金が変動するのが一般的なため、具体的な見積もり金額を知るには実際のデータ量・内容・納期・精度を細かく指定する必要があります。

背景を踏まえた作業は期待できない

データ入力代行サービスを利用するデメリットとして、臨機応変な対応は難しいことも挙げられます。データ入力代行サービスは基本的に簡単な単純作業を委託するものであるため、データ集計の目的や背景を踏まえた思考的な作業は期待できません

契約する代行会社や契約内容によっても異なりますが、突発的な納期が短い案件は委託してもらえないケースもあります。データ入力代行サービスを利用する際は、基本的に臨機応変な対応は難しいことを理解しておきましょう。

データ入力代行に依頼する際の比較ポイント

ここからはデータ入力代行に依頼する際に比較したいポイントを解説します。料金はもちろん、セキュリティ対策や品質・実績・納期などが自社のニーズに合っているか確認しましょう。

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適正な料金か確認する

会社のコスト削減と生産性アップを目標としてデータ入力代行を利用する以上、料金が適正かどうかは最重要ポイントです。ただ上述の通り料金の基準が業者によって異なるため、いくらが適正なのか分かりにくくなっています。

あまりコストをかけたくないところではありますが、料金が安すぎる業者はスタッフが低賃金で作業しているケースもあり品質が懸念されるためおすすめできません。

以下は大まかなデータ入力代行の料金相場の目安です。実際には複数の業者から見積もりをとって判断することが必要になりますが、1つの基準として参考にしてください。

依頼内容料金の目安
文字入力0.3~3.0円/1文字
ページ入力500〜800円/1枚
名刺入力20〜70円/1枚
アンケート入力0.5〜1円/択一選択問題の回答1件1.5〜3円/複数選択問題の回答1件

セキュリティ対策が万全かチェックする

個人情報や社外秘が漏洩するリスクがあるため、データ入力代行を選ぶ際はセキュリティ対策が万全かどうかも必ず確認しましょう。以下のような認証・規格を取得しているかどうかが指標になります。

  1. プライバシーマーク
  2. 情報セキュリティマネジメント国際規格「ISO/ICE27001」

また以下も重要なチェックポイントです。代行会社のホームページ等でどのようにセキュリティ対策を行っているか公開されている場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

  1. スタッフの入退室時にIDカードを使用しているか
  2. 専用の端末でデータ入力をしているか
  3. 預かった情報をどのように保管しているか

業務の品質に問題はないか確認する

データ入力代行を選ぶときは、品質のチェックも欠かせません。タイピングミスが多かったり納品フォーマットが見づらかったりなどのトラブルが起こる可能性もあります。こういったトラブルを避けるためには、以下のような点に注意する必要があります。

  1. クロスチェック・ロジックチェックなどのチェック体制を整えているか
  2. 自社の要望に応えようとしてくれているか
  3. 希望のフォーマットで納品してもらえそうか
  4. メールや電話でのやりとりはスムーズか

実際にデータが出来上がるまで品質の判断は難しいかもしれませんが、まずは見積もり段階での担当者の対応を見ておくといいでしょう。相談の段階で誠実にヒアリングしてくれるかどうかでも、商品の質をある程度推し量ることができます。

また品質に自信のある業者であれば、どのように品質を担保しているかホームページに明記していることも多いです。見積もりを依頼する前に確認してみましょう。

豊富な実績を持っているか調べる

データ入力代行会社は多数ありますが、その道のプロとして豊富な実績を積んでいる会社は信頼できます。以下のような点が、実績を調べる際の指標になります。

  1. 大手企業と契約している
  2. 契約企業数が多く、数を公開している
  3. 運営年数が長い
  4. 全国に多くの支店・支社がある
  5. ポジティブな口コミや評判が多い

信頼できるデータ入力代行会社であれば、公式HPなどで実績を公開している場合も多いため、1つの判断材料として確認しましょう。

納期の早さをチェックしておく

データ入力代行会社を選ぶ際は、納期の早さも確認しておきましょう。プレゼンや会議に使う資料などすぐにデータ化してほしいものがあるときも、スピーディーに納品される業者なら安心です。

最速何日で納品されるのか、即日納品にも対応しているかなどを見積もり段階で確認しましょう。また「あくまで予定日なので間に合わないこともある」といった曖昧な日程を示してくるところは避け、明確な納品日を伝えてくれる業者を選ぶことも大事です。

複数のデータ入力代行企業を比較する

データ入力代行会社は数が多く、どこに頼むのが適切か判断することは難しいため、まずは複数の会社に同じ内容の見積もり依頼を出して比較しましょう。

その際はデータ入力の単価だけでなく、納期や希望のフォーマットになるかどうかなども加味してパフォーマンスの高い業者を選びます。また見積書の内容が明瞭か、分かりやすく内訳が書かれているかどうかもその会社の品質を判断する材料になります。

アフターサービスがあるか確認する

データ入力代行サービスを選定する際は、アフターサービスがあるか確認しておくことも重要です。データ入力代行会社には、データ入力作業に慣れた人材が多くいますが、人間が行う作業である以上、ミスが起こる場合もあります

そのため、重視すべきはミスが起こった際に、迅速かつ丁寧な対応が受けられるかどうかです。アフターサービスの有無や内容は選定する代行会社によって異なり、中には追加料金が発生する場合もあるため、事前によく確認しておきましょう。

まとめ

データ入力代行は、文字入力だけでなくデータのリスト化・集計・分析・レポート作成など多岐に渡る業務を依頼できるサービスです。

単純かつ時間のかかる作業をアウトソーシングすることで、有能な従業員がコア作業に専念でき、会社の生産性アップに繋がるのがメリットです。一方でセキュリティ面の不安や品質のばらつき、料金体系が不明瞭といったデメリットもあります。

数あるデータ入力代行の中から自社に合ったものを選ぶためには、複数の会社に同じ内容の見積もりを依頼して比較することが大切です。料金はもちろん、担当者の対応や実績・品質・納期なども加味して、自社のニーズに合ったデータ入力代行会社を選びましょう。

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