新規開拓営業とは?具体的な方法や成功させるためのコツを解説

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  • 新規開拓営業とは、既存の顧客ではなく新たな顧客をターゲットにして行う営業のこと
  • 新規開拓営業の手法として、テレアポ・訪問・SNS運営・セミナー開催などがある
  • 新規開拓営業を行う際は、顧客の課題やニーズを把握し適切な提案を行うことが重要

新規開拓営業とは、既存の顧客ではなく新たな顧客をターゲットにして行う営業のことです。新規開拓営業は売上アップに繋がるのはもちろん、既存顧客が離れた際のリスクヘッジにもなるため重要です。この記事では、新規開拓営業の具体的な方法や成功のコツなどを解説します。

目次

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  1. 新規開拓営業とは
  2. 新規開拓営業のメリット・重要性
  3. 新規開拓営業の流れ
  4. 新規開拓営業におけるアプローチ手法
  5. 新規開拓営業を行う際の注意点
  6. 新規開拓営業を成功させるコツ
  7. まとめ

新規開拓営業とは

新規開拓営業とは、既存の顧客ではなく、新たな顧客を獲得するために行う営業活動のことです。既存の市場における競争や成熟度が高まった場合に、新たな成長機会を見つけ、事業を拡大する上では重要なアプローチ方法の一つです。

新規開拓営業を成功させるには、既存の顧客分析や情報整理などに基づくマーケティング活動が重要で、戦略的に行うことが求められます。また、新規顧客のニーズや業界などを理解した上での対話・交渉などの高度なスキルも必要です。

新規開拓営業が成功すると、市場拡大や収益増加を図ることができ、企業にとって大きな成長のきっかけとなる可能性があります。本記事では、新規開拓営業のメリットや手法について解説します。

ルート営業との違い

ルート営業は「既存営業」とも呼ばれ、既に取引のある顧客を対象に営業活動を行うことを指します。リピートビジネスを促進し、顧客との長期的な関係を築くことを目的として行われ、企業の成長において補完的な役割を果たします。

既存の顧客に対する営業活動として、新たな商品・サービスの提案やフォローアップが主な内容であり、アップグレードの提案や問題解決のサポートなどを通じて、関係性を深めます。これにより、競合他社への乗り換えを防ぐことにつながります。

取引のない新しい顧客に対して、一から関係性を構築しながらビジネスを行う新規開拓営業と比較して、ルート営業はコミュニケーションを図りやすいです。しかし、既存の顧客を失わないためには、継続的なコミュニケーションが求められます。

新規開拓営業のメリット・重要性

新規開拓営業を行うことで、顧客数が増えてリスクヘッジになることや、担当者のモチベーションに繋がりやすいといったメリットを得られます。ここからは、新規開拓営業のメリット・重要性について解説します。

新規顧客の獲得

新規開拓営業のメリットとして、新しい顧客を獲得することで、顧客数の増加に直接結びつき、潜在的な市場シェアの拡大や、競争力を高める手段となります。さまざまな企業から自社を選んでもらうための商品やサービスの差別化は、市場での競争力を向上させます。

また、顧客数の増加によって収益源が増えることで、既存顧客との取引終了時の収益減少のリスクを緩和します。既存顧客の減少に比べて、初対面への見込み顧客へのアプローチのリスクは低いため、事業のリスクを分散できるメリットもあります。

担当者のモチベーションに繋がる

新規開拓営業を採用する企業は、インセンティブ制度を取り入れていることが多く、営業担当者のモチベーションに繋がりやすいです。これは、新規開拓は求められるスキルが高く、売上によって給与が増えるためです。

担当者の仕事に対する意欲が高まることで、担当者はより自身のスキルを磨いて効果的な営業を行うことに繋がり、ひいては売上の向上に寄与します。

新規開拓営業の流れ

新規開拓営業は、これまで取引のない顧客に対して見境なくアプローチするわけではなく、情報を活用して効率的に行うことが一般的です。ここでは、新規開拓営業の流れを解説します。

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既存顧客を分析する

新規開拓営業を始める前の準備段階として、既存の顧客がなぜ自社と取引を始めたのかを理解するために、分析することが重要です。なぜ自社を選んだのか、どのような営業方法が効果的だったのかなど、取引の経緯を調査し、決め手となった要素を明確に把握します。

また、分析を通じて、商品やサービスのアピールポイントも正確に特定します。客観的な視点で顧客のニーズや期待を把握し、新規開拓営業の戦略に組み込みましょう。新しい見込み顧客に対しても、同様の価値を提案できるようにすることが大切です。

顧客リストを作成する

既存顧客の分析後、新規開拓営業の効率化に向けてターゲット顧客を決定し、対象となる企業や個人をリストアップします。顧客リストを作成することは、情報を整理し、営業チームで共有して無駄のない営業活動を進める上で大切な準備です。

そのためには、分析段階で決めた営業戦略に基づき、業界・地域・企業規模などの要因を考慮して、ビジネスチャンスが高いと考えられる顧客を絞り込みます。ターゲットとなる顧客層のリサーチを行い、必要な情報を収集しておくことも成功率を高める重要な要素です。

それらの情報を顧客リストとしてまとめ、優先順位も決定しておくことも忘れないように注意しましょう。これにより、タイミングによる機会損失を最小限に抑えられます。必要に応じて連絡先や担当者の情報などを追加し、精度の高い顧客リストに仕上げましょう。

営業を開始する

新規開拓営業の準備段階を経て、顧客リストの作成まで整ったら、いよいよ営業活動の開始です。ただし、アプローチ方法はさまざまで、営業の効率や成果までの期間に加え、担当者のスキルやチームの体制なども含めて、適切な手段を選ぶようにしましょう。

アプローチ手法の詳細は後述しますが、営業担当者が新規顧客に架電するテレアポや、直接企業や顧客先へ訪問する飛び込み営業などは、直接的なアプローチが可能です。一方、広告やSNSでの情報発信などはリスクは低いですが、顧客の自発的な興味に依存します。

さまざまな方法がある中で、企業と顧客にとって適切で、かつ効果的なアプローチを組み合わせることが大切です。

ヒアリング・商品の提案

アプローチ手法が決定したら、実際に顧客にアプローチします。しかし、初回では商品の売り込みではなく、見込み顧客の状況を理解することに努めましょう。購入意欲を高める前に、顧客のニーズや課題を把握して、より適切な提案を行うためです。

また、関係性の構築の上でも、初回アプローチは非常に重要です。初対面の相手から積極的に売り込みをされた顧客は、企業に対して不信感を抱きかねません。押し売りと解釈されて拒絶されてしまうと、その後の関係性の構築は困難です。

まずは、顧客が抱える課題や達成したい目標を把握し、提案の方針や内容を顧客に合わせることが大切です。その上で、自社の商品・サービスが顧客の課題解決や目標達成にどのように寄与するのか、そのメリットや競合他社との違いも含めて分かりやすく説明します。

説明では、専門用語や複雑な機能に焦点をあてた説明は避け、知識が全くない状態でも分かるような言葉を選びましょう。新規開拓では、顧客がその商品やサービスに関する知識を持っていない場合が多いためです。

アフターフォロー

初回のアプローチ後は、定期的なフォローアップのスケジュールを設定しましょう。見込み顧客との接触機会を確保することは、関係性構築の上で大切です。連絡時には、顧客の現在の課題や進捗を確認し、その変化や進展に対応する戦略を立てるようにしましょう。

フォローでは、課題を取り巻く状況の確認以外にも、見込み顧客にとって有益な情報や業界動向の情報などを提供して、自社への関心を高める手法もあります。自社商品やサービスによる具体的な解決策をいつでも提案できるようにしておくことも重要です。

定期的なフォローアップを通じて、商品やサービスが最も必要とされるタイミングを見極めましょう。そのタイミングで早期に商談に持ち込むことで、競合他社よりも早くアプローチして、成功率を高めることができます。

新規開拓営業におけるアプローチ手法

新規開拓営業には、さまざまなアプローチ手法があり、直接顧客へと働きかける手法や顧客から働きかけるように関心を高める手法などがあります。ここでは、それらのアプローチ手法について紹介し、その内容を具体的に解説します。

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新規開拓営業におけるアプローチ手法

  1. アウトバウンド営業
  2. インバウンド営業
  3. 間接営業

アウトバウンド営業

アウトバウンド営業とは、企業が自ら積極的に顧客へアプローチする営業手法です。顧客との接点がほぼない状態からスタートするため、情報不足を補完しながらアプローチすることが求められます。アウトバウンド営業の具体的な手法は以下の通りです。

テレアポ営業

テレアポ営業では、電話で見込み顧客に直接アプローチします。対面での営業よりも、迅速で効率的にアプローチできます。その主な目的は、将来的な商談や提案を行う訪問を実現するために、見込み顧客とのアポイントを取ることです。

テレアポによって、資料の受け取りや商談の約束に同意してくれることなどが期待できます。また、顧客リストがあればすぐに営業を開始できることや、リアルタイムに質疑応答を行いやすいメリットがあります。

対面営業よりも低コストで大量のアプローチが可能であり、成約の早期化にも期待できます。ただし、顔が分からず、営業担当の身分を証明しにくいなどの点から、迷惑電話と誤認されやすいため、丁寧なコミュニケーションによって信頼を得ることが重要です。

訪問(飛び込み)営業

訪問営業には、アポイントを取ってから営業先に向かう場合と、アポイントなしで訪問する飛び込み営業があります。いずれも対面でのコミュニケーションによって、商品・サービスを直接見せて、直感的・具体的なアピールが可能です。

また、テレアポよりも詳細な手応えや微妙なニュアンスまで、顧客の反応を把握しやすいのも訪問営業の利点です。顧客にとって印象に残りやすく、情報を理解しやすい手段のため、購買意欲が高まりやすい面もあります。

ただし、飛び込み営業の場合は、担当者不在で対応してもらえないことや、移動時間がかかることで、効率性において課題が生じる可能性があります。突然の訪問に対応できる受け入れ態勢が整っているかどうか、事前に確認しておくことが大切です。

メール・FAX

非対面のコミュニケーションによる営業には、メールやFAXを活用した手段があります。営業先の担当者が任意のタイミングで内容を確認できるため、お互いに負担が少ない点がメリットです。無理な営業による信頼性低下のリスクも抑えられます。

一度作成した内容は、複数の顧客に同時に送信できるため人的コストの削減にも寄与し、送受信した内容をデータとして保存しやすいのも便利です。

ただし、開封率や返信率は一般的に低く、タイトルや内容で工夫が求められます。また、定型文の送信により効率化できる一方で、個別化が難しいです。汎用性の高い情報提供に限られてしまうため、広範的にリーチする場合に有効な手法です。

手紙・レター営業

紙媒体による手紙を始め、チラシやカタログを活用する営業は、電子的なアプローチではない点が特徴的です。ただし、前述のメール・FAXと同様のメリット・デメリットがあります。

商品やサービスの情報を提供する上で、インターネットとの相性が良くない場合や、インターネットが苦手な層にアプローチする場合に有効です。しかし、手紙やチラシなどの印刷や郵送にはコストがかかる点に気をつける必要があります。

メール・FAXも含めて、非対面コミュニケーションによる営業は、他の営業手法と組み合わせることで効果を高められるように活用するのが理想的です。

インバウンド営業

インバウンド営業とは、顧客が自発的に購買行動を起こすように促す営業手法です。受け身型の営業とも呼ばれ、顧客が自発的に自身のペースで情報収集するため、有益な情報を提供できるようにしておくことが大切です。以下にインバウンド営業の具体例を挙げます。

SNSの運営

SNSは拡散性が高く、多くのユーザーにリーチしやすい特徴があります。また、フィードバックや質問に応じられる双方向コミュニケーションが可能な点で、効果的な営業手法です。メッセージ送信でアポイントも取ることができ、手軽に接点を持てます。

SNS運営として、自社の公式アカウントから商品紹介や活用事例などの発信や、最新情報やトレンドに対応した情報発信などが挙げられます。ユーザー情報からターゲットを絞りこんだり、交流やセミナーなどで直接的なアプローチにつなげたりする活用方法もあります。

低コストで効果的な営業手法ですが、個人情報の取り扱いには注意が必要です。また、適切なタイミングや頻度で興味を引く情報を提供を行うことが大切で、営業の効果を左右します。

Webサイトの運営

Webサイトの運営は、自社の製品やサービスに関する情報発信において重要です。ユーザーの自発的な情報収集に依存するものの、情報の信頼性が高いため、有効な情報源としてユーザーから閲覧される可能性があります。

また、問い合わせや資料請求を行うユーザーは、既に自社の商品やサービスに関心を持っているため、営業活動も進めやすいです。適切な更新に気をつければ、情報提供のタイミングに神経質になる必要もなく、24時間365日いつでも多くのユーザーにアプローチできます。

ただし、ユーザーが公式ホームページを検索した際に上位表示されるためのSEO対策には、一定のコストがかかります。また、競合他社も同じくWebサイトを運営している可能性が高く、差別化のために独自性や魅力的なコンテンツの提供が求められます。

YouTubeでの動画配信

YouTubeも広い意味では、SNSの運営に含まれますが、動画による情報提供・ライブ配信による視聴者との双方向コミュニケーションなどが特徴的な手法です。言葉だけでは表現しきれない情報をリアルに伝えられ、拡散効果にも期待できるメリットがあります。

プレゼンテーション・デモンストレーション・インタビュー・体験共有など、さまざまなコンテンツに対応しやすく、競合との差別化のための創意工夫がしやすいのも利点です。

ユーザーにとって手軽なプラットフォームですが、それだけ多くの企業がYouTubeを活用しており、品質の高いコンテンツの作成には一定のコストや労力がかかります。分析機能を活用して、より多くの視聴者を惹きつけられるようブラッシュアップすることも大切です。

オンライン・オフライン広告の運用

広告にはオンラインとオフラインがあり、複数の媒体を組み合わせることで広範囲かつ多岐にわたる層にアプローチできます。オンライン広告では、Webサイトの広告・検索結果ページの広告(リスティング広告)・SNS広告などがあります。

オンライン広告では、Webサイトの広告・検索結果ページの広告(リスティング広告)・SNS広告などが挙げられます。リスティング広告やSNS広告は、ターゲットを絞り込むことが可能で、より効果的にアプローチできます。

オフライン広告には、新聞・雑誌・看板・チラシ・電車やタクシー広告などがあります。看板やチラシは特定の地域にアプローチでき、電車やタクシー広告は都市部での認知度が上がりやすいなど、それぞれに特性があります。

新規開拓か認知度を向上かといった目的を明確にして、適切な広告媒体を選ぶことが大切です。

オンライン・オフラインセミナーの開催

セミナー運営は、企業と参加者が関係を構築しやすく、参加者へ直接的に企業やサービスの価値をアピールできる手法です。対話を通じて、企業は有益な情報やノウハウを提供し、参加者は企業やサービスの理解度を深めることができます。

オフラインで行う対面のセミナーなら、より近い距離で参加者との信頼関係を構築することが可能です。一方で場所の制約がなく、全国規模で新規開拓が可能なオンラインセミナーは、企業・参加者の両者にとって効率的なため、近年では一般的になっています。

セミナーの開催は、ある程度成長した企業にとっては有効なアプローチですが、認知度が低い場合は集客に苦戦する可能性があります。また、対面セミナーは準備にかかるコストやリソース、オンラインセミナーの場合は関心を維持するための配慮が求められます。

間接営業

間接営業とは、企業が直接顧客にアプローチするのではなく、第三者に営業活動を委託し、その第三者を管理しながら成果を上げる手法です。自社の製品やサービスを多くの市場や顧客層に拡大できる可能性があります。以下に間接営業の具体例について解説します。

既存顧客・同業者からの紹介

新しい見込み顧客の紹介は、既に紹介者(既存顧客や同業者など)を軸とした信頼関係が築かれている状態です。そのため、企業と紹介を受けた見込み顧客との信頼関係が築きやすいのがメリットです。

見込み顧客のニーズや期待も紹介者から得やすく、有益な情報が紹介者から見込み顧客へと伝達しやすくなる効果があります。また、見込み顧客の関心も高いため、成約の確度も高いことが期待されます。

商談が円滑に進みやすい利点もありますが、企業・紹介者・見込み顧客それぞれの関係性に傷がつかないよう、丁寧な対応が求められます。商談や取引が失敗すると、紹介者との関係まで悪化するリスクがある点には気をつけなければいけません。

代理店制度・アライアンス営業

自社以外の人材や経営資源を活用して、顧客にアプローチする手法には、アライアンス営業と代理店営業があります。アライアンス営業は、他企業と協力関係を築いて共同で新規顧客の開拓を行い、市場の拡大やビジネス展開を図ることです。

それぞれの企業が持つ得意分野やリソースを生かして、効率的なビジネス運営ができると共に、リスクの負担を分散できるのもメリットです。ただし、提携の際は、責任範囲を明確にし、トラブルを未然に防ぐように気をつける必要があります。

代理店営業は、販売や営業を担う他企業に委託する代理店制度を活用して成果を上げる手法です。代理店が複数の顧客に自社の商品やサービスを紹介するため、拡販に期待できます。効果を上げるためには、自社と代理店の間で適切に情報共有することが大切です。

新規開拓営業を行う際の注意点

新規開拓営業で大切なポイントは、営業活動の効率性と顧客との信頼関係です。これらは、基本的な事柄にして重要性が高く、疎かにすることがないよう気をつけなればいけません。ここでは、新規開拓営業における注意点を解説します。

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社内での情報共有を徹底する

社内での情報共有は、迅速かつ正確であることが求められます。不正確な情報は、誤ったアプローチにより信頼を失うリスクを高めます。情報が正確でも共有が遅いと、営業担当者間で認識のズレが生じやすく、誤ったアプローチの原因となります。

そのため、情報共有の徹底をルール化するとともに、情報管理の手段もリアルタイムで一貫性を保つのに適しているかどうか検討する必要があります。情報共有に適切なプラットフォーム・コミュニケーションアプリ・システムを活用するのが理想的です。

例えば、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客管理システム)は、情報を一元管理できるため、情報の一貫性を保ちやすく即座に変更が反映されます。意識改革だけでは、情報共有の徹底に限界がある場合、ツールで効率的に情報管理することをおすすめします。

確度の高い顧客に絞り込む

営業リストの作成においては、確度の高い見込み顧客に絞ったリストを作成するようにします。優先性の考慮されていないリストは、営業活動における無駄を増やし、期待の持てない営業活動を行っている間に、関心の高い見込み顧客を失うリスクを高めてしまいます。

リストの量についても営業成果を最大化するために、十分な数の潜在顧客を網羅していることが重要です。また、市場や企業の状況は時間経過で変動するため、定期的に情報を更新することも大切です。

営業リストの作成は、自動で行うツールの活用や有料のリスト提供サービスを利用すると、迅速に準備段階から営業活動へと移行することができます。営業リスト作成ツールの詳細については、後述します。

KPIを設定しPDCAサイクルを回す

KPI(Key Performance Indicator)とは、具体的な数値目標のことです。営業活動においては、新規顧客獲得数・商談成功率・売上増などがKPIに含まれます。こうした指標を設定することにより、客観的に営業成果を評価することができます。

営業活動を評価し、改善するにはPDCAサイクルを用いることが一般的です。計画(Plan)・実行(Do)・評価(Check)・改善(Action)のサイクルを通しながら、蓄積した反省と成功のノウハウを生かし、より良いアプローチへとブラッシュアップしていきます。

こうしたKPIに基づくPDCAサイクルがなければ、営業活動の評価は主観的で曖昧なものになり、成長が停滞するリスクを高めてしまいます。

身だしなみ・マナーに気をつける

営業活動において、身だしなみやマナーは非常に重要な要素です。清潔感のある身だしなみが理想的とされますが、商談相手の業界や慣習も含めて、適切な服装を選ぶことが、プロフェッショナルとしての信頼につながります。

話し方や声のトーンは、話の内容以上に相手の印象を左右する可能性が高く、簡潔でわかりやすい話し方と、聞き取りやすい声のトーンで相手に安心感を与えることが大切です。強制的な営業トークや無理な笑顔は避け、TPOに合った自然体なやりとりが理想的です。

マナーについても形式的な作法だけではなく、柔軟さを持って相手を気遣うことが大切です。例えば、忙しい時間帯の訪問や電話を避け、手短にやりとりできるよう営業先について事前にリサーチしておくようにしましょう。

これらは、営業内容に直接関係するものではありませんが、印象次第で内容の捉え方が異なる可能性があります。できる限り、営業内容を肯定的に捉えてもらえるように気をつけなければいけません。

新規開拓営業を成功させるコツ

新規開拓営業はスキルの高い営業活動ですが、コツを押さえて着実に適切なアプローチを重ねることで成功に繋がります。ここでは、新規開拓営業を成功に導くためのポイントについて解説します。

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顧客の課題・ニーズを正確に把握する

営業活動は、顧客の目線に立つことが基本です。そのためには、営業リストの顧客にただアプローチするだけではなく顧客の情報を調査し、課題やニーズを正確に把握することが重要です。

営業リストは、連絡先や担当者などの基本情報だけでなく、進捗状況や課題、ニーズにつながる情報の記載も理想的です。また、課題やニーズの把握だけでなく、顧客が求めるアプローチの仕方にまで気を配るようにしましょう。

売り込みへと急ぐよりも、丁寧にヒアリングを行いながら、自社の商品やサービスへのニーズが高まるタイミングを見極めてアピールすることが大切です。ヒアリングの中で得た重要な情報は、営業チーム内で共有を徹底しましょう。

自社の優位性を訴求する

成熟した市場では、似通った商品・サービスが多く存在し、顧客にとっては成約を悩む要因となります。他社商材との差別化を図り、自社の優位性を明確に示すことは、顧客にとって後悔のない選択を後押しすることにもなります。

自社の優位性を示すにあたって曖昧な情報提供は避け、具体的な数字や客観的な情報を提供することが大切です。導入実績・導入効果を数値や割合で示すことで、説得力が向上します。

ただし、専門的な情報を一度に全て提供すると、顧客は情報を整理しきれなくなる可能性もあります。顧客の反応を見ながら、柔軟かつ段階的に情報提供を行うことが望ましい場合も考慮しておきましょう。

CXの向上を意識する

CX(Customer Experience)とは、商品・サービスの購入前から購入後までの一連の顧客体験を指し、顧客体験とも呼ばれます。優れた顧客体験ができることは、顧客にとって商品・サービスが価値あるものかどうかと同様に、重要な判断材料となります。

顧客にとって満足度の高い体験は、リピート購買や口コミでの広がりに期待できます。CXを向上させるためには、営業活動において、商品・サービスのアピールだけでなく、顧客とのコミュニケーションやサポート体制など、総合的な体験を伝えることが大切です。

また、個別化された対応やトラブル時の迅速な対応、誠意ある問題解決などもCX向上に寄与します。CX向上は新規開拓だけでなく、長期的な関係を維持する上でも不可欠であり、営業活動の中で意識することが大切です。

営業リスト作成ツールを活用する

営業リストの作成は手作業で行うことも可能ですが、Webの情報を探したり、名刺の情報を整理したりなど時間と労力がかかります。また、情報の正確さを保つためには定期的な更新が必要になり、手作業の更新も労力を要します。

営業リスト作成ツールは、営業先の企業情報を自動で収集し、リストアップするツールです。新規開拓営業を行うためのリスト作成が自動化でき、営業先の絞り込みや情報共有も容易になります。

営業活動は、タイミングによって成果が左右される場面もあるため、迅速な情報共有と効率的な情報管理ができるツールの活用がおすすめです。

おすすめの営業リスト作成ツール|選び方のポイントを詳しく解説

営業リスト作成ツールとは、ターゲットである企業や見込み客の情報をインターネット上から取得して、リストにまとめるツールのことを言います。本記事では、営業リスト作成ツールの導入を検討している方のために、おすすめの営業リスト作成ツールと選び方を解説しています。

まとめ

新規開拓営業は、新たな顧客獲得を通じて企業の成長機会を見つけ、事業拡大の可能性を高める営業活動です。顧客数増加や担当者のモチベーション向上などのメリットがあり、既存顧客減少のリスクを分散する効果もあります。

新規開拓営業は、営業担当者にも高いスキルが求められますが、最も重要な点は情報を生かして効率的・効果的にアプローチすることです。既存顧客の分析から営業戦略を立て、調査した情報から見込み顧客の課題やニーズに適したアプローチを行うようにします。

情報の管理や共有は、迅速かつ効率的であることが求められ、営業リスト作成ツールの活用が推奨されます。ツールによってターゲット企業や優先順位に基づくアプローチが迅速に行えるため、新規開拓営業の成功に寄与するでしょう。

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