コンテンツマーケティングの歴史|各年代の事例とともに解説

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  • コンテンツマーケティングは現在多くの企業で取り入れているが、その歴史は非常に古い
  • 最古のコンテンツマーケティングの事例は、紀元前4200年前の洞窟壁画と言われている
  • 歴史が古くても「顧客に有益な情報を提供する」という本質的な概念は普遍的である

コンテンツマーケティングは現在多くの企業で取り入れているマーケティング手法の1つですが、実はその歴史は大変古いものです。最古の例では、紀元前4200年前にまで遡ります。この記事では、コンテンツマーケティングの歴史を各年代の事例とともに解説します。

目次

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  1. コンテンツマーケティングとは
  2. コンテンツマーケティングの歴史
  3. コンテンツマーケティングの現在と未来
  4. コンテンツマーケティングツールで効率化しよう
  5. まとめ

コンテンツマーケティングとは

コンテンツマーケティングとは、顧客に価値ある情報を提供し、集客をしたり購買へつなげたりするマーケティング手法のことです。コンテンツには、ブログ記事やYouTubeのような動画、SNS投稿、メルマガなどがあります。

現在ではWebサイトやYouTube、SNSなど、インターネットを介してコンテンツマーケティングを行うことが主流でしょう。しかし、インターネットが普及する以前から概念が存在していたのです。

本記事では、コンテンツマーケティングの歴史について詳しく解説します。

コンテンツマーケティングとは?メリット・デメリットや手順を解説

コンテンツマーケティングとは、価値のあるコンテンツを発信することで集客や購入へ繋げるマーケティング活動のことです。低コストで実施でき、作成したコンテンツは企業の資産になります。この記事では、コンテンツマーケティングのメリット・デメリットや手順などを解説します。

コンテンツマーケティングの歴史

コンテンツマーケティングの歴史は、紀元前から始まっていたのではないかといわれています。ここでは、紀元前からの歴史を各年代の事例とともに解説します。

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紀元前4200年前:洞窟内の壁画

コンテンツマーケティングの歴史には諸説ありますが、最古の事例は紀元前4,200年前の洞窟内の壁画ではないかといわれています。

壁画の内容は、「槍で熊から身を守る6つの方法」です。描かれた目的は、定かではありませんが、槍を販売するためではないかといわれています。

もし槍の必要性を伝えるために描いていた場合、「コンテンツマーケティング」という言葉自体は存在せずとも、情報を提供し販売へつなげる概念は存在していたのかもしれません。

1732年:書籍「貧しいリチャードの暦」

時代は進み、古い事例で有名なものは、アメリカのベンジャミン・フランクリンが1732年に創刊した雑誌「貧しいリチャードの暦」です。

「貧しいリチャードの暦」は、ベンジャミン・フランクリンが自身で営む印刷事業を宣伝するために制作されました。日めくりカレンダーのようなもので、勤勉・倹約に関する格言が掲載されていたのです。

本や雑誌に馴染みがない人に読んでもらうために、貧しいリチャードというキャラクターを使って親しみを感じられるよう工夫したといわれています。結果、貧しいリチャードの暦は話題となり、印刷事業を利用する人が増え、雑誌は25年間にわたって発行されました。

1895年:雑誌「The Furrow」

「The Furrow」とは、農機具メーカー「Deere & Company」のブランド「John Deere」が発行している雑誌です。自社製品を販売することが企業の最終的な目的ですが、「The Furrow」ではダイレクトに自社製品を紹介しているわけではありません

農作物の育て方や、農業の技術について掲載されており、農業を営む人に寄り添った情報を提供しているのです。そうすることで、雑誌・企業の信頼が高まり、ファンが増え顧客を増やすことに成功しています。

1895年に創刊され、発行は120年以上経った現在でも続いています。つまり、コンテンツマーケティングとして、長きにわたって成功している事例だといえるでしょう。

1900年:ミシュランガイド

ミシュランガイドは、優れたレストランを掲載したグルメガイドブックです。タイヤメーカーのミシュランがなぜグルメガイドブックを発行しているのか疑問に思う方もいるでしょう。

グルメガイドブックを発行している目的は、ガイドブックを活用して旅先を誘導し、ドライブ需要を活性化して、タイヤの売れ行きを向上させるためです。

ミシュランガイドは今や世界で信頼されるグルメガイドブックであり、読者は紹介されているレストランを求めて出かけます。

このようにミシュランは、タイヤを直接売り込むのではなく、顧客がドライブをする動機づけを提供し、タイヤ販売へつなげるマーケティングに成功している事例だといえるでしょう。

1904年:Jell-oのレシピブック

Jell-oのレシピブックとは、アメリカの食品メーカーであるKraft Foods(現Mondelez International)が、1904年に無料で配布したレシピブックのことです。粉末を溶かし、冷やし固めるフルーツゼラチンミックス「Jell-o」を使ったレシピを掲載していました。

商品が安価で手に入りやすく、作り方も簡単だったことから大ヒットし、配布から2年後の1906年には売上が100億ドルを超えるほどにまで成長しました。

レシピをコンテンツとして発信したことで企業の売上向上につながった、コンテンツマーケティングの成功事例といえるでしょう。

1913年:雑誌「ベンチマーク」

1913年にBurns&McDonnellが発行した雑誌「ベンチマーク」もコンテンツマーケティングの事例の1つです。Burns&McDonnellはアメリカに本社を置く企業で、エンジニアリング、建設、航空事業などさまざまな分野でのサービスを提供しています。

ベンチマークは、技術者向けにエンジニアリングに関するトレンドや専門知識をつけることを目的として発行されました。現在でも発行され続けており、コンテンツを通して、業界全体の知識向上、効率アップに寄与しています。

1922年:シアーズのラジオ番組

これまでの歴史は雑誌での情報発信が多い傾向にありましたが、時代が進むとコンテンツの幅も広がり、新たなコンテンツマーケティングが始まりました。それは、1922年にアメリカの百貨店「シアーズ」が立ち上げたラジオ番組です。

シアーズを設立したシアーズとローバックは、デフレ経済に悩む農民のために農業財団を設立し、農家を支援する取り組みを始めました。

その一環として、シカゴにラジオ局を設立し、ラジオ番組を開始しました。ラジオ番組では、農家向けに天気や農業のアドバイスを提供していたといわれています。

ラジオでの情報提供を通して農家からの信頼を集めたことで、同時に発行していたカタログ販売も成功し、アメリカを代表する大手百貨店へと成長できたといえるでしょう。

1930年:P&Gのラジオドラマ

ラジオを活用したコンテンツマーケティングの事例は他にもあります。それは、1930年代に放送されたP&Gによるラジオドラマです。さまざまな日用品を販売しているP&Gは、昼間に家事をしている女性にアプローチするために、ラジオドラマの提供を始めました。

その結果、P&Gの認知度は高まり売上が向上したのです。P&Gがラジオを活用したマーケティングに成功したことから、他の石鹸メーカーも昼ドラのスポンサーを担うようになりました。

1982年:GIジョーのコミックブック

GIジョーとは、男の子向けに作られた兵士姿の人形のことです。人形を製作しているアメリカの玩具メーカーHasbro社が、GIジョーの売上を高めるためにMarvel社と連携し、コミックブックを制作しました。

キャラクターを活用したコミックブックによるマーケティング手法は、これまでに紹介したThe Furrowやミシュランなどの成功事例を参考にしたといわれています。現在ではアニメ化や映画化がされて認知度も高まり、人気のある玩具、キャラクターへと成長しました。

1987年:レゴの会員向けマガジン

世界的に有名なレゴもコンテンツマーケティングを取り入れています。それは1987年に発行され始めた会員向けマガジンです。現在では「レゴライフマガジン」という名称に変更されて、発行され続けています。

レゴライフマガジンは、5歳〜9歳向けに発行されており、登録すれば無料で手に入れられる雑誌です。レゴの製品紹介や制作のヒントだけでなく、漫画やゲームなどさまざまな情報が提供されており、幼少期からレゴへの親しみを持つきっかけになり得るでしょう。

2000年代~:インターネット普及による変化

2000年代に入るとインターネットが普及し、顧客が自ら知りたい情報を調べられるようになりました。つまり、情報を求める顧客に対して多角的にアプローチできるよう変化したのです。

そのため、紙媒体やラジオでのコンテンツマーケティングから、Webサイト上のコンテンツ発信に移行しました。たとえば、Microsoft社が作った「Channel 9」というブログは、開発者とのコミュニケーション促進を目的に立ち上げられました。

さらに、現代ではスマートフォンが普及したことで、コンテンツマーケティングは多角化し、YouTubeのような動画配信サイトやSNSなどを活用したマーケティング手法が広まっています。

コンテンツマーケティングの現在と未来

これまで解説したとおり、コンテンツマーケティングの歴史は古く、さまざまな手法が生み出されましたが、現代でも「顧客に有益な情報を提供する」という概念の本質は変わりません。

そしてその概念のもと、さまざまな企業が自社製品・サービスに関連する情報を顧客に提供し、顧客との関係構築や売上向上に取り組んでいます。

スマートフォンの普及で活用される媒体が増えたように、今後も媒体は時代に合わせて変化するでしょう。しかし、コンテンツマーケティングは先の未来でも有効なマーケティング手法であると考えられます。

コンテンツマーケティングツールで効率化しよう

コンテンツマーケティングツールとは、コンテンツマーケティングに必要な作業の効率を高めたり、支援したりできるツールのことです。

現代では競合他社もコンテンツマーケティングを実施しているケースが多く、ツールを活用して戦略的に情報発信をすることが求められます。役立つツールは、たとえば競合分析ができるものやキーワード設定、発信後の効果検証などができるものがあげられます。

また、コンテンツマーケティングは効果が出るまでに時間がかかる傾向があります。そのため、できるだけ効率的に作業し、早く成果を出すためにも、マーケティングツールを活用することをおすすめします。

コンテンツマーケティングツールとは?メリットやツールの機能を解説

コンテンツマーケティングツールとは、SEO対策や競合分析、キーワード調査といったマーケティングに関する業務を効率化するツールを指します。本記事では、コンテンツマーケティングツールの機能やメリット・デメリット、選び方のポイントを解説します。

まとめ

コンテンツマーケティングの歴史は、諸説ありますが、紀元前4,200年前の洞窟の壁画が最古ではないかといわれています。

媒体の変化はありますが、現代でも「顧客に有益な情報を提供する」という概念の本質は変わらず、さまざまな企業が顧客との関係構築や売上向上のためにコンテンツマーケティングに取り組んでいます。

しかし、インターネットの普及により市場は複雑化しています。コンテンツマーケティングの取り組みを検討している場合は、より戦略的に情報発信ができるように、コンテンツマーケティングツールを活用するとよいでしょう。

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