OKRとは|KPI・MBOとの違い、導入手順やポイントを解説

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  • OKRは、組織や個人が設定した成果指標を定め、進捗や成功を測るためにある
  • OKRを導入することで、方向性を明確化でき、目標達成に向けて集中して取り組める
  • OKRを運用する際は、導入の目的を明確にし、継続的に行える環境を作ること

OKRとは、目標と成果指標を達成するための目標設定フレームワークです。有名企業も取り入れていることから、近年注目を集めています。本記事では、OKRを導入するメリットや導入手順・効果的な運用ポイントを解説します。OKRの類語や関連語についても紹介します。

目次

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  1. OKRとは
  2. OKRの類語・関連語とその違い
  3. OKRを導入するメリット
  4. OKRの導入手順と運用方法
  5. OKRの効果的な運用ポイント
  6. まとめ

OKRとは

OKR(Objectives and Key Results)とは、目標(Objectives)と、それを達成するための具体的な成果指標(Key Results)を設定し、達成を目指す目標設定フレームワークです。

この手法は、組織や個人が重要な目標に焦点を当て、その達成に向けて具体的な行動を計画し、進捗を測定するために用いられます。OKRの特徴は、具体的な目標を設定し、それを達成するための明確な成果指標を定める点です。

OKRは、組織全体の目標と個人の目標を連携させ、全員が同じ方向を向いて努力する文化を形成することができます。

OKRにおける進捗率とは

進捗率は、OKRの達成度合いを示します。担当者が進捗率を定期的に更新することにより、関係者全員が現在の達成状況を定量的に把握します。高い頻度で振り返りを行うことで、達成のための計画の実施状況を確認し、課題を早期発見・解決します。

OKRでは、必要であれば目標を期間中に変更することも可能です。目標を達成する事だけでなく、達成に向けてどう行動するかなどのプロセスを重要視するフレームワークだからこそ、必要な時には適切な目標を再度設定できます。

OKRが注目されている背景

OKRが注目されている背景には、世界的な大手企業や、有名企業による積極的な採用が挙げられます。Google、LinkedIn、Twitterなどのテクノロジー業界では、OKRを組織運営の核として取り入れ、その効果を実証しています。

特にGoogleの成功事例は広く知られており、OKRの導入が企業の成長と、イノベーションを加速させる一因となったと評価されています。

OKRの類語・関連語とその違い

OKRは、組織の目標設定と達成を支援するフレームワークですが、目標管理に関連する他の用語と比較されることがよくあります。これらの用語にはKPI、KGI、MBOなどがあり、それぞれが組織の目標管理において異なる側面を持ちます。

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OKRの類語・関連語とその違い

  1. OKRとKPIの違い
  2. OKRとKGIの違い
  3. OKRとMBOの違い

OKRとKPIの違い

KPI(Key Performance Indicators)は、最終目標までの組織や部門、個人の現在の業績を測定するための指標です。特定の業務や、プロセスの効率性・効果性を評価するために使用され、組織の短期的な業績管理に焦点を当てています。

主な目的は、既存の業務やプロセスのパフォーマンスを定量的に評価し、改善の必要性を特定することにあります。このように、OKRとKPIは、目標管理と業績評価において異なります

OKRとKGIの違い

KGI(Key Goal Indicators)は、組織の最終的な目標を表す指標であり、組織が達成しようとしている主要な成果を定量的に測定します。

戦略的な目標に対する、達成度を測定することに焦点を当てており、設定した目標がどの程度達成されているかを示します。そのため、長期的なビジョンの実現に向けた進捗を評価し、必要に応じて戦略を調整することが可能です。

このように、OKRとKGIは、目標設定と成果測定において異なります

OKRとMBOの違い

MBO(Management By Objectives)は、組織の管理者と従業員が共同で目標を設定し、その達成を目指すプロセスに重点を置いています。主な目的は、従業員が自分の目標を理解し、それに対する責任を持つことで、組織全体の目標達成に貢献することです。

目標設定のプロセスが重視され、従業員の参加と合意が求められます。そのため、従業員は、自分の仕事が組織の目標にどのように貢献しているかを理解し、より積極的に目標達成に取り組むことが可能です。

このように、OKRとMBOは、目標設定と達成において、アプローチが異なります

OKRを導入するメリット

OKRは、組織の方向性を明確化し、業務の透明性を高め、チーム間の連携を強化することが可能です。また、定期的な成果の評価と、振り返りを通じて、目標達成に向けた集中的な取り組みを促すことができるなどのメリットがあります。

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方向性を明確化できる

OKRでは、目標が組織のビジョンや戦略に基づいて設定され、それを達成するための具体的な成果指標が明確にされます。組織全体で一貫した目標に向かって努力することが可能になり、各部門や個々の従業員が、自分の役割と貢献を理解しやすくなります。

方向性が明確化されることで、組織の意思決定プロセスを効率化し、戦略的な取り組みを加速させることが可能になります。

また、目標が明確であればあるほど、従業員は自分の日々の業務が組織全体の目標達成にどのように貢献しているかを理解しやすくなり、モチベーションの向上にも繋がります

柔軟に調整できる

OKRの目標サイクルは通常3ヶ月ごとになるため、従来の目標管理手法と比較すると短いのが特徴と言えます。そのため、柔軟な調整や変更を行えます。

また、短いスパンでの目標設定は、質の高い目標を立てやすくなります。その結果、目標設定能力が向上するメリットに繋がります。

業務の透明性向上と連携強化に繋がる

OKRによって設定される具体的な目標と成果指標は、進捗と成果を定量的に追跡することを可能にし、組織内の各メンバーやチームが現在どの段階にあるかを明確にします。

そのため、組織内の意思疎通を促進し、個々の責任などを明確にすることができ、全員が共通の目標に向かって努力する環境を作り出します。また、進捗の可視化は、問題の早期発見と対応を可能にします。

さらに、進捗と成果を共有することで、組織内の連携を強化します。共有された目標と成果指標は、チームメンバー間の相互理解を深め、協力的な作業環境を構築することが可能です。

成果の評価と振り返りができる

OKRでは、設定された目標に対して、達成を測定するための具体的な成果指標が用いられます。そのため、組織や個人が目標に対してどの程度進捗しているかを定量的に把握でき、目標達成のための努力が具体的な成果として可視化されます。

客観的な評価を行えることで、組織内での公平性と透明性を保ちながら、個々の貢献と成果を明確にすることが可能です。さらに、定期的な振り返りを行うことで、組織や個人が自身の成長や、改善のために活かすことができます。

目標達成に向けて集中して取り組める

OKRは通常、四半期ごとなどの短期間で設定されるため、この期間内に集中して目標達成のための取り組みを行う必要があります。この短期間での目標設定は、従業員が目標に対して焦点を絞り、具体的な成果を出すための行動を促します。

そのため、従業員は目標を達成するために、迅速な行動を取ることを心掛けるようになります。結果として、組織全体の敏捷性や機敏性が向上し、変化する市場環境や組織のニーズに迅速に対応する能力が強化されます。

OKRの導入手順と運用方法

OKRは、組織全体から個人レベルまでの目標設定と、それらの目標達成に向けた取り組みを包括的に管理します。OKRを導入する場合、まず企業レベルでのOKRを設定することから始まります。

次に、部門やチームレベルでのOKRを設定し、これらが企業レベルのOKRと整合性を持つようにします。また、個人レベルのOKRも同様に設定するなど、導入と効果的な運用のためには、いくつかのステップがあります。

ここでは、OKRの導入手順と運用方法について解説します。

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企業のOKRを設定する

企業のOKRは、組織のビジョンや長期戦略に根ざしている必要があります。目標は野心的でありながら現実的であるべきで、組織全体が共感し、達成に向けて動機付けられる内容でなければなりません。

各目標に対しては、達成を測定するための具体的な成果指標を設定しましょう。この成果指標は、目標の達成度を明確に示すものでなければならず、定量的で測定可能なものであることが重要です。

また、この設定により、組織は目標達成に向けた進捗を具体的に追跡し、必要に応じて戦略を調整することができます。

部門やチームのOKRを設定する

部門やチームレベルでのOKRの設定は、組織全体の目標達成に不可欠です。まず、各部門やチームが、企業全体のOKRと整合性を持つように自身の目標を設定しましょう。

この設定を行うことで、チーム内のコミュニケーションと協力を促進し、メンバー間の透明性と責任感を高めることが可能です。また、定期的な進捗の確認と評価を通じて、目標達成に向けた取り組みを調整し、継続的な改善を図りましょう。

個人のOKRを設定する

個人のOKRは、部門やチームのOKR、また企業全体のOKRと整合性を持つように設定しなければいけません。個人の目標が、組織全体の戦略的な方向性と一致することで、より大きな目標達成に貢献することが可能になります。

また、個人の役割や責任、キャリアの成長目標を反映するものであることが重要です。適切に設定することで、従業員は自分の仕事が組織全体の目標にどのように貢献しているかを理解し、より意味ある仕事に取り組むことができます。

また、個人の成果指標は、自己管理と自己評価のスキルを高め、成長と発展を促します。そのため、定期的な進捗の確認と評価を通じて、個人は目標達成に向けた取り組みを調整し、継続的な自己改善を図ることが可能になります。

設定したOKRを共有する

OKRの共有は、組織内の全てのメンバーが企業や部門、チーム、個人レベルで設定された目標と成果指標を理解し、それぞれがどのように貢献しているかを把握するための基盤になります。

OKRを共有する際には、定期的なミーティングやデジタルツールを活用することが効果的です。例えば、四半期ごとの全体会議や部門会議でOKRの進捗を報告し、フィードバックを受けることができます。

また、オンラインのOKRトラッキングツールを使用することで、組織内のメンバーがいつでもOKRの進捗状況を確認し、必要に応じて協力やサポートを行えるようになります。

フィードバックと改善

OKRのプロセスにおいて、フィードバックや振り返り、改善は、組織の持続的な成長と、成功のために不可欠です。フィードバックは、目標達成のための進捗状況を評価し、必要な調整を行う機会を得られます。

振り返りでは、次のOKRサイクルの設定において重要な学びとなり、組織や個人が過去の経験から成長し、より効果的な目標設定を行うための基盤を作ります。

また、振り返りで得られた洞察を活用し、次のサイクルでの目標設定や戦略立案に反映させることで、効率的にOKRの設定を改善することが可能です。

OKRの効果的な運用ポイント

OKRを効果的に運用するためには、まず、OKR導入の目的を明確にすることが重要です。また、継続的にOKRを行える環境を作るなど、いくつかのポイントを踏まえて運用しましょう。ここでは、OKRを効果的に運用するためのポイントを紹介します。

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導入の目的を明確にする

OKRの目的を明確にすることは、OKRをただの目標設定ツールではなく、組織のビジョンと戦略を実現するための強力な手段として位置づけるために必要です。

目的の明確化は、組織全体が一貫した方向性を持ち、各メンバーがその方向性に沿った目標を設定するための基盤になります。これを行うことで、組織内の全ての活動が統合され、全体としての効果を最大化することができます。

導入目的を明確にするためには、組織の長期的なビジョンと短期的な戦略的目標を理解し、それらをOKRに反映させましょう。

ボトムアップの視点も大切にする

OKRを設定する際には、ボトムアップの視点を大切にすることも重要です。これは、従業員一人ひとりが、自分の役割と責任に基づいて個人の目標を設定し、それが組織全体の目標にどのように貢献するかを理解することを意味します。

従業員が、自分自身の目標を設定することで、モチベーションが高まり、組織全体の目標達成に向けた取り組みが促進されます。ボトムアップの視点を取り入れるためには、従業員が自分の意見や、アイデアを自由に表現できる環境を作ることが不可欠です。

定期的なミーティングなどで従業員の意見を聞き、それを目標設定プロセスに反映させましょう。

継続的に行える環境を作る

OKRを継続的に行うための環境作りには、OKRのプロセスを組織の日常業務に組み込み、定期的なレビューと調整を行う必要があります。継続的な改善の必要性を理解し、OKRを単なる一時的な取り組みではなく、組織文化の一部として定着させることが重要です。

継続的に行える環境を作るためには、OKRの設定とレビューを定期的なサイクルで行いましょう。例えば、四半期ごとにOKRを設定し、進捗を確認し、次のサイクルの目標を調整することが効果的です。

まとめ

OKR(Objectives and Key Results)は、組織の目標設定と成果追跡のためのフレームワークです。この手法は、企業のビジョンと戦略的な目標を明確にし、具体的かつ測定可能な成果指標に落とし込むことにより、組織全体の目標達成を促します。

OKRの導入においては、目的を明確にし、従業員一人ひとりが自分の役割を理解し、組織全体の目標に貢献することが重要です。また、定期的なレビューと調整を通じて、OKRを組織文化の一部として定着させましょう。

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