MBO(目標管理制度)とは?メリット・デメリットや導入時のポイントも解説

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  • MBOとは「Management by Objectives」の略であり、目標管理制度のこと
  • MBOは、社員のモチベーション向上や企業の目標達成の実現性アップに繋がる
  • MBOを導入する際は、明確かつ適度な難易度の目標を設定することがポイント

MBOとは「Management by Objectives」の略であり、目標管理方法の1つです。MBOは、社員のモチベーション向上や企業の目標達成の実現性アップにも繋がります。この記事では、MBOのメリット・デメリットや導入時のポイントなどを解説します。

目次

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  1. MBO(目標管理制度)とは
  2. MBO(目標管理制度)の3タイプ
  3. MBO(目標管理制度)のメリット
  4. MBO(目標管理制度)のデメリット
  5. MBO(目標管理制度)を導入・実施するステップ
  6. MBO(目標管理制度)を上手に活用するためのポイント
  7. MBO(目標管理制度)の注意点
  8. MBO(目標管理制度)には目標管理ツールの導入がおすすめ
  9. まとめ

MBO(目標管理制度)とは

MBOは「Management by Objectives」の略であり、目標を定めてそれを達成することで業務を管理し、成果を評価する管理手法です。わかりやすく言うと、目標を立てることによってタスクの達成度や成果を管理・評価する手法を指します。

MBOは、社員のモチベーション向上や企業の目標達成の実現性アップにも繋がります。この記事では、MBOのメリット・デメリットや導入時のポイントなどを解説します。

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MBO(目標管理制度)が普及した歴史の流れ

MBOはもともと1960年代にアメリカの企業で広まっていた手法であり、それに影響を受けた一部の日本企業が導入したことで日本でも普及し始めました。しかし、この頃のMBOは、評価手法ではなく、社員のモチベーション向上のためのものでした。

その後の1990年代には、より多くの日本企業に導入されています。これには、企業の雇用制度が年功序列型から成果主義型に変化し、成果を重視した評価手法の必要性が高まっていた当時の時代背景が影響していると見られます。

さらに時代は進み、2000年代に突入した現代では、各企業が自社の理念を追求できるよう工夫を凝らしてカスタマイズし、MBOを導入しています。導入率はさらに高まっており、今後もMBOの必要性は注目され続けるでしょう。

KPIとの違い

KPI(Key Performance Indicator)は「重要目標達成指標」を達成するための過程を評価する指標です。KPIは、具体的な業績やプロセスの健全性を示す数値であり、組織の目標達成度や成果を定量的に測定します。

たとえば、売上数、顧客満足度、生産性向上など、目標に向けた進捗を測るための指標がKPIとして使われます。一方、MBOは目標管理方法であり、KPIはその一部です。MBOでは、KPIを使って目標の進捗や成果を評価・管理することが一般的です。

OKRとの違い

OKR(Objective and Key Result)は目標設定と成果評価の手法で、組織や個人が目標を設定し、その成果を定量的に測定するための枠組みです。これはMBO(Management by Objectives)とは異なります。MBOとは、以下のような違いがあります。

OKRとは|KPI・MBOとの違い、導入手順やポイントを解説

OKRとは、目標と成果指標を達成するための目標設定フレームワークです。有名企業も取り入れていることから、近年注目を集めています。本記事では、OKRを導入するメリットや導入手順・効果的な運用ポイントを解説します。OKRの類語や関連語についても紹介します。

評価頻度の違い

OKRとMBOは両方とも目標達成を支援する手法ですが、アプローチが異なります。OKRは短期間での進捗を重視しています。数か月ごとに目標とそれに必要な成果を数字で示し、その都度進捗を評価・調整します。

一方、MBOは長期的な目標管理法です。目標を設定し、1年など長い期間で成果を見極めます。こちらは組織や個人の大きな目標に焦点を置きます。

つまり、OKRは短期的で、目標を達成するための成果を評価・調整します。一方、MBOは長期的で、組織全体の大きな目標に重点を置きます。どちらも目標達成の手段ですが、時間的な観点や目標に集中する期間が異なります。

目標設定の手法の違い

OKRとMBOは、目標設定の手法にも違いがあります。OKRは「SMART」という原則を採用しています。

SMARTは目標設定の基準を示す「Specific(具体的)」「Measurable(計測可能)」「Achievable(達成可能)」「Relevant(関連性)」「Time-bound(時間軸を持った)」の5つの原則から成り立っています。

つまり、目標ははっきりと定められ、数字で評価できる成果に結びつけられます。そして、それが達成できるかどうかが重要で、目標は時間的に限られた期間内に達成できるように設定されます。

MBOでは、目標は組織ごとに異なりますが、具体的で明確かつ現実的な目標の設定が求められます。MBOでは、目標を特定の組織に適した形で具体的に設定し、現実的なレベルに合わせることが重要です。ただし、MBOに決まった目標設定の手法はありません。

目標設定の目的の違い

MBOとOKRの目標設定には、目的の異なる側面があります。OKRは組織の戦略実行とプロジェクトの目標達成、生産性の向上に焦点を当てています。ここでは、目標達成に向けた重要な成果を特定することで、組織全体が一致団結し、目的を達成することに注力します。

一方、MBOは報酬や昇格など、個人やチームのパフォーマンス評価と直結する目標設定に焦点を当てています。個人の成果や業績が評価基準となり、結果に基づく報酬や昇進の判断材料として利用されます。

OKRは組織全体の戦略的な目標を推進し、成果を最大化することに焦点を当てているのに対し、MBOは個人やチームのパフォーマンス評価や報酬決定に重点を置いています。

個人目標を共有する範囲の違い

OKRは部署やプロジェクトレベルの目標を重視しており、会社もしくは部署全体で共有します。これにより、所属する社員が同じ目標に向かって努力することで、チーム全体の連携やモチベーション向上に繋がります。

一方、MBOは個人の目標に焦点を当てています。多くの場合、MBOの目標は直属の上司や評価者と本人の間で共有され、報酬や昇進昇格の判断基準となります。

そのため、MBOの目標は組織内で個人で保持されることが一般的であり、他の社員との共有は制限される場合が多いです。これに対し、OKRはチーム全体が同じ目標に向かって進むことが重視され、その共有性がチームの連携や結束力を高める一因となります。

MBO(Management Buyout)との違い

MBO(Management by Objectives)と同じ略語を持つ用語としてしばしば目にする用語に、MBO(Management Buyout)があります。これらは同じ「MBO」という略語で表されますが、意味は全く異なるため注意が必要です。

MBO(Management Buyout)とは、企業の経営層が金融支援を受けることで、自社の株式や一部事業を買収し、独立することを指します。

MBO(目標管理制度)の3タイプ

MBOは、組織活性型・人事評価型・課題達成型の3つのタイプに分類できます。以下では、それらのタイプについて詳しく解説します。

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組織活性型

組織活性型のMBOは、従業員が自らの目標を設定し、達成に向けて行動することを重視する目標管理手法です。このアプローチは、従業員が自主的に目標を立て、その達成方法や手段も自ら考えるボトムアップのスタイルを特徴としています。

主な利点は、従業員の自主性を尊重し、個々のモチベーションを高められることです。従業員は自らの目標を設定し、達成に向けて自ら考えた手段で努力することで、より満足感や成就感を得やすくなります。

しかし、組織全体の方針や目標設定の一貫性が欠けることが課題とされます。

人事評価型

人事評価型のMBOは、個々の従業員が自らの目標を設定し、成果を評価する手法です。これは、従来の年功序列制度に代わるものとして、バブル崩壊後に導入されました。各人が自分の目標や課題を設定し、それが1年間の仕事の目標となります。

年度末には、それぞれの目標達成度と業務評価を通じて、従業員のスキル向上や能力発展を確認します。このアプローチはボトムアップスタイルで、従業員が自分自身の成長に焦点を当てることが特徴です。

この手法の利点は、個々の従業員が個別に成長することで、組織全体の生産性や能力向上に繋がることです。

ただし、各個人の評価が全体の方向性から外れることで、統一感や全体最適化を失うリスクもあります。そのため、個人の成長と組織全体の方向性を両立させるためのバランスが重要です。

課題達成型

課題達成型のMBOは、組織全体の目標を基盤にし、それに応じて個々の目標を設定する手法です。ここでは、企業が追求する大きな目標を考慮し、個人がその目標達成にどう貢献できるかを考えます。

従業員は自分の役割を把握し、それを組織の目標とリンクさせて自らの目標を設定します。この手法の利点は、組織全体の方向性に沿った個々の目標設定が行えることです。個人の貢献が組織の目的と一致しており、その貢献度を明確に把握できる点が魅力です。

ただし、個々の目標が上から落とし込まれるため、従業員の自主性やモチベーション低下に繋がる恐れがあります。自らの目標を設定する自由度が低いため、関与度が低下することも考慮すべき点です。

MBO(目標管理制度)のメリット

MBOを行うことには数多くのメリットがあります。ここからは、MBOのメリットについて注目して、詳しく解説します。

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従業員が自己統制できるようになる

MBOは、従業員が自ら目標を設定し、達成に向けて動く管理手法です。この仕組みは、従業員に責任感や自主性を育みます。従業員はただ仕事をこなすだけではなく、自分で目標を設定し、その達成に向けて主導権を持ちます。

その結果、自由度が増すため、自分の成果に強い関与感を感じ、目標設定への積極的な参加がモチベーションを高めます。このシステムにより、各人が自己統制を持ち、責任を果たすことで、組織全体の成果向上に繋がります。

従業員が自分の業務に責任を持つことで、組織がより効果的に目標に向かって進むことが可能になります。

組織と個人の目標を統一できる

企業が成功するためには、全てのメンバーが同じ方向を向いて進むことが不可欠です。MBOでは、社員が自らの目標を設定する際に、組織全体の目標に基づいて考えることが求められます。

たとえば、会社が売上向上を目指しているなら、MBOでは社員はその目標に向けて自らの貢献目標を設定します。このようなリンクが生まれることで、個々の目標と組織の目標が結びつき、チーム全体が一体となります。

従業員のモチベーションアップに繋がる

MBOは、社員が自ら目標を設定し、自主的に行動することを重視します。自分で目標を設定し、それを達成することで、従業員は達成感や満足感を得られるでしょう。

多くの場合、他人から与えられたタスクよりも、自分で決めた目標に向かって行動する方がやる気が出やすいです。自分の目標を達成することで、チームや会社に貢献している実感が生まれます。この達成感はやりがいやモチベーションの向上に繋がります。

管理職候補を育成しやすくなる

管理職に昇進するためには、リーダーシップ、計画力、そして組織内での影響力を高める必要がありますが、MBOはこれらのスキルを向上させる機会を提供します。

管理職に必要なリーダーシップや計画力、影響力を高めるためには、自らの目標を設定し、それを達成するプロセスを通して成長を実感することが重要です。自己の成果や改善点を評価し、次の段階へのステップアップを意識することができるでしょう。

企業の目標達成の実現性が高まる

MBOでは、個々の目標が企業の大きな目標と連動しているため、従業員が日々の業務に取り組む際に、自分の目標を意識するようになります。これにより、全員が自らの目標達成を通じて、企業全体の目標達成に貢献するようになるでしょう。

たとえば、課題達成型のMBOでは、各従業員が企業目標を達成するための具体的なタスクや目標を設定します。その結果、従業員は自分の責任範囲内で目標を達成することを意識し、企業目標の達成に向けて個々が貢献することが期待されます。

MBOで重要な「目標の連鎖性」

MBOでは、「目標の連鎖性」という重要な考え方があります。これは、組織内の各階層が繋がり合い、上位の目標が下位の目標に直接影響を与える連動性を指します。

たとえば、経営陣が企業全体の目標を設定すると、それが部門や個々の従業員の目標に影響します。この連鎖性により、組織内の各階層で設定された目標は、全体の戦略とリンクしています。

上位の目標が明確になると、それを達成するための下位の目標設定や行動が展開されます。そして、各階層がその目標に向かって努力し、組織全体が一丸となって目標達成を目指します。

人事評価が容易になる

MBOは、目標設定とその達成度を明確に数値化できる手法です。従業員が自分の目標を定め、それを達成する過程が透明になります。こうした透明性により、成果や進捗状況の客観的かつ数値的な測定が可能です。

目標達成度は、個人の評価に直結します。目標の達成度が評価の指標となり、明確な評価基準が設けられることで、従業員の評価や報酬制度を公平かつ客観的に行えます。

従業員自身が目標を設定するため、各人のモチベーションが高まり、自己成長や業績向上に繋がる環境が整います。

MBO(目標管理制度)のデメリット

MBOは効果的な目標管理手法ですが、その導入にはいくつかのデメリットも考慮すべきです。ここからは、この手法の導入に伴う潜在的な課題や問題点について、解説します。

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職種によっては目標設定が難しい

MBOのデメリットは、一部の職種では目標設定が難しいことです。具体的には、創造的な業務や知識労働に従事する職種で、業績や成果を数値化しにくいケースがあります。

たとえば、アーティストやデザイナー、研究者などのクリエイティブな職種では、作品のクオリティや新たなアイデアの量など、数値化が難しい目標が設定されます。

これらの職種では、単純な数値で成果を評価することが難しく、目標の達成基準を定量的に示すことが複雑な場合があります。

組織力が低下するリスクもある

MBOは、組織全体の連帯感や共有意識が低下する可能性があります。上司や管理者が自身の目標や成果に焦点を当てすぎると、個々の目標達成のみを追求し、チーム全体の成果や連携を軽視するリスクが生じるためです。

この状況が起こると、個々の目標達成を優先するあまり、チームワークや情報共有、相互のサポートなどの重要性がおろそかになるおそれがあります。

特に目標達成が報酬や昇進に直結すると、個人の利益を追求する動機が強まり、チーム全体の利益や目標を見失う可能性が高まります。

MBO(目標管理制度)を導入・実施するステップ

MBOを導入し、効果的に実施するためには、一連のステップを踏む必要があります。ここからは、MBOを導入する上での基本的なステップについての手順やポイントを紹介します。

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企業の理念を共有し目標を設定する

MBO導入・実施のステップの最初は、企業の理念やビジョンを共有し、それに基づいた目標を設定することです。この段階での目標設定は、抽象的ではなく具体的であることが重要です。

全体のビジョンを具体的な目標に落とし込むことで、従業員はより明確な方向性を把握しやすくなります。目標は、従業員が目標達成によって得られる利点やメリットをイメージしてもらえるようにしましょう。

たとえば、企業が「お客様に価値を提供する」という理念を持っている場合、具体的に「顧客満足度を10%向上させる」などの数値目標に落とし込みます。従業員がその目標達成により、顧客からの信頼や会社全体の成長に貢献できることをイメージすることが大切です。

目標達成の計画を立てる

MBO導入後の次の重要なステップは、目標達成のための具体的な計画を立てることです。この計画作成では、目標達成に必要な行動やプロセスを明確に定めることがポイントです。

目標を達成するための具体的な活動やスケジュール、担当者の役割と責任を明示しましょう。具体的な計画を持つことで、目標に向かって進むための方向性が明確になり、従業員が目標に向かって協力しやすくなります。

計画を実行する

計画を実行する段階では、従業員が目標達成に向けて具体的な行動を起こします。この時、計画に基づいた行動を実践することが大切になります。

自分の責任を理解し、行動に移すことが重要です。計画に沿った行動を遂行することで、目標への道筋がより明確になります。また、進捗管理も行いましょう。定期的な進捗評価やチェックを行い、目標達成に向けた進展状況を確認します。

成果を振り返り評価する

MBOの最終段階では、成果を振り返り、従業員が設定した目標の達成度合いを評価します。このステップでは、目標達成度合いを評価するための定量的な基準を確認します。数値化された成果を振り返り、目標達成度を客観的に把握することが重要です。

その際、目標設定時の基準や予測との比較を行い、実際の成果を評価します。こうした振り返りと評価を通じて、従業員は自身の成長や組織全体のパフォーマンスを見つめ直し、次の目標設定や成果向上に活かせます。

MBO(目標管理制度)を上手に活用するためのポイント

MBOは、組織や個人の目標を達成するための効果的な手法です。しかし、ただ導入するだけではなく、MBOを上手に活用するためにはいくつかのポイントがあります。以下では、MBOを効果的に活用するためのポイントを詳しく解説します。

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明確な達成基準を設ける

MBOを活用する際に最も重要なのは、明確な達成基準を設けることです。目標を立てるだけではなく、それを具体的な数値や定量的な基準で表現しましょう。

数値目標を設定することで、進捗状況や達成度を的確に把握できるため、行動計画を立てる際に役立ちます。進捗が可視化されれば、何がうまくいっているのか、どこに課題があるのかが明確になります。

そのため、行動計画を修正し、必要に応じてリソースを再配置したり、戦略を調整したりする柔軟性も持ち合わせることができます。

結果だけでなくプロセスも評価する

MBOを活用する際は、目標達成だけでなく、その達成までのプロセスも評価対象にすることが重要です。適切なプロセスを設計し、実行することで、目標達成の成功確率を高められます。

プロセスの評価は、従業員が目標達成に向かって進む方法や戦略を分析し、効果的な手法を見つけ出すことを支援します。良いプロセスの発見や効果的な実行は、今後の目標設定や業務改善にも生かされ、組織全体のパフォーマンス向上に繋がります。

期限を決める

MBOでは、期限を設けることが目標達成に向けて従業員を促す重要な要素です。期限を決めることで、従業員は目標達成に対して積極的に行動するようになります。これによって、タスクに対する緊張感や意識が高まります。

期限を持つことで、従業員は計画的な行動をとる動機付けが促されます。たとえば、期限を意識して進捗を確認し、スケジュールを調整することで、目標達成に向けた自己管理能力が養われます。

MBO(目標管理制度)の注意点

MBOを上手に活用するためには、注意すべき点がいくつか存在します。これらの注意点を把握し、適切に対処することが重要です。ここでは、MBOを実施する上での注意点について解説します。

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個人の目標を自由に設定できるわけではない

MBOでは、個人の目標を自由に設定できるのではなく、組織の大きな目標を考慮しながら個人の目標を設定します。従業員が、自身の能力や役割に合った目標を設定することは大切ですが、組織目標との整合性が求められます。

このようなバランスを保ちながら、従業員が個人の成長を追求する一方で、組織全体の目標に向けて行動することがMBOの重要なポイントです。

社員自身に目標を決めさせる

MBOでは、上司が一方的に社員に目標を押し付けるのではなく、社員が自らの目標を設定し追求することが重視されます。これは、社員自身がその目標を設定することで、モチベーションが高まり、目標達成に向けた意欲も増すためです。

上司から押し付けられた目標は、社員の意欲や実力に合わないことがあり、結果的に成果が得られないこともあります。そのため、MBOでは社員が自ら目標を設定し、その達成の戦略を考え、自分の成長を実感することが大切です。

適度な難易度の目標設定が必要

適切な難易度の目標設定は、挑戦的でありつつ、達成の可能性も感じられるようなバランスが大切です。目標の難易度が高すぎると、社員は達成が難しい目標に取り組まなければならず、やる気を失うかもしれません。

反対に目標が簡単すぎると、達成が容易すぎてやる気がわかず、成長の機会を感じにくくなるケースがあります。難しすぎず、簡単すぎずの目標は、成長やスキル向上に繋がる挑戦を促し、同時に成功を経験することでモチベーションを保ちます。

MBO(目標管理制度)には目標管理ツールの導入がおすすめ

目標管理ツールは、企業や部署が共通の目標に向かって進捗状況を追跡するためのシステムです。これは、従業員の個々の目標が組織全体の目標とどう繋がっているかを可視化しやすくします。

目標管理ツールが導入されると、目標が明確化されるため、社員はより意欲的に目標に向かって働けるようになります。自らの成果が組織にどれだけ貢献できるのかを把握できるので、自己成長や成果達成に向けたモチベーションも高まります。

目標管理ツールは、組織内での目標の共有と進捗管理を効率化する手段としておすすめです。

目標管理ツールとは?メリット・デメリット、機能や選び方も解説

目標管理ツールとは、社内で設定している目標や進捗状況を管理・評価できるツールです。社員のモチベーション向上や業務効率化に繋がるとされ、多くの企業で導入しています。この記事では目標管理ツールのメリット・デメリットや機能、選び方を解説します。

まとめ

MBO(目標管理制度)は、従業員が個々に目標を設定することでモチベーションを高め、評価に役立てる手法です。業務をただこなすのではなく、MBOを導入することで、従業員は自己成長に向けた目標を持てます。

ただし、人事評価に強く関連するため、運用には慎重さが求められます。誤った評価が行われると、従業員の不満や動機低下に繋がる可能性もあります。そのため、目標管理ツールの導入を検討することで、MBOの効果を最大限に引き出せるでしょう。

目標管理ツールは、目標の共有や進捗の把握を助け、従業員とリーダーのコミュニケーションを円滑にします。これにより、MBOがより効率的かつ効果的に実施できるでしょう。

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