社内SNS導入の効果とは?導入時のステップ・注意点も解説

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  • 社内SNS導入により、業務効率化・コミュニケーション円滑化などの効果が期待できる
  • 社内SNSを導入する際は目的を明確にし、社員が使いやすいツールを選ぶことが重要
  • 社内SNS導入を成功させるためには、他ツールとの使い分けルールや運用体制を整える

社内SNSとは、社員同士のコミュニケーションを目的とした自社専用のSNSです。近年の多様な働き方の普及により利用する企業が増えており、適切に活用すれば業務効率化に繋がります。この記事では、社内SNS導入の効果や導入時に注意すべきポイントなどについて解説します。

目次

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  1. 社内SNSの導入が進む背景
  2. 社内SNS導入の効果
  3. 社内SNS導入のステップと注意点
  4. 社内SNS導入を成功させるためのポイント
  5. まとめ

社内SNSの導入が進む背景

社内SNSとは、利用者を企業内に限定したSNSであり、ビジネスシーンに適した機能が搭載されています。社内SNSの主な導入目的は、企業内のコミュニケーションを円滑に行うとともに、あらゆる情報をリアルタイムに共有することです。

近年では、社内SNSを導入する企業が徐々に増えており、その背景の1つに、従来の電話やメールと比較して、SNSは迅速な情報共有や円滑なコミュニケーションができることが挙げられます。

また、働き方改革の推進などにより、テレワークが普及しオフィス外で働く従業員が増えていることも社内SNS拡大の大きな要因です。従来の方法では、オフィス外で働く人たちとのコミュニケーションが希薄となり、企業への所属意識の欠如が危惧されています。

社内SNSとは?メリット・デメリット、ツールの機能や選び方を解説

社内SNSとは、社内限定で利用できるビジネス用SNSのことです。社内のコミュニケーション不足の解消や迅速な情報共有の手段として役立ちます。本記事では、社内SNSをよく知らない方・導入を検討している方のために、社内SNSのメリットや機能、選び方を解説しています。

社内SNSの導入に失敗する主な原因

コミュニケーションが希薄になっているなどの理由から社内SNSを導入する企業が増えている一方で、社内SNSが定着し、導入に成功している企業は少ないと言われています。

その主な原因は、導入しただけで活用が従業員任せになっていることや、運用ルールが定められていないことにあります。例えば、どのような情報を共有すべきかが明確でなければ、従業員が積極的に社内SNSを利用することは望めません。

また、従来から使用しているメールとの使い分けに関するルールがない状態では、メールと社内SNSのどちらで共有すべきか判断ができず、社内SNSの導入失敗に繋がります。

社内SNS導入の効果

社内SNSは、一般のSNSとは活用の仕方が異なっています。ここでは、社内SNSの活用の仕方に触れながら導入効果を解説します。

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業務効率化に繋がる

社内SNSの利用で、従業員同士のコミュニケーションの円滑化が図れます。それにより正確な情報が即座に共有され、従業員は最新情報を基に効率的に業務が進められます。また、メッセージの閲覧確認もでき、伝達漏れ防止にも効果的です。

社内SNSはチャット機能を搭載している製品が多く、部署内・プロジェクト別・チーム別などのグループで、リアルタイムなコミュニケーションが図れます。外出中でも資料などのデータ共有が行え、グループの業務を効率的に進められます。

また、新規の取引先と商談をする場合では、過去にその企業と取引実績がある従業員をSNSで探して、その従業員から情報を得ることもできます。それにより、初対面の取引先でも安心して営業が行えます。

コミュニケーションを円滑にする

企業の中では、部署内のコミュニケーションは取りやすいですが、部署外や別支所の従業員とコミュニケーションを取りにくいのが現状です。しかし、社内SNS導入により部署外の従業員はもちろん、立場異なる人たちとのコミュニケーション可能にします

各企業には、部署をまたがる業務も多く、他部署の意見を聞きながら進めることで、効率的に行える業務も多くあります。このようなシーンで社内SNSを活用することで、他部署との情報交換が容易になります。

また、経営陣や上司も社内SNSを通じた情報発信ができ、それに対して従業員がコメントやリアクションができるのも社内SNSのメリットです。これにより、経営陣や上司を身近に感じられ、信頼関係の醸成も期待できます。

企業のビジョン・経営方針を浸透させる

上記でも解説したように、社内SNSは経営陣と従業員とのコミュニケーションの活性化にも有効であり、経営陣が社内SNSを活用して、企業のビジョンや経営方針などの浸透を図っている企業も多いです。

規模の大きな企業では、企業のビジョンや経営方針の浸透は難しいですが、社内SNSの利用により、経営陣から従業員一人ひとりに直接配信して周知することが可能です。また、形を変えて繰り返し配信することで、徐々に従業員に浸透していきます。

社内SNSは書面での通知と違い、経営陣が従業員の反応を直接確認することができます。繰り返し配信する場合は従業員の反応に対応しながら、より浸透しやすいメッセージになるように工夫ができ、効果的に伝えることが可能です。

社員のエンゲージメント向上に繋がる

同僚や上司と上手くコミュニケーションが取れない従業員は、職場に愛着が持てずエンゲージメントが低下する恐れがあります。人によって、コミュニケーションを取るのに得手不得手があり、最近ではSNSでのコミュニケーションを好む従業員も増えています

また、テレワークなど対面でのコミュニケーションができない従業員もエンゲージメントが下がりがちですが、そのような従業員とも円滑にコミュニケーションを取れるのが社内SNSであり、さまざまな個性を持った従業員のエンゲージメント向上につながります。

従業員エンゲージメントの向上は、従業員の離職防止にもつながり、企業が抱える課題の一つである働き手不足解消の手立てともなります。

新たな商品・サービス開発に繋がる

個人利用向けのSNSを利用したSNSマーケティングで得たユーザーの声から、新しい商品やサービスの開発に結び付ける取り組みは各企業でよく行われています。しかし、そのユーザーの声を聞く部署と、商品やサービスを開発する部署は異なっているのが一般的です。

それらの複数の部門を簡単に結び付けられるのが社内SNSであり、部署を横断したコミュニケーションの活性化により、スムーズな商品やサービスの開発を可能にします。また、開発部門からも他部署にアイデアを募集するなどして、幅広い商品の開発が期待できます。

ナレッジマネジメントに活用できる

ナレッジマネジメントとは、個人の持つ知識やナレッジノウハウ)を企業全体で共有・活用するとともに、新しいナレッジを創造して企業の知的資産を増やしていく経営手法です。ナレッジマネジメントは、業務の属人化防止やナレッジの継承に役立ちます。

社内SNSでは、チャット機能を使って従業員同士の意見交換や討論、相談が可能であり、ごく自然にアイデアやナレッジの交換が行われます。そして、ナレッジを得た従業員は工夫を加え、新しいナレッジに作りかえて伝承していきます。

ナレッジマネジメントは新人の育成にも有効であり、社内SNSを通して先輩の持つ優れたナレッジを教えてもらうことにも役立てられています。

ナレッジマネジメントとは?意味やメリットをわかりやすく解説

ナレッジマネジメントとは、個人が持つ知識やスキルなどを組織で共有し活用する経営手法です。ナレッジマネジメント導入により、組織力の強化や業務効率化といった効果が期待できます。この記事ではナレッジマネジメントの意味やメリット、実践のステップなどを解説します。

社内SNS導入のステップと注意点

社内SNSの導入は、企業にとって従業員の働き方を変える大きなプロジェクトです。そのプロジェクトを成功させるためには、幾つかの注意点があります。ここでは、その注意点を導入ステップとともに解説します。

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導入目的の明確化・周知

社内SNSの導入を検討し始めたら、まず導入の目的を明確にして、従業員に周知することが重要です。そのために、現在の課題を洗い出し、出てきた課題をどのようにして社内SNSで解決するのか決めていきましょう。

設定する目的は、社内コミュニケーションの活性化・業務の効率化・テレワークの円滑運営など企業によってさまざまあり、目的の違いはツールの選定に大きく影響します。そして、社内SNSの導入で大きな影響を受ける従業員には、丁寧な説明が必要です。

社内SNSを導入しても、活用が進んでいない企業も多くあります。その原因の1つに、従業員が導入の目的を理解していないことが挙げられます。そのため、従業員の活用モチベーションを上げることが、社内SNS導入を成功させる鍵です。

ツールの選定・導入

導入目的の明確化ができたら、その目的の達成に役立つ機能が充実した製品を選定しましょう。高機能なものほどコストがかかるため、自社が必要とする機能に優先順位をつけ、自社の予算と費用対効果を考慮しながら、搭載機能を考えていくのがおすすめです。

また、社内SNSは年齢性別を問わず、従業員全体が使いこなせることで、効果を発揮するものです。そのため、誰もが操作できる扱いやすい製品を選定しなければなりません。また、クラウド型で導入する場合は、ベンダーのセキュリティ対策の確認も重要です。

運用ルールの設定

社内SNSを導入しても盛り上がらないという課題を抱えている企業も少なくありません。その原因の一つに、運用ルールが設定されていない、またはルールが周知されていないことが挙げられます。

運用ルールには、利用可能時間・利用可能範囲・リアクションの規定・メールとの使い分けなどを設定しましょう。あまりに厳しすぎると、従業員が利用しにくくなるので注意が必要です。また、SNSを利用したことのない従業員もいるため、専門用語の多用は厳禁です。

社内SNSのルールとは?必要性や運用ルールの具体例を解説

社内SNSとは社内限定で利用するSNSのことです。コミュニケーション活性化のために導入する企業が増えていますが、効果的に活用するためには運用ルールの設定が必要です。この記事では社内SNSを利用する際に設定すべきルールや設定時の注意点を解説します。

社内SNS導入を成功させるためのポイント

社内SNSの導入には成功事例も多いですが、失敗事例も少なからずあります。失敗事例の多くが、社内SNSの活用が停滞して盛り上がらないというものです。ここでは、失敗事例や活用事例を参考に、社内SNS導入を成功させるためのポイントについて解説します。

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他ツールとの使い分け方を決めておく

社内SNSが盛り上がらない1つの原因として、今までの慣れ親しんだメールやチャットなどの利用が主体になっていることが挙げられます。この場合は、他ツールと社内SNSとの使い分けを運用ルールで決め、周知しておく必要があります。

使い分けを決めるには、社内SNS導入前に、従業員が利用しているコミュニケーションツールの使い方と頻度を把握する必要があります。もし、社内SNSと同じ役割を果たしているツールであれば、従来のコミュニケーションツールの廃止も考える必要があります

社員に具体的な使い方やメリットを伝える

社内SNSが利用されない原因には、従業員の使い方やメリットの理解不足にあることも多いです。社内SNSは、より多くの従業員が利用して効果を発揮します。まずは、すべての従業員が社内SNSのメリットを理解し、使いこなせるようにすることが大切です。

特に年齢の高い従業員の中にはSNSを利用していない人も多く、丁寧な対応が必要です。SNSの利用経験によってグループ分けをすると、理解度に合わせた研修が行え、eラーニングなど何度も見直しができる研修は、不慣れな人に効果的です

プロフィールを充実させる

社内SNSを導入したら、従業員プロフィールを充実させることが大切です。従業員が社内SNSに投稿してもそれが誰かわからないと、リプライやリアクションを起こしにくいため、プロフィールの充実は、社内SNSを盛り上げるための重要な要素と言えます。

プロフィールには、所属部署・経歴・得意分野などを記すとともに、アイコンに顔写真を設定するのがおすすめです。特に別部署・別支所・テレワークの従業員とのコミュニケーションに効果的で、Web会議を行う際に名前と顔が一致し、話しやすくなります。

リアクション・コメントを積極的に活用する

社内SNSの強みは、リアルタイムな双方向の情報交換であり、この強みを十分に発揮させることが社内SNSを盛り上げるためには必要です。それには、リアクションやコメントを積極的に活用できる環境整備が求められます。

投稿者が有用な情報やアイデアを投稿しても、リプライやリアクションがなければ、投稿者の投稿意欲は低下し、社内SNSが盛り上がらなくなるケースはよくあります。そのため、運用ルールの中に、リアクションを送ることを定めている企業も多いです。

また、投稿に対して頭ごなしに𠮟責されたり批判されたりすると、従業員は委縮して投稿をしなくなることも多いです。特に上司の投稿には注意が必要なため、投稿の仕方についてもルール化しておくのがおすすめです

運用体制を整える

社内SNSの活性化には、担当チームをつくるなどの運用体制の整備も重要です。担当チームは、導入効果や費用対効果の測定・運用ルールの見直し・投稿内容の確認などを行い、より効果の高い社内SNSの運用に貢献します。

また、投稿内容に偏りがある場合は、チームから意図的な投稿を行い話題の拡散を図り、より多くの従業員が発言できる環境をつくることも大切です。それにより、従業員の視野も広がり、成長を促すことにつながります。

投稿を強制しない

社内SNSへの投稿を強制したために、従業員が煩わしさを感じ、有効な活用がされていない失敗事例も見受けられます。また、従業員の中には、強制はされていないが強い目的意識が強制感につながり、ストレスを感じてしまう人もいます。

より多くの従業員が利用することで、社内SNSの効果は発揮されます。しかし、投稿は自由意思で行われなければ、本来の目的の達成は叶いません。投稿が少ない場合は、従業員側でなく運営側に問題がある場合がほとんどであるため、注意して運用しましょう

無料トライアルで使用感を確かめる

社内SNSの導入を成功させるには、本格導入前に無料トライアルで実際に使用し、操作性などを確認するのが効果的です。操作性に難がある社内SNSを導入しても、操作性の悪さから従業員に利用されず、導入が失敗するといったケースが非常に多いです。

また、文字の見やすさやリアクションの種類も使いやすさに影響するため、操作性と共に無料トライアルにて確認しましょう。

まとめ

社内SNSは、社員同士のコミュニケーション円滑化を目的としたSNSです。近年の多様な働き方の普及で、企業への導入が進み、大きな成果を上げています。しかし、社内SNSの導入には失敗事例もあり、しっかりとした体制を整えて導入することが不可欠です。

社内SNSの導入を成功に導くには、導入目的を明確にし、操作性に優れたツールの選択が重要です。そして、目的や使い方を従業員に理解させ、気軽に利用できる環境づくりが必要です。まず、社内SNSを運用するためのルールを設定し、運用体制を整えましょう。

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