CMSを構築するには?構築方法や手順、費用などについて解説

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  • CMSは、CMSパッケージを利用するか、オリジナルのCMSを開発することで構築できる
  • CMS構築にかかる費用は、Webサイトの規模や構築方法によって金額や内訳が異なる
  • CMS構築の際は、導入目的やビジョンを明確にし、運用体制を整えておくことが重要

CMS構築とは、Webサイトの運用をサポートする「CMS」を利用するための環境を構築することです。CMSには、専門知識がなくてもWebサイトの運用がしやすいといったメリットがあります。本記事では、CMSの構築方法や手順、費用などについて解説します。

目次

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  1. CMS構築とは
  2. CMS構築の主なメリット・デメリット
  3. CMSの構築方法
  4. CMS構築にかかる費用
  5. CMS構築の手順
  6. CMSを構築する際のポイント
  7. まとめ

CMS構築とは

CMSとは「Contents Management System」の略称で、日本語では「コンテンツ管理システム」を意味します。CMSは、初心者でも簡単にWebサイトの作成・編集・運営ができるシステムのことです。

CMSを活用して、自社でWebサイトを効率的に編集できる環境を整備することを「CMS構築」と呼びます。本記事では、CMS構築のメリットやデメリット、構築方法などについて解説していきます。

CMSとは?導入のメリット・デメリットや選び方をわかりやすく解説

CMSとは、コンテンツ・マネジメント・システムの略称で、Webサイトの専門知識がない人でもコンテンツの編集・更新ができるシステムのことです。本記事では、CMSの概要・メリット・デメリット・選定ポイントなど、CMS導入を検討している方に向けて詳しく解説します。

CMS構築の主なメリット・デメリット

CMS構築には様々なメリットがある一方、デメリットもあります。Webサイトの作成・運営を予定している企業は、CMS構築のメリット・デメリットの両方を理解した上で、導入を検討するのがおすすめです。

メリットデメリット
・専門知識がなくてもWebサイトを作成・運営できる
・運用コストを抑えられる
・SEO対策が行いやすい
・カスタマイズの範囲が限られる
・既存Webサイトからの移行には手間がかかる
・初期費用が高額になりやすい

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CMS構築の主なメリット・デメリット

  1. CMS構築のメリット
  2. CMS構築のデメリット

CMS構築のメリット

CMS構築の代表的なメリットは、専門知識がなくともWebサイトを簡単に作成・運営できる点です。通常であれば、Webサイトを作成・運営するにはマークアップ言語やプログラミング言語、サーバー管理に関する専門知識を有した人材が必要です。

一方のCMSでは、テンプレートを基にしたWebサイト作成が可能なほか、テキストや画像の挿入も直感的な操作で行えます。作成したWebサイトの運営・管理機能も充実しており、利用することで誰でもWebサイトの作成・運営を簡単に行えます。

つまり、専門的な人材を確保するための人件費や、専門業者に委託するための外注費が不要なため、コストを抑えたWebサイト運営を実現できます。また、自社内でWebサイトを一元管理できるため、自社の要件に沿ったSEO対策を行いやすい点もメリットです。

CMS構築のデメリット

CMS構築のデメリットとしては、カスタマイズ出来る範囲が狭い点が挙げられます。CMSを利用してのWebサイト作成では、基本的にテンプレートを利用するためです。具体的には、表示方法の変更や機能の拡張には対応できないケースが多いです。

また、既存のWebサイトからのCMSへのデータ移行に手間がかかる点も、デメリットの1つです。さらに、CMS構築は初期費用が莫大になりやすいという金銭的なデメリットもあります。

ただし、CMSは一度構築してしまえば、その後のランニングコストは比較的かからず、またWebサイト運営による収益も見込めます。コストを考えるときは、一概に初期費用だけを見るのではなく、ランニングコストや収益とのバランスを見極めることが大切です。

CMSの構築方法

CMS構築には、「CMSパッケージの利用」「自社オリジナルのCMSの開発」の2通りの方法があります。それぞれの特徴を理解し、自社に適した方法を選択しましょう。

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CMSパッケージを利用する

ベンダーが独自開発したCMS製品のライセンスを購入、または無償で利用する方法です。CMSに必要な機能は一通りパッケージングされているため、一からシステムを構築する必要がなく、その分の時間や手間を削減できます。

なお、CMSパッケージには「オープンソース型」「オンプレミス型」「クラウド型」の3種類があります。それぞれの特徴・メリット・デメリットを理解し、自社に適したものを選びましょう。

オープンソース型オンプレミス型クラウド型
特徴無料で一般公開されているソースコードを利用し、自社でCMS構築する自社内のサーバーにソフトウェアをインストールし、自社でCMS構築するインターネット上のシステムにアクセスしてCMSを利用する
メリット・自由度の高いCMS構築が可能
・コストが抑えられる
・ユーザー数が多く、使い方や運用方法のマニュアルが豊富
・カスタマイズがしやすい
・オフラインで利用するためセキュリティ性が高い
・開発会社のサポートを受けられる
・自社でのサーバー設置やCMS構築が不要
・開発にかかるコスト・時間を削減できる
・運用・保守・セキュリティ対策は開発会社に一任できる
デメリット・自社でのCMS構築には、専門的な知識・スキルが必要
・開発会社のサポートは原則ない
・自社でのCMSの開発に手間・時間・コストがかかる
・原則として、運用・保守・セキュリティ対策・カスタマイズは自社で行う
・カスタマイズ性が低い
・通信環境が必須
・通信障害やシステムメンテナンスの影響を受けやすい

CMSの種類とそれぞれの特徴・メリット|選ぶ際のポイントも解説

CMSとはWebサイト作成に使われるシステムのことで、オープンソース型・オンプレミス型・クラウド型といった種類があります。この記事では、CMSのそれぞれの種類の特徴やメリット・デメリット、また選ぶ際のポイントを解説します。

自社オリジナルのCMSを開発する

自社内のシステムエンジニアなどがオリジナルのCMSを一から開発する方法です。自社内の要員が不足している場合などは、外部事業者に開発を委託する方法もあります。

オリジナルのCMSを開発するメリットは、自社が求める要件にあわせてCMSをフルカスタマイズできる点です。ページごとに表示を変えたり、機能を拡張したり、柔軟なWebサイト運営を実現できるでしょう。

しかし、自社で開発する場合はそのための人材が必要であり、人件費が高額になる恐れがあります。自社で開発せずに外部事業者に委託する場合は、その発注費用がかかります。加えて、CMS用のサーバーの設置費用や運用・保守の費用が発生する点も留意しましょう。

また、一からCMS構築する場合は、短くとも半年~1年程度の期間を要します。すぐにCMSを運用開始できるわけではないため、ゆとりを持って作業に着手することが大切です。

CMS構築にかかる費用

CMS構築には、一定の費用がかかります。費用はサイト規模・構築方法などによって変動するため、その相場や内訳を理解しておくことが大切です。

ここからは、CMS構築にかかる費用の目安や内訳をご紹介していきます。

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サイト規模別の費用目安

CMS構築の費用は、サイト規模によって大きく変動します。一般的には、サイト規模が大きいほど大掛かりなCMSが必要となるため、費用も高額になる傾向があります。

サイト規模別の費用目安の例は、次の表をご覧ください。

サイト規模費用目安
小規模サイト(5ページ程度)30万~100万円
中規模サイト(~30ページ程度)100万~200万円
大規模サイト(~300ページ程度)200万~500万円

構築方法別の費用目安と内訳

CMS構築の費用は、CMSパッケージを利用する場合と、自社オリジナルのCMSを開発する場合によって、目安が大きく異なります。それぞれの方法の費用目安と内訳をご紹介します。

CMSパッケージの場合

CMSパッケージを利用する場合の費用の内訳は、次のようなものです。

  1. CMS開発・管理担当者の人件費
  2. パッケージの購入費用(オンプレミス型)
  3. サーバー代(オープンソース型・オンプレミス型)
  4. 月額利用料金などのランニングコスト(クラウド型)

オープンソース型のCMSパッケージのソースコードは、無料で利用できることが多いです。ただし、サーバー代やCMSの開発・管理担当者の人件費は、オンプレミス型・クラウド型と同様に発生します。

CMSパッケージ型の中で、費用が比較的安いのはクラウド型です。今回は、クラウド型のCMSパッケージの費用目安をご紹介します。

【クラウド型の場合】

費用項目費用目安
初期費用無料〜100万円
ランニングコスト月額 無料〜10万円

自社オリジナルの場合

オリジナルのCMSを自社内で開発する場合、最も大きな割合を占めるのがシステムエンジニアやプログラマーに支払う人件費です。人件費の目安は、システムエンジニアで約50万〜200万円、プログラマーで約40万〜100万円となっています。

人件費に加えて、サーバーの設置・運用費用など、ITインフラ整備にかかる費用も念頭に置きましょう。一方で、外部事業者に開発を委託する場合は、外注費用が発生します。外注する場合の主な費用内訳と目安について、次の表にまとめました。

ただし、費用目安は、委託する事業者や作成・運営するサイトの規模などによって大きく変動します。

【外注の場合】

費用項目費用目安
要件定義10万~100万円
設計30万~100万円
導入・実装40万〜300万円
運用・保守月額 5,000~2万円

サーバーや教育にかかるコストも忘れずに

クラウド型以外の方法でCMS構築する場合は、CMS用のサーバーの購入・設置・運用・保守のためのコストが発生します。併せて、ルーター・パソコンなどの周辺端末の購入費用や、ネットワークの整備費用も念頭に置きましょう。

また、構築方法に関わらず新しいシステムを導入する場合には、操作方法や運用方法を従業員に教育する必要があります。そのための教育費用・時間・手間がかかる点にも留意が必要です。

CMS構築の手順

CMSを構築するには、様々な手順があります。ここからは、CMS構築の手順のポイントについて解説します。

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要件定義・CMSの選定

要件定義とは、CMSに必要な機能やシステムを明確にする作業です。特に、「機能面」と「反映部分」についての要件定義は、慎重に進める必要があります。機能面における要件定義では、Webサイトの作成・運営に必要な機能の洗い出しを行います。

このとき、CMSを操作する担当者のスキルに合わせて、選定した機能に優先順位をつける必要があります。併せて、CMSやデータを格納するサーバーの選定や、サーバーのスペックの決定も行いましょう。

反映部分の要件定義とは、CMSで編集したコンテンツをWebサイト上でどのように反映させるのか確認する作業です。例えば、1行の文字数・行の間隔・1ページに表示するコンテンツの量を定義します。読者の見やすさを左右する作業のため、丁寧に行いましょう。

要件定義を行った後は、希望の要件に適したCMSを選定します。

Webサイトの設計

Webサイトの設計は、フロント側とサーバー側に分かれて行います。フロント側における設計は、主にWebサイトのデザイン作業となります。フォント・配色・行間・画像の配置などを工夫し、自社の理想のWebページを作成しましょう。

Webサイトのデザインは、読者の視認性や可読性を左右するポイントです。ひいては、サイトのコンバージョン率にも直結するため、読者にとって魅力的で見やすいデザインを心がける必要があります。

一方で、サーバー側のWebサイト設計では、SEO対策を意識したディレクトリ構造を行う必要があります。適切なディレクトリ構造を構築することで、読者の利便性を担保でき、かつ検索エンジンのクローリングを受けやすくなります。

また、自社のWebサイト管理も効率化できるメリットがあります。

CMS開発・導入

自社の要件に沿ってCMSの開発を行います。クラウド型以外では、CMSをインストールするためのサーバーの設置の他、SSL設定・ドメインの設定が必要です。レンタルサーバーの場合は、自社でのSSL設定・ドメイン設定が不要な場合もあります。

この他にも、CMSの開発・導入には、テーマやテンプレートの設定・機能の追加・ワークフローの設計など様々な工程があります。CMSパッケージでは、これらの設定も一定程度パッケージングされているため、開発における工程数を減らすことができます。

テスト・運用開始

CMSの構築後は、Webサイトの動作の確認テストを行います。単体テスト・結合テスト・データ移行テスト・受け入れテストなどを行い、Webサイトの動作状況やバグの有無を確認しましょう。

テストに問題がなければ、いよいよWebサイトの運営を開始します。Webサイト運営開始後は、定期的な効果測定を行いましょう。効果測定の結果に応じて、ページの更新・コンテンツの拡充・機能の拡張なども適宜必要です。

これらの作業を適切に行うことで、PDCAサイクルが迅速化しやすくなります。その結果、より効果の高いWebサイト運営を実現できるでしょう。

CMSを構築する際のポイント

CMS構築を成功させるには、導入目的の明確化・運用体制の整備・適切なサーバー選択・複数の見積もりなどが必要です。各ポイントの内容を解説します。

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CMSの導入目的やビジョンを明確にする

CMSを構築する前に、CMSの導入目的や、CMSの導入によって達成すべきビジョンを明確にしましょう。導入目的やビジョンが不鮮明な場合、CMSの選定・機能要件・制作すべきコンテンツの方向性が定まらないためです。

CMSの導入目的やビジョンは、Webサイト運営上の課題を基に考えるのがおすすめです。例えば、「Webサイトの更新を効率化したい」「Webサイトへの流入数を増やしたい」など、現在抱えている課題・トラブルを改めて洗い出しましょう。

運用体制を整えておく

CMS運用に当たって、運用体制を整備しておきましょう。具体的には、「コンテンツの作成・更新は編集部が行う」「トラブル対応はエンジニアに任せる」など、組織内での役割分担が必要です。

あらかじめ部署ごとの役割を明確にしておくことで、特定スタッフに負担が集中したり、コンテンツの更新が停滞したりするのを防ぐことができます。また、トラブル発生時に迅速に対応するためにも、あらかじめ責任の所在を明らかにしておく必要があります。

併せて、CMSの運用開始前に、コンテンツをある程度用意しておくことも大切です。SEOを強化するには、コンテンツの定期的な配信が重要となるためです。

Webサイト運営開始直後は、思わぬトラブルが起こる可能性が高く、コンテンツ作成にまで手が回らないことも考えられます。いわゆる「ネタ切れ」にならないよう、運用開始前にストックを作っておきましょう

ストック分のコンテンツは、作成作業を他スタッフに引き継ぐ際の見本にできるメリットもあります。特にコンテンツ作成の外注を予定している場合は、自社が求めるコンテンツの方針やレベルを理解してもらうためにも、見本作りが重要となります。

サーバーの選択は慎重に行う

CMSはサーバーに格納して運用するため、サーバーの選択は慎重に行いましょう。サーバーの種類は、「オンプレミスサーバー」と「レンタルサーバー」の2種に大別できます。

オンプレミスサーバーは自社内に設置するため、柔軟にカスタマイズできるのが魅力です。レンタルサーバーは、開発済みのサーバーをレンタルして利用する形態で、「共用サーバー」「専用サーバー」「VPS」「クラウドサーバー」などの種類があります。

サーバー導入の手間や時間を節約したい企業は、手軽に導入できるレンタルサーバーが適しているでしょう。ただし、自社の希望に合わせた機能の拡張・修正やアップデートが難しい点に留意が必要です。

なお、いずれのサーバーを選ぶにしろ、サーバーのスペックに注意する必要があります。スペックが低いサーバーの場合、アクセスが集中した際に動作処理が遅くなりやすく、ユーザーの利便性が下がる恐れがあるためです。

ユーザーの途中離脱を防ぐためにも、ある程度のアクセスに耐えうるスペックを備えたサーバーを選定しましょう。このとき、自社がどの程度のアクセス数を見込んでいるのか、予測を立てることが大切です。

CMSにおけるサーバーの役割とは?サーバーの種類や選び方も解説

CMSを使ってWebサイトを構築するには、サーバーが必要です。サーバーはWebサイトを表示させるだけでなく、データの保管やメールの送受信にも使われています。この記事では、CMSとサーバーの関係性やサーバーの種類・選び方などを解説します。

複数のパターンで費用を見積もる

CMSを構築する際は、CMSツール・搭載機能・サーバー・ドメイン別に複数パターンの見積もりを出し、比較するのがおすすめです。

特に外部事業者にCMS開発を委託する場合は、自社に不利な契約とならないように、複数の業者への相見積もりを依頼するべきでしょう。なお、CMS構築には様々な手順があり、事業者によっては、特定の工程にオプション料金が発生することがあります。

予想外の支出を避けるためにも、事業者がどの範囲まで請け負うのかを確認しましょう。そして、見積もりは、オプション料金も含めたトータルコストで考えることが望ましいです。

まとめ

CMSは、Webサイトの作成や運営を効率化できるシステムです。CMSを導入し、活用できるよう整備することをCMS構築と呼びます。CMS構築には、要件定義・CMSの選定・Webサイト設計・CMSの開発・テストなどの様々な手順が存在します。

これらの工程を省略し、手軽にCMSを導入したい場合は、ベンダーが開発したCMSパッケージを利用する方法がおすすめです。なお、CMSを効果的に運用するには、あらかじめ導入目的やビジョンを明確にし、運用体制を整えておくことが肝要です。
また、CMSの動作状況はサーバーの種類やスペックに大きく左右されるため、サーバーの選定は慎重に行う必要があります。コンバージョンの向上や売上の拡大を狙う企業は、Webサイトを効率化できるCMSの構築・導入がおすすめです。

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