PBXの転送機能とは?機能の種類や転送の方法・注意点も解説

Check!

  • PBXの転送機能には、主に内線転送・外線転送・不在転送といった種類がある
  • PBXで外線転送を行うと、転送先には発信元の番号がわからないため注意する
  • クラウドPBXであれば転送時の通話料がかからず、複数の転送先を設定できる

PBXには、電話の転送機能があります。基本の内線転送や外線転送はもちろん、不在転送を使えば、電話に出られない際にも無応答転送などで対応できるため便利です。本記事では、PBXの転送機能の種類や転送方法、外線転送に関する注意点などを解説します。

目次

開く

閉じる

  1. PBXの転送機能とは
  2. PBXの転送機能の種類
  3. PBXの外線転送に関する注意点
  4. 外線転送が多いならクラウドPBXがおすすめ
  5. まとめ

PBXの転送機能とは

PBX(Private Branch Exchange)は、複数の電話機を接続し、内外の通話を円滑に制御する電話交換機のことです。1つの電話番号に複数の電話機が接続され、外部からの電話を受け取ったり、内線同士で通話を転送したりすることができます。

PBXには転送機能も搭載されており、受話者が不在であっても他の電話機に着信を転送できるため、迅速なコミュニケーションにつながります。 PBXは、ビジネス環境において効率的で柔軟な通信を実現する重要なシステムです。

PBXとは?メリット・デメリット、機能などをわかりやすく解説

PBXとは、企業内の電話交換機を意味し、複数の電話回線を集約して、内線同士や外線と内線の接続をコントロールするシステムです。PBXには3種類あり、コストやメリットなどが異なります。本記事では、PBXの選び方や種類ごとのメリット・デメリットを解説しています。

PBXの転送機能の種類

PBXの転送機能にはいくつかの種類が存在し、ビジネス環境において通話の効率や柔軟性を向上させるために利用されています。ここでは、3つの転送機能について解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

PBXの転送機能の種類

  1. 内線転送
  2. 外線転送
  3. 不在転送

内線転送

内線転送はPBXの機能の1つであり、電話が特定の内線にかかってきた際に、その通話を他の内線に転送する仕組みです。これにより、オフィス内で効率的なコミュニケーションを実現できます。一般的な使い方については以下の通りです。

  1. 電話に出る
  2. 内線転送ボタンを押す
  3. 転送先の内線番号を押す
  4. 転送先に電話の相手や要件を伝える
  5. 転送先が外線ボタンを押し、通話を再開

内線転送が行えることで、柔軟な業務対応が可能となり、内部コミュニケーションの円滑化にもつながります。

外線転送

外線転送とは、外部からかかってきた電話を別の電話番号や内線に転送する仕組みです。この機能には、主に外線手動転送と外線自動転送の2つのタイプがあります。

外線転送機能は、業務フローの効率化や柔軟な対応を可能にし、スムーズなコミュニケーションを促進します。以下、2種類の外線転送機能について解説します。

外線手動転送

外線手動転送は、スタッフが外部からの電話を受けた際に、手動で通話を別の電話番号や内線に転送する機能です。外線手動転送の一般的な使い方としては、下記のようになります。

  1. 外線の着信を受ける
  2. 保留ボタンを押す
  3. 転送先の番号を選択する
  4. 転送先に電話の相手や要件を伝える
  5. 「接続」または「転送」ボタンを押して外線を転送する

外線手動転送は柔軟かつ迅速な業務対応を可能にし、効率的なコミュニケーションをサポートします。

外線自動転送

外線自動転送は、PBXが外部からの電話を自動的に指定された別の電話番号や内線に転送する機能です。一般的な外線自動転送の機能と使い方は、下記の通りです。

  1. 就業時間外・休日・外出前に外線自動転送設定を行う
  2. 外線の着信を受けると設定された番号に自動的に転送される
  3. 転送された端末から通話する
  4. 不要な場合は外線自動転送設定を解除する

外線自動転送は、効率的な通話の取りまとめや業務フローに合わせた柔軟な対応を可能にし、待ち時間を減らしたスムーズなコミュニケーションを実現できます。

不在転送

不在転送は、通話を受けることができない状態である際に、自動的に他の電話番号や内線に通話を転送する機能です。通話の途中で効果的に他の場所や担当者に通話を転送し、迅速な対応を可能にします。以下に、不在転送の3つの種類を解説します。

無応答転送

無応答転送は、通話が一定時間内に応答されなかった場合に、自動的に他の電話番号や内線に通話を転送する機能です。通常、設定された時間内に通話が応答されないと、無応答と判定され、あらかじめ設定された転送先に通話が自動で転送されます

この機能は、受話者が一時的に電話に出られない場合や、緊急時に迅速な対応が求められる場合に役立ちます。無応答転送を利用することで、通話を逃さずに追跡し、業務効率を向上させることができます。

話中転送

話中転送は、通話中の電話がある場合に新たな通話を受信すると、その通話を別の電話番号や内線に自動で転送する機能です。通話中に他の電話がかかってきた際、ユーザーが設定した転送先に通話を転送することができます

これにより、重要な通話を逃すことなく、複数の通話の同時処理が可能です。話中転送は、ビジネス環境での効率的な通話処理をサポートし、機会損失を防ぎつつ、顧客対応や連絡業務の円滑な運営に貢献します。

ツインコール外線転送

ツインコール外線転送は、内線電話機と設定されたスマートフォンなどの両方に着信を同時転送する機能です。担当者がオフィス外にいる場合でも、内線電話機への着信が指定した電話機にも同時転送されるため、担当者はオフィス外でも業務に対応できます。

その結果、重要な通話を逃さず迅速に対応することが可能です。ツインコール外線転送は柔軟性を持ち合わせていることから、効率的な業務遂行に貢献します。

PBXの外線転送に関する注意点

外線転送はPBXシステムにおいて業務の柔軟性を高める重要な機能ですが、使用する際は注意が必要です。慎重な設定と定期的な点検が、外線転送を円滑かつ安全に運用するために重要となります。ここでは、PBXの外線転送に関する注意点について解説します。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

通話料が発生する

外線転送を利用する際には、通話料が発生する点に注意が必要です。外線転送の利用に応じて通話料が発生します。 特に、長時間や頻繁に利用することが予想される場合、通話料金の管理が必要となります。

したがって、通信事業者の通話料金体系や契約内容を確認し、通話パターンに基づいて最適な通信プランを選択しましょう。注意深く通信費の管理を行い、無駄なコストを削減することが長期的なPBXの利用において重要です。

転送先には発信元がわからない

PBXの外線転送では、転送を受ける側は発信元の番号がわかりません。つまり、転送先には発信元の情報が表示されず、通話相手を事前に識別できないため注意しましょう。

特に、セキュリティやプライバシーの観点から、不審な電話や詐欺の可能性がある場合には慎重に対応する必要があります。外線転送を利用する際、受信者は不明な電話番号に対して慎重な対応を心掛け、必要に応じてセキュリティ対策を強化することが望ましいです。

電話回線が2本以上必要

PBXの外線転送は、外線着信を受ける回線と転送する回線を別々に利用するため、電話回線が2本以上必要です。片方が通話中でも、もう一方の回線を使用して新たな着信を処理でき、同時に複数の通信が可能になります。

複数の回線を使って同時に通話や転送が行えるため、業務の効率性が向上します。ただし、複数回線の利用には通信コストがかかる点に留意しましょう。

外線転送が多いならクラウドPBXがおすすめ

外線転送が多い企業には、クラウドPBXの導入がおすすめです。クラウドPBXは柔軟性が高く、外部への転送がクラウド上で簡単に行えます。

外部からの通信や外部転送においても高い信頼性があり、複数の通信チャネルを柔軟に利用できるため、同時に多くの外部転送を処理できます

また、クラウドPBXはインフラの管理やメンテナンスが提供元によって行われるため、企業は自社のシステムに専念でき、外線転送におけるスケーラビリティが向上します。これにより、業務の拡大や変化に柔軟かつ迅速に対応でき、通信コストの最適化も図れます。

外線転送が頻繁な環境において、クラウドPBXは効果的なコミュニケーション基盤となります。以下では、クラウドPBXの具体的なメリットについて解説します。

クラウドPBXとは?機能やメリット・デメリットなどを解説

クラウドPBXとは、インターネットに接続して利用できるオフィス向け電話システムです。クラウドPBXの導入で、社外からでも会社宛の電話に出られたり、通話料の削減ができたりします。本記事では、クラウドPBXを導入するメリットや選び方などを解説しています。

\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/

転送の通話料がかからない

クラウドPBXは通信をインターネット経由で行うため、内外の通話をデータ通信として利用でき、通話料がかかりません。よって、企業は通信コストを抑えながらも柔軟な通信環境を構築できます。

一般的な電話回線と比較しても、クラウドPBXは通信のデジタル化により、高品質かつ安価に提供されます。特に、多くの外部転送が発生するビジネスにおいて、通話料のかからないクラウドPBXはコストを実現し、効果的なコミュニケーション基盤ともなり得ます。

転送元にも発信元がわかる

転送元で発信元が把握できる点も、クラウドPBXのメリットの1つです。クラウドPBXはデジタル技術を駆使し、通話データがクラウド上で管理されます。この仕組みにより、転送された通話発信元情報が保持され、転送元が着信時の発信者情報を把握できます

従来の電話システムでは、転送先が外線転送時に発信元の番号を把握しにくいという課題がありました。しかし、クラウドPBXはデジタルデータとして情報を取り扱うため、通話データが途切れず、転送元が正確な情報を取得できます。

通話データを管理することで、ビジネスコミュニケーションの円滑性を向上させ、効率的な業務運営のサポートとなるでしょう。

複数の転送設定ができる

クラウドPBXは、転送先を複数設定することができます。クラウドPBXはデジタル技術を利用しており、通話データがクラウド上で管理されるため、転送先の設定が容易に行えます。これにより、ビジネス環境の変化や従業員の動向に合わせて複数の転送先を設定可能です。

例えば、従業員がオフィス外で業務を行う場合や一時的な変更が生じた場合でも、柔軟に転送先を変更できます。さらに、複数のデバイス・場所に同時転送することも可能です。転送先複数設定で業務を効率化し、従業員が効果的に働くための環境を整えられます

会社番号で折り返しが可能

通常の電話応対では、問い合わせ相手が不在または電話に応対できなかった際、折り返しの電話を行うことがあります。ただし、従来のビジネスフォンでは、外出先からなど手持ちのスマートフォンでは会社番号を使用した折り返しが行えません。

その点、クラウドPBXであれば、スマートフォンからでも会社番号を使用して電話をかけられるため、折り返しまでの時間を短縮することができます。また、電話応対のためだけに帰社する必要がなくなり、手間と時間の削減も可能です。

リモートワークに対応できる

クラウドPBXの導入により、オフィスに固定された電話以外にも、手持ちのスマートフォンでの電話応対が行えます。そのため、近年の働き方改革の推進に合わせたリモートワークにも対応することが可能です。

リモートワークへの柔軟な対応ができない場合、従来までの電話応対ではオフィスに勤務する従業員に業務負担が偏る傾向にありました。しかし、クラウドPBXを活用することで、公平性のある外線転送を行える点も大きなメリットです。

まとめ

PBXは複数の電話機やデバイスを接続し、外線の振り分け・内線の転送を行なう通信システムです。PBXを導入することで、複数の電話機で着信の仕分けや転送が可能になります。

ただし、外線転送においてはいくつか注意点があります。まず、外線転送には通話料が発生します。また、外線転送を行うと転送元の電話番号が転送先には表示されず、外線転送には電話回線が2本以上必要となります。

外線転送が多い環境では、クラウドPBXがおすすめです。クラウドPBXでは通話料が発生しないため、転送元でも発信元が確認でき、複数の転送設定が柔軟に行えます。その結果、業務効率の向上や柔軟性の高い通信環境が整います。

ビジネス環境の変化に柔軟かつ効果的に対応するためには、PBXの転送機能を最大限に活用することが、効果的な通信環境構築の一環となるでしょう。

Share

top