クラウドPBXにかかるコストは?料金体系を交えて費用目安を解説

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  • クラウドPBXには、導入時の初期費用と利用料などの月額費用が発生する
  • クラウドPBXは、従来型のシステムに比べて初期費用が安く、導入しやすいことが魅力
  • クラウドPBXを導入する際は、複数のサービスのトータルコストを比較して検討する

多くの企業で導入されているPBX(電話交換機)ですが、近年ではインターネットを介して利用できるクラウドPBXが主流になりつつあります。本記事では、クラウドPBXにかかるコストについて、料金体系や費用目安、気をつけたいポイントなどを交えて解説します。

目次

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  1. クラウドPBXにかかるコストとは
  2. クラウドPBXの初期費用の内訳と相場
  3. クラウドPBXの月額費用の内訳と相場
  4. クラウドPBXは初期費用が安いことが魅力
  5. クラウドPBXは内線・転送が無料で使える
  6. クラウドPBXのコストを左右する要素
  7. クラウドPBX導入時のコストに関するポイント
  8. まとめ

クラウドPBXにかかるコストとは

クラウドPBXは、電話交換機の機能を、インターネットを通じて提供するサービスです。従来のPBXシステムと比べて、クラウドPBXは設備投資の削減ができます。近年では、多くの企業がコスト効率と利便性を重視し、クラウドPBXへの移行を進めています。

クラウドPBXの導入時には初期費用が必要になりますが、従来型のPBXシステムと比較すると低額です。また、利用者数や利用する機能に応じた月額費用が発生します。

クラウドPBXを導入する際は、この初期費用と月額費用を含めたトータルコストを慎重に比較検討することが重要です。

クラウドPBXとは?機能やメリット・デメリットなどを解説

クラウドPBXとは、インターネットに接続して利用できるオフィス向け電話システムです。クラウドPBXの導入で、社外からでも会社宛の電話に出られたり、通話料の削減ができたりします。本記事では、クラウドPBXを導入するメリットや選び方などを解説しています。

クラウドPBXの初期費用の内訳と相場

クラウドPBXを導入する際の初期費用には、システム設定や構築に関わる技術的なサービス料金、必要に応じたハードウェアの購入費用、サポートに関わる費用が含まれています。

クラウドPBXは物理的な設備を設置する必要がなく、システムのカスタマイズや統合に関連するものが主な費用となり、初期設備投資が抑えられます。初期費用の相場については、サービスプロバイダやパッケージによって異なります。

小規模なビジネス向けの基本的なプランでは、数十万円程度の初期費用で導入が可能なことが多いです。一方、大規模な企業や複雑なシステム統合を必要とする場合、初期費用は高額になることもあります。

クラウドPBXの月額費用の内訳と相場

クラウドPBXの月額費用は、主に月額基本料金、通話料、オプション料金から構成されます。月額基本料金は、クラウドPBXサービスを利用するために必要な固定費であり、利用するユーザー数や機能に応じて変動します。

また、通話料は実際に発生した通話の利用量に基づいて請求されます。プランによっては一定量の無料通話が含まれることもあります。オプション料金とは、基本サービスに加えて利用する追加機能に対する費用です。

例えば、高度な通話録音機能、CRMとの統合、カスタムIVR(インタラクティブ・ボイス・レスポンス)など、特定のニーズに合わせた機能を追加する際に発生します。

料金
月額基本料金1,500円~3,000円
通話料固定電話:3分8円~
オプション料金・録音機能:2,000円~3,500円
・IVR機能:1,500円〜3,000円

クラウドPBXは初期費用が安いことが魅力

クラウドPBXの魅力の1つは、比較的初期費用が安い点です。物理的な交換機やその他のハードウェアを自社で設置する必要がないため、従来型の電話システムに比べて、初期設備投資が削減できます。

一方、ビジネスフォン、レガシーPBX、IP-PBXなどの従来型システムでは、必要となる初期費用がそれぞれ異なります

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クラウドPBXは初期費用が安いことが魅力

  1. ビジネスフォンの場合
  2. レガシーPBXの場合
  3. IP-PBXの場合

ビジネスフォンの場合

ビジネスフォンシステムは、企業内の通信環境を構築するために専用の交換機(主装置)と、ビジネス用電話機が必要です。主装置は電話回線と内線を繋ぐ中心的な役割を果たし、電話機はそれぞれの部署やデスクに配置され、社内外の通話に使用されます。

これらの機器の購入費用は選択するシステムの規模や機能によって異なりますが、小規模オフィスの場合で数十万円から、大規模なオフィスや複雑なシステムが必要な場合には数百万円の範囲になることが一般的です。

また、主装置や電話機の購入費用の他に、設置に伴う工事費が発生します。この工事には専門的な知識と技術が必要であるため、専門の業者に依頼しなければいけません。工事費用も規模によって異なりますが、数万円から数十万円程度がかかります。

レガシーPBXの場合

レガシーPBXシステムの導入では、本体となるPBX機器、電話機の購入費用、設置に伴う工事費が主な初期費用です。レガシーPBXは古くからある電話交換システムであり、企業が自社内に物理的な交換機を設置する必要があります。

機器本体の購入費用は、数百万円かかることが多いです。また、社内の各所に配備される電話機の購入も必要です。さらに、既存の建物に新たな配線を施す必要がある場合、工事費用は百万円近くになることもあります

レガシーPBXは安定した通信環境に期待できますが、初期投資が大きくなる可能性が高いです。

IP-PBXの場合

IP-PBXシステムには、ハードウェア型とソフトウェア型の2種類があります。ハードウェア型の場合、オフィス内に専用機器を設置する必要があります。一方ソフトウェア型は、既存のサーバーに専用のソフトウェアをインストールすることで機能します。

費用の目安としては、ハードウェア型で数十万円から数百万円、ソフトウェア型では数万円から十数万円程度です。さらに、IP電話機の購入も必要となります。IP電話機の価格は、1台あたり数千円から数万円程度が相場です。

また、IP-PBXシステムの場合、運用には安定したインターネット接続が不可欠であり、そのためのインターネット利用料も考慮する必要があります。

クラウドPBXは内線・転送が無料で使える

クラウドPBXは、月額を支払えば内線・転送は無料で利用できます。ビジネスフォンでも内線通話は無料ですが、社内の主装置に対応した電話機でしか使えません。しかしクラウドPBXなら、オフィス外にいる社員とも無料で内線通話が可能です。

またビジネスフォンでは転送先は1つに限定されますが、クラウドPBXは複数の端末に無料で転送できます。顧客を待たせることなく対応可能となり、大幅なコストカットも実現します。

クラウドPBXのコストを左右する要素

クラウドPBXの費用は、提供される機能の数やサービスの種類、契約する回線数やユーザー数、価格設定方法の違いなど、提供元や利用状況によって異なります

このようなコストを左右する要素を総合的に考慮し、ビジネスのニーズに合った最適なクラウドPBXサービスを選択することが、コスト効率の良い運用に繋がります。

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機能やサービスの違い

クラウドPBXの料金は、基本的な通話機能に加えて、ビデオ会議、自動応答システム、通話録音、他システムとの統合など多様な機能が提供されています。このような機能が増えるほど、導入費用が高くなります。

例えば、基本的な通話機能のみを提供するプランは比較的低価格ですが、高度なビジネスニーズに対応するための追加機能が含まれるプランは、それだけ料金が上昇します。また、サポートの質や充実度もコストに影響を与える要素です。

24時間365日のサポートや専任の担当者、カスタマイズ可能なソリューションといった充実したサポートサービスを提供するプロバイダは、料金が高めに設定されています。

契約する回線数やユーザー数

クラウドPBXはユーザー数が多く、回線数が多いほど必要となるリソースが増加し、料金も高くなります。そのため、ビジネスの規模に応じて柔軟に拡張できる利点があり、必要な分だけのサービスを選択し、無駄なコストを避けることが可能です。

例えば、小規模なビジネスであれば、初期費用は比較的安く、月額費用も抑えられます。一方、中規模のビジネスではより多くの機能やサポートが必要となるため、より多くのコストがかかります。

初期費用月額費用
小規模(5~10名程度)1万円~2万5千円数千円~2万円
中規模(30名前後)3万円~数万円~

価格設定方法の違い

クラウドPBXの料金体系は、提供元によって大きく異なります。一部のプロバイダでは、初期費用を抑え、月額料金を中心とした価格設定を採用しています。初期投資を抑えたい小規模ビジネスや、スタートアップにとって魅力的です。

一方、初期費用を高めに設定し、その後の月額料金を低く抑える方法を取るプロパイダもあります。これは長期的にシステムを利用する大規模なビジネスや、安定した月額コストを好む企業に適しています。

また、高度な機能やカスタマイズオプションを提供するプロバイダは、これらの追加サービスに対して、別途料金を設定している場合があります。これに対し、基本的な機能のみを提供するプロバイダは、シンプルで低コストな価格体系を採用することが多いです。

クラウドPBX導入時のコストに関するポイント

クラウドPBXを導入する際は、まず自社がクラウドサービスを効果的に利用できる環境かどうかを確認することが重要です。また、デバイス購入費や追加料金も試算しておきましょう。

さらに、複数のサービスを比較検討し、将来的なビジネスの拡張も視野に入れた計画を立てる必要があります。

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自社がクラウド向きか再度確認する

クラウドPBXは、従来型のPBXシステムやIP-PBXに比べて初期費用を大幅に抑えられます。しかしユーザー数に基づく料金や追加機能の利用料など、毎月のランニングコストがかかるため、全体的なコストを把握することが必要です。

レガシーPBXやIP-PBXの場合、初期設備投資は高額ですが、長期的にはランニングコストが安定し、総コストが低くなる場合があります。特に通話量が多く、安定した通信環境が求められる大規模なビジネスでは、適した選択となることもあります。

導入に失敗しないために、自社のビジネスモデルや将来的な成長計画を考慮し、通信ニーズや利用状況を再度確認しましょう。

デバイス購入費や追加料金も試算しておく

クラウドPBXシステムでは、従来型の電話システムとは異なり、専用のIP電話機や適合するヘッドセットなど、新たなデバイスが必要になる場合があります。これらのデバイス購入には、企業の規模や必要とされるデバイスの数に応じた追加費用がかかります。

また、基本プランには一定量の通話分や機能が含まれていますが、それを超える利用が発生した場合、追加料金がかかることがあります。例えば、時間超過による通話料金の追加やフリーダイヤルなどの特定の電話番号を利用する際の追加料金です。

このような追加料金は利用状況に応じて変動するため、事前にプロバイダの料金体系を詳細に確認し、試算しておきましょう。

「BYOD」でコスト削減

BYOD(Bring Your Own Device)とは、従業員が自身のスマートフォンやタブレット、ラップトップなどのデバイスをビジネスの場で使用することを指します。この場合、企業が従業員用のデバイスを購入する必要がありません。

そのため企業側はデバイス購入費を削減でき、財務上の負担が軽減されます。しかし、従業員の個人デバイスをビジネス環境に統合することは、セキュリティリスクやデータ管理の課題が生じるので、運用には注意が必要です。

複数のサービスを比較検討する

各サービスプロバイダは、料金体系、提供する機能、サポートの質などで異なります。そのため、一見同様のサービスであっても、トータルコストや利便性に大きな差が生じる可能性があります。

単に月額費用の安さだけでなく、サービス内容の充実度、追加機能の費用、通話料金の体系など、総合的なトータルコストを見積もって検討しましょう。

通話品質も確認する

クラウドPBXはランニングコストを安く抑えられる一方で、通話品質が良くないサービスもあります。料金が安くても通話品質が悪ければ顧客満足度の低下を招き、結果的に自社にとって損失となりかねません。

また通話品質は社内の業務効率にも影響します。料金だけで導入を決めず、無料トライアルを利用して、音声がクリアかどうかや音飛びがないかなども比較しましょう。

将来的な拡張も視野に入れる

クラウドPBXサービスを選択する際には、現在のニーズだけでなく、将来的な拡張の可能性も考慮しましょう。特に、事業の成長に伴って回線数や機能が必要になる場合、初期の選択が将来のコストと機能性に影響します。

例えばスタートアップや中小企業の場合、初期段階では限られた回線数や基本的な機能で十分ですが、事業が拡大するにつれて、より多くの回線や高度な機能が必要になることがあります。

まとめ

クラウドPBXは、初期費用を抑えつつも提供される機能やサービスの種類、ユーザー数や回線数によって月額費用が変動します。初期費用は従来型のPBXシステムに比べて低く抑えられることが多いですが、ランニングコストを詳細に試算することが重要です。

また、複数のクラウドPBXサービスを比較検討し、トータルコストとサービスの内容を総合的に評価しましょう。さらに、将来的なビジネスの成長や拡張を見据えたサービス選択が必要です。

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