カスタマーサクセスのKPIとは?活用ポイントや設定の流れも解説

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  • カスタマーサクセスのKPIには、解約率・LTV・オンボーディング完了率などがある
  • 自社の業種やサービスに合った、実現可能性のあるKPIを設定することがポイント
  • KPIの設定にはまずKGIの設定が必要であり、実施後は効果検証と改善を繰り返す

カスタマーサクセスで成果を上げていくには、KPIの設定が重要です。適切なKPIの設定は、顧客の課題解決や成功に繋がります。この記事では、カスタマーサクセスで設定すべきKPIや活用するためのポイント、また設定の流れなどを解説します。

目次

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  1. カスタマーサクセスにおけるKPI設定の重要性
  2. カスタマーサクセスのKPI
  3. カスタマーサクセスのKPIを活用するためのポイント
  4. カスタマーサクセスのKPI設定の流れ
  5. まとめ

カスタマーサクセスにおけるKPI設定の重要性

カスタマーサクセスとは、製品やサービスを提供する企業が顧客の成功をサポートすることで、顧客との強い関係を築き、長期的なビジネス成果を生み出す取り組みを目指します。カスタマーサクセスで成果を上げるためには、適切なKPIの設定が欠かせません。

本記事では、カスタマーサクセスで設定すべきKPIや活用するためのポイント、また設定の流れなどを解説します。

カスタマーサクセスとは?メリットや施策例、成功のポイントも解説

カスタマーサクセスとは、すでに商品やサービスを購入している顧客に能動的に働きかけ、顧客を成功へ導くことです。解約率の減少やLTVの最大化といった効果が期待できます。この記事ではカスタマーサクセスの概要やメリット、成功のためのポイントなどを解説します。

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そもそもKPI(重要業績評価指標)とは

KPIとは「Key Performance Indicator」の頭文字を取ったもので、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。最終的な目標を達成するための中間目標に対し、どのくらい達成できているかを示す指標です。

例えば、売上向上が最終目標の場合、新規アポイントの獲得数や商談の成約率などがKPIとして考えられます。KPIの設定によって、組織が事業目標に向けて進んでいるかどうかを確認でき、戦略の修正や改善を行う際に参考になります。

このように、組織全体が方針に沿った成果を上げるためには、KPIの設定は極めて重要です。

KPIとは?KGIとの違いや設定するメリット、設定方法を解説

KPIとは「重要業績評価指標」を意味し、目標の達成度合いを計測するために用いられます。KPIを定期的に確認することで、目標に対する進捗が把握できます。本記事では、KPIとKGIの違いやKPIを設定するメリット、設定方法、管理のポイントをわかりやすく解説します。

カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い

カスタマーサクセスと混同されやすい業務として、カスタマーサポートがあります。両者は既存顧客への対応という点では同じですが、その目的やアプローチが大きく異なっています。

カスタマーサクセスの目的が「顧客の成功」であるのに対し、カスタマーサポートの目的は「顧客の問題解決」です。

カスタマーサクセスは顧客の課題に先回りする形で、製品・サービスの導入や運用の定着を支援します。一方でカスタマーサポートは、顧客が製品・サービスに不満や課題を感じたタイミングで迅速に対応し、問題解決を支援します

さらに、カスタマーサクセスは、長期的に顧客と関係を築くことで利益の最大化を目指すのに対し、カスタマーサービスは、短期的に顧客の問題を解決することを目指しています。このように、両者は目的やアプローチが異なるため、設定すべきKPIも異なります。

カスタマーサクセスでKPIを設定する理由

KPIの設定により、顧客との関係性を数値で把握できるようになります。その結果、KPIの数値を基にした業務の見直しや改善が行え、顧客との長期的な関係を築けるだけでなく、企業全体の体制を整えられるようになります。

また、適切にKPIを設定しておけば、顧客の期待や課題に焦点を当て、サービス提供の質や効果の評価が可能です。そして、目標に向けて一貫性のある支援を行うことで、顧客の成功体験のサポートや客観的な評価の把握ができ、顧客満足度の向上にもつながります。

カスタマーサクセスのKPI

カスタマーサクセスで設定すべきKPIには様々なものがありますが、解約率や顧客生涯価値、オンボーディング完了率などは欠かせない指標と言えるでしょう。ここでは、カスタマーサクセスで特に重要とされるKPIについて解説します。

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解約率(チャーンレート)

解約率(チャーンレート)は、特定の期間内に顧客がサービスや製品の利用を解約した割合を示す指標です。解約率の求め方は、ある期間内に解約した顧客数を、その期間の総顧客数で割り、その結果に100をかけることで求められます。

解約率(チャーンレート) = 解約者数 ÷ 総顧客数 × 100

例えば、月初めに100人の顧客がいて、その月に10人が解約した場合、解約率は10%となります。具体的な数値を求めることで、どれだけ顧客を維持できているか把握できます。

特にサブスクリプションモデルのビジネスでは、解約率を低く保つことが重要です。解約率が高まると継続的に利益を確保することが難しくなり、事業に影響が及ぶ可能性があります。そのためカスタマーサクセスでは解約率を測り、低減させる努力が必要です。

顧客生涯価値(LTV)

顧客生涯価値(LTV)とは、顧客がサービスの利用開始から終了までに、自社にどのくらいの利益をもたらすかを示す指標です。LTVが高いほど、1人の顧客から長期的に大きな利益を得られ、安定した経営基盤を確保できていると言えます。

LTVを求める際には、顧客が自社との取引を継続してくれる期間や、その期間中に支払った金額を計算します。

特に近年普及しているサブスクリプションビジネスにおいては、LTVを計測し、できるだけ長く高額なサービスを利用してもらえるよう対策することが重要です。

オンボーディング完了率

カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは、顧客がサービスを導入してから運用が定着するまでのプロセスです。具体的には、顧客がサービスの使い方や価値を理解し、効果的に活用できる状態になるまでの過程を指します。

つまり、オンボーディング完了率とは、サービスの有効な活用方法を理解できている顧客の割合です。オンボーディングが完了した顧客は、その後もサービスを安定して継続的に利用する可能性が高く、解約リスクも低いと考えられます。

カスタマーサクセスのオンボーディングとは?重要性や流れを解説

カスタマーサクセスにおけるオンボーディングとは、ユーザーが商品やサービスを初めて使う際に、いち早く使いこなせるようサポートすることを指します。この記事では、カスタマーサクセスにおけるオンボーディングの重要性や実施の流れ、ポイントを解説します。

顧客維持率(リテンションレート)

顧客維持率(リテンションレート)は、既存の顧客がサービスや製品どれだけ長く利用し続けるかを示すものです。ある期間の終了時点でサービスを利用し続けている顧客数を、新規顧客数で割り、その結果に100を掛けてパーセンテージで表します。

顧客維持率(リテンションレート)=継続顧客数÷新規顧客数×100

リテンション率が高ければ、既存顧客が長期間にわたってサービスに留まり、継続的な収益をもたらすと判断できます。リテンション率を高めるためには、顧客ニーズを理解し、適切なサポートや付加価値を提供することが求められます。

アップセル・クロスセル率

アップセル率とクロスセル率も、カスタマーサクセスでは重要なKPIです。アップセルとはより高額なプランへの移行を促す施策で、クロスセルは既存のサービスに別のサービスを追加購入してもらう施策を指します。

自社サービスの利用期間が長いほど、アップセルやクロスセルの提案は成功しやすい傾向にあります。アップセル・クロスセル率を上げるには、まずは既存サービスの価値や活用方法を十分に理解してもらい、より質の高い体験ができるよう顧客を導くことが重要です。

売上継続率(NRR)

売上継続率(NRR)は、企業がサービスや製品の持続的な売上をどれだけキープできるかを示す指標です。通常は月次で計測され、月額継続収益を基に以下の計算式で算出します。

売上継続率NRR(%) = ( 当月の合計月額継続収益 + アップグレードによる差額収益 – ダウングレードによる損失 – 有料解約による損失 ) ÷ 当月の合計月額継続収益 × 100

売上継続率が高いほど、企業は既存顧客からの収益を確実に維持し、拡大していることを示します。

顧客推奨度

顧客推奨度は、顧客が特定の企業、商品、またはサービスを他者にどれだけ勧めたいかを数値化する指標です。この指標は、顧客が自社にどれだけの信頼や愛着を抱いているかを測るのに役立ちます。

顧客推奨度を算出する際は、顧客に0から10までの11段階で他者への推奨度を評価してもらい、それに基づいて「批判者(0〜6)」「中立者(7、8)」「推奨者(9、10)」に分類します。

そして、全体に占める「推奨者」の割合から「批判者」の割合を引いた数値が顧客推奨度となります。NPSがプラスの数値である場合、顧客の満足度が高いことを示しています。顧客推奨度を上げるには、批判の内容をサービス改善に反映させることが有効です。

顧客満足度

顧客満足度は、顧客が特定のサービスにどの程度満足しているかを示す指標です。英語では「Customer Satisfaction」で、「CS」とも呼ばれています。

この指標は、サービス提供に対する感情的な評価を可視化するもので、通常は「非常に満足」「満足」「どちらでもない」「不満足」「非常に不満足」の5段階のアンケートを使用して計測します。

顧客満足度は、顧客の期待にどれだけ応えられているか、サービス改善が必要かどうかなどを把握する上で重要です。顧客満足度向上のためには、顧客のログイン頻度や利用率などを確認し、上手くサービスを活用できていない顧客を積極的にサポートしましょう。

CSQL

CSQL(Customer Success Qualified Lead)とは、カスタマーサクセスを通じて、既存顧客から選別された、アップセルやクロスセルの可能性が高いリード(見込み客)です。

カスタマーサクセスは、既存顧客の利用データや満足度を分析し、上位プラン移行や追加購入の可能性が高いCSQLを特定します。CSQLの特定によって、潜在性が高いと思われる顧客を絞ることが可能です。

CSQLはカスタマーサクセスにおいてはまだ新しい概念ですが、自社の持続的な成長を目指す上では、注目しておくべき指標と言えるでしょう。

ヘルススコア

ヘルススコアとは、顧客が自社サービス利用を継続するかどうかを可視化した指標です。ヘルススコアが高ければ顧客はサービスを継続利用すると判断できますが、逆に低い場合は解約の兆候があるとみなされ、適切な対応が求められます

例えば、サービスに毎日ログインしている顧客のヘルススコアは高い、月に1回しかログインしていない顧客は低い、などと解釈できます。カスタマーサクセスへの取り組みにより、ヘルススコアを上昇させ、継続利用につなげられます。

カスタマーサクセスのヘルススコアとは?メリット・必要な指標を解説

ヘルススコアとは顧客が自社のサービス利用を継続するかどうか示す指標で、カスタマーサクセスにおいて重要とされています。この記事では、カスタマーサクセスにおけるヘルススコア活用のメリットや必要な指標、導入手順などを解説します。

アクティブユーザー数

アクティブユーザー数は、特定の期間内にサービスを実際に利用している顧客の数を指します。これは、提供する製品やサービスを積極的に活用し、利益を得ている顧客層を示す重要な指標です。

特にサブスクリプションサービスでは、顧客が契約を継続するだけでなく、実際にサービスの使用を続けることが成功の要因です。アクティブユーザー数が多いほど、顧客の満足度や忠誠心が高いと考えられます。

アクティブユーザー率を向上させるには、顧客がサービスの価値を最大限に享受できるようなサポートをすることが重要です。

セッション時間

セッション時間は、ユーザーがサービスを利用している時間を示す指標です。特定の期間内に、ユーザーがアプリケーションやウェブサイト上で活動している時間を計測します。

セッション時間が短い場合、ユーザーがサービスを十分に使いこなしておらず、解約のリスクが高まっている可能性があります。カスタマーサクセスでは、サービスの有効な利用方法を伝え、セッション時間を伸ばしてもらうことも重要です。

口コミサイト上の投稿数

口コミサイト上の投稿数は、顧客や利用者が商品やサービスに対して投稿した口コミやレビューの数を示す指標です。近年では、インターネットの普及により、購買前に他のユーザーの意見や評価を参考にするのが一般的です。

この傾向がBtoBサービスやニッチな商品にも広がり、口コミサイトが信頼性のある情報源として注目されています。口コミサイト上での投稿数が多ければ、顧客満足度や商品・サービスの信頼性が高いと判断できます。

一方で投稿数が少ない場合は、改善の余地があるか、または顧客が感じた満足度や興味を引き出すための施策が不十分である可能性が高いです。

カスタマーサクセスのKPIを活用するためのポイント

カスタマーサクセスの成果を出すためには、自社に適した、実現可能性のあるKPIを設定することが重要です。ここでは、カスタマーサクセスのKPIを上手に活用するためのポイントを解説します。

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自社に合ったKPIを設定する

企業がKPIを設定する際には、その業界や提供する商品・サービスの特性に注意を払う必要があります。業種が異なれば、求められる成果や重要視される項目も異なるためです。

例えば、製造業では効率性や品質が重要なKPIとなる一方、サービス業では顧客満足度やリテンション率が重視されます。自社に合ったKPIを選ばないと、数値が良くてもそれがビジネス目標につながらず、成果が上がりにくくなります

自社の業界やサービスの特性を理解し、それに基づいた評価基準を設定することで、より効果的なビジネス戦略を展開できるでしょう。

KPIだけで判断しない

KPIを活用する際に重要なのは、KPIだけを判断材料にせず、総合的な視点を持つことです。KPIはあくまで特定の側面や数値を示すものであり、ビジネスの全体像や複雑な要因を考慮するには限界があります。

例えば、あるKPIが改善しているからといって、それだけで全ての成功を意味するわけではありません。他の重要な要素や指標も確認する必要があります。KPIは単独で見ず、全体のバランスや相互関係を理解した上で活用しましょう。

実現可能性のあるKPIを設定する

KPIを設定する際には、実現可能性を考慮することが重要です。あまりに高いKPIを設定すると、それが達成困難な目標となり、チームのモチベーションを低下させる原因になります。

また、高すぎる目標は具体的な施策に結びつけるのが難しく、結果として形だけのKPIになってしまいます。

実現可能なKPIの設定により、チームは目標に向けて効果的な戦略や取り組みを展開でき、進捗を実感しやすくなります。達成感があることで、次の段階の目標に向けてより意欲的に取り組めるでしょう。

見直し・軌道修正を定期的に行う

ビジネス環境や顧客の状況の変化に対応するためには、KPIの定期的な見直し・軌道修正が欠かせません。常に変動する市場や競争状況に適応するため、KPIを1カ月・半年・1年などのサイクルで定期的に振り返り、柔軟に調整しましょう。

これにより、達成可能性やビジネス戦略の変更に合わせてKPIを調整できます。また、KPIの見直しにより、組織全体が変化に適応でき、持続的な成功に繋げられます。

KGI(経営目標達成指標)に合わせたKPIを設定する

KGIは、「経営目標達成指標」を指します。これは、企業が達成したい最終的な目標を示す指標であり、KPIはその目標を達成過程で必要となるパフォーマンスを測定する指標です。つまり、KPIはKGIに合わせて設定する必要があります。

例えば、企業が売上向上をKGIとして掲げている場合、それを達成できるKPIの選定が効果的です。KGIとKPIが結びついていない場合、KPIの数値が上がっても経営目標に近づけない可能性があります。

カスタマーサクセス以外の部門と連携する

解約率改善や売上継続率向上を実現するためには、カスタマーサクセス部門が他の部門と緊密に連携を行う必要があります。

営業部門との連携においては、新規契約の際にカスタマーサクセスが顧客の期待値を正確に把握し、それに基づいたサービスを提供することが重要です。

同時に、既存顧客の課題やニーズを正確に把握し、これを営業部門に的確にフィードバックすることで、リピーター獲得やアップセルの機会を見逃さずに済みます。

このように、カスタマーサクセスが他の部門と連携することで、顧客満足度とともに企業全体の成果を向上させることが可能です。

ツールを利用する

KPIを効果的に活用するには、CRMなどのツールの導入がおすすめです。顧客との関係を効果的に管理し、ビジネスにおける成果を最大化できます。

CRMは、顧客データを一元管理でき、顧客の購買履歴やコミュニケーション履歴などの把握が可能です。ツールを活用することで、データに基づいた意思決定が可能になり、カスタマーサクセスのKPI達成に向けた方針を明確にできます。

コホート分析を行う

コホート分析は、ユーザーの行動や属性をグループに分けて、そのグループごとの変化や傾向を分析する手法です。具体的には、特定の期間や条件でグループ化された顧客の行動や特性を追跡し、時間経過に伴う変化を詳しく観察します。

例えば、KPIでアクティブユーザーの増加を確認できた場合、新規ユーザーの増加か既存ユーザーの継続、またはその両方のどれが原因か判断できません。このような場合にコホート分析を行うことで、増加の要因を明らかにできます。

コホート分析は、特にECサイトやアプリのユーザー維持、顧客の継続率向上、リピート購入の促進など、マーケティング効果の最大化に活用できます。

カスタマーサクセスのKPI設定の流れ

カスタマーサクセスのKPIは、順を追って適切に設定することが大切です。ここからは、KPI設定の流れについて詳しく解説します。

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現状の課題を把握する

KPIを設定するためには、自社の課題を把握する必要があります。まずは、自社の商品やサービスの現状を把握しましょう。

例えば、製品提供からアフターサポートまでのステップを洗い出し、各段階で発生する課題や問題点を特定します。これにより、顧客のニーズや期待値が明確になり、効果的なカスタマーサクセスのKPIが設定できます。

KGIを設定する

現状の課題を把握できたら、次にKGIの設定が必要です。その際は、KGIは抽象的な目標ではなく、具体的で明確な数値で示しましょう。

例えば、「顧客満足度スコア85以上」といった形で設定します。このような具体的な数値目標がなければ、目標の達成度合いを正確に評価するのが難しくなります。明確なKGIを設定することで、成果を適切に測定できるようになります。

プロセスを洗い出す

KGIを設定できたら、次にそのKGIを達成するために必要なプロセスを逆算して洗い出します。

例えば、「顧客満足度向上」がKGIの場合、具体的なプロセスとして、定期的な顧客フィードバックの収集・サービスの改善点の特定・改善施策の実施などが挙げられます。各ステップの進捗を把握することで、チームは共通の目標に向かって協力しやすくなります。

KPIを設定する

プロセスが洗い出されたら、そのプロセスに合わせてKPIを設定します。重要なのは、具体的で数値化しやすく、かつ適切な期間内に評価できるKPIを設定することです。達成可能で実現性があり、かつ業務やチームメンバーの評価にも繋がるよう設計する必要があります。

具体的で明確なKPIを設定することで、チームは目標達成に向けた進捗を確認しやすくなり、必要な場合には改善策を迅速に実行できるでしょう。

なお、KPIを設定する際は、KPIツリーの作成がおすすめです。以下にKPIツリー作成について詳しく解説します。

KPIツリーの作成

KPIツリーは、KGIを中心に据え、それに対する具体的なKPIを枝として分岐させた相関図です。KGIとKPIの関係性を視覚的に表現し、目標達成に向けた階層構造を理解しやすくします。

例えば、ある企業が「売上向上」をKGIとして掲げた場合、これに紐づくKPIとして「新規顧客獲得数」や「アップセル率」などが考えられます。

また、可視化することにより各部門や担当者が目標に向かって協力しやすくなります。KPIツリーを作成することで、目標に対する理解が深まり、効果的なKPIの設定と管理が可能です。

カスタマーサクセスの実施・効果検証

カスタマーサクセスを実施した後は効果検証を行い、PDCAサイクルを回すことが重要です。まず、設定したKPIを定期的に確認し、その結果を確認します。最終的な目標に対して、KPIが適切に機能しているかをチェックしましょう。

達成できたポイントや課題が明確になったら、PDCAサイクルを回します。計画を立て(Plan)、実施(Do)し、結果を確認(Check)して、必要に応じて修正(Act)するサイクルを継続的に進めます。

PDCAサイクルによって、ビジネスの変化や顧客のニーズにも柔軟に対応でき自社の収益拡大に繋げられます。

まとめ

カスタマーサクセスで成果を出すためには、適切なKPIの設定が不可欠です。KPIはビジネス目標の達成度を測る指標であり、顧客の課題解決や成功に密接に結びついています。具体例としては、解約率や顧客生涯価値、アップセル・クロスセル率などが挙げられます。

ただし、これらは自社の業界やサービスの特性に合ったものを採用することが重要です。本記事を参考に適切なKPIを設定し、効果的なカスタマーサクセスを実施して、自社の収益拡大に繋げましょう。

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