電子マネーの経費精算の方法は?電子マネーのメリット・注意点も解説

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  • 電子マネーの経費処理は、ポストペイ方式とプリペイド方式で異なるため注意する
  • 経費精算に電子マネーを用いると、使用履歴を確認できたり、小口現金管理の手間が減る
  • 経費精算に電子マネーを用いる際は、プライベート用とビジネス用で分けておく

近年のキャッシュレス化の影響で、商品の購入や公共交通機関の支払いに電子マネー決済を利用する人も多いです。本記事では、経費の支払いに電子マネーを考えている方のために、電子マネーの経費の処理方法や電子マネーを用いるメリット・注意点を解説しています。

目次

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  1. 電子マネーとは
  2. 電子マネーの経費処理は支払い方法によって異なる
  3. 経費精算に電子マネーを用いるメリット
  4. 経費精算に電子マネーを用いる際の注意点
  5. 電子マネーの使用には経費精算システムとの連携がおすすめ
  6. まとめ

電子マネーとは

電子マネーは、電子化した現金を通信でやり取りすることで、決済するサービスです。決済端末にスマホアプリやICカードをかざすだけで決済が完了します。現金のやり取りが発生しないため、現金を出す煩わしさやミスが発生せず、簡単な決済が可能です。

交通系ICで改札を通過することは、電子マネーが利用されている身近な例です。キャッシュレス化が進む中で普及し、その利便性から利用する人も多いでしょう。利用ポイントも溜まるため、現金よりお得に利用できるメリットもあります。

電子マネーの種類

電子マネーには、決済方法などにより、いくつかの種類に分かれています。ここでは、電子マネーの種類や特徴を詳しく解説します。

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交通系ICカード

交通系ICカードは、交通会社が発行する電子マネーで、代表的なものにSuicaやPASMOがあります。電車やバスなどの公共交通機関で利用されることが多いですが、コンビニや自販機、スーパーなど幅広く利用できます。

発行する際、Suicaの場合はみどりの窓口での購入など、比較的手軽に入手できます。近年ではスマホと連動したアプリで決済もできるため、利便性も高まっています。

交通系ICカードを持っていれば、幅広い公共交通機関で利用できるため、交通費での使用がおすすめです。クレジットカードと連動していればオート決済もできるため、現金がなくても改札にかざすだけでチャージができます。

流通系電子マネー

流通系電子マネーは、スーパーやコンビニなどの小売店が発行元の、先にお金をチャージしておく「先払い型」の決済サービスです。nanacoや楽天Edyなどが代表的な流通系電子マネーです。

利用した金額に応じたポイントが付与され、貯まったポイントは決められた店舗で購入に利用ができます。よく利用する店が決まっていれば、ポイントをお得に運用しやすくなります。

クレジットカード系電子マネー

クレジットカード系電子マネーは、スマホアプリやICカードにクレジットカード情報を登録しておけば決済ができ、「後払い」としてクレジットカードから引き落とされます。QUICPayが代表的なクレジットカード系電子マネーです。

他にも、ICカード機能が付いたクレジットカードを利用すれば、クレジットカード系電子マネーとして利用できます。

法人カード

ビジネスシーンに特化した特典や付帯サービスが多い電子マネーとして、法人カードがあります。使い方は個人用クレジットカードとほとんど変わりはありませんが、利用限度額が大きいことや法人用口座を支払いに指定できる点が異なっています。メインカードの他に、従業員用の追加カードを発行できるのも大きな特徴の一つです。

デビットカード

デビットカードはクレジットカードと異なり、カードで支払ったと同時に口座から即時引き落としがされる仕組みのカードです。銀行口座から現金を直接引き出す必要がなく、残高以上にお金を使い過ぎることもありません。クレジットカード同様にICチップ付きのカードもあるため、かざすだけで支払いが完了するなど短時間のスキミングが可能です。

QRコード決済系電子マネー

QRコード系電子マネーは、スマホアプリに表示されたQRコードの提示や、レジに提示されているQRコードを読み取ることで決済ができます。代表的なものとして、PayPayやLINE Payはよく利用されています。

銀行からの自動的な引き落としやアプリでチャージすることで、現金を電子化することが可能です。

電子マネーの経費処理は支払い方法によって異なる

電子マネーを経費処理する際は、支払う方法によってことなるため注意が必要です。ここでは、支払い方法別の仕訳の方法について解説します。

ポストペイ方式の場合の仕訳

ポストペイ方式とは、電子マネーの利用料金がクレジットカードで支払われる「後払い」の方式です。QUICPayのようなクレジットカード系電子マネーがこの方式に該当します。

購入した段階では未払金として処理され、後に決済が完了したら経費精算処理をすることになります。

例:QUICPayで3300円の消耗品を購入した。その後、預金口座から利用金額である3300円が引き落とされた場合。

借方貸方
消耗品費 3,300円未払金 3,300円
未払金 3,300円普通預金 3,300円

プリペイド方式の場合の仕訳

プリペイド方式の場合は、Suicaなどのように前払い金として事前に現金などを電子マネーに入金しておくことで、入金した分だけ利用できます。ただし、チャージした金額は払い戻しできないため、注意が必要です。

クレジットカードからチャージできる設定にしておけば、残高が足りなくなっても自動的にチャージできるため、便利です。

Suicaに現金3000円をチャージし、チャージ金額を1000円分利用して電車で移動した場合。

借方貸方
仮払金 3,000円現金 3,000円
旅費交通費 1,000円仮払金 1,000円

デビット方式の場合の仕訳

デビット方式の場合は即時決済となるため、通常通りの仕訳を行います。カードに紐づけされた口座から引き落としとなるので、貸方は普通預金となります。

借方貸方
消耗品費 3,000円普通預金 3,000円

電子マネーで支払うと領収書はもらえるのか

電子マネーで支払った場合の領収書は、電子マネーの方式により異なります。プリペイド方式はその場で決済が行われて領収書の発行ができますが、ポストペイ方式では発行されないこともあります。電子マネーの会社も関係するため、事前の確認が必要です。

経費精算に電子マネーを用いるメリット

経費精算に電子マネーを用いると現金のやり取りが不要となり、様々なメリットが得られます。ここでは、経費精算に電子マネーを用いるメリットを解説します。

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小口現金扱いなど管理の手間がかからない

電子マネーを利用することで、小口現金扱いなどの管理の手間がかからないメリットがあります。小口現金は小さな経費を現金で支払うため、帳簿や残高の管理など何かと手間がかかります。

電子マネーの利用で現金のやり取りが不要になり、残高の不一致による精算の見直しや現金の厳重な管理が不要となり、管理担当者の負担も減らせるでしょう。属人的な傾向にある経理業務も、キャッシュレス化を採用することで特定の担当者だけに業務を依存することもなくなります。

現金受け渡しミスの軽減

電子マネーの決済は現金を取り扱わないため、支払いの硬貨を誤るなど現金の受け渡しミスを防ぐことができます。精算金額を誤ることがないため、金銭の不一致も発生しにくいでしょう。

また、現金そのものの管理が不要となるため、盗難や紛失のリスクもありません。経理担当者が抱えがちなプレッシャーを減らすことが可能です。

使用履歴の確認が可能

電子マネーは使用日時・場所・金額・利用内容を履歴で確認できるメリットがあります。そのため、従業員の不正や領収書紛失の防止が可能です。

従業員の過剰請求や領収書の管理ミスは怒りがちなため、厳重なチェックが必要です。電子マネーの会員専用WEBページなどで確認できることで、管理が容易になるでしょう。

経費精算に電子マネーを用いる際の注意点

電子マネーの利用にはメリットがありますが、正しく運用するためには注意点を理解しておかなければなりません。闇雲に利用すると、経費精算がうまくいかずに逆効果になることもあります。ここでは、電子マネーを用いる際の注意点を解説します。

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使用履歴を出力しておく

電子マネーの使用履歴は、データとして保存しておくだけでなく必ず印刷して閲覧できる状態にしておくことが必要です。経理処理するための大切なデータであるため、PCにアクセスしなくてもその場で複数人がチェックできます。

また、税務調査が入った際には提示するための資料になります。

都度計上かまとめての計上か統一する

電子マネーの経費精算は、都度計上かまとめて計上かどちらかに統一することが必要です。都度支払う場合は、利用頻度が多いと都度計上には手間がかかるでしょう。しかし、まとめて計上に対応できるのはプリペイド方式のみです。

そのような点を踏まえて、どの電子マネーを運用するかを決めるポイントにもなるでしょう。

プライベートとビジネスで分ける

電子マネーは、プライベートとビジネスで分けることが重要です。特に個人事業主は、自分で経理を済ませればいいからと、プライベートとビジネスを同じ電子マネーで支払いがちです。しかし、経費精算の際に手間がかかったり、何に使用したか忘れることもあります。

経費の精算がスムーズに行えるよう、ビジネスとプライベートを分けて電子マネーを使用しましょう。

法人カードを導入すれば、必然的に仕事とプライベートの支出混同を避けることができるだけでなく、会計ソフトとの連携により不正利用の防止にもなり、理想的な経理回りの一元管理がかないます。

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電子マネーの使用には経費精算システムとの連携がおすすめ

電子マネーは経費精算システムと連携することで使用履歴を反映できます。作業過程が簡略化され、経費精算の負担が一段と減ることが期待できます。

オンライン上で作業が完結できるため、申請から承認までを紙で上長とやり取りする必要もありません。そのため、従業員の経費を立て替えるまでの時間も短縮されるため、ストレスも減るでしょう。

また、システムが自動的な仕訳や計算してくれるため、人為的な計算ミスを防いで正確な数字を算出できます。

まとめ

電子マネーは、現金を電子化して通信により決済ができる、便利な支払い方法です。電子マネーを利用する場合は、現金を扱う小口精算に比べて、計算や帳簿の管理、盗難のリスク管理などの負担を減らせるため、経費精算の際に便利です。

しかし、電子マネーによっては計上システムが異なったり、領収書の有無が変わったりします。自社の経費精算に合ったものを選ぶためには、電子マネーの種類や支払い方法などについて十分に理解しておくことが大切です。
電子マネーは、経費精算システムと連携することで、より精度の高い経費精算や作業効率の向上が期待できます。電子マネーや経費精算システムを活用し、従業員の満足度や企業の生産性の向上を図りましょう。

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