マニュアル作成はエクセル・パワポどちらを使う?何で作るべきか解説

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- Excelでマニュアルを作成すると、データや図形を入れてシートごとに情報を分類できる
- PowerPointでは視覚的に優れたマニュアルが作成でき、ページの入れ替えも簡単である
- それぞれのツールの特性を把握し、作りたいマニュアルに合ったツールを選ぶべきである
業務マニュアルの作成にあたって、エクセルとパワポのどちらを使うべきか迷うことがあるでしょう。本記事では、Excel・PowerPoint・Wordそれぞれのメリット・デメリットを交えて、何でマニュアルを作成するべきか解説します。
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マニュアルはエクセルとパワポどちらで作成するか

マニュアルの作成は、組織内の業務プロセスや手順、ポリシーなどに関する情報をまとめ、効果的に伝達するための文書を記述していく工程です。マニュアルは、組織内の円滑な業務遂行と一貫性のある製品の生産などに役立ちます。
マニュアルを作成する際には、エクセル(Excel)やパワーポイント(PowerPoint)、WordなどのOfficeツールを使用するケースが多いです。それぞれメリット・デメリットがあり、どのようなマニュアルを作成したいかによって選び方が異なります。
しかし、初めてマニュアルを作成する方は、どれを使えば良いのか迷ってしまうでしょう。本記事では、Excel・PowerPoint・Wordそれぞれのメリット・デメリットを交えて、何を使って業務マニュアルを作成するべきか、わかりやすく解説します。

マニュアル作成とは?メリット・デメリット、ツールの選び方を解説
マニュアルを作成することで、教育コストを削減し、業務の効率化や属人化防止に効果的です。またマニュアル作成ツールを導入することで、マニュアル作成に関する課題の解決に役立ちます。本記事では、マニュアル作成の手順やマニュアル作成ツールの選び方などを解説しています。
Excel・Powerpoint・Wordでマニュアル作成する際の共通点

Excel・Powerpoint・Wordどれを使ってもマニュアル作成は可能です。すべてMicrosoft Office系のツールであることから、共通点が存在します。ここでは、各ツールに共通するメリット・デメリットを解説します。
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共通のメリット
Office系のソフトは広く企業で使われているツールであり、簡単に活用できるのが大きなメリットです。以下では、共通のメリットについて解説します。
手間やコストをかけずに導入できる
Excel・Powerpoint・Wordは、どれも多くの企業で広く浸透しているツールであり、扱える人員が多いのがメリットです。複雑な表計算を除き、専門的な知識が必要なく、誰でも比較的簡単にマニュアルを作成できます。
また、Officeツールを利用すればコストが抑えられるのもメリットです。PCに標準搭載されている場合はもちろん、Office 365(Microsoft 365)のサブスクリプションサービスでアプリを利用している場合も、別途専用のソフトなどを購入する必要がありません。
テンプレートが豊富にある
広く浸透しているツールだからこそ、テンプレートも豊富です。公式のテンプレートだけでなく、インターネット上にはあらゆる用途のテンプレートが数多く存在します。無料でダウンロードできるものも多いため、手軽に使えるのが特徴です。
マニュアル作成用のテンプレートもさまざまな種類があり、それらを使えば手間をかけずに体裁の整ったマニュアルを作れるでしょう。ダウンロード後は、必要に応じてカスタマイズもできて自由度が高いです。
共通のデメリット
Office系のツールはマニュアル作成に特化したツールではないため、構成を考える担当者によって質にばらつきが出やすくなります。テンプレートを使えばある程度の一貫性は出ますが、画像や図形の位置なども含め、個人のセンスに依存しやすいです。
その他にも、以下のようなデメリットがあります。
マルチデバイスに対応しづらい
Excel・Powerpoint・Wordは、スマホやタブレットなどから閲覧・編集しづらいです。例えば、Excelではスクロールが多くなってセルが見切れたり、Wordはページ遷移が煩雑化することで画像と文字のバランスが崩れたりします。
なお、アプリ版も提供されていますが、一部機能に制限が設けられているため、PCと同様の操作性や閲覧性は持ち合わせていません。マルチデバイス対応を考慮する場合、レイアウトのシンプルな設計やWebマニュアル化が求められます。
OfficeのバージョンとOSに依存する
Office系ツールは、利用するOfficeのバージョンとOSによって表示や動作に違いが生じます。例えば、Windows上ではWordが1ページで綺麗に収まっていても、Macで開くとフォントサイズや改行の位置、表の幅や高さなどが変わり、2ページにまたがることがあります。
さらに、フォントやファイルの互換性、機能制限においてもOfficeのバージョンとOSに依存し、マニュアルの品質と信頼性にも直接影響するのが大きなデメリットです。幅広い実務で使用する場合、それぞれ異なる環境下での利用を考慮しなければなりません。
Excelでマニュアル作成するメリット・デメリット

Excelは一般的に利用される表計算ソフトウェアであり、関数が使えることなどがメリットです。一方、文章量が多いマニュアルや印刷したい場合には向いていない可能性もあります。
ここでは、Excelでマニュアル作成するメリットとデメリットについて解説します。
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メリット
Excelでのマニュアル作成には、自動計算ができる・図形や画像が挿入できる・シートごとに情報を分類できるといったメリットがあります。以下では、Excelでマニュアルを作成するメリットを詳しく解説します。
関数による自動計算ができる
Excelは「表計算ソフト」と呼ばれているとおり、作成した表やデータをもとに関数を用いて自動計算を行うことができます。そのため、マニュアルに集計データを含める必要がある場合に便利です。
例えば、作業手順の達成率や品質管理の統計データなどを自動的に更新し、迅速に最新情報を提供することができます。これにより、読者は常に正確なデータに基づいてアクションを取りつつ、業務の効率化や品質向上を図れます。
図形・画像を自由に挿入できる
図形や画像を自由に挿入できることも、Excelでマニュアル作成するメリットの1つです。Excelはテキストに加えて、図形や画像を含めることができるため、視覚的な表現が求められるマニュアルを作成する場合に有用です。
作業手順やプロセスの説明に図やスクリーンショットを加えることで、読者がより理解しやすく、作業手順をフォローしやすくなります。また、重要なポイントや注意事項を強調する際に図形を利用すれば、情報の伝達を効果的に行うことが可能です。
シートごとに情報を分類できる
Excelでマニュアルを作成する場合に、1つのファイルに複数のシートを作成できる点もメリットです。各シートには異なるテーマやセクション毎に関連する情報を記述することができ、情報を分類しやすくなります。
例えば、作業手順やガイドラインを1つのシートに記述し、別のシートに参照用のデータや図形、表などを配置することができます。その結果、読者は必要な情報を素早く見つけやすくなり、どの部分を参照すべきか一目でわかって便利です。
また、作業工程ごとにシートを分けて使うことで、マニュアル作成者はシートを使って情報を整理し、分類しながら記述できます。
デメリット
Excelは数値やデータを扱うのに長けているツールであるため、テキストや図形のレイアウト・スタイルに関しては、柔軟性に欠ける可能性があります。文章量が多い場合やデザイン性の高い図形を作成したい場合は不向きだといえるでしょう。
また、Excelで作成したマニュアルを印刷する場合、ページレイアウトや書式設定の調整が必要になるケースが考えられます。特に、大きな表や複数のシートを含む場合、印刷プレビューや印刷設定の調整に時間がかかります。
さらに、関数を多用したマニュアルの場合、その関数の仕組みを理解していないと、マニュアルの更新や修正ができないことがあります。そのため、特定の人しかマニュアル作成ができない属人化が起こりやすいです。

企業の業務マニュアルは、エクセル(Excel)を利用して作成することもできます。Excelなら関数や図の挿入も簡単で、タブによる分類もできて便利です。この記事では、Excelでマニュアル作成をするメリット・デメリットや作り方・コツ・注意点などを解説します。
PowerPointでマニュアル作成するメリット・デメリット

PowerPointは一般的にプレゼンテーション作成ツールとして知られていますが、その柔軟性や使いやすさから、マニュアル作成にも利用されることがあります。ただし、効果的なマニュアル作成には適切な使い方やレイアウト設計などの知識が必要です。
ここでは、PowerPointを使用したマニュアル作成のメリットとデメリットについて解説します。
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メリット
PowerPointを利用すると、視覚的に優れたマニュアルを作成できる・ページの順番を簡単に入れ替えられるといったメリットがあります。以下では、PowerPointでマニュアルを作成するメリットについて詳しく説明します。
視覚的に優れたマニュアルを作成できる
PowerPointはもともとプレゼンテーション向けのツールであるため、視覚的に優れたマニュアルを作成できるのがメリットです。
PowerPointではテキストに加えて、図形・図表・画像・グラフ・動画など多彩な要素を簡単に組み合わせて使えます。情報を視覚化することにより、わかりやすいマニュアルの作成が可能です。
読者が文章だけではどうしても理解できない場合にも、見やすいデザインや図形などが盛り込まれたマニュアルをとおして、より効果的に情報や内容を把握できます。
ページの順番を簡単に入れ替え可能
PowerPointは、ページの順番を簡単に入れ替えることが可能であるため、変更や修正が容易です。PowerPointではページを「スライド」と呼び、独立した単位として管理されるため、追加・削除・移動が簡単に行えます。
マニュアルの内容や順序に変更があった場合でも、スライドを入れ替えるだけで手間をかけずに修正や更新が行えます。また、テキストや画像などの要素も簡単に編集できるため、情報の追加や修正も柔軟に行うことが可能です。
このようなPowerPointの持つ柔軟性は、マニュアルの作成プロセスを効率化し、時間と労力を節約する際に役立ちます。
デメリット
PowerPointでマニュアル作成するデメリットは、1つのスライドに盛り込める情報量が比較的少ないという点です。通常、1つのスライドには限られたテキストや画像を配置することが推奨されます。
そのため、多くの情報や内容を細かく説明する場合には、複数のスライドに分割する必要があります。この制約により、マニュアルに記述する各セクションや項目を適切に分割し、読者にわかりやすく伝えるための工夫が必要です。
また、情報が分散されることで読者の集中力が途切れる問題が生じます。問題を解決するためには、マニュアル全体の構成を考慮して、適切なスライドの数と内容をデザインしなければなりません。

パワーポイント(パワポ)でマニュアル作成|作り方やコツを解説
企業の業務マニュアルはパワーポイントで作成することも可能です。パワーポイントは、画像や表などを挿入しやすく、スライドごと移動できるなど編集の柔軟性にも優れています。本記事では、パワーポイントでマニュアル作成を行う手順やコツを解説します。
Wordでマニュアル作成するメリット・デメリット

ExcelやPowerPointに加えて、Wordもマニュアル作成によく使われるツールです。Wordは文書作成に特化したソフトウェアであり、豊富なテキスト編集機能やレイアウトオプションなどを利用できます。
ただし、Wordを使用する際にも特有のメリットやデメリットがあります。ここでは、Wordを使用したマニュアル作成のメリットとデメリットについて解説します。
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メリット
Wordは文章作成に特化したツールのため、マニュアル作成する場合にも多くのメリットがあります。まず文法や誤字脱字のチェックが容易であり、品質の向上に役立ちます。また書式設定が簡単に行え、見栄えの良い文書を作成できるなどの点が挙げられます。
以下では、Wordを使ってマニュアル作成する場合のメリットについて詳しく解説します。
文法・誤字脱字のチェックができる
Wordでマニュアル作成するメリットの1つは、文章校正機能が備わっていることです。Wordにはスペルチェック・文法チェック・類語検索などの機能が備わっており、文書中の誤字脱字や文法ミスを素早く検出することができます。
この機能では、誤字脱字は赤い線が表示され、文法エラーや表記ゆれは青い線が表示されます。そのため、マニュアル作成時点で文章を効果的に校正し、正しい日本語として読みやすく、わかりやすいマニュアルの作成が可能です。
さらに、専門用語や業界固有の用語のスペルミスを防ぐために、カスタム辞書を追加することもできます。Wordに搭載された文章校正機能は、マニュアルの品質や信頼性を向上させる際に役立ちます。
書式設定が簡単にできる
Wordは、書式設定が簡単にできるのも強みです。Wordでは、タイトル・見出し・段落・テキストなどに適用されるスタイルの書式設定を簡単に指定することができます。
書式設定の指定項目としては、文字のフォント・サイズ・色・スタイル・段落の配置などがあり、それらは簡単に変更・カスタマイズできます。そのため、文書全体で統一された書式のマニュアルを効率的に作成することが可能です。
目次を自動作成できる
Wordでマニュアル作成する場合には、目次を自動作成できることも大きな利点になります。Wordには、見出しスタイルを使用して文書内のセクションや章を明示する機能があり、見出しスタイルの適用によってWordは自動的に目次を生成します。
マニュアルの構成全体を素早く把握できるため、必要なセクションに簡単にジャンプしてアクセス可能です。また、文書の内容を変更した際には、見出しスタイルを修正するだけで目次が自動的に更新されるため、手間を省けます。
印刷に適している
Wordは、紙に印刷したい場合にも向いています。Wordは一般的な文書作成ソフトウェアであり、多くのオフィス環境で利用されていることから、Wordで作成したマニュアルは、一般的な印刷機やプリンターとの互換性が高いです。
基本的に画面上で見えている状態とプリントアウトした状態が同じになるため、印刷範囲を細かく気にしなくて済み、スムーズに印刷できます。
また、Wordは印刷に関連する設定やオプションを豊富に備えており、用紙サイズや方向、余白などのカスタマイズが可能です。さらに、WordはPDF形式への変換もサポートしており、マニュアルをデジタル形式で出力して、共有する場合にも便利です。
デメリット
Wordは文章作成が主体となり、図や表を多用するマニュアルには不向きであることに注意しましょう。Wordはテキストベースの文書作成に特化しており、図や表の挿入やスタイルの調整には制約があります。
特に、大きな表や複数の図を含むマニュアルの場合、Wordのレイアウトやフォーマット設定が煩雑になり、作業の効率が低下する可能性があります。さらに、図や表の配置が柔軟性に欠けるため、レイアウトの調整やページの余白の最適化が困難です。
そのため、図や表を多用するマニュアルを作成する場合には、Wordよりも図形や画像の配置に特化したソフトウェアや専門的なツールなどの使用がおすすめです。

業務マニュアルは、ワード(Word)を活用して作成することも可能です。ワードは多くのパソコンに標準装備されているソフトのため、操作方法を知っている社員も多く、スムーズに使用できます。本記事では、ワードを活用してマニュアルを作成する手順やコツを解説します。
マニュアルは何で作るべきかはニーズによる

マニュアル作成する場合には、Excel・PowerPoint・Wordなどの利用が可能ですが、それぞれのメリットやデメリットの検討が重要です。例えば、Excelはデータの集計や計算に優れていますが、文章の作成や視覚的な表現には不向きです。
一方、PowerPointは視覚的な表現に特化しており、画像や表を多用したプレゼンテーション向けマニュアルには適しています。しかし、詳細な文章やデータの整理には向いていません。
Wordは文章作成に特化しており、マニュアル作成や印刷には適していますが、複雑なデータ処理や視覚的な表現には不向きです。これらの特徴を踏まえ、自社のニーズや目的に合ったツールを選択することで、効果的なマニュアル作成ができます。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
Excel | ・データの集計や計算が容易 ・複数シートによる情報管理が可能 | ・文章の作成や編集が不便 ・デザイン性が限られる |
PowerPoint | ・画像や表など視覚的な表現が可能 ・スライド毎に整理しやすい | ・詳細な文章やデータ整理が困難 ・ページ数が増えると管理が煩雑になる |
Word | ・書式設定や目次の自動作成が可能 ・紙に印刷する文書作成に最適 | ・視覚的な表現には限界がある ・図や表の多用には不向き |
マニュアル作成ツールも利用できる
マニュアル作成ツールとは、文書作成や視覚的な表現をサポートし、マニュアルや手順書などの文書を効率的に作成するためのソフトウェア・オンラインプラットフォームを指します。
これらのツールは通常、テンプレートやデザインオプション、自動化された機能を搭載しており、マニュアルの作成・更新・運用を効率的に行うことができます。また、テンプレートを活用すれば、容易にマニュアル作成が可能です。
さらに、デザインオプションやカスタマイズ機能を活用して、視覚的に優れた形式のマニュアル作成もできます。バージョン管理や共同編集機能も搭載されているものなら、複数のユーザーが協力してマニュアルの作成・更新・管理が可能です。

おすすめのマニュアル作成ツール10選|選ぶ際の比較ポイントも解説
企業のマニュアル作成には、マニュアル作成ツールの利用がおすすめです。マニュアル作成ツールを使えば、業務や操作の手順書はもちろん、動画マニュアルも容易に作成できます。この記事では、おすすめのマニュアル作成ツールや選ぶ際の比較ポイントを解説します。
まとめ

Excel・PowerPoint・Wordはそれぞれ異なる特性を持っており、マニュアル作成においても、個々にメリット・デメリットがあります。Excelはデータの集計や計算に優れ、グラフや表を用いた情報の視覚化に適しています。
PowerPointは視覚的な表現に強く、プレゼンテーション向けのコンテンツを作成する際におすすめです。Wordは文章作成に特化し、紙に印刷する文書作成に適しています。それぞれのツールを効果的に活用することで、高品質なマニュアルの作成が可能です。
業務マニュアルを作成する場合には、自社のニーズを満たすツールを選択して、読者にとって読みやすく理解しやすいマニュアルを作成しましょう。
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