マニュアル改訂の流れ・改訂履歴の書き方|改訂のタイミングも解説

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  • マニュアルは定期的に改訂し、改訂した際には改訂履歴を記録しておく必要がある
  • 改訂時にはマニュアル使用者と変更箇所をすり合わせ、改訂後は社内への周知を行う
  • 半年もしくは1年に1回はマニュアルを見直し、改訂を検討すべきである

マニュアルは定期的に改訂することで、ミスやトラブル、業務効率の低下を予防できます。また、マニュアルを改訂した際には改訂履歴を記録しておく必要があります。この記事では、マニュアル改訂の流れや改訂履歴の書き方、改訂すべきタイミングについて解説します。

目次

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  1. マニュアルには改訂履歴が必要
  2. マニュアルの改訂の流れ・改訂履歴の書き方
  3. マニュアル改訂のタイミングとは
  4. まとめ

マニュアルには改訂履歴が必要

業務マニュアル作成は、組織内の業務手順やポリシーを文書化するプロセスです。これにより、従業員は一貫した方法で業務を行い、組織における業務の効率性と品質を向上させることができます。

また、マニュアルを改訂した際には、その履歴を記録しておく必要があります。これは、過去のバージョンと比較することで変更点を把握し、誤りを修正したり、トレーニングや監査の目的で利用したりするためです。

改訂履歴を記録することで、マニュアルの信頼性と透明性を確保し、組織内のコミュニケーションと連携を促進します。本記事では、マニュアル改訂の流れや改訂履歴の書き方、改訂すべきタイミングなどについて、分かりやすく解説します。

マニュアル作成とは?メリット・デメリット、ツールの選び方を解説

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マニュアル改訂の重要性

企業を取りまくビジネス環境は常に変化しており、組織における業務環境もそれに対応して変化しています。新しい機器やプロセスが導入されたり、法令や規制、自社の要件などが変更されたりすることがあります。

そのため、マニュアルを改訂することは、業務の最新の情報や手順を反映させて、従業員が正確かつ効率的に業務を遂行するために不可欠です。ここからは、マニュアル改訂の重要性として、以下の項目について詳しく解説します。

ミスやトラブルを防ぐ

マニュアル改訂の重要な目的の一つは、ミスやトラブルを防ぐことです。組織内の業務プロセスや手順が古くなったり、変更されたりする場合、マニュアルが改訂されていないと従業員が古い情報に基づいて業務を行う可能性があります。

そのため、誤った操作や不正確な情報が生じ、結果としてミスやトラブルが発生するリスクが高まります。マニュアルを適切に改訂することで、最新の業務手順や変更された要件などを反映させ、従業員が常に正確な情報にアクセスできるようになります。

そのため、業務における正確性が図られ、作業効率も向上し、ミスやトラブルが減少します。また、組織のおける業務の品質と信頼性も向上します。

マニュアルの形骸化を防ぐ

組織内の業務環境は常に変化しており、新しい技術や手法が導入されたり、業務プロセスなどが変更されたりすることがあります。マニュアルが改訂されず、古い情報のまま使用され続けると、現実の業務状況とのギャップが生じます。

これにより、マニュアルが実際の業務の役に立たず、形骸化して誰も参照しなくなります。その結果、従業員は各々のやり方で業務を実施するようになってしまい、業務の一貫性や正確性が保証されなくなります。

マニュアルを定期的に改訂することで、最新の業務手順や規則などが反映され、組織の現状に適合できるようになります。これにより、マニュアルの信頼性が増し、組織内の業務も正確性を持つようになります。

業務効率の低下を防ぐ

マニュアル改訂の重要な一面は、業務効率の低下を防ぐことです。マニュアルは業務を行う上での指針や正確な手順書となります。業務が変化するにつれて新しいプロセスや手順が追加されたり、既存の手順が変更されたりすることがあります。

古いバージョンのマニュアルを使用すると、古い手順や情報に基づいて業務を行う可能性があります。これにより、間違った手順を実行したり、必要な情報が不足していることに気付かずに作業を進めてしまったりすることになります。

マニュアルを適切に改訂することで、従業員が最新の正確な情報にアクセスし、最適な方法で業務を行うことができます。そのため、作業ミスを防止でき、業務効率の低下を防ぐことにも繋がります。

マニュアルの改訂の流れ・改訂履歴の書き方

マニュアルの改訂は、組織内の業務プロセスの変化や新たな知見に基づいて行われます。定期的な改訂は、業務効率の向上や作業の正確性を確保するために不可欠です。ここからは、マニュアルの改訂の流れや改訂履歴の書き方について解説します。

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マニュアル使用者からのヒアリング

マニュアルの改訂の流れとして、マニュアル使用者から改善要望をヒアリングすることは非常に重要です。マニュアルの実際の使用経験から得られるフィードバックを改訂に反映することにより、業務プロセスの改善に直接役立ちます。

フィードバックを収集する方法としては、アンケートの実施、フィードバックボックスの設置、定期的なミーティングやインタビューなどが含まれます。これらの方法により収集したフィードバックを分析します。

フィードバックされた項目の中には、業務プロセスの効率性、理解しやすさ、正確性などに関するものが含まれます。これらの項目をカテゴリー分けして優先順位を付けて、改善が最も必要な項目や、即時対応が必要なものを特定します。

変更箇所・内容のすり合わせ

収集したフィードバックを基に、マニュアル使用者と改訂を行う責任者が協力して改訂内容を検討し、すり合わせを行います。マニュアルに対する変更点や、具体的な改訂方法を議論し、合意します。

検討した内容に基づいて、マニュアルの改訂を行います。これには、文言や手順の修正、新しい情報の追加、図表の追加や変更などが含まれます。改訂を行ったマニュアルを最終確認し、関係者から合意や承認を得ます。

このようにマニュアル使用者と改訂を行う責任者が協力して、マニュアルの改訂内容を検討することで、より正確なマニュアルの改訂が実現されます。これによって、業務プロセスの効率や業務の質を向上させることができます。

変更箇所の修正・改訂履歴の作成

マニュアルの改訂が必要な箇所を特定し、変更箇所を修正した後に、改訂履歴を作成します。改訂履歴には、変更の日付と具体的な変更内容や改訂するに至った経緯が含まれ、簡潔かつ明確な記述が求められます。

改訂履歴がマニュアルに含まれることで、マニュアルの使用者や改訂責任者が過去の改訂内容を追跡し、把握しやすくなります。ここからは、改訂履歴の具体的な書き方について解説します。

改訂箇所が少ない場合

改訂箇所が少ない場合でも、改訂履歴を明確に記述することが求められます。改訂箇所が少ない場合や、改訂内容が軽微な場合には、以下の手順により、改訂作業を行います。

  1. 表紙に「第2版」などの版数を記入
  2. 表紙の次に改訂された内容を表形式で挿入
  3. 本文中の改訂したい箇所を修正

これらの項目を明確に記載することで、少ない改訂箇所でも改訂履歴が適切に管理され、マニュアルの透明性と信頼性が確保されます。

改訂箇所が多い場合

改訂箇所が多い場合でも、改訂履歴を明確かつ簡潔に記述することが重要です。以下に、改訂箇所が多い場合の改訂履歴の書き方を解説します。

  1. 表紙に版数を記入
  2. 表紙の次に、改訂の背景や経緯である「改訂序文」を挿入
  3. 改訂序文の次に、版数・発行日・改訂内容を記載した表を挿入
  4. 本文中の改訂箇所には、改訂の理由を「改訂注」として挿入
  5. 巻末には、改訂注をまとめたものとして「改訂索引」を挿入

改訂箇所が多い場合でも、改訂履歴を明確に記述することで、マニュアルの更新履歴を適切に管理できます。また、マニュアル使用者や改訂責任者が改訂内容を迅速に追跡し、把握が可能になります。

社内への周知

マニュアルの改訂が完了した時点で、従業員や関係者に社内のチャネルを通して改訂内容を周知します。マニュアルの変更内容を明確な説明や記述により伝えることによって、社内全体に変更情報が徹底されます。

改訂したことを社内に周知することで、従業員や関係者が最新の正確な情報を把握し、業務に適切に対応できるようになります。また、改訂履歴に社内周知が行われた日付や方法、対象者などの情報を反映し、記録することも必要です。

マニュアル改訂のタイミングとは

マニュアルの改訂は、組織の業務プロセスの変更や法令・規則の変更など、さまざまな要因に基づいて行われます。ここからは、マニュアル改訂のタイミングとして以下の項目について解説します。

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マニュアル改訂のタイミングとは

  1. 半年もしくは1年に1回
  2. 業務内容やルールの変更時

半年もしくは1年に1回

業務環境や市場の変化に伴い、業務プロセスにも変化が生じることがよくあります。また、新たなツールやシステムの導入、業界の規制や法律の改正、内部の手続きやポリシーの見直しなどが発生します。

そのため、半年もしくは1年に1回、定期的にマニュアルの見直しや改訂を行うことで、これらの変化に対応し、最新の手順や情報を反映させることができます。また、業務プロセスをより効率的に遂行するための最適な手順や最良のプロセスを確立することができます。

定期的なマニュアルの改訂は、組織内の業務効率や品質管理を維持し、最新の情報を従業員に提供するために欠かせないプロセスです。ただし、緊急を要する重要な変更が生じた場合には、定期の時期を待たずマニュアルに反映し、周知する対応も必要です。

業務内容やルールの変更時

業務内容やルールに変更があった場合、マニュアルの改訂を速やかに行うことは非常に重要です。迅速にマニュアルを改訂することで、従業員に最新の情報を提供でき、間違った古い手順や情報の使用を防ぎます。

また、業務内容やルールの変更は、しばしば法令や規制の変更に関連しています。マニュアルを速やかに改訂することで、組織が法令遵守を確保し、法的リスクを回避することができます。

まとめ

マニュアルの改訂履歴は、マニュアルの更新や変更を追跡し、過去の改訂内容を記録するために非常に重要です。改訂履歴には、改訂の日付とバージョン番号、変更内容の概要、具体的な改訂箇所の詳細、および改訂を行った責任者の情報が含まれます。

これにより、マニュアルの使用者や改訂担当者が過去の変更を追跡し、最新の情報を把握できるようになります。また、改訂履歴は品質管理や法令遵守の観点からも重要であり、正確性と透明性を確保するために不可欠です。

マニュアルを作成する場合には、変更に対応した改訂履歴を明確に記述し、記録として残すことが重要です。また、マニュアルの信頼性や品質の向上にも繋がりますので、正確な改訂履歴を記録して管理しましょう。

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