RPAで人事部門の業務を自動化|導入メリット・活用ポイントも解説

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  • 人事部門へのRPA導入には、経費削減・生産性向上・人手不足解消などのメリットがある
  • RPAを導入できる人事業務には、勤怠管理・入退社手続き・採用活動などがある
  • RPAを効果的に活用するには、業務内容の棚卸しを行い、誰でも扱えるツールを選ぶ

定型的な業務を自動化できるRPAは、人事部門でも活用できます。特にミスが許されない人事業務では、正確な作業を可能にするRPAが多いに役立つでしょう。この記事では、RPAを人事部門に導入するメリットや自動化できる業務の具体例、また活用時のポイントを解説します。

目次

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  1. RPAで人事業務も効率化
  2. 人事部門にRPAを導入するメリット
  3. RPAで自動化できる人事業務の例
  4. 人事部門でRPAを効果的に活用するためのポイント
  5. まとめ

RPAで人事業務も効率化

RPAは、パソコンで行われる定型的な事務作業を自動化する技術です。この技術は特定のルールに基づいて、データの入力やファイル処理などの単純作業を自動で行うため、ミスを減らし効率を大幅に向上させることができます。

特にミスが許されない人事業務では、正確な作業を可能にするRPAが多いに役立つでしょう。この記事では、RPAを人事部門に導入するメリットや自動化できる業務の具体例、また活用時のポイントを解説します。

RPAとは?メリットや向いている業務、ツールの選び方などを解説

RPAとは、定型業務をロボットを活用して自動化・効率化するシステムのことを言います。RPAを導入することで、業務処理の迅速化などに繋がりますが、対応が難しい業務もあるため注意が必要です。本記事では、RPAのメリット・デメリットや導入手順などを解説しています。

人事部門にRPAを導入するメリット

人事部門にRPAを導入することは、コア業務に集中できたり、人件費削減・生産性向上に繋がったりなど、多くのメリットがあります。ここでは、RPAが人事部門にもたらす具体的なメリットを詳しく解説していきます。

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コア業務に集中できる

人事部門にRPAを導入することは、単調で時間がかかる定型的な作業を自動化し、人事スタッフがより重要なコア業務に集中できるようになるという大きなメリットがあります。

例えば、履歴書のスクリーニングや従業員データの入力、給与計算などのルーティン業務は、RPAによって自動で処理されるため、人事担当者はこれらの作業にかかっていた時間を節約できます。

この時間を活用して、採用戦略の策定、従業員の育成計画の作成、労働環境の改善など、高度な判断が求められるコア業務に注力することが可能です。

人件費削減・生産性向上に繋がる

RPAを導入することで、人件費の削減と生産性の向上が期待できます。RPAはプログラムに従って正確に作業を行うため、人が作業する際に生じるミスが格段に減少します。そのため、ミスから生じる再作業の時間やコストを削減することができます。

また、RPAは24時間365日休まずに動作することができるため、夜間や休日も含めて連続して業務を行うことが可能です。特に時間がかかるデータ入力や書類処理などの作業をRPAに任せることで、人件費削減・生産性の向上に繋がります。

正確な作業が可能になる

RPAを人事部門に導入することにより、人的ミスを大幅に削減し、作業の精度を高めることができます。RPAはプログラムされた手順に従って、データ入力やファイル管理などの定型的な作業を自動で行います。

人が作業をする場合、長時間労働や疲労によりミスが起こりがちですが、RPAならそのような問題がありません。その結果、手作業で発生するミスによる再作業の時間や労力を削減できます。

人手不足を解消できる

人事部門にRPAを導入することで、人手不足の問題を効果的に解消することができます。

例えば、履歴書のデータ入力や給与計算、従業員情報の更新など、日常的に繰り返される業務をRPAに任せることで、人事担当者はこれまで手がけていた時間を要する単純作業を行う必要がなくなります。

その結果、限られた人員で効率的に業務を進めることができるようになります。このようにRPAを導入することで、人手不足を解消し、全体の業務効率を向上させることできるでしょう。

働き方改革・DXを推進できる

働き方改革とは、労働者が健康で充実した生活を送ることができるよう、労働時間の短縮や柔軟な働き方を推進する国の政策です。DXは、デジタル技術を活用して業務やサービスを革新し、効率化や新たな価値の創出を目指す取り組みです。

人事部門にRPAを導入することで、これらの目標を支援することができます。RPAは定型的なデータ処理や書類作成などの業務を自動化するため、働き方改革に必要な労働時間の削減や労働環境の改善が進みます。

また、RPAによる業務の効率化は、DX推進の一環としても機能し、全体的な業務のデジタル化を加速させることが可能です。このように、RPAは働き方改革やDXの推進において重要な役割を果たします。

参考:「働き方改革」の実現に向けて|厚生労働省

参考:経済産業省のDXとは|経済産業省

RPAで自動化できる人事業務の例

RPAは、特に定型的で反復的なタスクを自動化するのに適しています。具体的には、同じ手順を繰り返すデータ入力、フォームの処理、報告書の作成など、明確なルールに基づいて行われる業務が対象です。

この技術を人事部門に導入することで、従業員の勤怠管理、通勤手当の確認・承認、入退社手続きといった時間がかかりがちな作業を自動化できます。以下では、RPAで自動化できる人事業務の例について、詳しく解説します。

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勤怠管理

勤怠管理は従業員の出勤、退勤、残業時間などを記録・集計する業務です。この作業は、手作業で行うと時間がかかり、ミスが発生する可能性もありますが、RPAの導入により、勤怠データの収集・集計を自動化することが可能です。

例えば、従業員が勤務すると、RPAはシステムからその情報を取得し、勤怠記録を更新します。このようにすることで、給与計算などの業務に即座に反映させることができます。

通勤手当の確認・承認

RPAを導入することで、人事部門で行う通勤手当の確認・承認作業を自動化することができます。通常、従業員が提出する通勤経路に基づいて手当を計算する作業は時間がかかり、ミスが生じやすいです。

しかし、RPAを使用すると、従業員が提出した通勤経路データをもとに、自動でインターネット上の交通機関の運賃情報を検索し、最も安い運賃を計算します。その結果に基づいて通勤手当が自動で計算され、適切な額が承認されます。

入退社手続き

入退社手続きは、人事部門にとって非常に時間を要する作業です。特に新しい従業員が入社する際には、様々なシステムにその従業員の情報を登録する必要がありますが、RPAを導入することで、これらの手続きを効率化できます。

RPAは、Excelなどのファイルから新入社員のデータを読み取り、それを基に各種システムに自動で情報を登録します。また、アクセス権限の設定も自動化できるため、人事部門の作業負担を大幅に軽減し、より重要な業務に集中することが可能です。

採用活動

採用活動における人事部の業務は多岐にわたりますが、RPAの導入によって多くの作業を自動化でき、効率が大幅に向上します。具体的には、応募者のデータを採用管理システムに登録する作業や、応募者への応答メールの自動送信などが挙げられます。

また、求人サイトを通じてのスカウトメールの一斉送信や、面接官への面接日程の通知も自動化することが可能です。人事担当者は単純なデータ入力やメール送信といった反復作業を自動化でき、より別の業務に集中できるようになります。

給与明細の配布

RPAを活用することで、毎月の給与明細の配布作業を効率化できます。具体的には、給与計算が完了すると、自動で給与明細を生成し、印刷またはデジタル化(PDF形式)して配布するプロセスを設定することが可能です。

例えば、従業員に紙の明細を配る場合、給与計算システムから情報を取得し、自動で印刷を行い、部署ごとや個人ごとに封入・配布が行えます。

一方、デジタル配布の場合は、生成されたPDFファイルを従業員個々のメールアドレスに送信することができ、メールには給与明細に関する定型文を挿入することも可能です。

派遣社員の契約更新

RPAを利用することで、契約社員の契約更新を自動化することが可能です。企業が派遣社員を管理する際、契約の期間終了が近づくと、契約更新のための確認作業が必要になります。

RPAを導入すると、契約データベースを監視し、更新が必要な契約が近づいたら自動で関係者に通知を送ることができます。

さらに、契約条件の変更があった場合、それをデータベースに自動で反映させ、必要書類を自動生成し、関連部署や派遣社員への配信も自動で行うことも可能です。

人事部門でRPAを効果的に活用するためのポイント

人事部門での業務は、従業員に関わる多くの繊細かつ重要な情報を扱いますが、その一部は単純で時間がかかる作業も含まれています。こうした作業の効率化を図るためには、RPAの導入が非常に効果的です。

この記事では、人事部門でRPAを効果的に活用するための重要なポイントについて解説します。

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業務内容を棚卸しする

人事部門でRPAを導入する際には、まず最初にどの業務を自動化するかを決定することが重要です。これを効果的に行うためには、業務内容の棚卸しが必要になります。

具体的には、日常的に行われているすべての業務をリストアップし、それらがどれだけの時間を要しているか、またどの業務が反復的で単純な作業かを評価します。

自動化によって最も効率化が期待できる業務を明確にすることで、RPAの導入効果を最大限に高めることができます。

誰でも使えるツールを選ぶ

人事部門でRPAを効果的に活用するためには、専門知識がなくても使えるツールを選びましょう。

専門知識のない人事担当者でも簡単に操作できるシンプルなツールを選ぶことで、部門全体のスムーズな導入と運用が可能になります。さらに、担当者が交代する場面でも誰でも簡単に扱えるツールであれば、引き継ぎが容易となります。

そのため、操作方法やトラブルシューティングに関する明確なマニュアルを用意しておくことも重要です。

ベンダーのサポート体制を確認しておく

人事部門でRPAを導入する際、トラブルやエラーが発生したときに素早く対応できるよう、ベンダーのサポート体制を事前に確認しておきましょう。高いサポート体制を持つベンダーを選ぶことで、技術的な問題が生じた際にも迅速に解決してもらえます。

具体的には、サポートデスクの連絡先や対応時間、緊急時の問い合わせ方法などの情報を事前に把握し、必要なサポートを受けられるように準備しておきましょう。

確認しておくことで、万が一の事態が発生した際にも即座に適切なサポートを受けることが可能となり、安心してRPAツールを活用することができます。

小規模な業務から導入する

RPAの導入を考える際、最初から大規模な業務に取り組むのではなく、まずは小規模な業務から始めることがおすすめです。このアプローチにより、導入初期の混乱やトラブルを最小限に抑えることができます。

日々の簡単なデータ入力や報告書作成など、比較的リスクの低い業務からRPAを利用して自動化を試みましょう。この段階的な導入によって、RPAの機能と効果を実際の業務で確認し、従業員も新しいシステムに徐々に慣れることができます。

そのため、小規模な業務からRPAを運用するテストを行うことがスムーズな技術導入につながります。

まとめ

人事業務では非常に重要な情報を取り扱うため、ミスを避けることが重要です。RPAによる業務の自動化により、こうした業務のミスを減少させることができます。導入する際には、現在の業務内容を詳細に棚卸しすることが大切です。

その上で、使いやすくて機能的なRPAツールを選び、適切にサポートしてくれる信頼できるベンダーを選定することが求められます。

そのためには、業務内容の棚卸しを行い、誰でも使えるRPAツールを選ぶこと、どのようなサポート体制かを確認することが重要です。本記事で挙げたポイントを踏まえ、自社に最適なRPAツールを見極め、導入を検討しましょう。

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