オンラインストレージのセキュリティリスクとは?必要な対策も解説

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  • オンラインストレージには、データ消失・情報漏洩・サーバー停止などのリスクがある
  • 利用時は、ルールの設定や定期的なバックアップ取得などのセキュリティ対策が必要
  • 選ぶ際は、2段階認証・IPアドレス制限・ログ管理などの機能の有無を確認する

オンラインストレージは、インターネットさえあればどこからでもデータの共有ができて便利です。しかし、利用に際してはセキュリティリスクもあるため注意が必要です。この記事では、オンラインストレージ利用時に知っておきたいセキュリティリスクや対策などについて解説します。

目次

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  1. オンラインストレージのセキュリティリスク・危険性とは
  2. オンラインストレージのセキュリティ事故が発生する原因
  3. オンラインストレージ利用時に必要なセキュリティ対策
  4. オンラインストレージ選定時のセキュリティ面での注意点
  5. まとめ

オンラインストレージのセキュリティリスク・危険性とは

オンラインストレージはクラウドベースのデータ保管サービスで、インターネットがあれば世界中どこからでもデータを共有することが可能です。この便利さにより、多くの企業や個人が重要な情報をオンラインストレージに保存しています。

しかし、これらのサービスを利用する際には、セキュリティリスクも伴います。この記事では、オンラインストレージ利用時に知っておきたいセキュリティリスクや対策などについて解説します。

オンラインストレージとは?メリット・デメリットと選び方を解説

オンラインストレージとは、ローカルのHDDなどの記憶容量にデータを保存せずに、インターネット上のストレージにデータを保存するサービスのことです。本記事ではオンラインストレージの仕組みや使い方、メリット・デメリット、選び方について解説します。

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オンラインストレージのセキュリティリスク・危険性とは

  1. 保管データの消失
  2. 情報漏洩
  3. データの改ざん
  4. サーバーの停止

保管データの消失

オンラインストレージは、データをインターネット上で保管できるため非常に便利ですが、サーバのトラブルによるデータ消失のリスクも伴います。

たとえば、サービス提供者のサーバーが人的ミスやサイバー攻撃、自然災害などで停止することがあります。サーバーが停止すると、データに一時的にアクセスできなくなり、最悪の場合はデータが完全に失われる可能性もあります。

特にオンラインストレージの場合、復旧は完全にサービス提供者の手に委ねられており、その復旧作業が遅れれば遅れるほど業務に大きな影響を与えることになります。

情報漏洩

オンラインストレージを利用する際には、データやユーザーアカウント情報がハッキングによって漏洩するリスクが存在します。

特に、保存されているのが個人情報や重要な企業データである場合、これらはサイバー攻撃者にとって魅力的な標的となり得ます。サイバー攻撃者は、標的型攻撃を通じて特定のデータを狙い、ユーザーアカウント情報を盗み出すことがあります。

さらに、共有IDを用いたアクセスや退職者のアカウントが適切に管理されていない場合、これらは不正アクセスを容易にし、情報漏洩のリスクを高める要因となります。

データの改ざん

オンラインストレージは、不正なアクセスによってデータが意図的に変更されたり、誤って更新されたりする可能性があります。

特にアクセス権限が不適切に管理されている場合、誰でもデータを編集できる状態になってしまい、重要な情報が改ざんされたり、マルウェアに感染させられたりする危険性が高まります。

たとえば、必要以上に多くのユーザーに編集権限を与えてしまうと、データの安全性が脅かされることになります。このようなリスクを避けるためには、アクセス権を厳密に管理し、必要な人だけがデータに触れられるように設定することが重要です。

サーバーの停止

オンラインストレージはデータをクラウド上で管理するため、サーバーの停止というリスクも伴います。サーバー停止の原因には、人的ミスやハードウェアの故障、サイバー攻撃など様々な要因が考えられます。

サーバーに技術的な問題や不具合が発生した場合、サーバーがダウンして、保存されているファイルやデータにアクセスできなくなる可能性があります。そのため、業務が一時的に停止するだけでなく、データの損失や破損のリスクも生じることがあります。

オンラインストレージのセキュリティ事故が発生する原因

オンラインストレージは、その利便性から多くの企業や個人に広く利用されていますが、それに伴いセキュリティ事故のリスクも高まっています。以下では、オンラインストレージに関連するセキュリティ事故が発生する原因を詳しく解説します。

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オンラインストレージのセキュリティ事故が発生する原因

  1. 脆弱性を狙った不正アクセス
  2. 従業員による設定ミス
  3. 従業員の操作ミスや不正

脆弱性を狙った不正アクセス

オンラインストレージサービスのセキュリティ事故の一つに、サーバーの脆弱性を狙った不正アクセスがあります。この種の攻撃では、ハッカーがソフトウェアの未修正のセキュリティホールや設定ミスを利用してシステムに侵入します。

たとえば、ファイル共有サービスでは、このような脆弱性が原因で大量の顧客情報が流出する事故が発生しました。不正アクセスが成功すると、個人情報や財務情報、機密業務データなど、保存されているあらゆるデータが盗まれるリスクがあります。

これにより、企業の信用失墜や顧客の信頼損失、場合によっては法的責任を問われることもあります。

従業員による設定ミス

オンラインストレージを利用する際に従業員が行う設定ミスは、意図しないセキュリティ事故を引き起こす可能性があります。特に、ファイルやフォルダの共有設定の誤りは、重大な情報漏洩につながることがあります。

たとえば、従業員の操作ミスにより、機密情報や個人情報を含むデータが公開設定になってしまい、インターネット上で誰でもアクセスできる状態になってしまった事例があります。

オンラインストレージの利用では、共有範囲の設定を慎重に行うことが必須であり、設定の際には二重の確認を行うなどの対策が求められます。

従業員の操作ミスや不正

オンラインストレージのセキュリティ事故には、従業員の操作ミスや不正行為が大きな原因として挙げられます。たとえば、従業員が誤って重要なファイルを上書きしたり、削除してしまったりすることで、貴重なデータが失われる事故が発生するケースがあります。

さらに、悪意を持った従業員が意図的にデータを持ち出す場合、企業の機密情報が外部に漏れるリスクが生じます。従業員の一つひとつの行動がデータの安全を左右するため、常に警戒し、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。

オンラインストレージ利用時に必要なセキュリティ対策

オンラインストレージはデータの保存と共有に非常に便利ですが、その利用には適切なセキュリティ対策が重要です。セキュリティ措置を怠ると、データ漏洩や不正アクセスのリスクが高まり、重大なセキュリティ事故に繋がることがあります。

そのため、ここからはオンラインストレージを安全に使用するためにユーザーが取るべき具体的なセキュリティ対策について詳しく解説します。

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オンラインストレージ利用時に必要なセキュリティ対策

  1. 制限・利用ルールを設ける
  2. 定期的にバックアップを取る

制限・利用ルールを設ける

オンラインストレージを利用する際には、セキュリティを確保するために厳格なルールと制限を設けることが非常に重要です。たとえば、アクセス制限の設定と複雑なパスワードの使用が必要です。

アクセス制限では、必要なユーザーのみがデータにアクセスできるように制限を設けて、不正アクセスを防ぎます。また、パスワードは、簡単に推測されないように複雑で独自のものを設定し、定期的に更新することが推奨されます。

さらに、オンラインストレージからのデータの持ち出しに関しても明確なルールを設定し、データの漏洩を防ぐための対策を講じる必要があります。これらの基本的なルールを遵守することで、安全にオンラインストレージを使用することが可能となります。

定期的にバックアップを取る

オンラインストレージを利用する際には、サイバー攻撃や自然災害、人的ミスなどによって、データが予期せず損傷または消失するリスクが常にあります。そのため、定期的なバックアップは非常に重要です。

たとえば、オンラインストレージがサイバー攻撃により、データが暗号化されてアクセス不能になったり、従業員が誤って重要なファイルを削除または上書きしたりした場合でも、事前に取っておいたバックアップからデータを復元できます。

そのため、データのバックアップは定期的に行い、可能な限り複数の場所に保存することがおすすめです。もし本来のデータに何かあった場合でも、バックアップからデータを回復することで、大きな損失を避けることができます。

オンラインストレージ選定時のセキュリティ面での注意点

オンラインストレージの選択は、ただ単にファイルをクラウドに保存するだけではなく、どれだけ安全にデータを保護できるかが重要です。

ここからは、セキュリティを最優先に考えたオンラインストレージの選び方について、どのような点をチェックすべきかを詳しく解説します。

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強固なセキュリティ機能を搭載しているか

オンラインストレージを選ぶ際は、強固なセキュリティ機能を搭載しているか確認することが非常に重要です。以下では、オンラインストレージを選定する際に注目すべきセキュリティ機能について解説します。

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2段階認証

2段階認証は、通常のIDとパスワードでのログインに加えて、追加のセキュリティ手段として一時的なセキュリティコードを使用するセキュリティシステムです。

この追加の認証手順は、単なるパスワードだけよりもはるかに強力で、たとえパスワードが漏れたり盗まれたりしても、不正なログインを効果的に防ぐことができます。

2段階認証は、オンラインアカウントの保護を強化し、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを大幅に減少させるために広く推奨されています。

IPアドレス制限

IPアドレス制限は、オンラインストレージにアクセスできるユーザーを特定のIPアドレスからのみに限定するセキュリティ機能です。

IPアドレス制限は、サイバー攻撃からデータを守るのに効果的で、オンラインストレージへのアクセスを厳格に管理するのに役立ちます。

IPアドレス制限を設定することで、許可されたIPアドレスからのアクセスのみが可能となり、不正アクセスのリスクを大幅に減らすことができます。

ファイル・通信の暗号化

ファイルと通信の暗号化は、保存されたデータファイルやデータの送受信プロセスを暗号化する技術を使用しています。この暗号化によって、万一情報が外部に漏れた場合でも、第三者によって内容が読み取られることはありません。

また、データがオンラインで送受信される際にも暗号化が施され、データの途中での傍受や改ざん、盗用を防ぐことができます。

ファイルと通信の両方を暗号化することで、オンラインストレージのセキュリティを大幅に強化し、安全にデータを保管・共有することが可能となります。

ウイルスチェック・侵入検知

オンラインストレージを選ぶ際にチェックすべき重要なセキュリティ機能の一つが、ウイルスチェックと侵入検知システムです。これらの機能は、サーバーやネットワークへの不正アクセスを検出し、防ぐために設計されています。

ウイルスチェック機能は、アップロードされたファイルにウイルスやマルウェアが含まれていないかを自動的に検査します。一方、侵入検知システムは、外部からの不正なアクセスやその兆候を検知し、管理者に警告を発します。

そのため、システム障害やデータ漏洩を未然に防ぐことが可能です。

ログ管理機能

ログ管理機能は、オンラインシステムの全ての活動履歴を詳細に記録するセキュリティ機能です。ログ管理を行うことで、不審なアクセスや異常な動作が検出された際に対処が可能になり、セキュリティ違反の際には原因究明や被害の拡大防止に役立ちます。

たとえば、不正なアクセスの試みがあった場合、ログに残る情報をもとにアクセスをブロックし、適切な対応を取ることができます。このように、セキュリティ違反が発生した際の原因を究明して、被害を最小限に抑えることができます。

バージョン管理機能

バージョン管理機能は、オンラインストレージに保存されているファイルの別のバージョンを記録し、保持する重要なセキュリティ機能です。この機能により、ファイルが更新されるたびにその時点のバージョンが自動的に保存されます。

もし間違えてファイルを削除したり、重要な情報を誤って上書きしたりした場合でも、以前のバージョンに簡単に戻すことができます。

このように、バージョン管理機能を備えたオンラインストレージを使用することで、データの誤操作や不慮の事故から生じるリスクを大幅に軽減することが可能です。

ディザスタリカバリ機能

ディザスタリカバリ機能は、自然災害や技術的な障害が発生した際に、オンラインストレージ上のデータを迅速に復旧させるための重要なセキュリティ機能です。

この機能を有するオンラインストレージは、データを複数の場所に冗長的にバックアップして保管します。つまり、一か所で問題が発生しても、他の場所に保存されているデータを使ってサービスを素早く復元できるようにする仕組みです。

たとえば、地震や火災によりデータセンターが損傷した場合でも、別の安全な場所に保存されているバックアップからデータを復旧することができます。

サーバーが冗長化されているか

オンラインストレージを選ぶ際には、サーバーの冗長化が行われているかどうかを確認することが非常に重要です。

冗長化とは、データを安全に保管して継続的なサービス提供を確保するために、複数のデータセンターに同じデータを複製して保存するシステムのことを指します。

つまり、一か所でサーバー障害や災害が発生しても、他の場所にあるサーバーが自動的に機能を引き継ぎ、データへのアクセスとサービスの提供を継続できます。この冗長化によって、予期せぬ事態から迅速に回復することが可能になります。

第三者機関の認証を取得しているか

オンラインストレージを選定する際に、そのサービスが第三者機関からの認証を受けているかを確認することは、サービスの安全性を判断する上で非常に重要です。

特にISO認証などの国際的な基準に合格しているサービスは、厳しいセキュリティ管理とデータ保護の基準を満たしています。

ISO/IEC 27001は、情報セキュリティ管理システム(ISMS)の国際規格です。これを取得しているサービスは、不正アクセスやデータ漏洩といったリスクを効果的に管理し、抑制していることが証明されます。

第三者機関からの認証を受けているオンラインストレージを選ぶことで、安心して重要なデータを預けることができます。

まとめ

オンラインストレージは、その便利さから多くの企業や個人に利用されていますが、それに伴ってセキュリティリスクも高まっています。安全にオンラインストレージを利用するためには、複数のセキュリティ対策を講じることが重要です。

また、サービスを選ぶ際には、強固なセキュリティ機能が搭載されているか、第三者機関の認証を取得しているかなど、セキュリティ対策のレベルを確認することが必須です。

本記事で紹介したポイントや注意点をしっかりとチェックして、適切なオンラインストレージを選択することで、セキュリティリスクを最小限に抑えつつサービスを安全に利用することができるでしょう。

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