ファクタリングに連帯保証人や担保は不要?利用時の注意点も解説

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  • ファクタリングは融資ではなく債権の譲渡契約であるため、連帯保証人や担保は不要
  • 同じく売掛債権を活用する資金調達方法であるABLには、連帯保証人が必要
  • ファクタリング業社の中には、契約書や見積もりがない悪徳業者もいるため注意が必要

資金調達にファクタリングを検討しているものの、保証人が必要なのではと考えている方も多いかもしれません。結論、ファクタリングに連帯保証人や担保は不要です。この記事では、ファクタリングに連帯保証人・担保が不要な理由や利用時の注意点などを解説します。

目次

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  1. ファクタリングの利用に連帯保証人や担保は不要
  2. ファクタリングに保証人が不要な理由
  3. ABL(売掛債権担保融資)には連帯保証人が必要
  4. 保証人不要なファクタリングは融資よりも資金調達が容易
  5. ファクタリング利用時の注意点
  6. まとめ

ファクタリングの利用に連帯保証人や担保は不要

ファクタリングとは、企業や法人が保有する未回収の売掛金の債権をファクタリング会社に売却して、早期に資金を入手する方法です。これにより、企業は売掛金の回収を待つことなく、迅速に資金を手に入れられるため、円滑に事業運営などを行えます。

ファクタリングは、売掛金そのものを資産として売却する取引であり、融資とは異なるため、保証人や連帯保証人が必要ありません。また、売掛金を担保に資金を調達するのではなく、売掛金自体を売却するため返済義務が発生しません。

本記事では、保証人・連帯保証人・担保などの意味に加えて、ファクタリングに連帯保証人・担保が不要な理由や利用時の注意点などについて分かりやすく解説します。

ファクタリングとは|意味やメリットデメリットをわかりやすく解説

ファクタリングは「債権買取り」のことで、経済産業省が中小企業に向けて推奨している資金調達方法です。スピーディーに資金調達できる点が魅力です。本記事では、ファクタリングの仕組みや種類、メリット・デメリットの他、ファクタリングが役立つシーンなどについて解説します。

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保証人・連帯保証人・担保とは

  1. 保証人・連帯保証人とは
  2. 担保とは

保証人・連帯保証人とは

保証人とは、借金をした人や契約を履行する義務を負っている債務者が、お金を返せなくなった場合に、代わりにその債務を返済する責任を負う人のことです。保証人の責任は、主たる債務者の債務が履行されない場合に初めて発生します。

また、連帯保証人とは、主たる債務者と同等の責任を負う保証人を指します。連帯保証人は、主たる債務者と連帯して債務を負担するため、債権者は債務者が履行できない場合に限らず、連帯保証人に直接請求ができます。

連帯保証人の場合は、催告や検索の抗弁権など通常の保証人で認められているいくつかの権利が適用されず、債務者と同等の責任や義務を背負います。そのため、保証人よりもさらに重い責任である法的義務を負うことになります。

担保とは

担保とは、債権者が債務者からの返済を確実に受け取るために、債務者が提供する財産や権利を指します。債務者が返済できなくなった場合に備えて、債権者がその財産や権利を担保として売却し、返済に充てられます。

この場合に一般的に担保となるものとしては、土地や建物などの不動産担保、車や機械、在庫商品などの動産担保、株式や債券などの有価証券担保などが挙げられます。

担保の利点として、債務者にとっては担保を提供することで、より低い金利で融資を受けられる可能性が高まります。また、債権者側にとっては貸し倒れリスクが軽減されるため、安心して融資を行えます。

ファクタリングに保証人が不要な理由

ファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に譲渡する取引であり、資金の貸付けを受ける借入ではありません。したがって、債務の返済を保証する保証人は不要となるため、ファクタリング会社がリスクを負い、売掛先からの回収を行います。

ただし、ファクタリングは保証人を必要としない便利な資金調達方法ですが、ファクタリング会社が売掛金の回収リスクを負うため、そのリスクに見合った手数料を設定します。この手数料率は、融資の金利よりも高く設定されることが多いです。

ファクタリングは売掛債権を譲渡する仕組みであり、借入ではないため保証人が不要です。その代わりに、手数料率が融資の金利よりも高いことが一般的であるため、企業は資金調達のスピードとコストのバランスを考慮しましょう。

ABL(売掛債権担保融資)には連帯保証人が必要

ABL(売掛債権担保融資)とは、「Asset Based Lending」の略称であり、企業が売掛債権を担保にして融資を受ける金融手法です。ファクタリングと同様に売掛債権を元にしますが、ABLは借入取引であるため返済義務が発生する点が異なるポイントです。

また、リスクをカバーするために、経営者が連帯保証人になる場合があります。連帯保証人は、主たる債務者が返済できない場合に備えて、借入金の返済を保証する役割を果たします。これにより、金融機関は安心して融資を行うことができます。

参考:ABLのご案内|経済産業省

保証人不要なファクタリングは融資よりも資金調達が容易

企業が資金調達を行う際、保証人や担保を確保することは容易ではありません。保証人は、信頼できる個人や法人になってもらうものであるため、信用調査や承諾を得ることが必要です。そのため、時間がかかり、場合によっては保証人を見つけられないケースもあります。

一方でファクタリングは、売掛債権をファクタリング会社に売却する取引です。借入ではないため返済義務が発生せず、保証人や担保は必要ありません。保証人を探す手間や時間が短縮できることで、迅速資金調達が可能です

このように、ファクタリングは保証人や担保を必要としないため、融資に比べて利用ハードルが低く、スピーディーな資金繰りに繋がります。したがって、保証人や担保の確保が難しい企業にとって、ファクタリングは非常に有効な資金調達手段となります。

ファクタリング利用時の注意点

ファクタリングの利用では、手数料が高額な場合や売掛先に知られる可能性がある点に留意が必要です。また、ファクタリング会社の中には悪徳業者も存在するため、これも合わせて注意しなければなりません。

ここからは、ファクタリングを利用する際の注意点について解説します。

手数料が高い傾向にある

ファクタリングは売掛債権を売却する取引であり、借入ではないため返済義務が発生しません。また、保証人や担保も不要なので、スピーディーに資金調達できます。しかし、ファクタリングの手数料は、融資の金利よりも高い場合が多いです。

そのため、ファクタリングを頻繁に利用すると手数料がかさむことになり、資金繰りが悪化するリスクがあるため、計画的に利用することが重要です。

ファクタリングの利用が売掛先に知られる可能性がある

利用するファクタリングの種類によっては、売掛先に利用が知られる可能性があります。ファクタリングには、2社間と3社間の2種類があり、3社間では利用者・売掛先・ファクタリング会社間で契約を締結します。

これによって、売掛先にファクタリングの利用が知られてしまいます。利用を知られると、企業の資金繰りなどに疑念を持たれるリスクがあります。このような状況は、企業の信用や取引関係に悪影響を及ぼす可能性もあるため注意が必要です。

2社間ファクタリングは、利用者とファクタリング会社で契約を結びます。そのため、売掛先に知られることはありませんが、3社間と比較すると手数料が高めに設定される傾向にあります。

ファクタリングを利用する場合には、これらの点に注意して、適切に対応することで効果的に活用できます。

悪徳業者も存在する

ファクタリング会社の中には、相場よりも高すぎる手数料を設定していたり、ファクタリングを装って融資を行う悪徳業者も存在します。これらの悪徳業者を利用してしまうと、法外な費用を支払わされたり、強引な取り立てによる被害を受ける恐れがあります。

悪徳業者は以下のような特徴を持っていることが多いです。ファクタリング会社の利用を検討している際は、これらのポイントを頭に入れて信頼できる会社を選ぶことが大切です。

手数料が高すぎる

手数料が相場よりも高すぎる場合は、悪徳業者である可能性が高いです。ファクタリングは利息制限法が適用されず、ファクタリング会社が独自に手数料を決めるケースがほとんどのため、悪徳業者か正規の業者か判断が難しい場合もあります。

しかし、手数料の一般的な相場は、2者間ファクタリングが8%〜18%程度、3者間ファクタリングが2%〜9%程度です。この範囲よりも過度に手数料が高い場合は、悪徳業者とみなして利用をやめるのがおすすめです。

ファクタリングの手数料の相場とは?注意点・安く抑える方法も解説

ファクタリングは企業の資金調達の手段として注目されていますが、利用には手数料がかかります。また、2者間ファクタリングと3者間ファクタリングでは相場が異なります。この記事では、ファクタリングにかかる手数料の相場・内訳・注意点や安く抑える方法などを解説します。

ファクタリング会社の事業所・固定電話・公式サイトが存在しない

悪徳業者は、公式サイトに会社の事業所や固定電話を記載していなかったり、そもそも公式サイトが存在していないケースが多いです。一般的にファクタリング事業を始める際は、これらの3つは最低限必要なものであるため、悪徳業者を疑うのがおすすめです。

特に携帯電話番号が指定されている場合、架空名義で契約された番号の可能性もあります。そのため、ファクタリングを利用する際は、事業所の所在や固定電話について教えてもらえるかを聞き、不審な点があれば利用を避けましょう

見積もりや契約書がない

ファクタリングに申し込む際は、まずは実際にどのくらいの価格で買い取ってもらえるかの見積もりを出してくれるのが一般的です。しかし、悪徳業者の場合は、そもそも見積もりを取れなかったり、概算の買取価格のみで明細や根拠が記載されていないことが多いです。

また、ファクタリングを利用する際は、ファクタリング会社と債権譲渡契約を締結しますが、悪徳業者は契約書がないケースや契約書が異なることがあります。例えば、契約書が「金銭消費貸借契約」になっている場合があり、これは融資の契約になります。

知らぬ間に融資の契約を結んでしまう恐れがあるため、契約前にファクタリングに関する説明を受けていてもしっかり契約書を読み込みましょう。特に、ファクタリングに関する契約かどうか、不利な条件が盛り込まれていないかをチェックするのがおすすめです。

分割払いを勧めてくる

分割払いを勧めてくる業者は、悪徳業者とみなして取引を中止しましょう。例えば、「今すぐの支払いが難しいなら、分割払いでも大丈夫ですよ」などと言ってくる業者は、一見丁寧で親切だと感じる方もいるかもしれません。

しかし、ファクタリングは売掛金の買取サービスであるため、実際は分割払いには対応していません。ファクタリングを名乗っているに関わらず、分割払いを勧めてくる業者は悪徳業者である可能性が高いため、利用を即刻やめるべきです。

また、もし悪徳業者と知らず分割払いの提案に乗ってしまっても、それは違法な契約であるため、支払いや返済をする必要はありません。騙されてしまったと気づいたら、弁護士などに相談して間に立ってもらうことが大切です。

まとめ

ファクタリングは売掛債権の売却取引であり、融資などの借入ではないため返済義務が発生しません。そのため、連帯保証人や担保などが不要となり、スピーディーな資金調達が可能です。

一方、高い手数料の負担や売掛先に利用を知られるリスクなどのデメリットがあり、悪徳業者も存在します。特に悪徳業者と気づかず契約を結んでしまうと、法外な費用の請求や取り立てのリスクがあるため、計画的かつ慎重に利用することが求められます。

本記事の内容も参考に、ファクタリングを適切に活用することで、企業のキャッシュフローを改善して、事業運営を円滑に進めることができるでしょう。

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