NPSツールのおすすめ2選|選び方のポイント・導入の流れも解説
Check!
- NPSツールを選ぶ際は、機能・分析手法・他ツールとの連携性を重視する
- NPSツールによっては、顧客ロイヤルティ向上のためのコンサルティングも提供される
- NPSは調査して終わりではなく、集計したデータを改善施策に活かすことが重要
NPSツールとは、NPS(Net Promoter Score)を測定するためのツールです。アンケートの作成・配信、データ集計などの機能を持ち、NPS調査を効率的に実施できます。この記事では、おすすめのNPSツールや選ぶ際のポイントを解説します。
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
NPSツールを活用して顧客ロイヤルティ向上を実現

NPS(Net Promoter Score)とは、顧客ロイヤルティ(企業に対する信頼度や愛着)を測る指標のことです。顧客ロイヤルティとよく似た意味合いを持つものに、商品やサービスに対する顧客の満足度を示す「顧客満足度」があります。
顧客満足度は、従来から顧客の購入促進のために測定が行われてきた指標ですが、近年顧客満足度がリピート購入につながらない場合が多いことが分かってきました。そこで、新しく生まれてきたのが、より長期的な視点に立った顧客ロイヤルティの測定です。
NPSツールは、顧客ロイヤルティを測定するためのツールであり、導入することでNPS調査の設計・実施・データ収集・分析などを効率的に行えるようになります。また、発見された課題に対する施策の考案と実践が可能です。

NPSツールとは?ツールの機能やメリット・デメリット選び方も解説
NPSツールとは、企業や企業のサービス・商品に対する信頼や愛着の度合いを調査して顧客ロイヤルティを数値化するツールです。NPSは、顧客の推奨度を指標にします。本記事では、NPSツールの機能やメリット・デメリット、選び方を解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
NPSについて
NPSの計算方法と調査方法
NPSでは顧客に対して「あなたはこの商品またはサービスを友人や知人におすすめしますか?」といった質問を行い、回答を0〜10点で評価します。そして、その評価点数に基づいて、大きく3つのグループに分類します。
主に、0〜6点の人を「批判者」、7〜8点の人を「中立者」、9〜10点の人を「推奨者」とします。また、NPSの改善ポイントを特定するために、顧客体験の細分化・整理を行い、NPSの中でプラスに影響している部分・マイナスに影響している部分も特定します。
NPS調査の種類
NPSの調査は、「トランザクション調査」と「リレーショナル調査」の2つに大きく分類されます。それぞれの目的と実施するタイミングを理解して、上手に使い分けたり、組み合わせたりするのが効果的です。
トランザクション調査
トランザクション調査とは、特定の体験における顧客の推奨度を測る調査です。商品の購入後や、営業担当者が顧客と接点を持った後など、顧客がサービスを利用した直後に実施します。
トランザクション調査は、顧客の体験を正確に把握しやすく、サービスの課題や改善点を抽出できるのが特徴です。年間を通して継続的に行う場合と、必要が生じたタイミングで一時的に行う場合があります。
リレーショナル調査
リレーショナル調査とは、自社ブランド全体に対する顧客の印象や顧客体験を評価するものです。年に1回、四半期に1回など定期的に実施し、顧客が自社ブランドをどの程度他人におすすめするかを測ります。企業全体における課題や改善点を把握しやすいのが特徴です。
また、自社の強みや弱みを明確にできることも、リレーショナル調査を行うメリットです。調査の具体的な方法としては、アプリやメールでのアンケート配信などがあります。
NPSツールは機能・分析手法・連携性で選ぶ

NPSツールは、「機能」「分析手法」「連携性」に注目して選びましょう。また、コスト・サポート・セキュリティなどの確認も大切です。次章では、これらのポイントについて詳しく解説します。
【重要なポイント3つ】
- 必要な機能を備えているか
- 分析手法を確認
- 連携性をチェック
【その他の比較ポイント】
- コストは予算に見合っているか
- サポート体制は十分か
- セキュリティ対策は万全か
NPSツールの選び方で重要な3つのポイント

NPSツールには多くの製品があるため、選択に迷う場合も多いです。導入する際には、下記の3つのポイントに注目して、自社に適合した製品を選びましょう。ここでは、それぞれのポイントについて具体的に解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
NPSツールの選び方で重要な3つのポイント
必要な機能を備えているか
NPSツールには、さまざまな機能が搭載されています。しかし、多機能になるほどコストがかかる傾向があるため、自社に必要な機能を洗い出し、その機能に絞ってコストを抑えることも重要です。
また、NPS以外の調査ができるツールもあります。今後さまざまな調査を行い、販売力を強化したい場合は、NPS以外の調査にも対応したツールの導入を検討するのもおすすめです。以下で、NPSツールが搭載している基本的な機能とその概要を紹介します。
| 機能 | 概要 |
|---|---|
| アンケート作成・配信 | ・テンプレートを使って、NPS調査のためのアンケートを作成する機能 ・メール・Web・SNSを利用してアンケート送信する機能 |
| 回答データの自動集計 | 回答結果を自動集計し、NPSを算出する機能 |
| 集計データ分析 | さまざまな手法でデータを分析し、レポートを作成する機能 |
| テキストマイニング | コメントなどのテキストデータを整理・分類する機能 |
| 改善点の可視化 | 分析結果を基に課題を明確にする機能 |
| アラート通知 | 低スコアのフィードバックを通知する機能 |
分析手法を確認
NPSの分析手法には、定量分析と定性分析があります。定量分析は、数値データを基にした分析方法で、顧客ロイヤルティの現状把握や課題の優先順位をつける場合によく用いられる手法です。4象限分析やカスタマージャーニーマップ分析などがよく使われます。
定性分析は、数値化できない記入されたコメントなどのテキストデータを基にした分析方法です。定性分析では、それぞれの回答を選択した理由などを深く分析することができます。分析には、主にテキストマイニングや頻出語分析などが用いられます。
どのような分析ができるかは、ツールによって異なります。したがって、導入前に自社が行いたい分析ができるかどうかを確認しておくことが重要です。
連携性をチェック
NPSツールには、他のツールやシステムと連携できるものも多いです。すでに自社で運用しているツールやシステムがある場合は、それらのツールと連携ができるかどうか確認をしましょう。連携できれば、導入するNPSツールをより効果的に運用できます。
たとえば、NPSツールとCRMツールを連携させれば、NPSスコアを顧客情報として管理できるようになり、顧客とのコミュニケーションの効率化が図れます。また、MAツールと連携させれば、リードや新規顧客獲得へのアプローチがしやすくなります。
NPSツールのその他の比較ポイント

NPSツールの導入には、コスト・サポート体制・セキュリティ対策のチェックも大切です。ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
NPSツールのその他の比較ポイント
コストは予算に見合っているか
現在提供されているNPSツールのほとんどはクラウド型であり、導入・運用には初期費用と月額費用がかかります。初期費用無料の製品もあるため、月額費用とのバランスを確認して選択するのがおすすめです。
月額料金には、利用した分だけ支払う従量課金タイプと利用制限内で毎月一定額を支払う固定費用タイプが存在します。月額費用は、収集可能な回答数やシステム連携の有無、搭載機能などによって異なるため、自社予算に見合ったものを選びましょう。
サポート体制は十分か
NPSツールは、設問設定や分析、施策立案などを計画的に行わないと、導入効果は上がりません。しかし、運用には専門知識が必要な部分もあり、導入当初は上手く運用できないこともあります。そのような時のために、サポート体制の確認は重要です。
中には、設問設定の仕方を教えてくれたり、課題を発見して改善策を提案してくれたりするベンダーもあります。また、セミナーを開催して、NPSツールを運用できる人材育成をサポートしてくれるといったサポートもあります。
セキュリティ対策は万全か
NPSツールで収集するデータの中には、個人情報が含まれている場合もあります。個人情報が漏えいすれば、企業は信頼を損なって、顧客ロイヤルティの低下を招いてしまいます。また、企業に大きな損失を与える場合も少なくありません。
クラウド型ツールの場合のセキュリティ対策は、ベンダーに依存します。そのため、ベンダーがどのようなセキュリティ対策や個人情報保護を行っているかの確認が重要です。
おすすめのNPSツール2選
株式会社コンファクトリー
Ambassador Relations Tool
ここがおすすめ!
- アクティブな顧客へ効果的なアプローチができるさまざまなMA機能も搭載
- 「シナリオ設定」が行えて自動でステップメール配信も送れる
- NPS計測ができるアンケートメールを定期的に送信することで、アンバサダーマーケティングを実現
ここが少し気になる…
- 最低利用期間が6ヶ月と縛りがある
クアルトリクス合同会社
Qualtrics
ここがおすすめ!
- Eメールはもちろん、メッセージアプリやオフラインアンケートまで幅広く対応
- データ分析により顧客離れの有無や行動予測が行え、最適なタイミングでアプローチできる
- ダッシュボードとレポート機能を標準装備
ここが少し気になる…
- 詳細なプランや料金は問い合わせで確認
NPSツールの導入フローと注意点

NPSツールは、現代のマーケティングには欠かせないツールで、導入により大きな成果を上げている企業が数多くあります。ここでは、NPSツールを導入するためのフローと注意点について解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
NPSツールの導入フローと注意点
導入目的を明確にする
NPSツールには多くの種類があるため、自社のNPSツール導入の目的を明確にし、その目的に合ったツールを選択することが重要です。
たとえば、商品やサービスを利用した直後の調査を目的とするなら、トランザクション調査に適したツールがおすすめです。また、購買履歴や利用履歴がある顧客調査を目的とする場合、リレーショナル調査に強く、CRMシステムと連携できるツールが適しています。
無料トライアルで使いやすさを確認
同じNPSツールでも、製品によって使い勝手が異なります。使いやすさを確認するためには、無料トライアルの利用がおすすめです。複数の製品を比較して、担当者が操作しやすいツールを選択しましょう。
また、ベンダーによっては無料プランが提供されている場合もあります。NPSツールがどのようなものか分からない場合は、本格導入の前に無料プランを利用し、NPSツールの理解に役立てることも可能です。
調査実施後はデータを改善に活かす
NPSは、調査・集計・分析するだけでは成果は上がりません。調査から明らかになった課題を解決するための施策を立て、実践することで初めて効果を発揮します。また、結果を社内にフィードバックすれば、社員のモチベーションや課題意識の向上にもつながります。
このように、PDCAサイクルを回すことで、NPS調査の効果を実感でき、顧客ロイヤルティの向上に繋げられます。NPSの調査自体はあくまでもスタート地点であり、導入効果を最大化させるためには、調査後のアクションが欠かせません。
まとめ

NPSツールとは、NPS調査によって顧客ロイヤルティを測定するためのツールです。アンケートの作成・配信・データ集計・分析する機能のほかにもさまざまな機能を持ち、NPS調査を効率的に実施できます。
NPSツールを選択する際には、機能や分析手法、他ツールとの連携性を重視するのがおすすめです。また、サポート体制の確認も大切であり、中には顧客ロイヤルティ向上のためのコンサルティングを提供してくれる製品もあります。
本記事を参考に、自社の課題やニーズに合ったNPSツールを活用して、顧客体験の改善と組織の持続的な成長を目指しましょう。