ChatGPTのセキュリティリスクとは?有効な対策も紹介
Check!
- ChatGPTは利便性が高い一方で、セキュリティリスクも懸念される
- 機密情報の流出や著作権の侵害、誤情報の流用による信頼の失墜などのリスクがある
- 機密情報の扱いに注意し、回答は人がチェックしてから使うことが重要
ChatGPTは現在、多くの個人や企業、さまざまなシーンにおいて活用されています。しかし利便性が高い一方で、セキュリティリスクの懸念もあるのが事実です。この記事では、ChatGPT利用時のセキュリティリスクや、どう対策すべきかについて解説します。
おすすめ記事
目次
開く
閉じる
開く
閉じる
ChatGPTにはセキュリティリスクもある

ChatGPTは、現在ではビジネスシーンも含め多くの用途・場面で活用されています。しかし、利便性が高い一方で、さまざまなセキュリティリスクも懸念されています。例えば、機密情報の流出や著作権の侵害、誤情報の流用による信頼の失墜などのリスクがあります。
ChatGPTを利用する際は、これらのリスクを理解し、適切に対策することが重要です。この記事では、ChatGPT利用時にどのようなセキュリティリスクがあるか、どう対策すべきかについて解説します。
参考:ChatGPT|発見、学び、作成するための AI チャットボット

ChatGPTとは、2022年11月に公開されたAIチャットサービスです。無料で利用でき、人間のような自然な受け答えができることから話題となりました。この記事ではChatGPTのメリット・デメリットや始め方、気になる危険性などについて解説します。
ChatGPTにおけるセキュリティ上の主なリスク

ChatGPTの利用においては、セキュリティやコンプライアンスに対するリスクをしっかりと理解しておきましょう。以下では、具体的なセキュリティリスクの例を解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
ChatGPTにおけるセキュリティ上の主なリスク
詐欺サイトの登場
ChatGPTの人気が高まるにつれ、ChatGPTを装った詐欺サイトも存在し、そこに誘導されてクレジットカード情報や個人情報などが盗まれるケースも報告されています。
詐欺サイトは、見た目が本物のChatGPTサイトに非常によく似ているため、偽サイトと気づかずに個人情報を入力してしまうことがあります。正規のサイトと区別がつきにくい場合が多く、注意が必要です。
アカウント管理の不備
ChatGPTはWebサービスであるため、ほかの多くのWebサービスと同様にアカウント管理には注意しなければなりません。ログイン情報などが外部に漏れないよう、個人でも組織でもしっかり管理すべきでしょう。
もし適切な管理ができていなかった場合、他者に知られたくない内容を見られてしまったり、組織では退職した社員が企業アカウントにログインできてしまったりといったセキュリティ事故につながる恐れがあります。
機密情報の流出
ChatGPTをはじめ生成AIツールの多くでは、ユーザーとAIとのやり取りがAIに学習されます。AIの性能を高めるための仕組みですが、入力したプロンプトの内容が学習され、ほかのユーザーへの回答に使われる可能性があるとも言えます。
例えば、企業の内部情報や個人のプライバシーに関わるデータを入力した場合、その情報が意図せずほかのユーザーに提供されるといった情報漏洩リスクが挙げられるでしょう。
コード生成における欠陥
ChatGPTはプログラミングコードの生成もできますが、そのコードが必ずしも正確で安全であるとは限りません。生成されたコードに欠陥があると、そのコードを使用したアプリケーションなどで不正アクセスや情報流出といった重大なリスクを招く可能性があります。
例えば、Webサイトでセキュリティホールがあるコードを使用すると、ハッカーに悪用される危険性があります。プログラミングに関しては、必ず専門家によるレビューを行い、生成されたコードをそのまま使用しないように注意しましょう。
ChatGPTの利用にはコンプライアンスのリスクもある

広義でのセキュリティの意味では、コンプライアンスにも注意すべきでしょう。ChatGPTの利用にあたっては、以下のようなコンプライアンスリスクも懸念されます。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
ChatGPTの利用するにあたってのコンプライアンスのリスク
著作権の侵害
ChatGPTの回答には、第三者が著作権を持つ文章や画像が含まれている場合があります。それらをそのまま流用すると、著作権侵害となり、法律的な問題が発生する可能性があります。
特に、ブログ記事やレポートなどでChatGPTの回答を使用する場合は、文章などをそのまま丸写しすると大きなトラブルに発展する恐れもあるでしょう。画像については、他者の作品と類似しているかどうかがポイントとなりますので、慎重な確認が必要です。
回答に含まれる誤情報
ChatGPTの回答には、誤った情報や倫理的に不適切な情報が含まれる場合があります。これをそのまま自社のメディアや報告書などに使用すると、信頼の失墜をはじめとした問題やトラブルを招く恐れがあります。
例えば、製品の説明や顧客への回答として不正確な情報を提供してしまうと、信用性が損なわれ、顧客からの信頼を失ってしまいます。ChatGPTは必ずしも正確で適切な情報を回答するとは限らないため、必要に応じて他の信頼できるソースを確認するなどの対応が求められるでしょう。
悪意ある行為への流用
不適切な情報が回答に含まれることと関連しますが、ChatGPTはユーザーの悪意ある指示にも従ってしまう恐れがあります。プロンプト次第で、例えば不正行為や犯罪を助長するような内容を答えてしまうこともあるかもしれません。
ユーザーが悪意を持ってChatGPTを使うことがそもそもの問題ではあるものの、特に企業などでは、従業員がそのような使い方をすれば組織として深刻な事態です。ChatGPTを適切に使うには、ユーザー側の正しい姿勢も求められると言えます。
ChatGPT(OpenAI)側で行われている対策

以上のようなリスクに対して、ChatGPTを開発・提供するOpenAI社もさまざまな対策を講じています。以下はその具体例です。
| AIモデルの精度向上 | ・機械学習におけるデータのフィルタリング (有害コンテンツのフィルタリング) ・より幅広いデータの収集・学習 など |
| 回答の精度を高める各種機能の提供 | ・「Deep Research」「Thinking」などの生成モード ・Web検索機能 など |
| ユーザーのデータを守る各種機能の提供 | ・トレーニング機能の無効化 ・ログイン時の多要素認証 ・ビジネスプランにおけるデータの保護 など |
ChatGPT利用時にユーザーが行うべき対策

ChatGPTを利用する際には、ユーザー側でも、利便性を享受しつつセキュリティリスクを最小限に抑えるための対策が重要です。以下では、具体的なセキュリティ対策を解説し、企業や個人がどのようにして安全にChatGPTを利用できるかを紹介していきます。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
ChatGPT利用時にユーザーが行うべき対策
公式サイト・アプリかどうかを確認する
フィッシング詐欺を防ぐためには、ChatGPTを最初に利用し始める時やサブスクリプションの登録などをする時に必ず公式のサイトやアプリかどうかを確認しましょう。
例えば、公式のChatGPTサイトは「chatgpt.com」、OpenAIとして提供しているページなら「openai.com」というドメインを使用しています。また、公式アプリは信頼できるアプリストアから、提供元の会社名などを確認してからダウンロードすることが推奨されます。
ログイン情報やログの管理を徹底する
ChatGPTでアカウント登録をすれば、そのログイン情報をどう管理するかという問題が出てきます。個人や組織で安全な方法を模索し、外部にログイン情報が流出しないよう努めましょう。特に、パスワードの使いまわしなどは避けなければなりません。
また、アカウント登録をするとチャット履歴が管理できるようになりますが、企業で利用する場合は一定期間でログを削除するなどの対策を取っておくと安心です。必要であれば履歴を残さない「一時チャット」も選択できます。
扱う情報の範囲を決める
前述したように、ChatGPTに機密情報を入力することにはリスクが伴います。どこまでの範囲の情報をChatGPTと共有するのか、その境界をしっかりと決めておきましょう。
特に企業では範囲が決められていないと内部情報や顧客の個人情報などの流出リスクを高めてしまったり、従業員が自己判断で重要な情報を提供してしまったりするリスクもあります。あらかじめ範囲を決めて周知しておくことが大切です。
ChatGPTの設定を見直す
ChatGPT側で行われている対策として紹介した「トレーニング機能の無効化」「ログイン時の多要素認証」といった設定はユーザー自身で選択して行うものです。
トレーニング機能については、ユーザーアイコンから設定に移動し、「データコントロール」メニューの「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすることで無効化できます。また、多要素認証も同じく設定の「セキュリティ」からオンにできます。
企業での利用では、データの保護が強化されている企業向けプランを選択することも可能です。「Business」と「Enterprise」のプランではデフォルトでトレーニングがオフになっているほか、SOC 2などの高いセキュリティ基準を満たしています。
参考:データコントロールに関する FAQ|OpenAI Help Center
参考:ChatGPT のプラン
APIを利用する
OpenAIは、AIモデルを外部のサービス(自社のシステムやアプリケーションなど)に組み込むためのAPIを提供しています。このAPIを利用する場合は、入力・出力した内容はAIの学習に使用されません。そのため、情報漏洩対策の一環として使うこともできます。
さらに、APIキーの管理やアクセス制限の設定を企業が独自に行うことで、セキュリティをより強化することができます。ただし、料金は利用料に応じて別途発生します。
参考:OpenAI API
DLPを導入する
DLP(Data Loss Prevention)とは、データの漏洩や消失を防ぐためのシステムや製品です。DLPは、情報が無断で外部に流出しないようにするための機能を持っています。
具体的には、コンテンツ監視機能やデバイス制御機能などが提供され、機密情報が適切に管理されます。ChatGPTの利用においてDLPを導入すると、入力した情報やデータが外部に漏れるリスクを大幅に低減できます。
用途に適した生成モードや機能を使う
ChataGPT側の対策として紹介した機能に、「Deep Research」やWeb検索機能がありました。これらは、よりニーズに適した回答を生成させるために選択できる生成モードです。
例えばDeep Researchでは、推論と情報収集の能力がパワーアップし、複雑なタスクを正確に実行しやすくなります。Web検索機能は「ChatGPT search」と呼ばれ、入力された内容に対してChatGPTがWeb上を検索し、それをもとに情報源も提示しながら回答を行います。
こうした生成モードや機能を用途に合わせて切り替えることで、回答の正確性や信頼性が増すでしょう。
人の目による内容チェックを欠かさない
ChatGPTの回答には、誤情報や倫理的に問題のある内容が含まれている場合があります。これを無批判に利用すると、信頼を失うリスクがあります。そのため、ChatGPTの回答をそのまま使用するのではなく、必ず人がチェックしてから採用することが非常に重要です。
具体的には、回答内容をコンテンツなどに掲載して公開する前に、一通り人の目で確認し、正確性や適切性を判断するためのプロセスを設けましょう。
企業ではガイドラインの策定や研修で体制の整備を

企業でChatGPTを安全に利用するためには、社内でセキュリティポリシーやガイドラインを作成しましょう。これには、上記で解説した機密情報の入力禁止や回答者によるチェック、DLPの利用、公式サイトの確認などの項目を盛り込むべきです。
また、ChatGPTをどのような場面や用途で使用するのか、出力されたデータをどこに保管しておくかなどを明確にしましょう。例えば、マーケティング資料の作成などでは、どの範囲までChatGPTを使うのか、どこにデータを保管するのか定めるのが重要です。
これらのポリシーやガイドラインをもとに、周知のため定期的に研修も行うと良いでしょう。そうすることで、社員全員がセキュリティリスクを認識し、安全にChatGPTを利用できるようになることが期待できます。
まとめ

ChatGPTは、ビジネスや個人の利用において多くの利便性を提供しますが、セキュリティやコンプライアンスの観点ではリスクも伴います。そのため、ユーザーである個人や企業が適切な対策を講じることが重要です。
ChatGPTでは、セキュリティやプライバシー保護のための機能、また、回答の精度を高めるための機能なども多く提供されているので、これらを有効活用することも大切だと言えます。ChatGPTを安全に利用し、その高い利便性を安心して享受できるようにしましょう。
この記事に興味を持った方におすすめ