ブログのキーワードの選び方は?おすすめの選定方法やツールを紹介
今日のブログではキーワードに基づいて記事を作る手法が一般的ですが、そのやり方を正しく理解できているでしょうか?
適切なキーワードを探し出すだけでなく、そのキーワードが内包するポテンシャルである検索ボリュームを調査して、ブログの規模に合った適切なキーワードを選び出す。
そのテクニックは、検索エンジンに記事内容を最適化するコンテンツSEOにおいて必須の技術となります。
今回は、ブログの記事作成に欠かせないキーワードの選定のプロセスを具体的に解説します。
なぜキーワードが重要なのか?選定の手順は?
ブログの記事に多くのユーザーを集めるには、キーワードを意識することが重要とされています。
ブログへのユーザーの流入は検索エンジンを経由したアクセスが大部分を占めるため、キーワード検索に合わせた記事を作ることが、ユーザー獲得の生命線となるからです。
検索エンジンで需要のある内容を組み込んだ記事を作り、検索結果での上位表示を実現し、その情報を求めるユーザーが大量に流入するのがベストのシナリオと言えます。
記事のキーワード選びは、ブログの成功と失敗を分ける決定的な要因となるため、その選定は入念に行う必要があります。
キーワードの決定までのプロセスは、次の3段階に分けられます。
- キーワードの候補をリストアップする
- リストアップしたキーワードの検索ボリュームを調査
- 検索ボリュームの調査結果を元にターゲットを決定する
キーワード候補のリストアップや検索ボリュームの調査には、専用の外部ツールが便利ですが、そのキーワードがブログのテーマに合っているか、検索エンジンでの上位表示が可能で読者に価値を提供し収益をもたらすか、といった部分は人間の検討が必須で、知識と経験に基づいた判断が求められます。
キーワード候補で意識したい4種類のクエリとは?
キーワード候補を選ぶ際に念頭に置きたいのが、クエリの種類です。
クエリ(query)とは「問い合わせ」の意味で、特にデータベースや検索エンジンに対するユーザーからの要求によく使われる用語です。
Googleは2015年に発表した「すべてのマーケターが知っておくべき 4 つの新しい瞬間」(4 New Moments Every Marketer Should Know)では、スマートフォンユーザーからのクエリは次の4種類に分けられるとしています。
・Knowクエリ
ユーザーの「知りたい」要求を反映したクエリです。知識や情報そのものを求めているユーザーから発信されます。
「エクアドル 首都」「プログラミング言語 おすすめ」といったキーワードがKnowクエリに該当します。
・Goクエリ
ユーザーの「行きたい」要求を反映したクエリです。現実にある場所の住所や交通手段、あるいはアプリやサービスのURLが目的の情報となります。
「スカイツリー 行き方」「Chrome ダウンロード」といったキーワードがGoクエリに該当します。
・Doクエリ
ユーザーの「やってみたい」要求を反映したクエリです。Doクエリでは行動を起こす際の手段や手がかりを求めているため、その具体的な方法に関する情報が求められています。
「住民票の取り方」「ブログ構築のテクニック」「資格の取得に必要な勉強方法」などが該当します。
・Buyクエリ
ユーザーの「買いたい」要求を反映したクエリです。商品やサービスに関する情報の収集に用いられるキーワードで、オンライン販売のページの他、商品やサービスの詳細、価格、ユーザーの評価などもキーワードに含まれます。
これらのクエリには、上位表示の難易度や収益化のしやすさに大きな違いがあります。
例えば収益面ではBuyクエリが最も広告収入に結びつきやすいですが、公式サイトや大手のサービスが検索結果の上位を独占しているため、個人のサイトはKnowクエリやDoクエリに活路を見出す戦略が有効になります。
ブログ記事のキーワードの選び方3STEP
冒頭で触れた通り、ブログ記事のキーワード選びは、「リストアップ」「検索ボリュームの調査」「ターゲットの決定」の3つの手順で行います。
それぞれの具体的なやり方について解説していきましょう。
①キーワードをリストアップする
最初に行うのが記事の元になるキーワードのリストアップです。
リストアップの方法は次に紹介する6つのやり方を覚えておきましょう。
方法1:関連キーワード検索ツールを活用する
キーワードのリストアップでもっとも簡単なのは、関連キーワード検索ツールを使う方法です。
指定したテーマに関連したキーワードを抽出するサービスで、大量のキーワード群を一度に取得できます。
ここでは代表的な3つのツールを紹介しましょう。
・ラッコキーワード
ラッコキーワードは、関連キーワード検索ツールの中でも定番とされるサービスです。
キーワードを入力すると、関連するキーワードをGoogleサジェストから大量に表示します。
ゲストユーザーの場合、サジェスト検索は1日5回までの利用制限がありますが、無料のユーザー登録を行うと1日50回にまで拡大、月額440円のエントリープランに加入すると、月間検索ボリュームなどさらに詳しい情報を得られるようになります。
ラッコキーワードでは、Googleサジェストでは表示しきれない大量の関連キーワードを取得可能で、Google以外にもYouTubeやBingからキーワード候補を取得できます。
「見出し抽出」は、検索結果の上位20サイトの見出しとURLをリストアップするので、競合する他サイトの状況を調べたいときに役立つでしょう。
・Ubersuggest
Ubersuggestは関連キーワードの抽出だけでなく、検索ボリュームやクリック単価の調査まで行える高機能なSEOツールです。
無料でも利用できますが、利用回数に制限(1日3回まで)があるので、本格的に利用する場合は有料版(月額2999円)の契約が必要になるでしょう。
Ubersuggestでは関連キーワードをリストアップし、さらにそのキーワードの検索ボリューム、SEO難易度、CPC(クリック単価)を調べることができます。
「キーワードの可視化」では、指定したキーワードの「疑問」「関係」「関連」といった切り口から、キーワードの組み合わせをビジュアルで表示します。
・Ahrefs
Ahrefsは世界的な人気を誇るSEOツールです。
有料のツールで月額料金は99ドルとやや高価ですが、その機能は折り紙付きで、関連キーワードの抽出のみならず、ライバルサイトの分析などにも大いに役立ちます。
Ahrefsの関連キーワード検索機能では、検索ボリュームやクリック単価だけでなく、SEOの難易度(KD)や、ランキング1位の予測流入規模(トラフィックポテンシャル)など、より具体的な数値情報が提供されるのが特徴です。
Ahrefsではトラフィックシェアの調査機能があり、指定したキーワードでランキング上位を占めているドメインやページのトラフィックを計測、競合する媒体がそのキーワードでどれだけのユーザーの流入を得ているのかが分かります。
方法2:Googleサジェストでキーワード候補を探す
Google検索にキーワードを入力すると、追加のキーワード候補が表示されますが、これは「Googleサジェスト」と呼ばれる機能です。
入力したキーワードに関連してよく検索されているキーワードを提示するため、キーワード候補を探す際の手がかりとして使えます。
使い方は、Googleの検索ボックスにテーマとなるキーワードを入力するだけで、表示される候補から、どんなキーワードが一緒に検索されているのかを知ることができます。
方法3:Googleサーチコンソールをヒントにする
Google検索で上位表示に成功しているキーワードが既にサイトにある場合は、それを元に新たなキーワードの組み合わせを見つけることができます。
「Googleサーチコンソール」を利用すると、Google検索上で上位に表示されているキーワードの一覧を調べられるので、そこから関連性のあるキーワードを考えてみましょう。
Googleサーチコンソールの「検索パフォーマンス」では、登録サイトで上位表示に成功しているキーワードが表示されます。
このキーワードは既に優位性があるので、ここに出ているキーワードをさらに深堀りしてテーマを広げていくやり方が有効です。
方法4:Googleトレンドでトレンドを探る
Google検索の機能のひとつに「Googleトレンド」があります。
これは巷でよく検索されている最新のキーワードをまとめたサービスで、国内・海外の検索のトレンドを掴むのに役立ちます。
具体的な検索キーワードを探すというよりは、検索エンジンの流行から最新の話題の傾向を知りたいとき役立つでしょう。
Googleトレンドでは、指定したキーワードのGoogle検索上での人気度や、検索されている地域、関連するトピックやキーワードについて調べることができます。
方法5:競合サイトのキーワードを調査する
同じジャンルの他サイトがどんなキーワードで記事を作成しているのかを調べるのも有効です。
サイト内で人気記事のランキングを表示しているサイトは多いので、上位記事がどんなキーワードでユーザーを得ているのかを調査してみましょう。
方法6:自分のサイトのアクセス解析から予測
自分のサイトのアクセス解析の情報からユーザーのニーズを推測する方法です。
Googleアナリティクスなどのアクセス解析ツールを使って人気のある記事を抽出し、その記事の人気の理由や背後にあるユーザーの需要を調べて、キーワードの参考にします。
多くのアクセスを得ている記事がある場合、その話題に関心のあるユーザーが集まっているので、関連するキーワードの記事があれば、訪れたユーザーがそちらに流れる可能性も高くなります。
②検索ボリュームを調査する
キーワードを用意できたら、検索ボリュームを調査しましょう。
検索ボリュームは検索エンジンにおける需要のポテンシャルで、そのキーワードがどの程度ユーザーを集める力があるのかを予測した値です。
Googleが提供する「Googleキーワードプランナー」は検索ボリュームのおおまかな調査が行えるツールで、本来はリスティング広告を出稿する広告主向けのサービスですが、個人ユーザーでも利用可能です。
またこれ以外にも、上で紹介した「Ubersuggest」「Ahrefs」が検索ボリュームの調査機能に対応しています。
ここでは「Googleキーワードプランナー」を使って、リストアップしたキーワードの検索ボリュームを調べる手順を見ていきましょう。
Googleキーワードプランナーの「新しいキーワードを見つける」で、検索ボリュームを調べたいキーワードを入力しましょう。
入力したキーワードに関連したクエリの検索ボリュームが一覧で表示されます。
③調査を元にターゲットを決定する
キーワードの検索ボリュームを参考に、有望なキーワードを絞り込みます。
ただし、あまりに検索ボリュームが大きすぎると他サイトとの順位競争が激しいので、一定の検索ボリュームがありつつも上位表示が可能そうなキーワードを探しましょう。
Googleキーワードプランナーでは「月間平均検索ボリューム」から大まかな検索ボリュームを比較できます。
キーワードを選ぶときのポイント
さまざまなツールを使ってキーワードの洗い出しを行ったら、次は、その中から実際に使えそうなキーワードを選別します。
キーワード選びの最難関はこの部分で、キーワードの抽出はある程度自動化できますが、そこから有望なキーワードを選別する際には人間の判断力が求められます。
ここではキーワードを決定する際に着目したいポイントを解説します。
人気がありすぎるキーワードは避ける
検索ボリュームの大きなキーワードは、検索される機会が多いため、大量のユーザーの流入を期待できます。
しかし、検索ボリュームの大きなキーワードの検索結果の上位は大手サイトに独占されているため、一般のサイトが割って入る余地はほとんどありません。
ゆえに多くのサイトは、大手サイトが進出していない検索ボリュームが中規模以下のキーワードで勝負することになりますが、検索ボリュームがあまりに小さすぎると、上位入りに成功しても得られるアクセスは微々たるものです。
検索ボリュームがある程度あった上で、他のサイトが目を付けていない、つまり上位表示が可能なキーワードを探すことがポイントになります
顕在ニーズから潜在ニーズを引き出す
キーワード選びでまず念頭に置きたいのが、顕在ニーズと潜在ニーズの違いです。
顕在ニーズは外部から見えているユーザーの需要で、例えば「近所で席数が多いカフェを知りたい」といった分かりやすいかたちを取ります。
一方、潜在キーワードは顕在キーワードの背後に隠れているニーズです。
前出の例でいえば、「近所で席数が多いカフェ」という顕在ニーズの裏には、「打ち合わせに使える混雑しにくいカフェ」という隠れたニーズが存在している可能性があります。
このように、表に見える顕在キーワードから検索ユーザーが本当に求めている情報を推測し、その潜在キーワードに応えた記事を作ることが重要になります。
潜在キーワードはユーザー自身も自覚していないケースがあるので、キーワードの背景を深く推察する洞察力が求められます。
ペルソナを意識してキーワードを探す
潜在キーワードを掘り下げる上で役立つのが、ユーザーのペルソナの作成です。
そのキーワードを検索するユーザーがどのような人物なのか、性別、年齢、職業、趣味、学歴、家族構成、年収といった要素を仮定することでより実感的に把握します。
ユーザーのプロファイルを固めるとどういった場面で検索を行うのか、本当は何を探しているのかを推測をしやすくなり、潜在ニーズが見えやすくなります。
ペルソナとして具体的な人物像を立ち上げることで、通常は見えていないリアルな需要の存在に気づくことができるかもしれません。
アクセス数とコンバージョン率は別物
アクセス数の多さはそのまま収益に繋がるという考え方で、キーワードを選ぶ際の基準としてアクセス数を最優先にしている方は多いと思います。
しかし、アクセス数とコンバージョン(成果)は必ずしも一致するとは限らず、多くのアクセスを得たものの、獲得した成果はいまひとつ…というケースは少なくありません。
これはキーワードの掘り下げが不足しているのが原因で、例えばアフィリエイトサイトでは、商品に薄い関心のあるライトユーザーが集まるキーワードよりも、強い購入意欲を持ったコアユーザーが集まるキーワードを選んだ方が、成果には繋がりやすくなります。
アクセス数は重要ですが、あくまで最終的な目的は成果にあることを忘れないようにしましょう。
キーワードを選び終えたらいよいよ執筆
キーワードを選んだら、そのキーワードを元に記事の執筆作業に入ります。
キーワードの選定によりユーザーが求めている情報は明確になっているので、それに応える内容を書いていきます。
ここで注意したいのは文章の構成で、ウェブの文章は前置きが長いと、読者がすぐにページから離脱してしまいます。
そこで「結論」を冒頭に配置し、その「理由」について説明、さらに「具体例」を挙げた後に、再度「結論」で論を締める「PREP法」がよく使われています。
執筆を始める前に、あらかじめ記事全体の構成を作成した上で書き進めていくと、長い文章でもバランスの良い記事になります。
執筆後にやるべきことは?分析はどうする?
記事の執筆が完了したら全体に公開しましょう。
公開後は記事が狙い通りの成果を得られているかをチェックし、意図と違っていた場合には記事に修正を加えたり、次回の記事作成の際の参考にします。
記事の分析に利用するのは「Googleアナリティクス」と「Googleサーチコンソール」で、両者の機能の違いは次の通りです。
・Googleアナリティクス
Googleが提供するアクセス解析ツールで、サイトを訪れたユーザーの情報を分析します。
アクセス数、訪問ページ、滞在時間、直帰率、離脱率といったデータを取得できるため、多くのユーザーが訪れているページはどれか、どのページでユーザーが離脱しているのかなど、サイトの改善につながる情報を得られます。
・Googleサーチコンソール
Googleが提供するSEOツールで、検索エンジン上のサイトの情報を分析できます。
サイトの記事がどういったキーワードで検索されているか、検索結果の画面でクリックされている割合など、Google検索におけるサイトのパフォーマンスを調べられます。
狙い通りのキーワードで上位表示されているか、そこから順調にユーザーが流入しているかを調べられるサービスです。
この2つのサービスで、ブログへのユーザーの流入経路と内部移動を分析し、改善に役立てましょう。
まとめ
今回は、ブログのキーワードの選び方について解説しました。
キーワード選びはブログの記事制作の最初の一歩で、検索エンジンから記事へのユーザーの流入規模を決定的付ける最重要ポイントとなります。
ブログの成果を追求する上では絶対に欠かせないプロセスですが、作業過程は複雑で、判断すべきことも多々あるため、多くの記事を効率よく制作するには、キーワードの選定から記事化までの過程をルーチン化してスムーズに進める必要があります。
キーワード選びを勘に頼っていると記事のパフォーマンスがなかなか安定しないので、データを元にした自分なりの手法を確立し、成果と照らし合わせながらこまめに改善を加えていきましょう。
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