サーバーの仕組みとは?ブログ運営で知っておきたい知識

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「WordPressでブログを始めたいけど、どんなサーバーを選べばいいのかよく分からない」という人は少なくないと思います。

一口にサーバーといっても、用途に応じて様々な種類があるので、その特徴を知らないと適切なものを選ぶことができません。

今回は主要なサーバーの種類と特徴を解説した上で、WordPressでのブログ運営に最も適しているサーバーを紹介しましょう。

サーバーの仕組みと役割について

サーバーとは、インターネットでサービスを提供する側にあるコンピューターのことです。

ユーザーからの要求に応じてデータを提供する情報の格納庫と言ってもいいでしょう。

サーバーには様々な機能と役割がありますが、一般的なネットユーザーに関わりが深いサーバーといえば、次の3種類が挙げられるでしょう。

ウェブサーバー

ウェブサーバーとは、ウェブサイトやブログなどをインターネットに公開するためのサーバーです。

「Apache」や「NGINX」といったミドルウェアによって稼働しています。

サイトを構成する文章や画像などのデータを保存し、ブラウザで表示できる形式に変換した上で外部に公開しています。

メールサーバー

メールサーバーとは、メールの送受信を行うサーバーのことです。

メールサーバーには、メールの送信を担う「SMTPサーバー」、受信を担う「POPサーバー」という2つの機能があり、この両方が機能することでメールの送受信が可能になります。

ファイルサーバー

ファイルサーバーは、ファイルの保管と転送を行うサーバーのことです。

ファイル保管庫として大容量のストレージを備えていることが多く、LAN内のパソコンから接続してファイルを取り出せるほか、外出先からインターネット経由でアクセスしてファイルをダウンロードすることも可能です。

これらのサーバーのうち、もっとも需要のあるのはウェブサーバーでしょう。

特にWordPressなどのCMSを使ってサイトやブログを公開する際には、ユーザーは自分でウェブサーバーを用意・構築した上でインストールしなければなりません。

そこで次の章では、ウェブサーバーとして利用できるサーバーの種類と特徴について見ていきましょう。

代表的な4種類のサーバーの特徴は?

サーバーは、ウェブサイトを公開したり、メールを送受信したり、ファイルを保存したりといった用途に利用できるコンピューターです。

サーバーはその用途から、24時間365日、常に起動してネットワークに接続し続けていることが前提で、サーバーの電源が落ちたり回線が切断されると、サイトを閲覧できなくなったり、メールが届かなくなったりします。

そのためサーバーは長期間稼働を継続し、負荷が発生しても処理が遅くならず、不正アクセスなどの外部からの攻撃にも対処できなければなりません。

ゆえにサーバーには相応のスペックを備えた専用のマシンが利用されますが、これは個人で所有するにはかなり高価で、温度管理や騒音の問題もあって、自宅でサーバーマシンを運用するのはあまり現実的ではありません。

そこで、遠隔地のデータセンターにあるサーバーを月額料金で借りる「レンタルサーバー」の利用が一般的になっています。

レンタルサーバーには、次の4種類があります。

  • 共用サーバー
  • 専用サーバー
  • VPS
  • クラウドサーバー

それぞれの特徴について解説していきましょう。

共用サーバー

共有サーバーは、一台のサーバーを複数のユーザーで共有するレンタルサーバーのことです。

レンタルサーバーの中では最も敷居が低く、個人ユーザーが利用する機会の多いサーバーでもあります。

その最大の特徴は利用料金の安さで、1000円〜2000円前後の月額料金で利用できるため、サイト運営のランニングコストを低く抑えることができます。

また共有サーバーでは、セキュリティ対策やバージョンアップは全てサービス側で行うため、サーバー管理の知識が不要です。

サーバーの設定はコントロールパネルから可能で、WordPressの自動インストール機能自動バックアップ機能が最初から付属しているため、初心者でもサーバーを運用できます。

欠点としては、運用の自由度が低く、コントロールパネルにない設定を変更したり、独自にソフトをインストールしたりといったことはできません。

また、共有サーバーは一台のサーバーを複数のユーザーで共有しているため、他のサイトにアクセスが殺到した場合に、サーバーに大きな負担がかかり、自分のサイトのパフォーマンスに影響が出る可能性があります。

専用サーバー

専用サーバーとは、一台のサーバーを独占して使用するレンタルサーバーのことを指します。

そのメリットは、安定したサイト運営が可能になることです。

専用サーバーは一台のサーバーを完全に独占して利用できるので、他のサイトの影響を受けることはありません。

また、専用サーバーではサーバーの管理権限が与えられているため、ソフトウェアのインストールや設定も自由自在で、好きなOSに入れ替えることもできます。

その一方で、サーバーに関する全ての設定を一から行わなければならず、運用上のトラブルが発生したときも自力解決が基本となるため、専用サーバーの運用にはサーバーエンジニアとしての素養が必須となります。

また、ランニングコストもかなり高く、(マシンのスペックにもよりますが)月額料金は数万円〜数十万円と、個人利用のユーザーが賄うのはかなり厳しい金額となります。

専用サーバーの導入は、巨額の収益を生み出すサイトやサービスを運営していて、その大規模なアクセスを処理するために高スペックなサーバーが必要なケースに限られるでしょう。

VPS

VPSは、バーチャルプライベートサーバー(Virtual Private Server) の略で、一台のサーバーの中に複数の仮想的なサーバーを構築しているサービスです。

サーバーを複数のユーザーで分割して利用するのは共用サーバーと同じですが、VPSではサーバーの管理者権限が付与されるため、専用サーバーと同じようにソフトウェアやOSの自由な導入が可能になります。

VPSはユーザーからは一台のサーバーのように見えていますが、実態は複数ユーザーによる共有サーバーなので運用コストは安く、サーバーのスペックにもよりますが、月額料金は2000円〜5000円程度とかなりリーズナブルになっています。

VPSの運用には、サーバーエンジニアの技術が必須となります。

また専用サーバーほどの性能は期待できず、過大なアクセスが集中したり負荷の高い処理を行ったりすると、サーバーのパフォーマンスは確実に低下します。

クラウドサーバー

クラウドサーバーとは、サーバーの各種機能を仮想化し、それらを組み合わせることで運用するタイプのサーバーのことです。

クラウドサーバーには、インフラの部分のみを担う「IaaS」(Infrastructure as a Service)と、その上層のプラットフォーム部分がセットになった「PaaS」(Platform as a Service)があります。

仮想サーバーである点はVPSに似ていますが、クラウドサーバーでは機能が仮想化されている分、より柔軟な拡張が可能となります。

例えば、クラウドサーバーの代表格であるAWS(Amazon Web Services)では、仮想サーバーの機能(Amazon EC2)に、ストレージ機能(Amazon S3)やデータベース機能(Amazon RDS)を組みわせることで1台のサーバーとして運用する仕組みで、これらの機能は用途によって自由に入れ替えたり、追加したりすることが可能です。

サーバーを乗り換えることなく性能を強化したり、規模を大きくしたり、逆に縮小したりといったことも可能なので、将来的に大きく成長させたいサービスを、小規模な運用からスタートしたい場合に向いています。

クラウドサーバーの多くは料金が従量制となっていて、サーバーが使われた分だけコストが発生する仕組みのため、無駄な費用がかかりにくくなっていますが、その反面、実際に運用してみるまで費用を予測しにくいところがあります。

ブログ運営に最適なサーバーの選び方

ここまで紹介した4種類のレンタルサーバーを「費用」「専門知識」「カスタマイズ」に分けて表にまとめると以下のようになります。

費用 専門知識 カスタマイズ
共有サーバー 安い 不要 不可
専用サーバー 高い 必要 可能
VPS 安い 必要 可能
クラウドサーバー 使用量次第 必要 可能

各サーバーそれぞれにメリットとデメリットがありますが、個人規模のブログ運営に向いているのは共有サーバーです。

その理由について以下で解説していきます。

サーバー費用が固定料金で安い

共用サーバーの月額料金は1000円〜2000円前後とかなり安く、個人でも充分に賄える金額となっています。

費用は固定なので、どんな使い方をしても規定以上のコストがかかることはありません。

一般的なブログを公開するサーバーには、高度な処理能力や大容量のストレージは不要なので、共用サーバーの料金とスペックがあれば充分でしょう。

専門的な知識が不要

共有サーバー以外のサーバーを運用する場合は、管理者にサーバーエンジニアとしての専門的な知識が必要になります。

ウェブサーバーを構築する場合、ApacheやNGINXなどのサーバーソフトを導入した上で、セキュリティ対策が万全になるよう自力で設定する必要があります。

これらのサーバーソフトの設定はコマンドラインでの操作となる上に、初心者向けのサポートやマニュアルがなく、日本語化されていない情報も少なくありません。

トラブルが発生した場合には自力で解決するしかありませんが、サーバーエンジニアでなければその対処は非常に難しいでしょう。

その点、共有サーバーではウェブサーバー周辺の設定はシステム側が担当してくれるので、セキュリティを気にせずにサイトを外部に公開できます。

WordPressを簡単に利用できる

共有サーバーではWordPressを簡単に導入することができます。

サーバーでWordPressを利用する場合は、WordPressのインストールだけでなく、ApacheやNGINX、PHPやMySQLの導入が必要になります。

これらのインストールと設定を一から行うのはユーザーにとってかなりの負担で、また相性問題なども発生しやすいため、トラブル解決の能力も必要となります。

その点、共用サーバーにはWordPressの自動インストール機能があるので、WordPressを使うためのお膳立てを、周辺ソフトも含めて全てシステム側が行ってくれます。

例えば、「お名前.com」が提供しているレンタルサーバーでは、コントロールパネルからWordPressの自動インストールが可能で、ユーザーアカウントなどの簡単な情報を登録するだけでWordPressが使える状態になります。

共用サーバーなら、サーバーの設定や周辺ソフトの導入を考えずに、いきなりWordPressの初期設定から作業をスタートできるのです。

まとめ

今回はサーバーの役割と種類、ブログ運営に最適なサーバーの選び方について解説しました。

本論で解説したように、個人でブログ運営を行う場合のサーバー選びは、事実上、共用サーバー一択となります。

専用サーバーやクラウドサーバーは、大規模なウェブメディアやECサイト、コミュニティサービスの運営に使われるサーバーで、個人ブログでこれらを使うメリットはほとんどありません。

また、VPSは個人でも利用可能ですが、WordPress以外のCMSや独自開発のウェブサービスの運用に向いているサーバーで、WordPressを利用する場合は、全てが自動化されている共用サーバーが最適解となります。

それぞれのサービスの用途や特徴を踏まえた上で、なぜ共用サーバーを使うべきなのかを、ここでしっかりと確認しておきましょう。

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このサイトのライター
逢坂 秀範

ウェブメディアやメールマガジンのコンテンツ制作のプロ。
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