【副業初心者向け】副業の始め方と副業の心得

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企業の副業解禁の動きが加速する中で、副業を始めたいという人は増えていますが、実際に取り組むにあたって事前の準備を怠ると、大きな失敗の原因になりかねません。

副業を始める際は、どのような準備が必要なのか、今回は副業の初心者が知っておきたい心得や準備しておきたいものを紹介します。

なぜ副業が注目されているのか?

近年はサラリーマンの副業に多くの人々が関心を寄せていますが、副業がここまで社会で注目を集めるようになった背景には、以下のような理由があります。

厚生労働省による副業の推奨

副業解禁の流れは、各企業で自然発生的に進んでいるわけではありません。

この流れを作り出したのは厚生労働省で、2017年10月から「柔軟な働き方に関する検討会」を開催し、同年12月には「副業・兼業の促進に関するガイドライン(案)」を提示しました。

このガイドラインでは、就業規則を作る際に参考となるモデル就業規則が示され、これまで原則禁止とされていた副業や兼業の、メリットや注意点が明記されるようになりました。

具体的には、幅広く副業や兼業を行える環境の整備が重要であると指摘し、副業を持つことを前提とした働き方が広がっていく可能性を示唆した内容です。

また、業種や職種によって仕事の内容、収入等のさまざまな実状がある中で、企業の枠組みにとらわれずに自身の能力を幅広く発揮したい労働者が、長時間労働に陥らないよう留意しながら、雇用に限定されない働き方を含めて、幅広く副業や兼業を行える環境を整備することが重要としています。

これは政府が掲げる一億総活躍社会の実現にむけて推奨されている側面があり、企業側にも以下のような対応を求めています。

  • 原則、副業・兼業を認める方向で検討することが適当
  • 副業・兼業を認める場合には、労務提供上の支障や企業秘密の漏洩等がないか、長時間労働を招くものとなっていないか確認する観点から、労働者から、副業・兼業の内容等を申請・届出させることが考えられる
  • 労働者の自己申告により、副業・兼業先での労働時間を把握することが考えられる
  • 副業・兼業を推奨している場合には、副業・兼業先の状況も踏まえて健康確保措置を実施することが適当

労働時間管理の考え方の変化

2016年9月に働き方改革実現会議が設置され、2017年3月には長時間労働の是正や柔軟な働き方がしやすい環境整備など、9分野における具体的な方向性を示した働き方改革実行計画がまとめられました。

そして、2018年6月には働き方改革法案が成立し、2019年4月から働き方改革関連法(働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律)が順次施行されている状況です。

この長時間労働の是正には、単純に時間外労働による収入が減るという側面があり、特に基本給の低さを残業代で補っていた会社員には大きなダメージになります。

そこで、本業のほかに副業を行うことが認められれば、副収入による年収の底上げが期待できます。

さらに副業で収入が増えると、生活が豊かになり貯金をする余力が生まれ、精神的なゆとりを持てるようになることが期待されています。

また、副業を認めることでキャリア自律を促すことができる点も見逃せません。

キャリア自立とは、従業員が自らキャリア開発を行うことを指し、従業員が主体となって自身の成長のために動き始めることで、企業への見返りも多くなります。

結果として、効率よく業務をこなせるようになることで、時間外労働の是正に繋がることも期待されているために、企業側としても副業を認める流れが形成されつつあります。

副業と「兼業」「複業」はどこが違う?

副業に似た言葉として「兼業」と「複業」があります。

いずれも意味としては大きな違いはないものの、微妙にニュアンスが異なるため、正しく使い分ける必要があります。

兼業・複業と副業の違いについては、以下の通りです。

兼業とは

兼業とは、本業以外の業務にも従事することを意味し、本業以外の事業を2つ以上、同時並行的に掛け持ちしている状態のことです。

1つが本業でもう一方が兼業というケースもあれば、すべての仕事をほぼ均等に行うこともあります。

会社に勤務しながら個人事業主として本格的に仕事を持つ場合も兼業となり、1つのことだけを仕事にする意味での専業の対義語という位置付けです。

複業とは

複業とは、複数の本業を持つことを意味します。

複業の場合、複数の仕事を並行して行いつつ、メインやサブという序列を付けることなく複数のメインを持つという働き方となります。

副業のように、はっきりと本業とその他の仕事、という位置付けに分けるわけではありません。

複業は副業を含んだより広い概念となっています。

副業を始める前にチェックすべきこと

実際に副業を始める前に、いくつかチェックすべき項目があります。主なチェック項目は、次のようなポイントです。

就業規則を確認する

副業解禁の機運が高まる中にあっても、実際に副業を解禁している企業はまだまだ少ないのが実状です。

副業については、一般的に就業規則における禁止事項として定められていて、もし雇用されている企業の就業規則に「副業は禁止する」と明記されていた場合、その会社の社員は副業を行うことはできません。

副業が禁止されている中、隠れて副業を行っていたことが発覚すると、就業規則違反となり処罰を受けることになるため、事前に就業規則で副業が禁止されていないことを確認してから副業を始めましょう。

家族から同意を得る

副業を始めると収入の増加が見込まれますが、一方で労働時間が長くなりがちで、同居している家族がいる場合は、大きな負担がかかる可能性があります。

例えば、これまでは家事を分担して行っていたのに、副業で時間が割けなくなったことで、家族に依頼するケースが増えるかもしれません。

また、家族と一緒に過ごす時間も減ることが考えられるために、同居家族がいる場合は事前に相談して、同意を得た上で副業を行ってください。

副業を行う際に考慮すべきポイント

実際に副業を行うとなった場合、考慮すべきポイントもあります。具体的には次のような点に注意してください。

あくまでも本業を最優先に考える

副業を行う際の大前提として、あくまで優先すべきは本業であることを忘れてはなりません。

副業が忙しいという理由で本業をおろそかにして、左遷や降格や減給になると、生活の基盤が失われて副業どころではなくなるので注意してください。

オーバーワークに注意する

副業の進め方として、平日は本業をメインにし、休日に副業を行うやり方がありますが、休息のための時間がなくなり、オーバーワークになりがちです。

休養の時間が失われると、本業にも悪影響を及ぼす可能性があり、肉体的にも精神的にも大きな負担がかかることから、健康状態の悪化を招くリスクがあるので注意してください。

確定申告が必要になる可能性がある

企業に雇用されているサラリーマンの場合、源泉徴収で税金を納めているため、納税者の自覚があまりない人もいるかもしれません。

しかし、副業で得た所得が1年間で20万円を超える場合は、確定申告が必要となります。

この20万円という数字は、副業にかかった各種経費を差し引いた後の金額です。

確定申告の手続きは慣れるまでが面倒で、時期にあたる毎年2月と3月は多忙になりがちな点は覚えておきましょう。

住民税や社会保険料が増える

副業によって本業と合わせた収入の全体が増えると、翌年の住民税や社会保険料が増える場合があります。

手取りの収入が増えることばかりに目が行きがちですが、住民税や社会保険料の増加を見込んで収支を計算しないと、後で負担増となり生活が苦しくなる可能性があるので注意してください。

副業をする際に守るべき社会のルール

たとえ会社で副業が認められていたとしても、どのような仕事をしてもいいわけではありません。

副業には暗黙のルールがあり、会社に所属している以上それを遵守しなければ、大きなトラブルの元になります。

サラリーマンの副業の業種選びで注意すべきなのは、次の2点です。

同じ業界の競合他社での副業

同じ業界の競合他社に関わる副業は基本的に行うべきではありません。利益相反はもちろんですが、もっとも忌避されるのは情報漏洩のリスクです。

副業に絡んだ事件ではありませんが、2021年にはソフトバンク株式会社が、楽天モバイル株式会社と楽天モバイル元社員に対して、元社員が退職時に持ち出した営業秘密の利用停止および廃棄等を求めた訴訟を起こしました。

企業にとって重要な技術や情報が流出することは、会社の経営を左右する巨大な損失を招きかねません。

自分にそのような意思がなかったとしても疑われる可能性があるため、競合他社での副業は絶対しないようにしてください。

会社の信用を失墜させる可能性がある副業

社会通念的にグレーもしくは違法と認識されている副業は行うべきではありません。

近年は企業にコンプライアンスの順守が厳しく求められていて、反社会的な組織で副業していたなどの問題が明らかになった場合、株価の急落や不買運動、関連企業との取引停止などの問題を引き起こすリスクがあります。

会社の信用を失墜させる可能性がある副業は行わないようにしてください。

副業を始める前に準備したいもの

副業では、手際よく仕事を進める上で必要な要素がいくつか存在します。特に、以下のものを事前に準備しておくと、お金のやりとりなどがスムーズに行くでしょう。

銀行口座

副業を本格的に始めると確定申告が必要になります。

確定申告では、お金の流れを正確に記録することが重要になりますが、副業で得た収入が本業の収入と同じ銀行口座に振り込まれると、管理が煩雑になってしまいます。

そこで、副業専用の銀行口座を用意して、振り込みや支出を本業とは分けて管理するのがおすすめです。

さらに副業の規模が大きくなってきたら、法人用の口座を作ることも検討しましょう。

クレジットカード

副業専用の銀行口座を確保したら、副業で発生する支出を明確にするために、副業専用のクレジットカードを作成しましょう。

クレジットカードを利用することで、副業の経費でポイントを貯められるようになるほか、信用力の証明につながったり、支払いにゆとりが生まれるといったメリットがあります。

さらに法人カードを取得すると副業を行う上で役立つ各種サービスを利用できるのでおすすめです。

クラウド会計サービス

確定申告に備えて、専用口座やクレジットカードでお金の流れを明確にしておくと同時に、クラウド会計サービスに登録しておきましょう。

クラウド会計サービスには、銀行口座やクレジットカードと紐付けて自動で明細をインポートできる機能があるほか、面倒な資産の減価償却計算も容易で、必要な項目を入力すれば確定申告書の作成からe-Taxによるオンライン確定申告までサポートしてくれます。

多くは有料のサービスですが、費用は経費として計上できるので、ぜひ活用してください。

パソコンなどのデバイス

インターネットを利用して自宅などで副業を行う際には、パソコンなどの機器は自分で準備する必要があります。

ウェブライターなどの場合はさほどスペックは気にする必要はありませんが、動画編集などを行う場合は、ハイスペックなパソコンが必要になる場合があります。

副業で使用するデバイスの費用は経費として計上できますが、原則10万円以上の場合は資産計上が必要になるので注意してください。

副業の仕事探しに役立つウェブサービス

副業は様々な方法で探すことができますが、特におすすめの副業探しに役立つサービスを2つ紹介します。

クラウドソーシングサービス

クラウドソーシングとは、Crowd(群衆)とSourcing(調達)を組み合わせた造語です。

仕事を発注したい企業や個人が、インターネットを通じて不特定多数の人に仕事を依頼したり、アイディアを募ったりする際に使用するサービスです。

クラウドソーシングでは、仕事の契約から依頼、納品、支払いなどの全てをインターネット上で行えます。

クラウドソーシングサービスに対して、仕事を行った際に20%程度の手数料を払う必要がありますが、多くの仕事の中から自分に合った副業を探せるのでおすすめです。

スキル販売サイト

スキル販売サイトもインターネットを通じて副業を行えるサービスです。

クラウドソーシングサービスでは基本的に、募集されている仕事の中から自分に合った仕事を探しますが、スキル販売サイトの場合は、自分のスキルを売り込む形で働き先を探すことが可能です。

データ入力やデザイン、プログラミングなどのビジネス系スキルだけでなく、占いや人生相談といった、一般的なビジネスの枠組みからは外れたスキルを販売することも可能で、自分の能力をやりやすい形で発揮して副業を行える点が魅力です。

まとめ

今回は、副業を始めるにあたって、副業初心者が知っておきたい心得と、準備すべきものを紹介しました。

副業をスムーズに立ち上げるためには、事前に準備しなければならないものがたくさんあります。

しかし、会社に所属しながら副業を行う場合、実は周囲に副業を認めてもらうことが一番大きなハードルだったりします。

本業と副業の両方に心血を注げる環境を整えるためにも、上司や家族などの周囲の人間の理解を得るところから、まずは始めてみましょう。

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逢坂 秀範

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