IT導入補助金 通常枠とインボイス枠の違い

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IT導入補助金には複数の申請枠があり、通常枠とインボイス枠のどちらを選ぶべきか迷うという声が多くあります。

さらに枠によって賃上げに関する要件の重さが異なり、補助金を使って固定資産を購入した場合の税務処理(圧縮記帳)も別途理解しておく必要があります。

本記事では、通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠の違いを比較したうえで、賃上げ要件の仕組みと圧縮記帳の考え方を、公的機関の情報に基づいて整理します。

  • 通常枠は業務プロセスのデジタル化が対象 — 導入するITツールの機能数(プロセス数)に応じて補助上限額が変わる
  • インボイス枠は会計・受発注・決済機能が対象 — 通常枠より高い補助率が設定され、対象ソフトとセットならハードウェアも対象になり得る
  • 賃上げ要件は枠や申請額によって必須か加点かが変わる — 通常枠の高額申請では必須要件、それ以外は加点要件になるケースが多い
  • 圧縮記帳は課税を先送りする任意の会計処理 — 適用するかどうかは税理士に確認したうえで判断するのが安全

IT導入補助金の申請枠にはどんな種類がある?

2026年度時点で、IT導入補助金(現デジタル化・AI導入補助金)の申請枠は大きく4系統に分かれています。「通常枠」「インボイス枠」「セキュリティ対策推進枠」「複数者連携デジタル化・AI導入枠」です。

通常枠は、日常業務のデジタル化やDX推進を目的にITツールを導入する事業者向けの、最も申請件数が多い枠です。

インボイス枠はさらに「インボイス対応類型」と「電子取引類型」に分かれ、会計・受発注・決済といった機能を持つソフトの導入を後押しします。

セキュリティ対策推進枠は、サイバー攻撃対策のためのITツール導入を支援する枠で、取引先からセキュリティ対策を求められる事業者の利用が増えています。

  • デジタル化・AI導入補助金2026の申請枠には、通常枠・インボイス枠(インボイス対応類型/電子取引類型)・セキュリティ対策推進枠・複数者連携デジタル化・AI導入枠がある

デジタル化・AI導入補助金2026(旧IT導入補助金)公式サイト

it導入補助金 通常枠 インボイス枠 違いという検索が多いのは、この2つの枠が最も申請数が多く、どちらを選ぶべきか判断に迷いやすいためです。詳しい比較は次章で解説します。

  • ※ 申請枠の名称・構成は公募回次によって変更される場合があります。申請前は必ず公式サイトの最新の公募要領で確認してください。

通常枠とインボイス枠は何が違う?

通常枠は業務プロセス全般のデジタル化を対象とし、インボイス枠は会計・受発注・決済機能を持つソフトの導入に特化した枠という違いがあります。

通常枠は、導入するITツールが持つ業務プロセスの数(プロセス数)によって補助上限額が変わる仕組みです。プロセス数が多いツールほど上限額が高くなる一方、補助率は比較的抑えられています。

これに対しインボイス枠は、会計・受発注・決済のいずれかの機能を持つソフトを対象に、通常枠よりも高い補助率が設定されている点が最大の特徴です。特に小規模事業者は、一定額以下の部分でより高い補助率が適用される仕組みになっています。

項目 通常枠 / インボイス枠
対象となるITツール 通常枠:業務プロセス全般のデジタル化ツール / インボイス枠:会計・受発注・決済機能を持つソフト
補助上限額の決まり方 通常枠:導入ツールの業務プロセス数に応じて変動 / インボイス枠:機能数と申請額の区分に応じて変動
補助率 通常枠は比較的低め、インボイス枠は小規模事業者ほど高い補助率が設定される傾向
ハードウェアの扱い 通常枠は原則対象外 / インボイス枠(インボイス対応類型)はパソコン・タブレット・レジ等が対象ソフトとセットの場合のみ対象
賃上げ要件 通常枠は申請額によって必須になる場合がある / インボイス枠は加点項目として扱われることが多い

it導入補助金 インボイス枠とはという検索が多いのは、この枠が「インボイス制度に対応するための会計・受発注ソフト導入」に特化した、通常枠とは目的の異なる枠であるためです。

どちらの枠を選ぶかは、導入したいITツールの機能構成と、自社が優先したい補助率・上限額のバランスで判断する必要があります。

  • ※ 補助率・補助上限額・機能要件の区分は公募回次ごとに改定される可能性があります。申請前に必ず最新の公募要領・交付規程で確認してください。

セキュリティ対策推進枠はどんな内容?

セキュリティ対策推進枠は、サイバーセキュリティ対策のためのITツール導入に特化した枠で、対象ツールはIPA(情報処理推進機構)が公表するリストに掲載されたサービスに限られます。

it導入補助金 セキュリティ・it導入補助金 セキュリティ対策推進枠と検索する方の多くは、取引先からセキュリティ対策の実施を求められたことをきっかけに、この枠を検討しています。

対象となるのは、IPAが公表するリストに掲載され、かつ事務局にも登録されているサービスのみです。単に市販のセキュリティソフトを導入するだけでは対象になりません。

この枠を含め、IT導入補助金への申請では「SECURITY ACTION」の自己宣言(一つ星または二つ星)が要件として位置づけられています。

一つ星は、ソフトウェアの更新やパスワード強化・バックアップなど基本的な6項目の対策に取り組む宣言です。二つ星は、情報セキュリティ基本方針の策定・公開と、25項目の自社診断の実施までを含む、より発展的な宣言になります。it導入補助金 セキュリティアクションで検索する場合も、まずはどちらの星を宣言すべきかを確認するのが最初のステップです。

  • SECURITY ACTIONは、中小企業自らが情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度で、一つ星・二つ星の2段階がある
  • IT導入補助金の申請にはSECURITY ACTIONの自己宣言(一つ星以上)が要件となっている

IPA(情報処理推進機構)「デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金):SECURITY ACTIONセキュリティ対策自己宣言」

  • ※ SECURITY ACTIONの宣言方法・自己宣言IDの仕組みは、GビズID連携などのシステム更新により変更される場合があります。申請前に必ずIPA公式サイトの最新情報を確認してください。

賃上げ要件・賃上げ表明とはどんな仕組み?

賃上げ要件とは、事業計画期間中に給与支給総額や事業場内最低賃金を一定水準まで引き上げることを求める仕組みで、枠や申請額によって「必須」か「加点」かが変わる点が特徴です。

it導入補助金 賃上げ・it導入補助金 賃上げ要件と検索する方が多いのは、この要件が申請額次第で「任意の加点」から「必須の返還条件」に変わる点が分かりにくいためです。

一般的な内容としては、給与支給総額を年平均で一定割合以上増加させること、および事業場内最低賃金を地域別最低賃金より一定額以上高い水準にすることの2点が軸になります。

通常枠で申請額が一定額以上になる場合、賃上げ目標の達成は必須要件として扱われ、未達だと補助金の返還を求められる可能性があります。一方、それ以外の多くの枠・申請額の区分では、賃上げは審査上の加点項目として扱われ、宣言するかどうかは事業者の任意です。

it導入補助金 賃上げ 表明という検索も多く見られますが、これは加点項目として賃上げを表明する際の手続きを指しています。表明は文書・口頭・社内掲示など複数の方法が認められています。

申請パターン 賃上げ要件の扱い
通常枠・申請額が一定額以上 賃上げ目標の達成が必須。未達の場合は補助金の全部または一部の返還対象になり得る
通常枠・申請額がそれ未満(かつ過去に交付決定歴なし) 賃上げは加点項目として任意に表明できる
インボイス枠・セキュリティ対策推進枠 多くの場合、賃上げは加点項目として扱われる
過去にIT導入補助金の交付決定を受けた事業者の再申請 150万円未満の申請でも賃上げが必須要件になる場合がある

賃上げ目標が未達だとどうなる?

必須要件の枠で未達だった場合は補助金の返還対象になり、加点項目として表明したうえで未達だった場合は、返還はないものの一定期間、他の中小企業庁系補助金の審査で減点される可能性があります。

いずれの場合も、賃上げ目標は「宣言すれば終わり」ではなく、事業計画期間終了後の効果報告で達成状況を報告する義務があることを踏まえて、無理のない目標を設定することが重要です。

  • ※ 賃上げ要件の具体的な数値・必須/加点の区分は公募回次ごとに改定される可能性が高い項目です。申請前に必ず最新の公募要領で該当する枠・申請額区分の要件を確認してください。

IT導入補助金の圧縮記帳とはどんな会計処理?

圧縮記帳とは、補助金を受け取った年度にその全額を利益として計上するのではなく、固定資産の取得価額を減額することで課税を将来に繰り延べる会計処理です。

it導入補助金 圧縮記帳という検索が多いのは、補助金で購入したパソコンやソフトウェアが法人税・所得税の対象になり、一時的に納税負担が重くなることへの対策を知りたいというニーズによるものです。

圧縮記帳は、国税庁が示す法人税法上の規定に基づき、国庫補助金等の交付を受けて固定資産等を取得した場合に、その事業年度の所得計算上、補助金相当額を損金に算入できる仕組みです。

  • 法人が国庫補助金等の交付を受け、その国庫補助金等をもって固定資産の取得等をしたときは、一定の要件のもとで、その固定資産の帳簿価額を損金経理により減額した金額等に相当する金額を、その事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入することができる

国税庁「別表十三(一)の記載の仕方」

ただし圧縮記帳は、税金が免除される制度ではなく、あくまで課税のタイミングを先送りするものです。圧縮した分だけ固定資産の帳簿価額が下がるため、その後の減価償却費が減り、結果的に将来の事業年度で少しずつ課税されていく点に注意が必要です。適用は任意であり、必ず利用しなければならない制度ではありません。

圧縮記帳の別表への記載例はどう考える?

it導入補助金 圧縮記帳 別表 記載 例で検索する方の多くは、法人税申告書の別表十三(一)にどう記載すればよいかを知りたいと考えています。

別表十三(一)には、補助金等の名称、交付した機関、交付を受けた年月日、交付を受けた補助金等の額、取得した固定資産の価額、帳簿価額を減額(または積立金として経理)した金額などを記載する欄が設けられています。

it導入補助金 圧縮記帳 国税庁と検索して具体的な記載例を探す場合も、国税庁が公表している別表十三(一)の記載要領には項目ごとの記入方法が示されていますが、数値の当てはめ方は取得した資産の内容や補助金額の内訳によって変わります。

  • ※ 圧縮記帳の適用可否・別表十三(一)への具体的な記載内容は、取得資産の種類・補助金の内訳・会社の決算状況によって異なる専門的な判断が必要です。本記事の内容は一般的な仕組みの説明であり、個別の税務判断ではありません。実際に圧縮記帳を適用する際は、必ず税理士または所轄の税務署に確認してください。

申請枠を選ぶときに気をつけたいポイントは?

申請枠選びで失敗しやすいのは、補助率や上限額だけを見て枠を決め、賃上げ要件や機能要件を後から確認して計画が狂ってしまうケースです。

まず導入したいITツールが持つ機能(業務プロセス数や会計・受発注・決済機能の有無)を確認し、それに合う枠を選ぶのが基本の順序です。

次に、その枠・申請額の区分で賃上げ要件が必須になるかどうかを確認し、必須になる場合は事業計画期間中に無理なく達成できる目標かを検討します。最後に、固定資産を取得する場合は圧縮記帳を使うかどうかを税理士と相談しておくと、交付決定後の実務がスムーズになります。

導入予定のITツールが対象ツールとして登録されているかどうかは、枠の選定と並行して確認しておく必要があります。対象ツールの考え方については

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  • ※ 本記事は2026年9月時点で公表されている情報に基づき作成しています。申請枠の名称・補助率・上限額・賃上げ要件・税務上の取り扱いは公募回次や税制改正によって変更される可能性があるため、実際の申請・税務処理の前には必ず最新の公募要領および国税庁の情報を確認してください。

よくある質問(IT導入補助金 申請枠・賃上げ・圧縮記帳FAQ)

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熊谷 英樹

GMOインターネットグループに20年以上在籍し、広告・Webマーケティング分野で経験を積んできたマーケター。

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