【読み取り方も紹介】QRコードとは

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スマホによるキャッシュレス決済をはじめ、様々な用途で身近に利用されているQRコードですが、その歴史や仕組みについてご存知でしょうか。

今回はQRコードの由来や特徴、スマホ搭載のカメラを使った読み取りの方法について、改めて確認してみます。

QRコードの特徴

なぜQRコードはこれほどまでに広く利用されるようになったのでしょうか。
それはQRコードの4つの大きな特徴によるものです。

ひとつずつ見ていきましょう。

大容量の情報をコードに記録できる

QRコードの最大の特徴は、コードに記録できる情報量の多さです。
数字だけなら最大7089文字、英数字なら最大4296文字分の情報を埋め込むことができます。

また、扱える情報は数字や英字だけでなく、漢字、カナ、記号バイナリ、制御コードと多種多様。画像やサウンドのバイナリデータ(8ビット)であれば、最大で2953バイト(約3KB)に対応しています。

この情報量の多さにより、単純な商品番号や価格を記録するだけにとどまらず、商品内容に関する具体的な説明や、簡易的なプログラミングコードを変換して封入することが可能で、あらゆる用途に応用がきくようになっています

バーコードとQRコードの違いは?

従来の二次元コードとしては、バーコードがよく知られています。

現在でも店頭に置かれている商品の管理などに利用されている規格ですが、QRコードはバーコードを超える利便性を備えていることが、大きなセールスポイントになっています。

両者の相違点はいくつもありますが、その中でも最大のものは以下の2点でしょう。

QRコードはバーコードよりも情報量が多い

QRコードはバーコードを超える規格として開発された経緯から、バーコードよりも多くの情報を埋め込めるようになっています。

バーコードが20桁程度の情報しか扱えないのに対して、QRコードは最大7089文字(数字のみの場合)に対応していることから、その優位性は明らかでしょう。

QRコードはスマートフォンでの読み取りが可能

バーコードでは専用のスキャナーを利用しなければ情報を読み取れませんが、QRコードはスマートフォンでの読み取りが可能です。

特に最近の機種では、スキャン用のスマホアプリを起動しなくても、OSに搭載されているカメラ機能で撮影するだけで情報が読み取れるようになっており、利用の敷居が非常に低い規格となっています。

QRコードの読み取り方

QRコードの大きな強みのひとつが、一般的なスマートフォンをスキャナーとして利用できることです。

カメラを搭載しているスマホであれば、メーカーや機種を問わずにQRコードの情報を読み取ることができます。

以前は、QRコード読み取りにはサードパーティー製のアプリの導入が必要でしたが、最近のスマホでは、OS標準の機能としてQRコード読み取り機能が搭載されるようになったため、別のアプリを改めてインストールする手間は不要です。

ここでは、AndroidとiPhoneのカメラを使っての、QRコードの読み取り方法を解説していきましょう。

なお、ここで利用しているOSはAndroid10(Redmi Note 9s)と、iOS14.3(iPhone12)です。

Androidの場合

Androidに搭載されている標準のカメラ機能を起動します。

カメラが起動したら、下の機能一覧を左右にスクロールして、「ビデオ」や「ポートレート」の中から「写真」モードを選択しましょう。
画面上のアイコンの左から2番目にGoogleレンズが表示されるので、タップしましょう。

Googleレンズが起動します。
中央にあるボックスにQRコードの全体が映り込むようにしましょう。
QRコード上にデータの内容が表示されているのを確認して、虫眼鏡のマークのシャッターボタンをタップしましょう。

画面下にQRコードから取得したデータ(この場合はサイトのURL)と、それに対する処理方法が表示されます。
「ウェブサイト」を選択するとURLがブラウザで展開。
「URLをコピー」ではクリップボードにコピーされます。

なお、Googleレンズはアプリアイコンとしてホーム画面に配置することも可能です。
QRコードを読み取る機会が多い場合は、ホーム画面に表示して、すぐに起動できるようにしておくと便利でしょう。

iPhoneの場合

iPhoneのカメラ機能を起動しましょう。

「写真」モードの状態で、QRコードをカメラに収めると、自動的に認識され、QRコードの内容に応じた処理が行われます。
ここではウェブのURLをSafariで開くダイアログが表示されているので、タップしましょう。

QRコードのURLがSafariで展開されました。

QRコードとは何か

QRコードといえば、誰もが一度は目にしたことがあるはず。
モザイクのように構成された白黒のセルからなる、正方形型の光学文字認識(OCR)対応のコードです。

スマートフォン搭載のカメラからデータを読み取れるのが特徴で、連絡先の交換からコンビニ決済に至るまで、さまざまな用途で利用されています。

今や生活になくてはならないQRコードですが、いつ誰が開発した規格なのでしょうか。
実は、そのルーツは自動車部品の製造にあります。

1990年代、トヨタ車の部品製造メーカーとして知られるデンソーが、工場や倉庫での製品管理の効率改善のために、従来のバーコードに代わる新規格の開発に着手したのがその始まりです。

新しいコード規格に要求されたのは、バーコードよりも豊富な情報量、汚れや破損に強いデータ保守機能、一度のスキャンで確実に情報を捕捉する読み取り精度でした。

1994年、それらの条件を全て満たした二次元コードが完成します。
クイックレスポンス(Quick Response)の頭文字をとって「QRコード」と命名されたその技術は、デンソーがパブリックドメインとして技術利用を開放したことから、トヨタ系列以外の企業でも導入が進み、やがて海外にも利用の場を広げ、国際規格として標準化されます。

さらに2000年代に入ると、携帯電話のカメラに光学文字認識の機能が搭載され始めたこともあって、QRコードは一般層向けの文字認識技術として、当初の想定をはるかに超えた用途と規模で使われるようになります。

現在では空港やホテルでのチェックインから、地下鉄のホームドアの開閉、コンビニでの少額決済にまで用途は拡大し、日常生活の中でQRコードを見かけない日はないといっていいほどです。

現在のQRコードの主要な用途としては、主に次の3つが挙げられるでしょう。

URLの伝達

QRコード普及の最初の契機になった用途がURLの伝達です。

インターネットの普及にともない、雑誌の誌面やポスターなどの広告にウェブサイトのURLが掲載されるようになりましたが、長いURLをデバイスに入力するのは手間がかかるため、アクセスしづらいのが難点でした。

そこで、いちいち手作業で打ち込まなくても、携帯電話のカメラからURLを取り込める技術として目を付けられたのがQRコードです。
現在でも店舗のチラシや街角の看板などで、ウェブサイトやアプリのURLを変換したQRコードは数多く使われています。

SNSの連絡先交換

SNSでの連絡先の交換にもQRコードは使われています。

スマホ内蔵のカメラから相手のQRコードを読み取ることで、SNS上のフレンドとして繋がれる機能は、スマホの機種やOSを問わずに使えるため重宝されています。

国内大手のSNSであるLINEが、連絡先のアドレスのQRコード表記を採用したことで一般的になり、現在では最も使用頻度の高いQRコードの用途のひとつになっています。

QRコード決済

国内ではここ2〜3年で急速に普及した用途で、コンビニや飲食店などでの決済手段として専用アプリとQRコードを利用する方法です。

決済アプリのQRコードを店舗側の機械で読み取る方法(ストアスキャン方式)と、店舗側のQRコードを決済アプリで読み取る方法(ユーザースキャン方式)の二種類のやり方がありますが、いずれもスマホアプリのみで決済を完結することができます。

この中でも特に近年、注目を集めたのが3つ目の用途、QRコード決済でしょう。

2010年代前半に中国で広まったスマホとQRコードを利用した決済システムが、2019年にQRコードの本家である日本に逆輸入され、PayPay、楽天ペイ、LINEペイといった数多くの国内サービスがスタートします。

その際、政府主導のポイント還元制度によって、QRコード決済の利用にインセンティブが設けられたほか、2020年に入ると新型コロナウイルスの流行により非接触型の決済手段を求める機運が高まったこともあって、クレジットカードと並ぶ主要なキャッシュレス決済システムとして広く普及するに至ったのは、皆さんもご存知の通りです。

コードの専有面積が小さい

QRコードは専有面積が小さく、表示スペースを取らないことも使い勝手を良くしています。

現在一般的に使われているQRコード(モデル2)は最大177×177セルで、これを縮小した場合のスキャン性能は、カメラのスペック次第で変わるようですが、縦横9mmあれば、ほぼ確実に読み取ることができるようです。

これは内包できるデータ量を考えれば、驚くべき性能といえるでしょう。
なお、通常のQRコードよりもさらに小さな面積の「マイクロQR」という規格も作られており、こちらは17x17セル、数字35桁分という既存のバーコードとほぼ同程度の情報量で、さらに小さなスペースに保存できるようになっています。

どの角度からでも読み取りができる

QRコードの読み取りは、どの角度からどの方向に向かってでも行えます
この読み取りの自由度の高さにより、スキャンする際にQRコードを正しい角度に直す、という手間をかける必要がありません。

小さなことのようですが、乱雑に置かれたダンボール箱のQRコードを連続で読む、店頭でお客さんがスマホの画面に提示したQRコードをカウンター側から読む、といったことができるのも、この読み取り角度を問わない仕様のおかげです。

QRコードの全体像を画面に収めさえすれば、確実に情報を読み取れる捕捉性能の高さは、この規格の大きな強みでしょう。

汚れや破損した状態でも利用できる

QRコードの特筆すべき点が、汚れや破損に強いということです。
通常、情報を圧縮変換したコードは欠損に弱く、一部が欠けただけで全体の復元が不可能になるのが普通です。

しかしQRコードには元情報を復元する機構が備わっており、最も強力なレベルHでは全体の30%が欠損した状態からでも復元が可能です。

この機能により、工事現場などで汚れによってQRコードの一部が隠れたり、傷が付いてコード自体が破損したりしたケースにおいても問題のない運用が可能となっており、高い信頼性を得るに至っています。

QRコードの仕組み

QRコードの基本的な仕組みについても確認しておきましょう。

QRコードはグローバルに利用されている国際規格です。
特許権は開発元のデンソーにありますが、同社は権利を行使しないことを明言しているため、事実上のオープンコードとして、誰でも自由に利用できるようになっています。

QRコードは2色(通常は白黒)の小さなセルの集合体によって構成されています。
QRコード内のセルの数は可変で、最小で21×21セル、最大で177×177セルにまで対応しています。

QRコードに保存できるデータ量の上限は、数字で7089字、英数字で4296字、漢字で1817字です。
従来使われていた標準的なバーコード(JAN)が03桁の数字しか記録できなかったのと比べると、内包しうる情報量が飛躍的に向上していることが分かります。

QRコードのデザインを眺めたときに目立つのが、右上、左上、左下に配置された大きな四角です。
これはファインダパターン(切り出しシンボル)と呼ばれ、その領域内がQRコードであることをスキャナーに認識させるためのものです。

このファインダパターンを目印にすることで、背景に雑多なフォントやイラストが描かれていた場合でも、QRコードの領域を誤認することなく、迅速かつ正確なデータの読み取りが可能となっています。

右下のやや内側にある小さな四角は、アライメントパターンです。
これはQRコードに歪みが発生したときの、セルの位置ずれを補正するためのシンボルです。

もうひとつ特筆すべき点として、「誤り訂正機能」があります。
これは汚れや破損によってQRコードに保存された情報が欠損したときに、コードの残りの部分の情報によって欠損を補完する機能です。

QRコードにはL、M、Q、Hの4段階の誤り訂正機能があり、一般的な設定であるMは15%、最高レベルのHでは30%の情報の欠損を補うことができます。
この誤り訂正機能は、QRコードが傷や汚れに否応なしに晒される環境、例えば荷物の運送や屋外での工事といった現場での運用に大きな効果を発揮しています。

なお、情報の欠損に強いQRコードですが、3箇所のファインダパターンの部分が隠れたり欠損するなどして、完全に表示されない状態になると、スキャナーでの読み取り自体が不可能になるので注意が必要です。

見えない情報も読み取る!? QRコードの仕組みがすごい!

QRコードの特徴のひとつに「誤り訂正機能」があります。
これはQRコードの一部が読み取れない状態になっていても、残りの部分がそれを補うことで、情報全体を復元できるというものです。

ただし利用には、QRコードを作成する際に誤り訂正機能の4段階のレベルを設定しておく必要があります。各レベルに対応した復元可能な割合は以下の通りです。

【QRコードの誤り復元機能】
レベル  復元可能な割合
レベルL 約7%
レベルM 約15%
レベルQ 約25%
レベルH 約30%

下に行くほど、QRコードのサイズは大きくなり、埋め込める情報量は小さくなります。

これは復元に必要な予備情報が占める割合が増えるためで、情報の圧縮効率は悪くなりますが、その分、QRコードに欠損やノイズが加わっても本来の情報を維持できるようになります。

特に、約3割の情報欠損を補うレベルHは、工事現場や倉庫内などの劣悪な環境での運用に活躍しています。

まとめ

今回は、QRコードの由来と特徴、スマートフォンでのデータの読み取り方法について解説しました。

1994年の登場から30年も経たないうちに急速に普及したQRコードですが、その躍進の理由は、開発元のデンソーが技術をオープンに開放したことと、従来のバーコードにはない高度で実用的な機能をいくつも備えていたためです。

QRコードの普及にともない、普段の日常生活の中でも、スマートフォンで読み取る機会は多くなってきていますが、QRコードの仕様や機能を正しく理解していれば、スマホをQRコードリーダーとしてスムーズに使いこなせるのはもちろんのこと、読み取りエラーなどの事態に遭遇しても、慌てるようなことはなくなるでしょう。

今後ますます利用する機会が増えてきそうなQRコードの基本を、この機会にしっかり覚えておきましょう。

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逢坂 秀範

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