ホームページ作成で知っておきたいサーバーの基本

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サーバーについて、ブログなどのホームページを裏から支える仕組み、という知識はあっても、実際にどんな種類があって、何をしているのかまでは知らない人もいるのではないでしょうか。サーバーの理解は、ウェブサイトの仕組みを知る最初の一歩となります。今回は、ホームページの裏方であるサーバーの基本について解説しましょう。

ホームページにおけるサーバーの役割とは?

ホームページの運営にサーバーが必要になることは、多くの人が知識として持っていると思いますが、それがどのような役目を担っているのかについて意識したことがある人は、それほど多くないのではないでしょうか。

そもそもサーバーとは、ネットワークを繋いでいるハブのようなもので、インターネットは膨大な数のサーバー同士がつながることによって形成されています。

その中でも特に、ウェブサイトを配信するためのものをウェブサーバーと呼び、このウェブサーバー上に展開されているのがホームページ(ウェブサイト)です。

サイトやブログの開設を担う多くのサービスが、サーバーとサイトの機能をセットで提供しているため、ユーザーの多くはサーバーの存在を気に留めることはないかもしれませんが、サーバーはウェブサイトを作るための土台として必ず必要になるものです。

例えば、はてなブログ、Livedoorブログ、Amebaブログなどを利用してブログを開設するなら、ブログとサーバーはセットで提供されているので、サーバーについて考える必要はなく、ユーザー登録を行うだけでブログを始められます。
しかし、WordPressなどのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)を使って、ブログを構築する場合、サーバーを自分で確保し、そこにWordPressをインストールしなければなりません。

ホームページ用のサーバーを確保する場合、選択は次の2つとなります。

  • サーバーマシンを購入する
  • レンタルサーバーを契約する

サーバーマシンを購入する場合は、自分でサーバーを購入して自宅に設置します。

この場合、個人所有のサーバーになるので気兼ねなく自由に扱うことができますが、購入には数十万円〜数百万円がかかる上に、サーバーの性能に見合った通信回線や電力の確保、騒音対策・放熱対策が必要になるため、個人の住居で運用するのは現実的ではありません。

レンタルサーバーは、遠隔地のデータセンターにあるサーバーを借りて、自分のパソコンから遠隔操作で運用する方法です。

費用は月額料金制で、月に数百円から数万円のものまで様々ですが、サーバーマシンを物理的に管理する負担からは開放されます。

ただし、サーバーによっては一部の機能に制限があったり、同じサーバーを利用する他ユーザーの負荷の影響を被ることがあります。

レンタルサーバーは次の4種類に分類できます。

  • 共用サーバー
  • 専用サーバー
  • VPS
  • クラウドサーバー

それぞれの特徴を見ていきましょう。

共用サーバー

個人用途ではもっとも広く普及しているサーバーです。ひとつのサーバーを複数のユーザーで分割して利用することで、費用を抑えている点が特徴で、月額1500円程度から利用できます。ただし、サーバーの性能も等分されるため、たまたまアクセス負荷の大きなサイトと同じサーバーに割り当てられると、サイトの表示が遅くなるなどの被害を被る可能性があります。WordPressをはじめ基本的なソフトウェアは最初からサーバーに用意されていて、それ以外のCMSを独自に導入するのは難しいでしょう。

専用サーバー

サーバーをまるごと一台借り受ける方法です。サーバーを完全に独占して利用できるため、他サイトのアクセス負荷の悪影響を被ることがありません。また、好きなOSやソフトウェアの導入が可能で、環境のカスタマイズも自由です。その分、コストは高めで、月額料金は数万円から高性能なサーバーでは10万円を超えることもあります。アクセス負荷の大きい大規模なホームページやウェブサービスの運用に使われることがほとんどです。

VPS

バーチャル・プライベート・サーバーの略で、仮想サーバーと呼ばれることもあります。ひとつのサーバーを複数のユーザーで分割して利用する仕組みは共用サーバーと同じですが、VPSでは専用サーバーの単独運用と同じ環境を仮想的に用意しており、専用サーバーのようにOSやソフトウェアを自由に入れ替えたり、環境をカスタマイズしたりすることができます。サイト運営以外の用途でサーバーを構築したり、WordPress以外のCMSを運用するといった高度な目的で使用されます。

クラウドサーバー

クラウドサーバーは、仮想化されたサーバーの機能を組み合わせて利用するタイプのサーバーです。代表的なサービスとしてはAmazon Web Service(AWS)やAzure Virtual Machines(Microsoft Azure)などが挙げられます。

クラウドサーバーでは仮想化されたストレージ、データベースなどが個別に提供され、用途に合ったものを組み合わせることでサーバーを構築します。

ホームページやサービスに合わせたサーバー環境を作れるのが利点ですが、サーバーの構成や機能に関する知識が必要になるため、他のサーバーよりも運用の難易度は高くなります。

また、通信量に応じて費用が変動する従量制の料金体系になるため、無駄なコストの削減になる一方で、将来の費用を予測しにくいという面もあります。

どんな用途にでも利用できますが、一般的には大規模なウェブサービスやECサイトの構築で利用されることが多くなっています。

このうち専用サーバーはコスト面で、VPSは技術面で導入に困難がり、クラウドサーバーは機能が複雑すぎてホームページの構築には向かないため、多くの個人ユーザーが共有サーバーを選択しています。

共有サーバーは、WordPressでのブログ開設を目的として利用されることが非常に多いため、最近はほとんどの事業者の共用サーバーが、WordPressの自動インストール機能を搭載し、ボタンひとつでWordPressの導入が行えるようになっています。

レンタルサーバーの選ぶ際の6つのポイント

サーバーには共用サーバー、専用サーバー、VPSがありますが、ホームページを開設する場合は、費用や難易度の面から共用サーバーを選ぶのが一般的です。

共用サーバーは「レンタルサーバー」という名称で多くの事業者がサービスを提供していますが、選択肢が非常に多くあるため、何を基準にサービスを選べばいいのか分からないという人が少なくありません。

そこで、レンタルサーバー(共用サーバー)を選ぶ際の4つのポイントについて解説しましょう。

費用

サーバーを選ぶ際にまず気になるのは費用の負担でしょう。レンタルサーバーの月額費用はどのサービスもおおむね1500円〜2000円程度となっています。中にはこれ以下の金額で格安を売りにしているサービスもありますが、サーバーの月額料金は性能と比例関係にあり、安いサーバーはストレージ容量が少なかったり、転送量に制限があったり、アクセス集中による負荷に弱かったりします。安定した動作と性能を求めるなら単月の費用が1000円以下のサーバーは避けるのが無難です。なお、多くのレンタルサーバーでは毎月の費用だけでなく、契約時に初期費用がかかるので、それも忘れずにチェックしておきましょう。

スペック

スペック(性能)もサーバー選びでは欠かせないポイントです。特に重要になるのがストレージ容量で、長年ホームページを運営しているとデータ容量はかなり肥大化するので、余裕のあるサイズを選んでおきたいところです。それ以外ではデータの転送量に上限が設けられていることがあるので、その許容量についても見ておきましょう。サーバーのCPUやメモリの情報が公開されていることもありますが、共用サーバーの場合、同じサーバーを利用している他ユーザーの負荷が大きいと、その影響で性能を発揮できないケースがあります。高スペック=使いやすいサーバーとは限らない点に注意しましょう。

オプション

サーバーに付随するオプションも、契約前にチェックしておくべき要素でしょう。特に重視したいのが、ドメインとの連携です。レンタルサーバーは独自ドメインで運用するのが一般的ですが、ドメイン登録事業者(レジストラ)を兼ねている事業者の場合、ドメインの取得からサーバーの登録までが一挙に行えるので、難易度が高いドメインとサーバーの連携設定をスムーズに行えます。複数のドメインを同時に利用する機能(マルチドメイン機能)や、SSL対応、アクセス制限などのセキュリティ関連の機能に対応しているかも重要なポイント。それ以外では、サーバーの内容を定期的に保存する自動バックアップ機能の有無もチェックしておきたいところです。

サポート体制

軽く見られがちですが、実は非常に重要なのが事業者のサポート体制です。サーバー運営ではトラブルに遭遇するのは日常茶飯事ですが、そのときにオフィシャルサポートの協力を仰げるかどうかは、解決までの時間と労力を大きく左右します。問い合わせの窓口がメールしかないと、やりとりに時間がかかるため、リアルタイムでやりとりができるチャット、できれば24時間対応の電話サポートがあるのがベストです。サーバートラブルでホームページが不通の状態が続くと、ホームページの信頼性や収益に大きく影響するため、すぐに助力を乞えるサポート体制は重要です。

表示速度

ホームページを訪れるユーザーの使用感に大きな影響を与えるのがページの表示速度です。レンタルサーバーの場合、同じサーバーに入っている他サイトとの兼ね合いや、通信回線の混雑状況も影響するため、公表されているスペックがそのまま表示速度を反映しているわけではありません。サーバーの表示速度を検証している記事を参考にするのもいいですが、一番確実なのはレンタルサーバーと契約してホームページを開設し、自分で計測を行なう方法です。表示速度の計測にはGoogleが提供している「PageSpeed Insights」を利用するといいでしょう。

利用者数

利用者数の多さもサーバーを選ぶ基準のひとつになります。利用者数が多いということは、それだけ信頼されている証であり、解説やノウハウも豊富に公開されていることから、トラブル時の対応も選択肢が多くなります。また、事業規模が大きいサービスの方がハードウェアやインフラに投資する余地も大きく、快適な環境が提供されやすい傾向にあります。サーバー選びで迷ったら、多くの人が使っているサービスを選ぶというのも、ひとつの考え方でしょう。

レンタルサーバーの4種類の用途

レンタルサーバーを利用する目的で最も多いのはホームページの運用ですが、それ以外にもレンタルサーバーには様々な用途があります。レンタルサーバーの代表的な4つの用途についてまとめてみました。

ホームページの開設

レンタルサーバーの最もシンプルな用途で、HTMLファイルを設置することでホームページをネット上に公開します。独自ドメインを登録すれば、独自ドメインのホームページを作ることも可能です。ホームページのHTMLやCSSは自分で作成しても、既存のテンプレートを利用しても構いません。ゼロから始めることになるため、高度なサイトを作るのは難しいですが、ほとんどのレンタルサーバーはJavascriptにも対応しているので、ある程度動的なサイトを作ることもできます。

WordPressの開設

レンタルサーバーのもっとも多い用途がWordPressの開設です。近年では多くのレンタルサーバーが、WordPressの自動インストール機能に対応しており、ボタンひとつで最新のWordPressがインストールされるようになっています。ただし、そこから先のカスタマイズはユーザー自身の手に委ねられていて、テーマやプラグインによる機能の追加は必須、さらに高度なブログを作りたいなら、WordPressを構成しているHTML、CSS、PHPを編集するだけの知識と技術も欲しいところです。

メールサーバーの運用

WordPressと並ぶレンタルサーバーの用途が、メールサーバーの運用です。独自ドメインと連携すれば、メールアドレス全体を任意の文字列で構成した、完全にオリジナルなメールアドレスを使えるようになります。多くのサーバーではひとつのドメインから無限にメールアドレスを作成できるので、運営している組織のメンバーひとりひとりにメールアドレスを割り当てたいときに利用できます。ただし、サーバーのストレージ容量には上限があり、それを超えるとメールが使えなくなる点には注意が必要です。ひとつのサーバーで、独自ドメインのメールアドレスとWordPressを同時に運用することも可能です。

その他CMSの導入

レンタルサーバーにはWordPress以外のCMSをインストールすることもできます。例えばWiki系のソフトウェアをレンタルサーバーに導入して、組織内の情報共有に活用するといった用途が考えられるでしょう。ただし、レンタルサーバーが公式に対応しているCMS以外、正しく動作する保証はありません。基本的にレンタルサーバーは低価格かつ簡易・安全に運用するために自由度を犠牲にしているので、どんなCMSでも好きにインストールして動作させられる環境にはなっていません。CMSを自由に導入したいなら、VPSの利用を検討すべきでしょう。

まとめ

今回は、ホームページ作成におけるサーバーの基礎知識について解説しました。

サーバーは業務用まで含めれば非常に多くの種類がありますが、運用には専門職(サーバーエンジニア)による高度な技術が求められるため、個人ユーザー向けのサービス、特にホームページの開設を目的とした場合は、レンタルサーバー(共用サーバー)の一択となります。

レンタルサーバーでは、専門知識がなくてもWordPressのインストールやメールアドレスの発行が行える上、ブログサービスを利用するよりも自由度が高い、高度なサイト環境の構築が行えます。

これまでブログサービスを利用していた人が、より専門的なブログの運営にステップアップしたいときの最初の一歩に、レンタルサーバーは最適なので、興味のある人はぜひ挑戦してみてください。

誰でも10分!WordPressブログの始め方

ブログを始めるには、ライブドアブログやはてなブログといった無料ブログを使う方法、
あるいはWordPressなどを使用する方法があります。

まだWordPressを持っていない人でも、簡単に準備できる方法を以下の記事で解説してます。
初心者でもわずか10分で始められるので、参考にしてみてください。

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このサイトのライター
逢坂 秀範

ウェブメディアやメールマガジンのコンテンツ制作のプロ。
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