ERPと連携可能なワークフローシステムとは?メリットや選び方も解説

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  • ワークフローシステムとは、業務の流れをデータ化し、業務効率化を図るシステムである
  • ERPとは、モノ・ヒト・資金といった企業に重要な情報を一元管理できるツールである
  • ERPとワークフローシステムの連携で、申請結果の自動更新や転記ミス削減が可能

ワークフローシステムとは、業務の流れをデータ化し、業務効率化を図るシステムのことで、ERPは企業や経営資源を一元管理できるツールです。2つを連携することで、業務の効率化が可能です。本記事では、ERPとワークフローシステムを連携するメリットなどを解説しています。

目次

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  1. ワークフローシステムとは
  2. ERPとは
  3. ERPと連携可能なワークフローシステムのメリット
  4. ワークフローシステムを選ぶ際のポイント
  5. まとめ

ワークフローシステムとは

ワークフローシステムは、決裁や稟議書といった社内の業務手続きを自動化し、システム上で申請・承認作業を行えるシステムのことです。主な機能として、申請書類の作成や承認ルートの設定などができ、進捗状況をリアルタイムで可視化できます。

ワークフローシステムを利用することで、稟議・申請・承認・確認などの手順をスムーズ化でき、時間がかかりやすい申請・承認作業の効率化を図れます。例えば、経費などの申請が行われると、通知やリマインドが承認者に送信されるため、見落としを防げます。

このように、ワークフローシステムは組織の生産性を向上させるための重要なツールです。

ワークフローシステムに期待できること

ワークフローシステムは、さまざまな機能により、組織内の業務プロセスを効率化することができます。以下で、ワークフローシステムに期待できることについて解説します。

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ワークフローシステムに期待できること

  1. 不正やミスの防止
  2. 承認作業の効率化
  3. ペーパーレス化の促進

不正やミスの防止

ワークフローシステムを活用することで、システム上で申請・承認作業を管理できるため、不正やミスの防止に繋がります。

例えば、経費の申請は課長がチェックして、その後部長が承認するといったように、段階的な確認の流れを確認できるため、不正な申請が通ることを防げます。適切な承認フローとルールを設定することで、不正な行動を防止し、正当な承認が行われるようになります。

さらに、タスクの進捗状況やステータスがリアルタイムで可視化されるため、進行中のタスクや緊急の問題に対応することができます。これにより、ミスや遅延を早期に検知し修正でき、手続きの正確さ向上や業務の流れがスムーズになります。

承認作業の効率化

ワークフローシステムによって、紙媒体と比較して承認作業にかかる時間の短縮化や効率化を図れます。

例えば、ワークフローシステムで承認フローとルールを設定することで、申請者は各承認者のデスクや部署まで足を運ぶ必要がなくなります。同時に紙の文書やメールでのやり取りが不要となるため、承認作業が迅速かつ正確に進行します。

また、ワークフローシステムには、リアルタイムの通知やリマインダー機能もあります。承認依頼や期限に関する自動通知が行われ、関係者はタイムリーに対応できます。デジタルでの承認作業履歴は自動で記録され、簡単に参照できるため内部統制の強化にも効果的です。

ペーパーレス化の促進

デジタル署名により紙でのやり取りが不要になるため、ペーパーレス化が促進されます。劣化しやすい紙の保管の手間がなくなる上に、特定の書類を見つけ出すことも容易になります。

また、ペーパーレスは紙にかかるコストカットができるだけでなく環境負荷の削減にもなり、環境に配慮している企業というイメージアップにも繋がります。

ERPとは

ERP(Enterprise Resource Planning)は、組織全体の業務システムとデータベースを統合的に管理し、企業のリソースを効率的に活用できるシステムです。

ERPシステムは、会計・財務、購買・調達、在庫管理、生産管理、人事・給与など、企業の主要な機能を統合し、リアルタイムでのデータ共有と処理を実現します。

これにより、組織内の情報の一貫性や可視性が向上し、意思決定の迅速化や業務の効率化が可能となります。ERPシステムは企業の成長や競争力強化に貢献し、組織全体の統合と最適化を図れます。

ERPの機能・目的

ERPを利用することで、業務プロセスの効率化と統制強化が促進され、組織全体の成果を最大化するための基盤が提供されます。ここでは、ERPの機能や目的について解説します

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業務効率化・属人化解消

ERPは、組織全体の業務プロセスを統合し、データの一元化と可視化を実現します。これにより、情報の共有やリアルタイムなデータへのアクセスが可能となり、業務の迅速な実行が促進されます。

また、ERPは業務プロセスの自動化と標準化を支援します。作業フローの自動化や統一された手順の設定により、作業の一貫性と効率性が向上し、属人化のリスクを軽減します。

組織全体での業務プロセスの効率化と属人化解消により、生産性が向上し、ひいては作業の品質や正確性の確保にも繋がります。

迅速な経営判断の実現

経営者は、リアルタイムな情報と洞察力に基づいて、迅速かつ正確な経営判断を求められます。ERPは、組織内の業務プロセスやデータを統合的に管理し、リアルタイムで情報を提供します

また、ダッシュボードやレポートを通じて、業績や生産性、在庫状況などの重要な指標を即座に把握できます。さらに、予測分析やシミュレーション機能も備えており、過去の販売データや市場傾向を分析し、将来の需要の予測が可能です。

ERPは、異なる部門や機能からの情報を統合し、正確なデータに基づいた意思決定が可能となります。これにより、適切な企業戦略の決定にも繋がり、組織の競争力の維持・向上にも期待できます。

ERPと連携可能なワークフローシステムのメリット

ワークフローシステムとERPの連携によるメリットは多岐にわたります。ここからは、ワークフローシステムとERPを連携することで得られるメリットについて解説します。

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手作業による入力ミス防止

ワークフローシステムとERPの連携により、入力ミスを防げます。ワークフローシステムによって承認されたデータが自動的にERPに反映されるため、手作業で入力する必要がありません。

入力・転記ミスがなくなることでデータの信頼性が増し、分析の精度も上がります。精度の高い分析は利益にも繋がるため、ワークフローシステムとERPの連携によるメリットは大きいと言えます。

さまざまな業務の効率化

企業全体に関わるERPと連携することで、さまざまな業務の効率化が期待できます。連携により承認に関する情報がERPに自動で転記されるため、あらゆる業務で発生する承認作業がシステムを使い分ける手間なしで完結します。

ERPは企業全体の情報を管理しているため、ワークフローシステムとERPの連携は社内の広い範囲の業務を効率化してくれます。また、承認手続きの一元管理と可視化が可能になり、内部統制の強化にも期待できます。

意思決定の迅速化

ERPとワークフローシステムを連携することで、ワークフローシステム内のデータがリアルタイムでERPに反映されます。例えば、申請された経費や発注情報、在庫状況などがERPに即座に登録されるため、常に最新かつ正確なデータを社内で共有できるようになります。

リアルタイムで必要な情報をすぐに把握できることから、現場から経営層まで各フェーズでの意思決定が迅速になり、スピーディーな経営判断が可能です。特に在庫の不足や経費の過剰使用などは、問題に気付いてから対応までを短時間で完了することが求められます。

ERPとワークフローシステムの連携によって、何らかの問題が生じても早期に発見でき、迅速な対応策を講じられるでしょう。ひいては、リスク管理の強化にも繋がり、業務の効率化だけでなく経営の最適化にも繋がります。

コンプライアンスの強化につながる

ERPとワークフローシステムの連携によって、社内の承認・申請の流れを一元管理できます。上述したように手入力や手作業が不要のため、ミスだけでなく改ざんや不正な申請も未然に防げます

例えば、ワークフローシステムにより、経費の申請がシステム上で自動的にチェックされ、あらかじめ設定されたルールに違反していれば、承認作業が進まない仕組みを整えられます。

また、誰がいつ申請・承認したかも記録できるため、企業の透明性を確保し、企業としての信頼性や安全性向上に繋がります。ERPとワークフローシステムを連携することで、不正を防ぐ環境を整備でき、コンプライアンスの強化に繋がります。

ワークフローシステムを選ぶ際のポイント

ワークフローシステムを選ぶ際には、いくつかのポイントに注意する必要があります。ここでは、ワークフローシステムを選ぶ際のポイントについて解説します。以下のポイントを考慮し、組織のニーズに最適なワークフローシステムを選びましょう。

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自社の課題を明確にしておく

ワークフローシステムを選ぶ際、自社の課題を明確にすることは非常に重要です。具体的な課題を把握することで、適切なワークフローシステムを選択し、課題の解決に繋げられます。

また、自社の課題の明確化によって、必要な機能や要件を特定し、ベンダーとの相互理解を深められます。これにより、自社のニーズに適したワークフローシステムを導入し、効果的な業務改善の実現に期待できます。

既存システムと連携できるか確認

既存システムとの連携がスムーズに行えることで、データの一元管理や業務プロセスの効率化が実現できます。ワークフローシステムが既存システムとのデータの相互連携や、API統合に対応しているかを確認しましょう

これによって、システム間のデータの整合性やプロセスの連携が確保され、円滑な業務遂行が可能となります。

従業員が使いやすいか確認

従業員がシステムを使いやすく、快適に操作できることは、効率的な業務遂行や受容性の向上に直結します。使いやすいユーザーインターフェース、直感的な操作方法、簡単なタスク管理など、従業員がシステムを迅速に理解し、効果的に活用できることが重要です。

従業員のニーズやフィードバックを収集し、それに基づいてワークフローシステムを選択することをおすすめします。

まとめ

ワークフローシステムとERPの連携は、業務プロセスの効率化とデータの一元管理を実現します。ワークフローシステムはタスクの自動化と監視をサポートし、ERPとの連携によりリアルタイムな情報共有が可能となります。

結果の自動更新や転記ミスの削減により正確な情報を得ることができ、手続きの一元管理と可視化によって内部統制が強化されます。ひいては、組織は迅速な経営判断と競争力の向上を実現し、効率的かつ効果的な業務改善が期待できます。

ワークフローシステムを導入する際は、連携性や従業員の使いやすさを確認することが大切です。本記事で紹介した内容を参考に、ERPとワークフローシステムの連携を進め、作業の効率化や自社のコンプライアンス強化に繋げましょう。

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