上場企業におすすめの会計ソフト5選|重要性・比較ポイントを解説

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  • 上場企業において会計は、企業の現状を把握し、迅速に処理していくために欠かせない
  • 会計ソフトを導入することで、上場企業の会計業務を効率化することができる
  • 上場企業が導入する会計ソフトを比較する際は、内部統制の強化度合いもポイントになる

上場企業において、会計は内部統制の強化のためにも重要ですが、膨大なデータを扱うことになるため、会計業務を効率的よくこなす必要があります。本記事では、上場企業が会計ソフトを使用するおすすめな理由と、会計ソフトを選定・比較する際のポイントを解説します。

目次

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  1. 上場企業における会計の重要性
  2. 上場企業における内部統制の強化と会計の関係
  3. 上場企業に会計ソフトがおすすめな理由
  4. 上場企業が会計ソフトを選ぶとき・比較するときのポイント
  5. 上場企業におすすめの会計ソフト5選
  6. その他の会計ソフトの選び方
  7. まとめ
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上場企業における会計の重要性

上場企業において、会計が重要とされる理由には次のようなものがあります。

  1. 上場前の会計監査に対応するため
  2. 正確な会計処理により、企業の財政状況を正確に把握するため
  3. 財政上の課題を迅速に処理するため

企業が上場する際には、不正などの確認のために、監査法人による会計監査が2年間行われます。会計監査で不備が指摘されると、たとえそれが悪意のない計算ミスや入力ミスであっても、大きな問題となりかねません。最悪の場合は上場ができなくなります。

滞りなく上場を行うには、会計監査のクリアすなわち正確な会計処理が必要です。また上場企業に限らず、正確な会計処理は、自社の財政状況の把握・課題の発見と解決のために重要です。

上場企業における内部統制の強化と会計の関係

企業が上場するには一定基準を満たした内部統制の整備が必要です。内部統制は次の4つの目的の達成のために行われます。

  1. 業務の有効性および効率性
  2. 財務報告の信頼性
  3. 事業活動に関わる法令などの遵守
  4. 資産の保全

簡潔にいえば、内部統制とは企業が健全で効率的に事業運営するためのルール・仕組みです。具体的には企業内部のミス・情報漏洩・違法行為などを防止するためのルールや仕組みが内部統制に当たり、雇用形態にかかわらず従業員全員が遵守しなければなりません。

上場企業には「内部統制報告書」の提出が義務づけられています。また、上場準備企業が受ける上場審査では、内部統制も審査対象に入っています。よって、内部統制の強化はすでに上場している企業・将来的に上場する企業に必要です。

なお、内部統制の目的の1つである「財務報告の信頼性」は、株主・取引先への正確な財務報告を意味しています。正確な財務報告は、株主の投資判断や取引先の与信管理のために必要であり、これらに不正があれば組織としての信頼が失墜します。

社会的な信頼の維持のためにも、上場企業は正確かつ透明性の高い財務報告を行う必要があります。正確な財務報告のためには、前段階である会計処理を正しく行わなければなりません。

上場企業に会計ソフトがおすすめな理由

上場企業の会計業務には会計ソフトの導入がおすすめです。上場企業に会計ソフトがおすすめの理由を3つの観点からご紹介していきます。

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会計業務を効率化できる

会計ソフトの導入により、会計業務を大幅に効率化できます。会計ソフトの多くは、取引データ・クレジットカード明細・銀行口座の入出金情報から必要なデータを読み込み、自動で仕訳します。

従来の会計処理のように、データを目視で確認しながら手動で入力・仕訳する必要がなく、スピーディーな会計処理が可能になります。

特に大手企業などは従業員数が多く、それだけ確認すべき書類・項目も膨大となるため、会計処理を効率化・迅速化できる会計ソフトの導入がおすすめです。

なお、会計ソフトによる会計業務の自動化には、業務の効率化だけでなく、入力ミス・仕訳ミスといった人為的ミスの低減にもつながります。

経費精算システムと連携できる

会計ソフトの多くは経費精算システムとの連携が可能です。経費精算システムとは、経費精算の申請・承認を一元管理できるシステムです。

経費精算システムと会計ソフトの連携により、経費精算システムに入力された内容が自動的に会計ソフトに反映されます。手動での転記の必要がないため、業務を効率化できるほか、転記ミスなどの人為的ミスも低減できます。

従業員数が多い大企業は、提出される領収証も膨大となるため、手動での作業には限界があります。会計ソフトと経費精算システムの連携によって、経費精算業務・会計処理業務を同時に効率化していきましょう。

なお、会計ソフトによっては、経費精算システム以外にも、給与計算ソフト・勤怠管理システム・請求書発行システムなどと連携が可能です。

確定申告・決算書の作成を自動化できる

会計ソフトのほとんどは、確定申告や決算書の作成にも対応しています。日々の帳簿をもとに必要な書類作成やデータ整理を行ってくれるため、経理担当者の業務負担を大きく軽減できるでしょう。

上場企業が会計ソフトを選ぶとき・比較するときのポイント

会計ソフトは製品によって特徴・得意分野・不得意分野が異なります。上場企業は、次のような基準を中心に、自社に適した会計ソフトを選びましょう。

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ソフトの提供形態

会計ソフトの提供形態は、大きく分けてオンプレミス型とクラウド型の2種類があります。

  1. オンプレミス型:自社で構築したサーバ・通信環境・システムを利用する
  2. クラウド型:ベンダーがネット上に用意したサーバ・システムを利用する

現在の主流は、クラウド型の会計ソフトです。ベンダーが用意したサーバやシステムを利用するため、自社でのインフラ構築が必要なく、それだけに導入費用を安く抑えられます。ただし月額利用料金=ランニングコストが発生する点に留意しましょう。

クラウド型の会計ソフトは、セキュリティやシステムアップデートをベンダーに一任できる点も特徴です。運用・管理が比較的容易な会計ソフトを希望する場合は、クラウド型会計ソフトを検討しましょう

内部統制の強化度合い

上場企業には内部統制の強化が求められます。会計も内部統制とは密接な関わりがあるため、会計ソフトを導入する際もこの点を考慮する必要があります。

内部統制には次の6つの基本的要素があります。

  1. 統制環境
  2. リスクの評価と対応
  3. 統制活動
  4. 情報と伝達
  5. モニタリング
  6. ITへの対応

会計処理と関わりが深いのは「ITへの対応」で、簡潔にいえば、会計ソフトで会計処理を行う際にミス・不正がないように統制しなければなりません。加えて、業務処理の際はデータへのアクセス管理の統制も必要です。

よって上場企業では、正確な会計処理・データのアクセス管理に対応した会計ソフトを選定する必要があります。

アカウントの設定・共有

上場企業は、アカウントの設定や共有が容易な会計ソフトを選定しましょう。上場や事業規模拡大に伴って、複数人で会計ソフトを利用する機会が増えるためです。

会計ソフトの利用者が増えれば、それだけ不正や会計データの流出といったリスクも増大します。リスク低減のためにも、ユーザーごとにアクセス管理できる会計ソフトを選びましょう。

ユーザーごとにアクセス管理を設定することで、業務分担がより明確になるため、業務全般の効率化も期待できます。

また、会計監査を外部に委託している場合は、アカウント共有がしやすいものを選ぶことで、より緊密な連携が期待できます。

その他自社の要件を満たしているか

会計ソフトを選ぶ際は、次のようなポイントにも着目してみましょう。

  1. 対応帳票の種類
  2. 銀行口座との連携
  3. クレジットカード明細の自動取り込み
  4. 電子帳簿保存法・インボイス制度への対応
  5. 他ソフト・システムからのデータの移行方法
  6. 顧問税理士や会計事務所とのデータの共有のしやすさ
  7. 費用対効果は最適か
  8. 現場が使いやすいか

会計ソフトを円滑に運用するには、自社が必要とする機能を有したものを選ぶ必要があります。自社に必要な機能を絞り込むためにも、まずは現在抱えている会計処理上の課題・問題点を洗い出しましょう。

上場企業におすすめの会計ソフト5選

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その他の会計ソフトの選び方

会計ソフトは自社にとって運用しやすいものを選びましょう。たとえば次のような基準をもとに比較検討してください。

【重要なポイント】

  1. 帳簿の知識が少なくても使いやすい操作性か

【その他の比較ポイント】

  1. 必要な機能が搭載されているか
  2. 自身の申告方式や電子申告に対応しているか
  3. 使用するデバイスやOSに対応しているか
  4. 他システムと連携できるか
  5. サポート体制・セキュリティ対策は万全か
  6. 無料トライアルがあるか

まとめ

上場企業においては、上場審査のクリア・内部統制の強化のためにも、正確な会計処理が必要です。正確な会計処理の実現には、業務を一部自動化できる会計ソフトの導入がおすすめです。

会計ソフトの選定の際は、提供形態・内部統制の強化度合い・アカウントの設定といった基準をもとに比較検討しましょう。
会計ソフトの導入により、業務の効率化・人為的ミスの防止・その他システムとの連携・確定申告や決算の対応が可能になります。会計処理が煩雑になりやすい上場企業は、会計ソフトの導入で効率的に会計処理を進めていきましょう

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