契約書管理システムの費用・価格相場|留意するポイントを解説

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- 契約書管理システムにかかる費用は、システム体系や搭載されている機能によって異なる
- 契約書管理システムは、投資リスクが低く、導入が簡単なクラウド型がおすすめ
- 契約書管理システムを選ぶ際は、コストだけでなく、機能やセキュリティの確認も必要
契約書管理システムの費用は、搭載されている機能や対応範囲によってさまざまです。本記事では、クラウド型・パッケージ型でかかるそれぞれの費用や、主流のクラウド型の価格相場について解説し、コスト以外で気を付けておくべき、システムの選定ポイントを解説します。
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契約書管理システムの費用は機能や導入形態で異なる

従来のエクセルによる契約書管理から、契約書管理システムやアプリといった、ツールの導入を検討する企業が増えています。契約書管理システムとは、企業における契約書関連の書類をデータ化し、一元管理するシステムのことです。
契約書管理システムは、製品により搭載機能が違い、データ化した契約書の保管や管理だけではなく、検索機能・更新期限の通知機能や、紙の契約書を電子化できる機能もあります。提供方式にはクラウド型とパッケージ型の2種類があります。
必要な導入費用や運用後の費用は異なり、いずれもメリット・デメリットがあるものの、現在ではクラウド型が主流です。また、提供方式が同じでも搭載機能やシステムが対応する範囲によって料金が違ってくるため、事前に確認が必要です。

契約書管理システムとは、自治体などでもよく利用されている「契約書を適切に管理するためのシステム」のことです。この記事では、契約書管理システムの主な機能や種類、システム導入によるメリット・デメリットや、比較のポイントなどについて詳しく解説していきます。
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契約書管理システムの種類
クラウド型の特徴
クラウド型の契約書管理システムは、ベンダーが所有するサーバーに構築されているシステムをインターネット経由で使用します。運用に必要なバージョンアップやメンテナンスなどもベンダーが行い、専門知識が不要なのがメリットです。
しかし、インターネットを使うため、セキュリティリスクの可能性があります。また、運用をベンダーに任せることから、業務内容に合わせたカスタマイズをしたい場合には不向きです。
クラウド型は初期費用が無料のものもあるなど、パッケージ型と比較すると安価です。ただし、買い切りではないため、使用料として月額または年額料金が必要です。この中に保守費用も含まれます。
パッケージ型(オンプレミス型)の特徴
パッケージ型(オンプレミス型)は、自社のサーバーにソフトウェアをインストールして使用する方式です。インターネットを使わず自社サーバーで管理できるため、機密性の高い文書も安全に管理できます。
また、運用をベンダーに合わせる必要がないため、業務内容に合わせてカスタマイズしやすいこともメリットです。一方、メンテナンスやバージョンアップなどの運用を自分で行う必要がある点がデメリットです。
なお、クラウド型と違い自社でサーバーなどを準備することから、初期費用は高額になります。また、バージョンアップやメンテナンスで費用が新たにかかる場合があります。しかし、ほとんどがライセンス買い切りのため、月額や年額の利用料はかかりません。
無料版の特徴
サービスの中には、無料で使える契約書管理システムがあり、一時的に利用したい場合や、費用をかけずに手軽に導入したい場合におすすめです。しかし、無料で使える契約書管理システムにはデメリットもあり、利用にあたっていくつか注意が必要です。
管理できる契約書数が少ない
無料で使える契約書管理システムでは、管理できる契約書数に制限が設けられていることが多く、大量の書類を管理したい企業には向きません。
しかし、有料で使える契約書管理システムの場合は、自社の契約書管理数にあわせて適切なプランを選べるので、登録契約書数が多くなる場合や、長期的なサービス利用時には、有料版の契約書管理システムがおすすめです。
使える機能の制限がある
管理できる契約書数とあわせて注意が必要なのが、搭載されている機能やサポートの制限です。基本的な機能は無料版でも使えますが、自社のルールにあわせた細かい設定を変更できない場合があります。
例えば、通知機能では、通知の送信タイミングのカスタマイズができず、更新期限や解約期限の把握が難しくなります。管理の手間を減らすためにも機能制限の確認を行い、必要があれば有料版の契約書管理システムも検討しましょう。
契約書管理システムのタイプ

契約書管理システムには、契約書の管理機能をメインにしたタイプと、契約書管理を効率化するための機能が豊富に搭載されたタイプがあります。
さらに契約書管理システムの中には、法務専用のものや電子契約もできるシステム、契約業務全体を管理できるシステムなどもあります。最近ではAIを活用した契約書管理システムもあり、人工知能を使用して契約書の分析や要約、重要な情報の抽出を行えます。
これらのタイプは、企業のニーズや契約書の量・セキュリティ・作業フローの複雑さなどに応じて各社で選択する必要があります。
契約書管理システムの主な機能

契約書管理システムに搭載されている機能を組み合わせることで、契約書を効率的に管理でき、リスクの軽減と契約管理業務の効率化を図れます。以下で、契約書管理システムに搭載されている主な機能についてまとめました。
機能 | 特徴 |
---|---|
契約更新の管理 | 更新が必要な契約を特定し、契約更新の時期に通知する |
管理台帳の作成 | 契約書情報から情報を自動で抽出し、管理台帳を作成する |
閲覧権限の管理 | 機密性の高い契約書や特定の情報に対するアクセスを制限し、必要な人だけが適切な権限を持つようにする |
契約書の検索 | 契約書に関連するキーワードやフレーズを用いて、効率的に文書を検索できる |
データ化 | 契約書を電子的な形式に変換する。OCR(光学文字認識)技術を用いて文書内のテキストを読み取る |
他サービスとの連携 | 他のビジネスシステムやサービスと連携し、データの双方向の共有ができる |
契約書管理システムにクラウド型がおすすめな理由

契約書管理システムは、パッケージ版と比べて導入ハードルが低く、現在はクラウド型が主流になっています。ここでは、クラウド型の契約書管理システム導入がすすめられる理由について解説します。
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契約書管理システムにクラウド型がおすすめな理由
システムの投資リスクが抑えられる
パッケージ型では、自社でサーバーなどの機器を用意しなければいけません。そのため、初期費用がどうしても高額になり、数百万円かかるケースもあります。また、システムの構築や運用も自社で行うため、バージョンアップや保守を行うコストが別にかかります。
一方、クラウド型はベンダーがサーバーを所有し、システムを構築しています。そのため、機器を自前で準備する必要がなく、導入のためのコストが抑えられます。
システム導入が簡単
パッケージ型は、自社でサーバーやその他の機器などの準備が必要になり、システム構築も自社で行わなければいけません。そのため、従業員にIT知識がないとうまくできず、導入に時間がかかる可能性があります。
しかし、クラウド型の場合、ベンダーがシステムを運用できる状態で所有のサーバーに構築しています。したがって、自社用の設定さえ完了すれば、すぐにシステムを利用することができます。
システム維持が簡単
パッケージ型はほとんどがライセンス買い切りのため、基本的にバージョンアップやメンテナンス、トラブルの解決を自社で行います。このようなケースに対応するために、新たに人員やコストを割く必要があります。
一方、クラウド型はベンダーがシステムを管理しており、バージョンアップやメンテナンス、トラブル発生もすべてベンダーが対処します。その費用はすべて利用料の中に入っているため、ユーザーは正常なシステムの維持に気を使わなくて済みます。
クラウド型契約書管理システムの価格相場

クラウド型契約書管理システムにかかる経費は、基本的に導入の際にかかる初期費用と運用後の利用料です。このうち、初期費用は20万円程度が相場ですが、初期費用が無料のサービスも多くあります。
また、利用料は、月額もしくは年額固定制か従量課金制かで異なっています。月額固定制の場合、月額料金の相場は3,000円前後から6万円程度と広く、企業の規模や搭載機能によって変動します。
一方で、従量課金制では利用者1名あたりの料金で計算するものや、契約書1枚ごとに料金が発生するものなど、ベンダーによって異なるため確認が必要です。
費用以外で留意するポイント

契約書管理システムを比較検討する際に参考にするべきポイントは、費用だけではありません。費用だけで選んでしまうと、実際利用した際に自社の業務に合わず、せっかく導入しても社内定着率が安定しません。
また、無料のものはセキュリティやサポートに問題がある場合もあります。ここでは、費用以外で留意するべきポイントについて解説します。
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費用以外で留意するポイント
自社の目的に合った機能か
契約書管理システムといっても、搭載されている機能は製品によってさまざまです。機能の数が豊富なシステムを選びがちですが、その分費用は高額になる場合が多いです。
また、機能が多くても社員が使いこなせないと、機能もコストも無駄になってしまいます。まずは、契約書管理システムで何がしたいか目的を明確にし、その目的が行える機能を重視して導入するシステムを選択しましょう。
セキュリティ対策はどうか
契約書は企業にとって機密性の高い文書で、契約書の情報が外部に漏れてしまった場合には、企業にとって信用に関わる大問題になります。そのため、契約書管理システムに高いセキュリティ機能が備わっているかの確認は、重要なポイントです。
特に、現在主流になっているクラウド型はインターネットを使っているため、常に外部からの攻撃の対象になります。また、内部からの不正な持ち出しや改ざんも防げるよう、閲覧や編集の制限が設定できる機能があるとより安心です。
他システムとの連携性はあるか
契約書管理システムには、ほかのシステムと連携できる機能を備えている製品があります。例えば、営業支援サービスとの連携で、契約の期限に近づいた顧客が分かるため、契約の更新確認や契約の見直しなどの営業活動に役立ちます。
社内で既に使っていたり、導入を検討したりしているシステムがある場合は、連携ができるかを確認し、自社に適したシステムを導入しましょう。
サポート体制は十分か
契約書は、外部の取引先企業や個人と交わす文書です。そのため、契約書管理システムのトラブルにより業務が遅れると、自社だけでなく複数の企業や個人にも影響が出てしまいます。
そのようなトラブルを迅速に解決するためにも、ベンダーのサポートが充実しているかは大切なポイントです。導入の際のサポートはもちろん、運用中にトラブルや不明点があった場合も、どのようなサポートを受けられるか、事前に確認しましょう。
まとめ

契約書管理システムには提供方式によってクラウド型とパッケージ型がありますが、現在の主流はクラウド型です。クラウド型の導入にかかる費用は、導入時の初期費用と毎月(毎年)の利用料が必要です。
このうち、初期費用は比較的安価で、無料の製品も多くみられます。利用料は、多くのシステムで「月額固定料金制」または「年額固定料金制」か、処理する契約書数や利用者数に応じた「従量課金制」を採用しています。
契約書管理システムの選定には、費用のみでなくシステムのセキュリティ対策やサポート体制の充実度も事前確認が大切です。本記事を参考にして、自社の目的に沿った契約書管理システムを選びましょう。
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