人事労務代行にかかる費用とは?種類別の相場や契約時の注意点も解説
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- 人事労務代行には総合型と専門型があり、それぞれ料金体系や費用相場が異なる
- あとで業務を追加すると総額が高くなる場合もあるため、先に依頼内容を明確にしておく
- サービスによっては、最低月額料金が設定されていることもあるため注意が必要
人事労務代行の活用によって業務効率化の効果が期待できますが、利用する際は費用がかかります。費用対効果を高めるには、自社の従業員数も考慮し、適切な料金のサービスを選ぶことが重要です。この記事では、人事労務代行にかかる費用の相場や契約時の注意点などを解説します。
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人事労務代行は費用を見極めて選ぶのがおすすめ

人事労務代行とは、勤怠管理や給与計算、入退職手続きなどの人事・労務業務に関する外注サービスです。多岐にわたる人事労務業務の社内負荷を軽減しつつ、安定した業務品質を維持できるなど、さまざまなメリットがあります。
しかし、人事労務代行はサービスの種類や依頼範囲によって、費用の差が出やすいのも特徴です。サービスの種類や月額料金に含まれる業務内容、初期費用やオプション料金の有無によって、想定以上のコストがかかるケースも少なくありません。
そのため、人事労務代行を選ぶ際は、サービス内容だけでなく費用相場を踏まえたうえで、自社に合った料金体系かどうかを見極めることが重要です。

人事労務代行とは?外注できる業務や利用メリット、選び方も解説
人事労務代行とは、企業の人事・労務業務をアウトソーシングできるサービスです。専門的なノウハウを持つプロが業務を代行してくれるため、法改正があった際も迅速に対応できます。この記事では、人事労務代行に依頼できる業務や利用メリット・デメリットなどを解説します。
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人事労務代行とは
人事労務代行に依頼できる業務
人事労務業務代行では、企業の人事労務に関連する幅広い業務を依頼できます。主な業務内容の例は以下の通りです。
- 給与計算
- 勤怠管理
- 社会保険・労働保険の関連業務
- 入退社手続き
- 海外赴任手続き
- 年末調整
- 労務関連書類の作成
- 労務相談
なお、実際に依頼できる業務内容はサービスによって異なります。依頼したい業務が基本料金に含まれない場合は、別途料金が生じたり、別のサービスを検討したりするなど想定以上にコストがかかり、サービスの費用対効果が下がりかねません。
そのため、人事労務代行を選ぶ際は、自社が依頼したい業務に対応しているかを確認することが大切です。
人事労務代行を利用するメリット
人人事労務代行は、採用・育成コストをかけずに人事労務の即戦力を確保でき、安定した業務遂行を見込める点が魅力です。利用には料金がかかりますが、コスト以上のメリットを得られる可能性は高いでしょう。
ここでは、人事労務代行を利用するメリットを解説します。
専門知識を持つプロのサポートが受けられる
人事労務代行では、業務に精通したスタッフのサポートを受けられるのがメリットです。人事労務は、勤怠管理や給与計算といった定型業務に加えて、労務相談など従業員一人ひとりと直接関わることもあり、正確さと丁寧な対応の両方が求められます。
さらに、適切な業務遂行には法令や制度の理解が不可欠であり、担当者には広範な知識と高い対人スキルが求められます。人事労務代行を利用すればプロが業務をサポートするため、法令を遵守しつつ、従業員にとって満足度の高い労務サービスの提供が可能です。
その結果、人事労務領域において安定した業務品質を維持しつつ、社内の業務負荷も軽減できます。また、人事労務を他業務と兼務している企業では、人手不足の解消も見込めます。
法改正にもスムーズに対応できる
人事労務業務には、労働基準法や社会保険制度のほか、社内規則や労働契約などさまざまなルール・制度が関わります。特に法改正が行われた場合は速やかな対応が求められるため、担当者への再教育コストがかかるだけでなく、ミスによる法令違反の恐れもあります。
しかし、人事労務代行を利用すれば、法改正への対応もプロに委ねられます。社内における法令対応の手間・費用が必要最小限で済み、人的ミスによる法令対応不備のリスクも最小限に抑えられます。
最新の法令を遵守した人事労務管理によって、健全な事業運営を実現できるのもメリットです。
人件費を削減できる
人事労務代行を利用することで、人事労務担当者を新たに雇用する場合と比較して、大幅に人件費を削減できる可能性があります。直接雇用では、給与の支払いだけでなく、採用や教育・研修コスト、社会保険料、交通費など、さまざまな費用が継続的に発生します。
一方で人事労務代行であれば、必要な業務量に応じて利用できることから、人材雇用に伴うコストを抑えながら業務を委託できます。また、プロを即戦力として雇用できるため、最短即日から業務効率の飛躍的な向上が見込めます。
そのため、社内の業務担当者は他のコア業務に専念でき、人事労務業務以外の生産性向上も見込めるでしょう。このように人事労務は、人材雇用に関する固定費を抑えつつ業務効率を改善し、結果として企業の利益拡大にもつながるでしょう。
人事労務代行の種類
人事労務代行には、大きく分けて「総合型」と「専門型」の2種類があります。総合型は人事労務業務を全般的に効率化したい場合におすすめです。対して専門型は、コストを抑えつつ特定分野の品質向上に期待できます。
ここでは、それぞれの特徴やメリット・デメリットについてみていきましょう。
総合型
総合型は、人事労務業務を中心に、バックオフィス全般を一括で代行するサービスです。具体的には、勤怠管理や給与計算、入退社手続きといった人事労務業務に加え、経理や総務までカバーするサービスもあり、社内のバックオフィス業務を横断的に効率化できます。
複数の業務をまとめて委託することで、窓口を一本化して業務管理やコミュニケーションの手間を削減につながります。また、多くのサービスは月額固定制のため、長期にわたってコスト管理がしやすいのもメリットです。
一方で、総合型は広範な業務を扱うだけに専門型と比べると、各分野の専門性が低い場合があります。代表的なのは独占業務への対応で、社労士が在籍していないサービスは社会保険の手続きに対応できません。
専門型
専門型は、「給与計算」「年末調整」など、人事労務の中でも特定の業務に特化したサービスです。社労士などの有資格者が在籍しているケースが多く、労働保険・社会保険といった独占業務に対応するサービスも多くあります。
人事労務の中でも特に専門性の高い業務をスポット的に委託できるため、知見の少ない企業でも安定した業務品質の維持につなげられます。特に法改正への対応やミスが許されない業務においては、専門型サービスを活用することでリスクの軽減を図れるでしょう。
しかし、総合型に比べると専門性が高いぶん、料金設定が高くなりやすい傾向にあります。したがって、複数業務を広く依頼するとコストが膨らみやすいため、依頼内容を絞るといった工夫が必要です。
人事労務アウトソーシングにかかる費用とは

人事労務代行の費用相場は、種類や依頼する業務内容によって違います。ここでは、人事労務代行の費用相場を種類別に解説します。
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人事労務アウトソーシングにかかる費用とは
総合型の費用相場
総合型の人事労務代行の多くは、月額固定制の料金体系を採用しています。費用相場は月額で100,000〜300,000円とされており、勤怠管理や給与計算、入退社手続きなどの日常的な人事労務業務をまとめて委託できます。
しかし、料金は企業の規模や依頼する業務範囲、業務の専門性によって変動します。例えば、従業員数が多い企業や、イレギュラー対応が多い業務の場合には、相場よりも高額になる可能性がある点に留意が必要です。
また、総合型の人事労務代行では、月額料金内で月次業務に加えて年末調整や労働保険年度の更新といった年次業務まで委託できる場合もあります。ただし、料金内で提供されるサービス内容は人事労務代行によって異なるため、金額とあわせてチェックしましょう。
専門型の費用相場
専門型の人事労務代行の料金体系や費用相場は、依頼する業務内容によって大きな差があります。また、専門型は従業員数による従量課金制を採用していることが多く、企業規模によっても費用が変動します。
一般的には、定型業務は安価で設定されており、専門性が上がるほど依頼料も高額化します。ここでは、専門型の代表的なサービス別に依頼費用の相場をみていきましょう。
給与計算代行
給社会保険手続代行は、社会保険・労働保険の加入と更新手続きを始め、保険関連書類の作成と提出、入退社手続きなどを委託できるサービスが多いです。サービスによっては、助成金や就業規則に関する相談なども依頼できます。
料金体系は従量課金制が多く、費用相場は企業規模に応じて次のように変動します。
【従業員1人当たりの費用相場】
- 小規模企業(10人以下):月額10,000~20,000円
- 中規模企業(10~50人程度):20,000~50,000円円
- 大規模企業(50人以上): 月額50,000円以上
なお、社労士が対応するサービスでは、個別報酬が発生する場合や上記よりも費用相場が高額になるケースもあります。想定外の出費を避けるために、料金体系とサービス範囲を確認しましょう。
社会保険手続き代行
社会保険手続代行は、社会保険・労働保険の加入と更新手続きに加えて、保険関連書類の作成と提出、入退社手続き、助成金や就業規則に関する相談などを委託できるサービスが多いです。
社会保険手続代行の料金体系は従量課金制が多く、費用相場は企業規模に応じて次のように変動します。
【従業員1人当たりの費用相場】
- 小規模企業(10人以下):月額10,000~20,000円
- 中規模企業(10~50人程度):20,000~50,000円円
- 大規模企業(50人以上): 月額50,000円以上
社労士が対応するサービスでは、上記よりも費用相場が高額になるケースや、個別報酬が発生する場合もあります。想定外の出費を避けるために、料金体系とサービス範囲を確認しましょう。
年末調整代行
年末調整代行は、年末調整業務をまとめて委託できるサービスです。基本的には年末調整時期のみのスポット契約ですが、専門性が高く作業量も多いため、料金設定が高額な傾向があります。
他の専門業務代行と同じく、年末調整代行の料金体系は従業員1人当たりに加算される方式が一般的です。企業規模別の費用相場は次の通りです。
【従業員1人当たりの費用相場】
- 小規模企業(10人以下):月額10,000~30,000円
- 中規模企業(10~50人程度):20,000~100,000円
- 大規模企業(50人以上): 月額80,000円以上
上記に加えて、サービスの基本利用料10,000〜300,000円がかかることもあります。
その他のサービスの費用相場
代行会社によっては、人事・労務だけでなく、次のような業務サービスも提供しています。依頼する業務量が増えることで費用も高額になりやすいですが、広範な業務を一元的に効率化できるため、コスト以上の効果を得られる可能性があります。
ここでは、その他の主な代行サービスの概要と費用相場を解説します。
採用代行
採用代行は、求人掲載から応募者管理、選考、採用、内定後フォローといった企業の採用活動を請け負うサービスです。代行会社によって依頼できる工程が異なり、これに応じて費用にも違いが出ます。
採用代行サービスの料金体系としては、月額固定制が一般的で、費用相場の目安は以下のとおりです。ただし、採用人数や採用における業務が複雑などから対応工数が増える場合は、相場より高額になるケースもあります。
- 新卒採用:100,000〜700,000円
- 中途採用:200,000〜800,000円
また、月額固定制以外にも依頼した業務量に応じた従量課金制や、応募者・採用数ごとに料金が発生する成果報酬型などの料金体系もあります。
そのため、採用代行を検討する際は、自社がどこまでの工程を依頼したいのかを明確にしたうえで、料金体系とサービス内容を比較検討することが重要です。
研修代行
研修代行には、社内研修の企画・準備・実施・効果測定などを委託できます。 対面研修はもちろん、オンライン研修やeラーニングなどの研修に対応した代行サービスもあります。
研修代行サービスは、研修の回数または受講者数に応じて料金が発生する従量課金制が一般的です。具体的には、以下が相場の目安となります。
- 対面研修(1回につき):100,000〜500,000円
- オンライン研修(受講者1人につき):20,000〜50,000円
また、eラーニングは受講者ごとに受講回数や時間が異なります。そのため、「初期費用+月額費用」の料金体系が多くみられ、費用相場は以下の通りです。
- 初期費用:200,000〜300,000円
- 月額費用:30,000〜70,000円
なお、研修内容のカスタマイズ性や講師の専門性、研修後のフォロー内容によっては、相場より費用が高くなる場合もあります。そのため、研修代行を検討する際は、料金だけでなく研修内容や実施方法、サポート体制も含めて比較することが重要です。
人事労務代行の費用に関する注意点

代行会社によっては、初期費用やオプション料金、最低月額料金を設定している場合があります。ここでは、人事労務代行の費用に関する注意点を2つ解説します。
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人事労務代行の費用に関する注意点
初期費用・オプション料金も考慮する
期費用の相場は数万円〜数十万円と幅があるため、事前に確認しておきましょう。
また、料金内に含まれるサービスの内容も確認が必要です。例えば、月次業務のみの対応となり、年末調整が含まれていないなどのケースが代表的です。あとから業務を追加する場合はオプション料金がかかるため、総合的なコストが高くなる恐れもあります。
予算内で効果的にサービスを運用するためにも、初期費用の有無やサービス提供範囲、業務別のオプション料金を確認することが大切です。
最低月額料金を確認しておく
人事労務代行サービスの中には、「基本料金+従業員1人当たりの加算料金」を採用している場合も多く、最低月額料金が設定されているケースがあります。
そのため、特に小規模な企業は、依頼する業務量に対して最低月額料金が割高に感じられる可能性がある点に注意が必要です。
人事労務代行を検討する際は、自社の従業員数や依頼したい業務範囲を考慮したうえで、費用対効果が高いサービスを検討しましょう。最初から1社に絞り込むのではなく、複数社から見積もりを取って比較することで、最も予算に合ったサービスを判断しやすくなります。
人事労務代行を導入する際に気をつけたいポイント

人事労務代行を導入する際は、費用面以外にも気をつけておきたいポイントがあります。以下のようなポイントに留意することで、サービス利用における安全性を高めながら、将来的な内製化にも対応できます。
ここからは、人事労務代行を導入する際に気をつけたいポイントについて解説します。
情報漏洩のリスクに注意する
人事労務代行を導入する際は、情報漏洩のリスクに注意しましょう。外部に業務委託することから、個人情報や社内資料などの機密情報を共有する必要があり、情報漏洩が生じる可能性があります。
セキュリティ対策が万全なサービスを選ぶことで、リスクの発生を抑えられる一方で、外部の担当者が業務に関与する以上、完全にリスクを排除することは難しいです。
そのため、従業員の個人情報や給与データなどを取り扱う場合は、業務範囲を明確に区切ったり、秘密契約保持を締結したりするなど、自社側でも慎重な管理体制を整えることが重要です。
社内にノウハウが蓄積されない可能性がある
人事労務代行を利用する場合は社内で業務を行う機会が減り、業務におけるノウハウが社内に蓄積されにくくなる可能性があります。
ひいては、サービスの利用を終了した場合や内製化を検討する際に、社内で業務をスムーズに引き継ぐための知識や経験が不足するリスクが生じるでしょう。状況によっては、サービスに依存してしまうケースも考えられます。
このようなリスクを回避するためには、業務フローや対応手順を文書に残したり、定期的に業務内容を共有したりするなどの工夫が求められます。このような工夫によって、将来的に業務の内製を考えている場合もスムーズな移行が可能です。
まとめ

人事労務代行は、企業における人事・労務関連業務を委託できるサービスです。人事労務に精通したプロに任せることで、法令対応を含めて精度の高い業務品質を維持できるだけでなく、新しい人材を雇う場合に比べて大幅にコストカットできる可能性もあります。
人事労務代行には「総合型」と「専門型」の2種類があり、総合型の費用相場は100,000〜300,000円です。専門型の費用は依頼する業務によって異なりますが、従業員1人につき10,000〜80,000円で利用できるケースが多いです。
なお、代行会社によっては、基本料金に加えて初期費用やオプション料金がかかる場合や、最低月額料金が設定されている場合もあります。料金体系とサービス内容のバランスをしっかりと比較したうえで、自社にとって費用対効果の高い代行会社を選びましょう。
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