リファラル採用のインセンティブとは?相場や決め方、違法性について
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- リファラル採用では、紹介してくれた従業員に対する報酬によって制度促進を図れる
- 報酬=インセンティブの相場は30万円以下だが、支払い方法や金額には注意が必要
- インセンティブは金銭以外で設定することもでき、慎重な設計が求められる
リファラル採用のインセンティブとは、人材を紹介してくれた従業員に対する報酬のことです。ただし、支払い方法や金額次第では違法となる可能性があるため、適切な設計が必要です。この記事ではリファラル採用のインセンティブの相場や決め方、違法になるケースなどを解説します。
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リファラル採用のインセンティブとは

リファラル採用のインセンティブとは、従業員が紹介した友人・知人が採用された際に、その従業員(紹介者)に支払われる報酬です。現金での支払いが一般的ですが、支払方法や金額によっては法令に違反する恐れがあるため、慎重な設計が求められます。
本記事では、リファラル採用におけるインセンティブの相場や違法と見なされやすいケース、導入時の注意点などを解説します。
そもそもリファラル採用とは
リファラル採用とは企業の採用手段の1種で、自社の従業員が紹介した知人・友人から採用候補者を見つけます。紹介を受けた候補者には、通常の採用活動と同様の選考・面接が実施されます。
リファラル採用は、自社の理念や企業風土を理解した従業員が「この人なら活躍できる」と判断した候補者だけを集められるため、応募者の質が高く入職後のミスマッチが起りにくいのが特徴です。
また、求人メディアや人材紹介サービスを利用する場合に比べて、掲載料・紹介料などのコストを節約でき、転職潜在層にもアプローチできるなど、一般的な採用手法に比べてさまざまなメリットが見込めます。

リファラル採用とは、自社の社員に友人や知人を紹介してもらい採用する手法のことです。リファラル採用の導入により、定着率向上や採用コスト削減などの効果が期待できます。この記事では、リファラル採用の仕組みやメリット、成功のポイントなどを紹介します。
リファラル採用におけるインセンティブの相場

リファラル採用におけるインセンティブの一般的な相場は1万円〜15万円程度で、30万円未満が目安です。なお、報酬相場は業界・職種や企業規模、採用後の予定ポジションによって違いがあります。
例えば、 ITエンジニアや看護師といった専門性の高い正社員の場合は、30万円以上の高額なインセンティブが紹介者に支払われるケースもあります。パート・アルバイトなど非正規雇用の紹介は、数千円から数万円に留まることが多いです。
また、インセンティブを金銭ではなくモノやサービスで支給する企業や、休暇・評点などで代替するケースもみられます。
リファラル採用のインセンティブの設定方法

インセンティブの効果を高めるには、自社の採用方針や課題に合わせたベースや支払方法の設定が必要です。ここでは、リファラル採用におけるインセンティブの設定方法の例を課題別に解説します。
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リファラル採用のインセンティブの設定方法
紹介者数を増やしたい場合
採用人数ではなく応募者数そのものを増やしたい場合は、インセンティブは応募ベースで設定するのがおすすめです。例えば、「応募者を紹介した時点」や「面接が終わった時点」でインセンティブを支払うケースが該当します。
リファラル採用では、自社従業員が「この人を本当に紹介していいのか」と躊躇い、結果として紹介者数が伸びないというケースは少なくありません。成果ベースではなく応募ベースにすることで、応募の促進につなげられるでしょう。
一方で、報酬の獲得だけを目的にした紹介が増える点に留意が必要です。その結果、自社の要件にマッチしない人材や、応募はしたものの選考・内定を辞退する事例が増える可能性があります。
離職率を下げたい場合
応募ベースのインセンティブ体系では、紹介者が報酬をもらったら入職後にすぐ離職するといったケースも少なくありません。リファラル採用による応募者の定着率を高めたい場合は、入職後一定期間経過してからインセンティブを支払う方法が有効です。
これによって、紹介する側も応募者を厳しく見極めるようになるため、応募者の質向上も見込めます。例えば、入社後に「3ヶ月経過で30%」「6ヶ月経過で30%」「12ヶ月経過で40%」のように段階的に支払う方法などの方法もあります。
スキルの高い人材が欲しい場合
専門性やスキルの高い人材を獲得したい場合は、採用難易度によって報酬額に差を設けるのも効果的です。例えば、「事務職は3万円」「技術職は5万円」「管理職は10万円」などが代表的です。
また、同じ部門・職種内でも、保有資格ごとにインセンティブを上乗せするのも選択肢の1つです。専門性の高い人材は他社と取り合いになりやすいため、自社従業員が積極的に勧誘したくなるような報酬額を設定しましょう。
違法性のあるインセンティブの設定にならないよう注意

リファラル採用のインセンティブは、支払方法を誤ると「職業安定法」に抵触する恐れがあります。そのため人事労務担当者は、リファラル採用が違法と見なされやすいケースや、違法にならないためのポイントをしっかりと理解しておきましょう。
ここからは、それぞれの内容を具体的に解説します。
参考:職業安定法(有料職業紹介事業の許可)第三十条|e-GoV 法令検索
紹介報酬として支払うと違法になる可能性がある
違法になる可能性があるのは、リファラル採用のインセンティブを「紹介報酬」として支給した場合です。この場合は、企業・紹介した自社従業員のそれぞれが違法に問われる恐れが高いです。
人材紹介サービスのように、報酬をもらって人材を紹介することは「有料の職業紹介事業」にあたります。「職業安定法」の第30条は、お金をもらって職業を紹介する人に対し、厚生労働大臣の認可取得を義務づけています。
届出をせずに職業を紹介して代価をもらった場合は、法令違反に問われる可能性があります。さらに「職業安定法」第40条では、募集を行う人がこれに協力する人に対して、賃金や給与以外の体系で報酬を支払ってはいけない旨を定めています。
つまり、応募を行う企業が紹介してくれた自社従業員に「紹介報酬」という形でインセンティブを支給するのは法に抵触する恐れが高いです。インセンティブが違法と見なされないためには、これらの条件を回避する必要があります。
参考:職業安定法(報酬の供与の禁止)第四十条|e-GoV 法令検索
インセンティブが違法とみなされないためのポイント
「職業安定法」第40条において、職業紹介の報酬を「賃金や給与」として支給するのは例外として認められています。つまり、インセンティブを「賃金や給与」として支給すれば、違法と見なされる恐れは低くなります。
なお、リファラル採用のインセンティブを賃金として扱うには、次のような就業規則への明記と適切な金額設定が必要です。
就業規則へ明記して賃金として支払う
「労働基準法」は、賃金・給料に関する事項は必ず就業規則に明記する旨を定めています。就業規則に明記されていないお金を支給した場合は、賃金・給与と見なされず、法令違反に問われる恐れもあります。
そのため、リファラル採用のインセンティブを賃金・給与として支払いたい場合は、必ず就業規則に明記しましょう。具体的には、支払い時期・支給額・支払い条件といった事項の記載が必要です。
あわせて、常時10人以上の従業員を雇用する企業で、リファラル採用のインセンティブを新しく就業規則に追加・改定した際は、「従業員への周知」と「行政官庁への届出」も義務となっています。
人材紹介会社に支払う報酬より低い金額にする
リファラル採用のインセンティブが高額すぎる場合は、それを受け取る人が職業として人材紹介を行っていると見なされ、「職業安定法」第30条に抵触する恐れがあります。
これを避けるには、支払うインセンティブの金額を人材紹介会社への報酬相場より低めに設定することが大切です。ただし、具体的な金額の基準はないため、自社の企業規模や給与体系に合せた判断が求められます。
1つの目安として、人材紹介会社への報酬は理論年収の30〜40%程度です。例えば、採用された人の年収が100万円の場合は、30万円〜40万円程度が基準となります。
リファラル採用のインセンティブを導入する際のポイント

インセンティブ導入によってリファラル採用の効果向上を狙うには、いくつかのポイントを抑えるのがおすすめです。ここでは、リファラル採用のインセンティブを導入する際の3つのポイントについて解説します。
\気になる項目をクリックで詳細へジャンプ/
リファラル採用のインセンティブを導入する際のポイント
インセンティブ制度の目的を周知する
リファラル採用へのインセンティブの導入は、紹介者のモチベーションアップにつながる一方で、報酬獲得目当ての紹介が増える懸念があります。
応募者の質低下を防ぐためにもリファラル採用やインセンティブの意義について、自社従業員にしっかりと理解してもらうことが大切です。
例えば、社員研修や社内報などを活用し、リファラル採用の仕組みや目的、インセンティブを設ける理由について徹底周知しましょう。あわせて、自社が求める人材要件や支給条件を分かりやすく伝えることで、無駄のない応募者紹介に期待できます。
費用対効果を意識する
インセンティブの支給は、企業にとっては支出となります。特に応募ベースの支給条件は予算が高額化しやすいため、費用対効果を意識した制度設計と運用で必要以上の支出を防ぎましょう。
例えば、人手・予算共に少ない企業であれば、応募ベースよりも成果ベースの支給にすることで、早期離職を防ぎつつ費用対効果の向上にもつながるでしょう。採用したい人のスキルや経験にあわせた、適切な金額設定も重要です。
インセンティブ以外の報酬も検討する
リファラル採用を戦略的に運用するには、インセンティブ以外の報酬も検討しましょう。例えば、次のような報酬例があります。
- 休暇ボーナス:1〜3日程度の特別休暇の付与
- 体験報酬ボーナス:食事やレジャー・カタログギフト
- 表彰・社内評価:社内での表彰・人事評価の加点
- キャリアアップ支援:スキルアップにつながる書籍・eラーニングなどの利用料金補助
上記のような報酬を上手く活用すると、金銭の支給以上に従業員のモチベーションや満足度が向上する可能性があります。自社従業員の希望も取り入れながら、満足度の高い報酬を考案しましょう。
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まとめ

リファラル採用におけるインセンティブ報酬とは、人材を紹介した自社従業員に支払われる報酬です。紹介者のモチベーションアップや応募者数の増加といったメリットが見込まれる一方で、応募者の質低下や早期離職者の増加といった懸念があります。
さらに、リファラル採用におけるインセンティブ支給は法令違反と見なされるリスクもあるため、適切な制度設計が重要です。リファラル採用に対応した専用ツールを上手に活用しながら、安全で効果的なリファラル採用のインセンティブを導入しましょう。