適性検査におけるコンピテンシーテストとは|実施方法やメリットを解説
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- 適性検査におけるコンピテンシーテストとは、業務成果につながる行動特性を測定する評価手法
- 適性検査によるコンピテンシー評価は、業務成果や職場適応に関わる行動特性を測定する
- コンピテンシーテストは適性検査の一部として組み込まれ、単独で使うケースは限定的
コンピテンシーとは、業務成果につながる行動特性を指します。コンピテンシーテストを適性検査に取り入れることで、採用後のパフォーマンスや定着をより具体的に予測できるようになります。本記事では、適性検査でコンピテンシーテストが重視される理由、メリットなどを解説します。
目次
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コンピテンシーテスト(診断)とは

コンピテンシーテスト(診断)とは、知識量やスキルの有無といった表面的な能力ではなく、業務成果につながる行動特性(コンピテンシー)を測定する評価手法です。
コンピテンシーとは、成果を安定して出している人材に共通して見られる思考傾向や行動パターンを指します。従来の能力検査が「できるかどうか」を測るものであるのに対し、コンピテンシーテストは「どのように行動するか」を可視化する点が特徴です。
そのため、採用後にどのようなパフォーマンスを発揮する可能性があるか、組織風土に適応できるかといった観点をより具体的に予測できます。本記事では、適性検査でコンピテンシーテストが重視される理由や導入メリットについて詳しく解説します。
コンピテンシーテストは適性検査に含まれることが多い

適性検査とは、候補者の能力や性格、価値観などを客観的に把握するための評価手法です。従来は、言語能力や数的処理能力などを測る「能力検査」と、性格傾向を確認する「性格検査」が中心でした。
近年では、これらに加えて「コンピテンシーテスト」を組み込んだ適性検査も増えています。コンピテンシーテストは、知識やスキルそのものではなく、成果につながる行動特性を測定するものです。
そのため、適性検査の一部として実施されるケースが多く、能力・性格・行動特性を総合的に評価できる仕組みが整えられています。その結果、より実務に近い観点から人材を見極められるでしょう。

適性検査とは?メリット・デメリットや内容、SPIとの違いについても解説
適性検査とは、主に就活や転職の際に行われる個人の能力・性格・特性を定量的かつ客観的に測定する試験のことです。人材採用後のミスマッチの予防や、適切な人員配置を行う目的で活用されています。この記事では、企業が適性検査を利用するメリット・デメリット、内容や実施方法などを解説します。
適性検査でコンピテンシーが重視される理由
近年の採用活動では、単に「仕事ができる人材」を選ぶのではなく、「成果を出し続けられる人材」を見極めることが求められています。その背景には、入社後のパフォーマンスや定着率の向上を重視する企業の増加があります。
こうした中で注目されているのがコンピテンシーです。コンピテンシーは、成果を生み出す行動特性を指し、実務との関連性が高い指標といえます。ここでは、適性検査でコンピテンシーが重視される理由について詳しく解説します。
採用後のパフォーマンスや定着を見極めやすい
コンピテンシーテストでは、実際に成果を出している人材に共通する行動特性をもとに評価を行います。例えば、目標達成への粘り強さや主体的な行動力、周囲との協働姿勢などが挙げられます。
こうした特性を事前に測定することで、入社後にどのような働き方をする可能性があるかを具体的にイメージしやすくなります。また、自社の風土や業務内容との相性も把握しやすくなるため、早期離職の防止や定着率の向上にもつながるでしょう。
再現性のある採用基準を作りやすい
コンピテンシーを評価軸に取り入れることで、属人的な判断に偏りにくい採用基準を構築できます。面接官の経験や感覚だけに頼るのではなく、あらかじめ定義された行動特性に基づいて評価を行うため、誰が評価しても大きなブレが生じにくくなります。
その結果、採用判断の透明性や公平性が高まり、組織として一貫性のある人材選考が可能です。再現性のある基準を持つことは、長期的に安定した採用活動を行ううえでも重要なポイントです。
適性検査でのコンピテンシーテストで測定される内容

適性検査に含まれるコンピテンシーテストでは、単なる能力や知識ではなく、成果につながる「行動特性」を測定します。企業が求める人物像や活躍人材の傾向をもとに設計されており、入社後のパフォーマンスや職場への適応度を予測することを目的としています。
測定される内容は大きく分けて、「業務成果に関わるコンピテンシー」と「職場適応に関わるコンピテンシー」に分類されます。これらを総合的に把握することで、能力だけでは見えにくい行動傾向や価値観を可視化できる点が特徴です。
業務成果に関わるコンピテンシー
業務成果に関わるコンピテンシーとは、実際の仕事で成果を生み出すうえで重要となる行動特性を指します。例えば、目標達成志向は、困難な状況でも成果に向けて努力を継続できるかを測る指標です。
課題解決力は、問題の本質を捉え、適切な対策を考えられる力を評価します。また、主体性は自ら行動を起こす姿勢、計画性は業務を効率的に進めるための段取り力、判断力は状況に応じた適切な意思決定ができるかを確認する項目です。
これらを測定することで、入社後にどの程度の成果を期待できるかを見極めやすくなります。
職場適応に関わるコンピテンシー
職場適応に関わるコンピテンシーは、組織の中で円滑に働けるかどうかを判断するための行動特性です。協調性は、チームの一員として周囲と協力できるかを示します。対人関係構築力は、信頼関係を築き、円滑なコミュニケーションを図れるかを測る指標です。
また、ストレス耐性は、プレッシャーや変化の中でも安定したパフォーマンスを維持できるかを確認する項目であり、柔軟性は環境の変化や新しい業務に適応できるかを評価します。これらを把握することで、早期離職のリスク低減や定着率向上を図れるでしょう。
コンピテンシーテストの実施形式

コンピテンシーテストは、基本的に設問に対して自分が取るであろう行動を選択肢の中から選ぶ形式で実施されます。例えば、「困難な課題に直面したときにどのように行動するか」といった具体的な場面を想定した設問に対し、最も近い行動パターンを選択します。
そのため、知識や能力ではなく、実際の行動傾向や価値観を測定できる点が特徴です。実施形式は多様で、近年はオンラインでの受検が主流となっています。
具体的には、Webブラウザを通じて自宅や指定会場から受けられるほか、企業内のパソコンで実施するケースや、筆記式で行う場合もあります。企業の採用方針や受検者数に応じて、最適な形式を選ぶことが重要です。
適性検査でコンピテンシーを診断するメリット

適性検査でコンピテンシーを評価することにより、応募者や従業員がどのような行動特性を持っているのかを客観的に把握できます。知識量やスキルだけでは見えにくい「成果を生み出す行動の傾向」を可視化できるため、採用・配置・育成など幅広い場面で活用可能です。
ここでは、コンピテンシーを診断する主なメリットを解説します。
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適性検査でコンピテンシーを診断するメリット
成果につながる行動特性を把握できる
すでに成果を上げている従業員にコンピテンシーテストを実施すると、高業績者に共通する行動特性を明らかにできます。例えば、目標達成に向けて粘り強く取り組む姿勢や、自ら課題を見つけて改善する主体性など、数値化しにくい要素も可視化できます。
自社で活躍しやすい人材像を具体的に定義できるため、採用や評価の軸が明確になります。そのため、経験や勘に頼るのではなく、データに基づいた人材要件の設定が可能になるでしょう。
採用基準を明確にしやすくなる
コンピテンシーテストの結果を評価の一要素として活用することで、「どのような行動特性を持つ人材を求めるのか」という基準を明確にできます。面接だけでは見えにくい価値観や行動傾向を客観的なデータで確認できるため、評価の一貫性が高まります。
また、評価項目を事前に定義しておくことで、属人的な判断や面接官ごとのブレを抑えられます。結果として、再現性のある採用基準を構築しやすくなり、組織として安定した採用活動につながります。
主観に頼らず評価を補完できる
採用や人事評価では、評価者の主観が影響することがあります。しかし、コンピテンシーテストを活用すれば、客観的な指標によって評価を補完できます。例えば、「コミュニケーション能力が高い」といった印象を、具体的な行動傾向のデータで裏付けられます。
テスト結果のみの判断は避ける必要がありますが、主観と客観の両面から評価することで、より公平で納得感のある判断ができるでしょう。評価の透明性向上にもつながる点が特徴です。
配属・配置判断にも活用できる
コンピテンシーの診断結果は、採用時の合否判断だけでなく、入社後の配属や配置の最適化にも有効です。例えば、対人関係構築力や影響力が高い人材は、営業や顧客折衝を伴う業務で力を発揮しやすいでしょう。
一方で、分析力や計画性、慎重性が高い人材は、企画・管理・バックオフィス業務に適している可能性があります。このように、個々の行動特性を踏まえて役割を設計することで、本人の強みを活かせる環境を整えやすくなります。
適性に合った配置は早期の成果創出につながるだけでなく、業務への納得感やモチベーション向上も図れるでしょう。そのため、パフォーマンスの安定や離職防止といった中長期的な効果も期待できます。
育成・評価につなげやすい
コンピテンシーテストの結果は、採用時の判断材料にとどまらず、入社後の育成計画や評価制度の設計にも活用できます。個人ごとの強みや課題が可視化されることで、どの能力を重点的に伸ばすべきかが明確になり、研修内容やOJTの方針を具体的に定めやすくなります。
例えば、主体性が高い一方で計画性に課題がある場合は、タスク管理や優先順位付けの支援を行うなど、行動特性に基づいた育成が可能です。また、成果だけでなく行動を評価基準に取り入れることで、日々の取り組みに対する適切なフィードバックが行いやすくなります。
行動特性を軸にした評価は、従業員自身の成長実感を高めるとともに、組織全体のパフォーマンス向上にもつながります。
適性検査サービスによるコンピテンシーテストの特徴

適性検査サービスは、応募者や従業員の能力・性格・行動特性などを多角的に測定できるツールです。近年は、コンピテンシーテストに対応したサービスも増えており、単に結果を数値で示すだけでなく、実務に活かしやすい分析機能を備えている点が特徴です。
コンピテンシー対応型のサービスでは、業務成果につながる行動特性を可視化できるだけでなく、職種別に求められる特性との適合度を自動で算出できるものもあります。
例えば、営業職・企画職・管理職など、それぞれの職種に必要とされるコンピテンシーモデルと照らし合わせることで、どの職種で力を発揮しやすいかを具体的に判断できます。また、自社で活躍している人材のデータと比較できる機能を備えたサービスもあります。
高業績者のコンピテンシー傾向と応募者の傾向の比較によって、将来的に活躍する可能性をより具体的に予測できます。このように、単なる診断結果の提示にとどまらず、採用・配置・育成といった実務に直結する分析がしやすいのも特徴です。
コンピテンシーテストに対応した適性検査サービスの選び方

コンピテンシーテストに対応した適性検査サービスを選ぶ際は、単にコンピテンシーを測定できるといった表面的な機能だけで判断するのではなく、自社の採用目的や人材戦略に合致しているかを見極めることが重要です。
測定項目の内容や評価基準、分析機能の充実度によって、活用の幅は大きく変わります。ここでは、コンピテンシーテストに対応した適性検査サービスの選び方について詳しく解説します。
コンピテンシーの定義と評価軸が明確か
サービスを選ぶうえでまず確認したいのは、どのような行動特性をコンピテンシーとして定義し、どの基準で評価しているかが明確に説明されているかどうかです。
例えば、「主体性」「課題解決力」といった名称だけでなく、それが具体的にどのような行動として測定されるのか、どのような尺度でスコア化されるのかが示されていることが重要です。
評価軸が曖昧なサービスでは、結果の解釈にばらつきが生じやすく、採用判断に活かしにくくなります。定義や評価ロジックが透明化されているサービスであれば、社内での共有や説明もしやすく、納得感のある運用につなげやすくなります。
採用後の活用まで見据えた設計であるか
コンピテンシーテストは、採用時の選考材料としてだけでなく、配属や育成、評価制度の設計にも活用できることが理想です。
そのため、結果レポートが具体的な行動傾向や強み・弱みの分析まで踏み込んでいるか、職種別の適合度や育成ポイントが示されるかといった点を確認しましょう。
採用後もデータを蓄積し、活躍人材との比較や組織分析に活用できる設計であれば、長期的な人材戦略にも役立ちます。単発の診断ツールではなく、人材マネジメント全体を支える仕組みとして活用できるかという視点が、サービス選定の重要なポイントです。
コンピテンシーテスト対応のおすすめ適性検査サービス7選
ミイダス株式会社
ミイダス
ここがおすすめ!
- 社員を分析して組織の特徴や活躍する人材を特定できる
- 詳細なチェック項目を活用して自社に必要な人材が検索できる
- 低コスト・求職者への自動アプローチにより工数削減が可能
ここが少し気になる…
- 無料で利用も可能だが、幅広く採用に活用したい場合は有料プランの契約が必須
株式会社ヒューマネージ
TG-WEB CAREER
前職での成果発揮能力や、転職グセを、中途採用向け専用の採点基準で見極め。
ジョブ型(職種別)採用にも対応しているため、職種ごとに最適な視点から検査を実施できます。
ここがおすすめ!
- 前職での成果発揮能力や転職グセの見極めが可能
- 全国の中途採用応募者と比較した得点を出力可能
- 導入から検査結果の読み方・活用・振り返りまで、手厚いサポート支援
ここが少し気になる…
- 別途初期費用が3万円かかり、割引やセットプラン以外の検査は問い合わせて確認
株式会社ミツカリ
ミツカリ適性検査
ここがおすすめ!
- 相性の可視化やコミュニケーション方法の提案により離職率を下げる
- 個人の性格や人・部署との相性など客観的なデータを提示して再現性の高い人事施策が可能
- 入社前から退社まで一貫したデータ活用が可能
ここが少し気になる…
- 契約期間は最低1年間のため、途中解約などができない
株式会社アドバンテッジ リスクマネジメント
アドバンテッジインサイト
ここがおすすめ!
- 日本国内で唯一「EQ能力」の測定が行え、性格ではなく能力で判断できる
- 17の視点からストレス耐性を計測し、潜在的な要素だけでなく現在の状態も可視化する
- 得点が高いほどいい判定なため、面接担当者がすぐに分かる
ここが少し気になる…
- 「ストレス耐性」に特化した検査のため、その他にフォーカスした検査を行いたい場合には不向き
株式会社ベクトル
PET II
ここがおすすめ!
- 独自のコンピテンシーモデルに基づいて開発
- 受検者の組織人材としての適性を多面的視点から診断し、可視化
- 採用・人材育成・カウンセリング等の場面で役立つ
ここが少し気になる…
- 年間での使い放題プランについての詳細や料金は問い合わせが必要
株式会社 アイクリック
VANTAGE
ここがおすすめ!
- 対象者の行動傾向を分析・診断し、人材配置や異動時の判断材料にできる
- 行動の癖を変える 「行動変容プログラム」が生成されるため人材育成にも活用可能
- ストレス値チェックにより社員のメンタル面もフォローできる
ここが少し気になる…
- 行動特性に特化しているため知能や学力的な面での適性を測りたい場合には不向き
適性検査でコンピテンシーテストを行う際の注意点

コンピテンシーテストは、業務成果につながる行動特性を可視化できる有効な手法ですが、活用方法を誤ると判断を偏らせるリスクもあります。あくまで評価材料の一つであることを理解し、他の選考要素や自社の基準と組み合わせて活用する姿勢が重要です。
テスト結果をどのように解釈し、どの範囲まで意思決定に反映させるのかを事前に整理しておくことで、適切な運用につながります。ここでは、適性検査でコンピテンシーテストを行う際の注意点について詳しく解説します。
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適性検査でコンピテンシーテストを行う際の注意点
コンピテンシー評価だけで判断しない
コンピテンシーテストは有用な情報を提供しますが、それだけで合否や配属を決定するのは適切ではありません。実務に必要な専門スキルや経験、面接での受け答え、価値観の適合度など、他の評価要素と総合的に判断することが重要です。
例えば、行動特性が理想に近くても、業務遂行に必要な知識や経験が不足している場合もあります。反対にテスト結果が平均的であっても、高い専門性や強い成長意欲を持つ人材もいます。複数の視点から立体的に評価することで、より納得感のある採用判断が可能です。
テスト結果を過信しない
コンピテンシーテストの結果は数値やランクで示されることが多いため、客観的で絶対的な指標のように感じられることがあります。しかし、あくまで一定の設問に対する回答傾向を分析した結果であり、その人の可能性すべてを表すものではありません。
そのため、数値や判定結果だけを重視しすぎると、成長可能性を見落としてしまう恐れがあります。また、受検時の心理状態や状況によって結果が左右されることも多いため、結果は参考情報として扱い、背景や文脈も踏まえて解釈する姿勢が重要です。
職種や自社が求める人物像を意識する
多くの適性検査では、汎用的なコンピテンシー定義に基づいて評価が行われます。しかし、その評価軸が必ずしも自社の文化や特定の職種に最適とは限りません。
例えば、営業職と研究職では求められる行動特性が大きく異なります。そのため、自社が重視する価値観や行動基準を明確にし、それに照らしてテスト結果を解釈することが重要です。
自社の求める人物像を基準にしないまま数値だけで判断すると、組織風土に合わない人材を選んでしまう可能性もあります。コンピテンシー評価は、自社の基準と照合することで効果的な活用が可能です。
まとめ

コンピテンシーとは、業務成果につながる行動特性を指します。コンピテンシーテストを適性検査に取り入れることで、単なる知識や能力だけでなく、「どのように行動し成果を出すか」という観点から人材を評価できるようになります。
また、成果を上げている人材の行動特性を基準にすることで、再現性のある採用基準を構築しやすくなり、属人的な判断の偏りも抑えられます。ただし、コンピテンシー評価のみで判断せず、能力や経験、面接結果などと組み合わせて総合的に活用することが重要です。
本記事を参考に、自社に合った適性検査の運用方法を検討し、より効果的な人材採用・育成につなげていきましょう。