内部通報窓口を外部委託するメリットとは?サービスの選び方も解説
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- 社内では担当者の選定が難しいことなどから、内部通報窓口を外部委託するのもおすすめ
- 内部通報窓口を外部委託することで、弁護士などの専門家による対応が可能になる
- 外部委託サービスを選ぶ際は、サービスの品質や通報に使えるチャネルなどを確認する
内部通報窓口の設置・運営は、専門のサービスに外部委託することもできます。外部委託することで、従業員がより安心して通報できる体制を整えることが可能です。この記事では、内部通報窓口を外部委託するメリットや、サービスの選び方などについて解説します。
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内部通報窓口を外部委託しよう

内部通報制度とは、企業の不正や法令違反を従業員が安全に窓口に通報できる仕組みです。「公益通報者保護法」によって、従業員301人以上の企業には内部通報用の窓口設置が義務づけられています。
内部通報窓口の設置は内製化も可能です。しかし、自社だけで対応が難しい場合は、内部通報システム・サービスへ外部委託するのも選択肢の1つです。本記事では、内部通報窓口を外部委託するメリットやサービスを選ぶ際のポイントなどを解説します。
参考:組織の不正をストップ!従業員と企業を守る「内部通報制度」を活用しよう|政府広報オンライン

おすすめの内部通報システム・サービス9選|選ぶ際のポイントも解説
内部通報システムとは、企業で起こる不正行為やハラスメントについて、従業員が安心して内部通報できるようサポートするサービスです。この記事では、おすすめの内部通報システム・サービスや選ぶ際のポイント、利用時の注意点などを解説します。
内部通報制度の重要性
内部通報制度が重要な理由は、不祥事の放置に伴うさまざまなリスクを回避するためです。例えば、企業内のハラスメントを放置すると、被害を受けた従業員から監督庁・外部メディアに告発がなされ、ネガティブな情報が外部に流出する可能性があります。
その結果、企業としての信頼やブランドイメージが低下して顧客離れにつながりかねず、事案によっては行政庁から処分や罰則も下るでしょう。このようなリスクを未然に防ぐために、企業内で問題を早期に検知・解決を図れる仕組み作りが重要です。
また、内部通報制度の整備は、コンプライアンス強化の面でも重要です。通報から処分までのプロセスが明確になることで、不正・法令違反・ハラスメントに対して自発的な抑止が効きやすくなります。
内部通報できる対象者
原則として、その企業で雇用されて働いている人は誰でも内部通報ができる対象者です。具体的な範囲は次の通りです。
- 正社員
- 契約社員
- パート・アルバイト
- 派遣労働者
- 役員
- 退職後1年以内の従業員(上記含む)
今働いている人だけでなく、1年以内に働いていた人も内部通報者の対象に含まれます。なお、該当者は「公益通報者保護法」によって保護されており、通報を理由とした解雇・昇格といった不利益な取り扱いをされる心配はありません。
内部通報窓口の外部委託がおすすめな理由

内部通報窓口を効果的に運用するには、外部委託サービスの利用もおすすめです。ここでは、内部通報窓口の外部委託がおすすめな理由を解説します。
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内部通報窓口の外部委託がおすすめな理由
担当者の選定が難しい
内部通報窓口の人員には、内部通報制度に精通しており、かつ法的知識を持って通報内容を公正に判断する力量が求められます。さらに、通報者から信用を得るためのコミュニケーション能力も必要です。
このような高度な専門人材を社内で見つけるのは難しく、新たに雇用する場合でも高額な採用・育成コストがかかります。そのため、専門家を即戦力として確保できる外部通報窓口に注目が集まっています。
窓口の設置場所を確保しづらい
原則として内部通報制度では、通報者は特定されません。したがって、制度を適切に運用するには、通報者が誰にも知られずに窓口担当者とやり取りできる環境の整備が必要です。
しかし、オフィスの構造上などの問題で、このような環境を整えるのが難しい場合もあるでしょう。メールやチャットでの内部通報も可能ですが、会社がツールを管理している以上、アカウントの割り出しや送信履歴のチェックは比較的簡単です。
このように、社内窓口は通報者の機密の保持が比較的困難であるため、外部委託の必要性が高まっています。
秘密の保持が難しい
前述のように、外部窓口に比べると、社内窓口のほうが通報内容や通報者の個人情報が広まるリスクは高いといえます。例えば、通報内容が限定的な場合は、間接的な状況から通報者が特定される恐れがあります。
また、既得権益や被通報者との関係性から、窓口担当者が通報者の存在を暴露する可能性も考えられます。この場合は、通報者が報復を恐れて通報を躊躇してしまい、結果として内部通報制度が機能不全に陥りかねません。
このようなリスク対策として、秘密が漏れる心配が少ない外部委託サービスが検討されています。
内部通報窓口の外部委託で依頼できること

内部通報窓口の外部委託に依頼できる内容としては、通報の受付から内容の精査、事実関係の一次対応などが一般的です。いわゆる初期対応を任せることができ、企業側にはある程度情報が整理された段階で通告されます。
また、サービスによってはより詳細な事実調査や関係者へのヒアリング、調査報告書の作成、法的見地にもとづく是正措置や対処法の提案までワンストップで依頼できます。
その他にも、内部通報マニュアルの策定や制度設計など、制度導入支援を提供するサービスもあります。依頼できる内容は事業者ごとに異なるため、自社に必要なサービスを備えているかどうかを確認しましょう。
内部通報窓口を外部委託するメリット

内部通報窓口の外部委託により、内部通報制度を安定的に運用してコンプライアンスの強化にもつなげられます。ここでは、内部通報窓口を外部委託するメリットを解説します。
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内部通報窓口を外部委託するメリット
匿名性を確保しやすくなる
第三者機関である外部の内部通報窓口は通報者と面識がないため、社内窓口に比べて匿名性の確保が容易です。通報者の氏名や所属部署、通報内容がむやみに関係者外に広まる心配がありません。
特に、経営層から独立した通報ルートを確立できるのは大きなメリットです。役員のような上層部を通報する場合でも、通報者が身バレを心配せずに通報できる環境が整います。
さらに、社外の調査員が入ることで情報のもみ消しや改ざんのリスクが減り、企業のコンプライアンス強化にもつながるでしょう。
専門家が対応してくれる
弁護士や社会保険労務士、心理カウンセラーなどの専門家が在籍している外部の内部通報窓口サービスも多くあります。そのため、法的な要因が絡む複雑な事案であっても、専門知識をもとに迅速かつ的確な対応が期待できます。
専門家に相談できることは、通報者の安心感につながるでしょう。また、企業としても、専門家に初動を任せることで対応の遅れや誤った判断を避けられるため、これらを理由にした訴訟・損害賠償といったリスクを避けやすくなります。
企業のコンプライアンスを強化する上でも、専門家が在籍する内部通報窓口の外部委託サービスの利用は重要です。
相談のハードルが下がる
特にセクハラ被害などは、羞恥心から社内関係者に相談しにくいと感じる人も一定数存在します。また、加害者が上司・取引相手など立場上口に出しにくい相手の場合は、沈黙せざるを得ないというケースも少なくありません。
その点、外部の内部通報窓口担当者ならば通報者とも被通報者とも面識がないため、相談に際して心理的ハードルを下げられる可能性があります。デリケートな問題でも積極的な通報を促進でき、社内問題の早期発見・是正を図れます。
コスト削減に繋がる
外部委託サービスを利用すると、社内で人員を確保するよりも人件費を節約できる可能性があります。ほとんどのサービスは月額固定制の料金体系を取っており、社内で一から採用・強化するのに比べて安価に抑えられ、予算管理もしやすいでしょう。
さらに、育成にかかる時間的コストも削減できるのもメリットです。低コスト・短期間で高スキルな担当者を確保したい場合は、内部通報窓口の外部委託サービスがおすすめです。
内部通報サービスを選ぶ際のポイント

内部通報サービスによってサポートの提供範囲が異なるため、サービスを選ぶ際は自社のニーズに合っているかを確認しましょう。ここでは、内部通報窓口サービスを選ぶ際のポイントを解説します。
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内部通報サービスを選ぶ際のポイント
サービスの品質
依頼先の品質は、自社における内部通報制度の精度に直結するポイントであるため、求めるレベルのサービスを受けられるかは重要なポイントです。例えば、弁護士など専門資格を有した担当者がいる会社は、法的判断も含めて対応品質に一定の信頼が置けるでしょう。
また、自社に近い業種・業界での導入実績があるかや、通報後の対応スピード・ヒアリングの実施状況なども確認が必要です。また、海外拠点を持つ企業は、多言語対応のサービスの有無もあわせて確認しましょう。
対応チャネルや受付時間
従業員が通報しやすい環境を整えているかも選定基準となります。電話や対面での通報に加えて、メールや専用チャットなどのチャネルがあるサービスは匿名性を確保しやすく、通報者の安心につながります。
また、複数の通報チャネルがあれば、通報者のそのときの心身の状況に応じた通報手段を選べる点もメリットです。あわせて、残業後や休日でも相談できるかなど、通報の受付時間も確認すべきポイントです。
サービスによっては24時間対応の窓口を備えているため、必要に応じて検討しましょう。
料金体系・価格
内部通報窓口の外部委託サービスの依頼先は、大きく分けて「弁護士・弁護士事務所」と「専門サービス」の2種類です。弁護士・弁護士事務所のサービスの費用相場は、初期費用数十万円・月額料金数万円〜十数万円・成果1件につき数万円の成果報酬です。
一方で、専門サービスのほとんどは月額制で相場は数万円〜数十万円です。依頼内容や従業員規模にもよりますが、一般的には専門サービスの方が割安になります。
ただし、弁護士・弁護士事務所は迅速な法的対応が見込めるなどメリットもあるため、料金とサポート内容を比較したうえで、予算に見合ったサービスを検討しましょう。

内部通報システムの選び方は?重視すべきポイントや注意点を解説
内部通報システムは、企業の不正やハラスメントを早期に把握し、重大なリスクを未然に防ぐための重要な仕組みです。システム選定では制度対応に加え、運用できるかの見極めが求められます。本記事では、公益通報者保護法を踏まえ、内部通報システムの選び方をわかりやすく解説します。
おすすめの内部通報サービス10選
株式会社サザンクルー
NHホットライン
ここがおすすめ!
- 複数の通報手段に対応し、相談・通報しやすい体制に
- 一次受付により、社内担当者の対応コスト削減が可能
- クレジットカード払いによる迅速かつ簡単な申込み
ここが少し気になる…
- サポート体制や多言語への対応可否は問い合わせで確認
NEC VALWAY株式会社
内部通報窓口代行サービス
ここがおすすめ!
- メンタルヘルスやハラスメント防止コンテンツにも対応
- 有資格者の女性カウンセラーによる電話対応で安心して使える
- NECのセキュア運用ルールにより、機密性を担保
ここが少し気になる…
- プランにより、メンタル相談の有無が異なる
株式会社エス・ピー・ネットワーク
リスクホットライン®
ここがおすすめ!
- 通報者と複数回やり取りするため、すぐに調査体制に入れる
- 通報1件1件に対して「リスクレポート」がつく
- 案件が終結するまで、通報者と企業の間に立って伴走
ここが少し気になる…
- 従業員数や内容などにより費用が変わるため、問い合わせで確認
弁護士法人Nexill&Partners
内部通報窓口代行サービス
ここがおすすめ!
- 士業5法人のグループ体制による総合的なサポート
- 再発防止・予防の観点から、改善案を踏まえたレポートの納品
- コンプライアンス体制の準備方法のアドバイスにも対応
ここが少し気になる…
- 対応した時間に応じて加算料金が発生
株式会社リンクファシリティーズ
完全匿名ヘルプライン
ここがおすすめ!
- 通報者の保護を大前提としてWEBフォームのみを設置
- 低価格で導入でき、内部通報窓口を即時に設置
- 手間のかかる報告書もワンクリックで作成可能
ここが少し気になる…
- 専門家によるサポートは初回のみ無料
法律事務所ZeLo・外国法共同事業
内部通報サービス
ここがおすすめ!
- 導入前から通報後の調査対応・助言まで弁護士が対応
- 法律事務所・弁護士ならではの公正な対応が受けられる
- さまざまな企業規模やニーズに合わせたサービス提供
ここが少し気になる…
- 原則1年契約で、稼働に応じた弁護士の時間報酬が発生
アトム法律事務所弁護士法人
コンプラチェッカー
ここがおすすめ!
- 月1回のメルマガで内部通報を促進し、不正の早期発見と予防が可能
- 法律事務所のサイト内にフォームを設置し匿名性を担保
- わかりやすい料金体系と低価格で導入ハードルが低い
ここが少し気になる…
- レポート作成やサポート体制などは問い合わせで確認
株式会社ディー・クエスト
DQヘルプライン
ここがおすすめ!
- 外部窓口のパイオニアとしての歴史・実績が豊富で安心
- 24時間365日の通報に対応し、多様な働き方にあわせて使える
- 各種トレーニングや研修といったサポートやセキュリティ対策が充実
ここが少し気になる…
- 導入費用や各種サポートは問い合わせで確認
株式会社Zation
Zation 内部通報窓口
ここがおすすめ!
- 中小企業にも優しい価格と明瞭な料金プランで導入ハードルが低い
- 通報手段が5種類もあり、自分のタイミングで相談できる
- 英語や場合によっては中国語のフォームにも対応
ここが少し気になる…
- 初期費用が一律5万円かかり、カスタマイズについては問い合わせで確認
NAVEX
WhistleB
ここがおすすめ!
- グローバル規制に遵守し、内部通報者の報告を管理
- 直感的なデザインと専門家によるガイダンスで初心者も安心
- 最大150言語での通報に対応し、Web・モバイルどちらでも使える
ここが少し気になる…
- プランにより言語や管理者ユーザー数などの制限がある
内部通報サービスへの窓口委託を導入する際の流れ

内部通報サービスへ窓口を委託する場合でも、課題の明確化や対応フローの検討をはじめ自社で行うべき工程は複数あります。ここでは、内部通報サービスに依頼する際の流れを解説します。
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内部通報サービスへの窓口委託を導入する際の流れ
1. 課題を明確化する
内部通報サービスによって、強みを持つ分野や通報の仕組み、サービスの提供範囲が異なります。これに伴って、導入後の運用体制や効果にも違いが出るため、自社が求める結果につながるサービスを検討しなければなりません。
そのためには、まず内部通報制度における現状の課題や、外部委託サービスを導入する目的を明確にしましょう。窓口の利用率や通報後の対応スピードの向上など、具体的な数値をもとに客観的な検証が求められます。
2. 自社に合ったサービスを選定する
上記で明確にした課題や導入目的を考慮しながら、その達成につながるサービスを検討しましょう。なお、内部通報サービスには、通報受付から一次対応まで代行するタイプや、通報専用ツールのみを提供するタイプなど、さまざまな形態があります。
それぞれ料金体系も異なるため、自社が求めるサービス・サポートの有無と費用のバランスを見極めて、最適なサービスを選定しましょう。
3. 対応フローを検討する
外部の通報窓口は初動対応まで委託できるのが一般的ですが、自社でも一定の対応は求められます。委託先と連携しながらスムーズに動けるように、通報後の対応フローを明確にしておきましょう。
これによって迅速かつ的確な一次対応が可能になり、被害拡大防止や通報者の信頼獲得にもつながります。情報共有担当者や方法のほか、通報者の保護方法や是正措置の考案など、具体的な運用フローを検討しましょう。
4. 契約書の内容を精査する
内部通報窓口の外部委託サービスと契約を結ぶ際は、「何を」「どこまで」依頼できるのかを書面で残す必要があります。これによって依頼した「つもり」を防ぎ、内部通報制度の安定的な運用が可能になります。
さらに、内部通報制度において最重視されている通報者の保護に関連する項目も明確化が必要です。例えば、次の項目を契約書に盛り込むことで、制度運用の確実性を高められます。
- 窓口の対応範囲:通報の受付・事実関係の精査・調査範囲
- 窓口の受付方法:通報チャネル・受付時間
- 対応範囲:法令違反・ハラスメント・コンプライアンス違反
- 受付後のフロー:関係者との共有方法・タイミング
- 秘密保持の厳守:通報者の個人情報の保護・管理方法
- 情報漏洩時の対応:委託先から通報者の情報が漏洩した場合の損害賠償など
あわせて、契約期間や満了時の対応についても契約書で合意を取りましょう。特に従業員データを預ける場合は、個人情報保護の観点から満了時の返却を明文化する必要があります。
内部通報サービスを効果的に活用するための対策

内部通報サービスを導入しても、従業員が知らない・利用に不安がある場合は利用率の向上にはつながりません。そのため、通報しても不利益はない旨を日頃から周知しておくなど、いざという時に従業員が躊躇せずに制度を利用できる環境を整える必要があります。
デモ訓練や、内部通報の手順を分かりやすく説明したマニュアルの策定なども効果的です。また、通報者の匿名性は担保したうえで、通報件数や対応方針、結果などを公表すると、制度を身近に感じられ、利用率向上も見込めます。
まとめ

「公益通報者保護法」により、従業員数301名以上の企業には内部通報窓口の設置が義務化されています。一方で、社内窓口は担当者の選定や匿名性の担保に課題が残りやすいため、外部委託するのも良い方法です。
中立な第三者が内部通報窓口を運用することで、通報者の心理的ハードルが下がり、匿名性の維持にもつながります。特に弁護士や社会保険労務士などが在籍するサービスは、法的判断が必要な場面でも迅速な対応を実現しやすく、公平性の担保にもつながります。
本記事を参考に、自社に最適な内部通報サービスに窓口運用を委託し、内部通報制度の確実な運用を図りましょう。