AI画像生成の著作権|3局面とNGプロンプト例

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  • AI画像生成の著作権3局面(学習/生成/利用)と、権利処理まで含めた相談先がわかる
  • 避けるべきNGプロンプト例と、安全なプロンプトの作り方がわかる
  • 利用規約でチェックすべき項目と、社内でのルール作りの考え方がわかる

AI画像生成は、資料の挿絵やSNS素材づくりを大きく効率化する一方、著作権の論点を正しく理解していないと、公開後にトラブルへ発展するリスクがあります。本記事では、AI画像生成を業務で使う際に確認すべき著作権の3つの局面と、避けるべきNG例、プロンプト作成の基本、そして権利処理までを見据えた社内ルールの作り方を解説します。「AIで作った画像だから自由に使える」という思い込みが、後になって想定外のトラブルにつながるケースも少なくありません。

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目次

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  1. 権利処理まで含めて任せたい場合の制作会社比較
  2. AI画像生成の著作権|3つの局面で考える
  3. 避けるべきNG例
  4. 安全なプロンプトの作り方
  5. AI生成物自体の著作権は誰のものか
  6. 利用規約でチェックすべき3つの項目
  7. 生成AIツールごとの傾向の違い
  8. 社内でAI画像生成を運用するためのルール作り
  9. 著作権対応でよくある失敗パターン3つ
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ|今日からできる3つのこと
  12. 参考文献

権利処理まで含めて任せたい場合の制作会社比較

類似性の確認や権利処理を自社だけで完結させるのが不安な場合、動画・映像制作の専門会社に相談する選択肢があります。AI画像生成の素材を動画に組み込みたい場合や、継続的な発信を検討している場合は、権利処理までを含めて対応できる会社に依頼することで、社内でのリスク管理の負担を減らせます。以下に、特徴が異なる3社を比較の一部としてご紹介します。

サービス名 GOOD(強み) MORE(留意点)
Video Craft(株式会社Stand Technologies) 日本語AIアバターとAI音声により撮影不要で高品質な動画を作成でき、ワンクリックで50カ国語に翻訳できる AIでの自動生成が中心のため、独自の権利処理・監修体制は別途要確認
Crevo(Crevo株式会社) 実写・アニメーションどちらも対応でき、進行管理・クオリティ管理を徹底できる制作体制がある 価格の幅が広く、目的や目指すクオリティにより費用が変わる
G-angle(株式会社ジーアングル) 動画コミュニケーション施策の視点で戦略提案があり、丁寧なヒアリングで相談から納品後まで対応 費用・納期は問い合わせで確認が必要
図0:AI画像生成素材の権利処理・動画化を相談できる制作会社の例(いずれも一長一短があり、依頼内容に合わせて選ぶことが重要)

自社での確認体制に不安がある場合や、AI生成素材を動画コンテンツに発展させたい場合は、権利処理の相談ができる会社を軸に検討するとよいでしょう。逆に、まずは低コストでAI活用そのものを試したい場合は、AIアバター・AI音声中心のサービスから始める選択肢もあります。

AI画像生成の著作権|3つの局面で考える

AI画像生成の著作権は、「学習」「生成」「利用」という3つの局面に分けて考えると、それぞれで確認すべき論点が整理しやすくなります。

AI画像生成の著作権3局面 学習・生成・利用という3つの局面それぞれで確認すべき論点を示す図 学習 既存著作物をどう 学習データに使ったか 生成 既存著作物と類似・ 依拠しているか 利用 商用利用の規約上の 許諾範囲を守れているか

文化庁は「AIと著作権に関する考え方について」で、AI生成物が既存の著作物と類似性・依拠性を有する場合、著作権侵害に該当する可能性があるという考え方を示しています(文化審議会著作権分科会法制度小委員会「AIと著作権に関する考え方について」2024年3月15日、https://www.bunka.go.jp/seisaku/bunkashingikai/chosakuken/pdf/94037901_01.pdf 2026年8月14日取得)。業務で使う場合、特に「生成」と「利用」の局面は自社の判断で確認できる部分が多いため、優先して確認することが実務的です。

「学習」の局面については、著作権法第30条の4が関わります。同条は、著作物を「享受」(鑑賞して味わい楽しむ)する目的ではない利用、いわゆる情報解析目的の利用を、原則として権利者の許諾なく認める規定で、AI学習における著作物の利用もこの考え方の対象とされています。ただし同条には「著作権者の利益を不当に害することとなる場合は、この限りでない」という但し書きがあり、特定の作家の作品を集中的に学習させて画風を模倣させるような使い方は、この例外に当たる可能性があるとされています。学習段階の適法性は主にAIサービス提供者側の問題ですが、利用者としても「特定の作家名を指示に含めない」という配慮が、生成・利用の局面のリスクを下げることにもつながります。

ここでいう「類似性」とは生成物が既存の著作物と表現として似ているかどうか、「依拠性」とは既存の著作物を参照・認識した上で生成したと評価できるかどうかを指します。実務上は、この2つを厳密に切り分けて自社で判断するのは難しいため、「特定の作品名・作家名を指示に含めない」「生成後に類似画像がないか確認する」という2つの手順を徹底することが、現実的な自衛策になります。

類似性の判断では、著作権法が「アイデア」ではなく「表現」を保護対象としている、という原則も踏まえておく必要があります。たとえば「水彩画風のイラスト」「レトロなポップアートのタッチ」といった画風・作風そのものはアイデアの範疇とされ、それ単独では著作権侵害には当たりません。問題になるのは、色使い・構図・キャラクターの造形といった具体的な表現上の特徴が、既存の著作物と共通していると評価される場合です。つまり「〇〇風」という指示自体が即座に違法になるわけではなく、その指示によって生まれた生成物の具体的な表現がどこまで既存作品に近づいているかが、実際の判断基準になります。この線引きは専門的な判断を要するため、際どいと感じた生成物は使用を見送るという運用が、結果的に最も労力のかからない対策になります。

海外事業者が提供するツールを利用する場合は、利用規約の準拠法や紛争解決の管轄が日本国外に設定されていることもあります。規約が英語のみで提供されているケースもあるため、重要な確認事項については機械翻訳だけに頼らず、必要に応じて社内の法務担当者や外部の専門家に確認を依頼することも検討してください。

避けるべきNG例

特定のイラストレーター・作品の画風を明示的に模倣する指示、著名なキャラクターに似せた生成、商用利用不可のツールで作った画像の対外利用という3つが、特に避けるべきNG例です。

「〇〇風のイラスト」のように特定の作家名を指定して画風を模倣させる指示は、既存作品との類似性が高くなるリスクがあります。既存の著名なキャラクターに似せた生成物を業務で使うことも、著作権・商標権上のリスクが大きいため避けるべきです。また、無料プランが個人利用限定のツールで生成した画像を、広告や対外的な資料にそのまま使うことも、規約違反に該当する可能性があります。

社内で「このくらいなら大丈夫だろう」という個人の感覚に頼った判断が積み重なると、組織として気づかないうちにリスクの高い生成物を使い続けてしまうことがあります。少しでも判断に迷う生成物は使用を見送る、という基準を関係者間で共有しておくことも実務上の対策になります。

部門ごとに使い方が異なる分、注意点の重みづけも変わります。マーケティング・広報部門でSNS投稿やプレスリリース用の画像を作る場合は、対外公開が前提のため類似性の確認と利用規約の商用利用条件を特に厳密に確認する必要があります。人事部門が社内報や研修資料向けに使う場合は、対外公開ではない分リスクはやや下がりますが、社内報がSNS等で外部に共有される可能性がある企業では、社内利用でも同様の確認が望ましいです。経営企画・事業開発部門が提案資料の挿絵として使う場合は、資料自体は社外の取引先に見せる前提であることが多く、実質的に対外公開に近い扱いで確認することをおすすめします。このように「社内向けか対外向けか」だけでなく「最終的にどこまで配布される可能性があるか」まで想定して確認の厳密さを決めると、部門間での基準のばらつきを防ぎやすくなります。

安全なプロンプトの作り方

特定の作家名・作品名を含めない、抽象的なスタイル表現を使う、生成後に類似性を確認するという3点を意識することで、著作権リスクの低いプロンプトを作れます。

避けるべき指示 安全な指示への言い換え例
特定の作家名を指定する 「水彩画風」「ミニマルなラインアート」等の抽象的な様式で指定
著名キャラクターに似せる キャラクターの属性(職業・雰囲気等)のみを指定し、独自のデザインとして生成
実在人物に似せる 実在人物の指定は避け、架空の人物像として生成
図2:安全なプロンプトへの言い換え例

生成後は、画像検索サービス等を使って既存の作品と類似していないかを確認する習慣も重要です。特に、社外に公開する資料・広告で使う場合は、この確認を必ず行ってください。ツールによっては、生成物の類似性を検出する機能やフィルタリング機能が用意されている場合もあるため、こうした機能を積極的に活用し、生成内容をそのまま使うのではなく編集・加工を加えて独自性を高めることも、リスクを抑える実務的な工夫になります。

広告代理店やSNS運用代行会社など、クライアント向けに成果物を納品する立場でAI画像生成を使う場合は、自社内での確認だけでなく、納品先にも生成AIを使用したことと、確認済みの範囲を明示しておくと、後のトラブルを避けやすくなります。クライアント側の社内ルールでAI生成物の利用を制限している場合もあるため、契約・受発注の段階で使用可否を確認しておくことも実務上重要です。

AI生成物自体の著作権は誰のものか

AIが自動生成した画像そのものには、原則として著作権が発生しないとされています。著作権法上の「著作物」は人間の思想・感情を創作的に表現したものとされており、人間の創作的な関与がなく、AIへの指示(プロンプト)を入力しただけで自動的に生成された画像は、この「創作性」の要件を満たさない可能性が高いというのが現在の一般的な考え方です。

一方で、プロンプトの構成や生成後の加筆・修正の過程で、利用者自身の創作的な工夫が加わっていると評価できる場合は、その部分について著作物性が認められる可能性があります。この判断は生成物ごとに個別性が高く、一律の基準を示すことは難しいため、重要な用途で使う生成物については、著作権の帰属について過度に楽観視しない姿勢が実務的です。

実務上より重要なのは、利用しているAIサービスの利用規約が、生成物の権利をどのように扱っているかです。多くのサービスは規約上「生成物の利用権を利用者に付与する」形を取っていますが、その範囲(商用利用の可否、再配布・二次利用の可否、サービス側による再利用の有無)はサービスごとに異なります。「AIが作った画像だから著作権は関係ない」と考えるのではなく、「著作権が発生するかどうか」と「規約上どこまで使える権利を持っているか」は別の問題として、両方を確認する意識を持つことが重要です。

利用規約でチェックすべき3つの項目

商用利用の可否、生成物の再配布・二次利用の範囲、アップロードした画像が学習データに再利用されるかどうかという3項目は、ツールを導入する前に必ず確認しておくべきポイントです。サービスによって規約の内容が大きく異なるため、無料プランと有料プランで条件が変わる場合も含めて確認が必要です。

特に「学習データへの再利用」については、自社の非公開情報や顧客から預かった画像素材を入力する場合に注意が必要です。入力した画像や機密情報がAIモデルの追加学習に使われ、意図せず外部に漏れる形になる可能性もあるため、機密性の高い素材を入力する前に、この点を必ず確認してください。規約上、再利用の可能性がある場合は、機密性の高い素材の取り扱いに別途社内ルールを設けておくことが望ましいです。

生成AIツールごとの傾向の違い

画像生成AIサービスは提供元によって商用利用の許諾範囲や学習利用の扱いが異なるため、「AIで作った画像だから一律に安全/危険」と単純化せず、利用するサービスごとに規約を確認する姿勢が重要です。同じ「商用利用可」という表記でも、著作者人格権の扱いや、生成物に対する第三者からの権利主張への対応方針まで含めると、サービス間の差は小さくありません。

複数の部署でツールを使う場合は、情報システム部門や法務部門が窓口となり、利用可能なツールをあらかじめ絞り込んでおくと、現場ごとに規約解釈がばらつくリスクを減らせます。

また、複数のツールを比較検討する際は、料金や画質だけでなく、規約の改訂頻度や改訂内容の告知方法も確認しておくと安心です。改訂の告知が分かりにくいサービスでは、社内で誰も気づかないうちに利用条件が変わっていることもあるため、定期的に規約ページを確認する運用も併せて検討してください。万が一のトラブルに備え、AI生成物に関するトラブルをカバーする保険への加入を検討する企業も出てきています。

社内でAI画像生成を運用するためのルール作り

個人の判断でツールを選んで使う状態を避け、使用してよいツールの一覧・確認すべき項目・公開前の承認フローという3点を最低限のルールとして定めておくと、著作権トラブルの発生を組織的に防げます。特に広告・プレスリリース・SNS投稿など対外的に公開する用途では、担当者一人の判断に任せず、複数名で確認する運用にしておくことが安全です。

確認項目 確認するタイミング
利用ツールが社内で許可されたものか 生成前
プロンプトに作家名・実在人物名を含めていないか 生成前
既存作品との類似性がないか 生成後・公開前
利用規約上、想定用途での商用利用が許可されているか 公開前
図3:社内運用チェックリストの例

このようなチェックリストを整備しておくことで、担当者が変わっても確認の質を一定に保てます。運用ルールは一度作って終わりにせず、利用するツールが増えたり、各サービスの規約が改訂されたタイミングで見直すことも重要です。

ルール整備の担当は、情報システム部門や法務部門だけに任せず、実際にツールを使うマーケティング・広報・営業部門も交えて決めると、現場の運用実態に合った内容になります。ルールが厳しすぎて誰も守らない、あるいは緩すぎてリスクが放置されるという両極を避けるためにも、実際の利用シーンを踏まえた話し合いが有効です。

著作権対応でよくある失敗パターン3つ

作家名を指定して生成する、生成後の確認を省略する、商用利用条件を確認しないという3つが、AI画像生成の著作権対応でよく見られる失敗の典型です。

よくある失敗 回避策

失敗パターン1:作家名を指定して生成する。「〇〇風」という指示で特定の作家の画風を模倣させ、類似性のリスクを高めてしまう。

失敗パターン2:生成後の確認を省略する。生成された画像をそのまま使い、既存作品との類似性を確認しない。

失敗パターン3:商用利用条件を確認しない。無料プランの制限を確認せず、対外的な資料・広告に使ってしまう。

よくある質問(FAQ)

Q1. 特定の作家の画風を指定するのは違法ですか?

A. 画風自体は著作権の対象にならないとされていますが、生成された結果が既存の作品と類似・依拠している場合は著作権侵害に該当する可能性があります。作家名を指定する指示は避け、抽象的な様式表現を使うことをおすすめします。

Q2. AI生成画像は商用利用できますか?

A. 利用するサービスの規約によって異なります。無料プランでは個人利用のみ許可されている場合が多いため、商用利用前に必ず最新の利用規約を確認してください。

Q3. 生成画像の類似性はどう確認すればよいですか?

A. 画像検索サービス等で類似画像がないかを確認する方法があります。判断に迷う場合は、明確に異なるデザインに修正するか、専門家に相談することをおすすめします。

Q4. AI学習に既存作品が使われることは合法ですか?

A. 著作権法第30条の4により、情報解析目的の利用は原則として権利者の許諾なく認められており、AI学習もこの考え方の対象とされています。ただし、著作権者の利益を不当に害する場合は例外となるため、特定の作家の作品を集中的に学習させて画風を模倣させるような使い方には注意が必要です。

Q5. AIが生成した画像の著作権は誰のものになりますか?

A. AIが自動生成しただけの画像には、原則として著作権が発生しないとされています。利用者自身の創作的な工夫が加わっている場合は著作物性が認められる可能性がありますが、判断は個別性が高いため、実務上はサービスの利用規約が生成物の利用権をどう定めているかを確認することが重要です。

Q6. 著作権処理まで含めて外部に依頼できますか?

A. 動画制作会社等の専門会社に依頼することで、権利処理を含めた素材制作を任せられる場合があります。継続的な発信を検討している場合は、社内リソースとの比較検討も含めて依頼を検討する価値があります。

まとめ|今日からできる3つのこと

AI画像生成の著作権リスクは、学習・生成・利用という3局面のうち、自社で確認できる「生成」と「利用」を徹底することで、実務上のリスクの大半を抑えられます。判断に迷う生成物や、権利処理まで含めた対応が必要な場合は、専門会社への相談も選択肢に入れておきましょう。

  1. 作家名を指定する指示を避ける:抽象的なスタイル表現に言い換えます。
  2. 生成後に類似性を確認する:画像検索等で既存作品との類似がないかを確認します。
  3. 商用利用条件を利用前に確認する:利用規約で許諾範囲を確認し、必要に応じて有料プランを検討します。

参考文献

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