AI議事録ツールの選び方|仕組み・5タイプ・セキュリティの確認点
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- AI議事録の仕組みと3つの経路がわかる
- 無料機能との違いと選び方5観点がわかる
- 電話・商談の記録とセキュリティの確認点がわかる
「会議のたびに議事録作成で1時間以上かかる」「AI議事録ツールを入れたいが、種類が多くて違いがわからない」と感じていませんか。AI議事録とは、会議や通話の音声をAIが自動で文字起こしし、要約や決定事項の抽出まで支援する仕組みのことです。上位の比較記事の多くはツールの一覧と料金を中心に紹介していますが、本記事では、ツールを選ぶ前に押さえたい仕組みと、ChatGPTやGoogleの無料機能で足りるかどうかの見分け方、社内会議だけでなく電話や商談の記録まで含めた選び方5観点と5タイプ、セキュリティの確認点、導入でよくある失敗、効果の測り方を、表を中心に整理します。
あなたの会社に合うAI議事録の考え方を診断
Q1. 議事録にしたい会話は、主にどれですか?
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AI議事録とは|仕組みと、記録できる会話の3つの経路
AI議事録とは、音声認識で会話を文字にし、生成AIで要約や決定事項を整理する仕組みです。記録できる会話はWeb会議、対面、電話の3つの経路に分けて考えます。ツールを比べる前に、自社で記録したい会話がどの経路に当たるかを決めておくと、必要な機能が絞り込めます。
| 経路 | 音声の取り込み方 | 起こりやすい課題 | 確認すること |
|---|---|---|---|
| Web会議 | 会議ツールの音声や録画を取り込む | 参加者ごとに回線が分かれるため話者は区別しやすいが、通信状況で音声が途切れることがある | 使っている会議ツールと連携できるか |
| 対面 | 会議室のマイク、スマートフォン、専用レコーダーで録音する | 1台のマイクを囲むと、離れた席の声が拾いにくく話者の区別も難しい | マイクの位置と、専用端末が必要か |
| 電話 | 通話の音声を録音して取り込む | 議事録を取る担当者がおらず、通話後に記憶を頼りにメモを入力しがち。録音の告知も必要 | 通話記録の保存先と、顧客管理ツールへの連携 |
電話の通話を議事録にする場合
3つの経路のうち、最も後回しにされやすいのが電話です。電話での商談や問い合わせは、会議と違って議事録を取る担当者がいないため、通話後に担当者が記憶を頼りにメモを入力する運用になりがちで、記録の抜けや入力の手間が残ります。顧客とのやり取りを正確に残したい営業部門では、通話そのものを文字起こしして要約し、顧客管理ツールに記録する仕組みが選択肢になります。その一例が、株式会社RevCommが提供するMiiTel Phoneです。商品ページでは、電話番号をクリックするだけで発信できる点、SFAやCRMとの連携で情報共有できる点、AIの音声解析で話し方の特徴を可視化できる点が紹介されています。公式サイトには、通話の文字起こし内容を生成AIで要約する議事録生成の機能も記載されています。一方で、商品ページにはサポート対応が平日9時から18時までと記載されているため、夜間や休日の対応が多い会社は社内の一次対応の体制もあわせて確認してください。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
ここがおすすめ!
- 電話番号を1Clickするだけで架電が可能
- SFA/CRMツールと連携することで、情報共有も正確で効率的に届く
- AIの音声解析により、トップ営業の話し方の特徴を分析・可視化できる
ここが少し気になる…
- サポート対応は平日9時~18時まで
MiiTel導入前は、アポイントを獲得したお客さまとのトーク内容をSalesforce上に記載していました。そのメモを記入するだけで、1件につき15分近くかかっていました。
MiiTel 導入事例(Sansan株式会社) 出典:導入事例ページ
AI議事録の仕組み|文字起こしから要約までの4ステップ
AI議事録ツールは、音声認識で会話を文字にする段階と、生成AIで要約や決定事項を抽出する段階の、2段階で動いています。この2段階を分けて理解しておくと、「文字起こしは正確なのに要約がずれる」「要約はきれいなのに発言者が違う」といった不具合がどこで起きているのかを切り分けられます。
AI議事録ツールの処理は、おおむね次の4つのステップで進みます。
| ステップ | AIが行うこと | 結果を左右する要因 |
|---|---|---|
| 1. 録音・取り込み | Web会議の音声や、会議室のマイク・スマートフォンで録音した音声、電話の通話音声を取り込む | マイクの位置、雑音、発言の重なり、回線の品質 |
| 2. 音声認識(文字起こし) | 音声を細かく区切り、発音の特徴から単語を推定してテキストにする | 日本語への最適化の程度、専門用語や社内用語の登録、話し方の速さ |
| 3. 話者分離・話者識別 | 声の特徴から発言者ごとに区切り、誰の発言かを割り当てる | 参加人数、声の似ている人の有無、1台のマイクで複数人を録るか個別の回線か |
| 4. 要約・抽出 | 生成AIが文字起こし結果を読み、要点、決定事項、宿題(ToDo)を整理する | 元の文字起こしの正確さ、要約の指示(テンプレート)、会議の構造の明確さ |
ここで押さえておきたいのが、「話者分離」と「話者識別」の違いです。話者分離は「発言者A」「発言者B」のように声を区別する処理で、話者識別はそれが「営業部の佐藤さん」であると名前まで結びつける処理です。Web会議のように参加者ごとに回線が分かれている場合は識別しやすい一方、会議室で1台のマイクを囲む場合は、声の特徴だけで区別する必要があるため誤りが起こりやすくなります。議事録で「誰が何を約束したか」が重要な会議ほど、この違いを意識してツールを選ぶ必要があります。
また、要約の段階で使われる生成AIは、文字起こし結果をもとに「もっともらしい」文章を作ります。そのため、文字起こしの段階で数字や固有名詞が誤っていると、要約ではその誤りがきれいな文章に整えられ、かえって見落としやすくなります。生成AIが事実と異なる内容をそれらしく出力する現象はハルシネーションと呼ばれ、議事録では日付、金額、担当者名の取り違えとして表れます。AI議事録の出力は、最終的に人が確認して確定させるという前提で運用することが大切です。
AI議事録を導入するメリット|時間・記録の確かさ・検索
AI議事録を導入する主なメリットは、作成時間の短縮、発言が記録として残ることによる認識のずれの防止、過去の議事録を検索できることの3つです。ただし、どのメリットも「人が最後に確認する」運用とセットで初めて成り立ちます。
| メリット | 何が変わるか | 注意したい点 |
|---|---|---|
| 作成時間の短縮 | 録音を聞き返して書き起こす作業がなくなり、会議の終了直後に文字起こしと要約のたたき台が手に入る | 確認・修正の時間は残る。数字や固有名詞は人が確認する |
| 認識のずれの防止 | 発言が文字で残るため、「言った・言わない」になったときに元の発言をたどれる | AIの要約は要点の抜けや言い換えが起こりうるため、確定版は文字起こしと照らして確認する |
| 共有と検索 | クラウドで関係者に共有でき、キーワードで過去の会議の発言や決定事項を探せる | 検索の対象が全文か要約だけか、閲覧権限をどう分けるかはツールにより異なる |
| 場所を選ばない記録 | Web会議、対面、外出先、電話と、会議室の外の会話も記録の対象にできる | 経路ごとに音質と話者の区別のしやすさが異なる |
議事録の品質が「書く人の力量」に左右されにくくなる点も、見逃せない変化です。人が書く議事録は、担当者によって要約の粒度や抜けが変わりますが、AIが文字起こしを土台にたたき台を作れば、会議ごとの書き方のばらつきを抑えやすくなります。会議に出席しながらメモを取る負担も減るため、担当者が議論そのものに集中しやすくなります。
ChatGPTやGoogleの無料機能で足りる?専用ツールとの使い分け
文字起こし済みのテキストを要約する程度ならChatGPTやGoogleの機能でも試せますが、録音から共有までを継続して回すなら専用ツールが向いています。無料で使える範囲は提供元の条件で変わるため、公式ヘルプで確認できた内容(2026年10月15日時点)を表にまとめます。
| 手段 | 公式ヘルプで確認できる条件 | 向く場面 | 限界 |
|---|---|---|---|
| ChatGPTに文字起こし済みテキストを貼り付けて要約する | 利用できる範囲や回数は、契約しているプランによって異なる | すでにテキストがある短い会議の要約 | 録音と文字起こしは別の手段が必要。共有や閲覧権限は自分で整える |
| ChatGPTの録音機能(Record) | 対象はPlus、Pro、Business、Enterprise、Eduのワークスペースで、Freeプランは記載がない。Macのデスクトップアプリのみで、1回の録音は最大4時間 | Macで1人がメモ代わりに録音・要約する場面 | Windowsやスマートフォンのアプリでは使えない。提供条件は更新されることがある |
| Googleドキュメントの音声入力 | Chrome、Edge、Safariの最新版で、マイクからの音声入力に対応。音声ファイルの文字起こしや話者の区別は記載がない | 1人が話した内容をその場で文字にする場面 | 複数人の会議の議事録には向かない |
| Google Meetの自動メモ生成(Gemini) | 対象のGoogle Workspaceエディションか、対象のGoogle AIプランが必要。無料の個人アカウントでの利用は記載がない。対象は15分から8時間の会議 | Google Meetで行う会議 | Meet以外の会議、対面、電話の記録は別の手段が必要 |
| 専用のAI議事録ツール | 無料プランや無料トライアルの有無と範囲、対応する経路、保存・権限の条件はツールごとに異なる | 会議が定期的にあり、記録から共有まで回したい場面 | 自社の会議との相性は、試用して確かめる必要がある |
専用ツールに切り替える目安は、「会議が週に複数回ある」「3人以上で話す」「機密性のある内容を扱う」「議事録を関係者に共有・検索したい」のうち、いくつ当てはまるかです。1つか2つ当てはまる程度なら、まず無料の機能や専用ツールの無料トライアルで運用が回るかを試し、3つ以上当てはまるなら、保存場所や閲覧権限を管理できる専用ツールを比較するほうが、あとから運用を作り直す手間を減らせます。無料プランで確認したい制限や学習利用の注意点は、AI議事録を無料で使う方法と選び方で詳しく解説しています。
選び方のポイント|精度・話者分離・機能範囲・情報管理
AI議事録ツールは「精度」「話者分離」「要約の機能」「連携」「情報管理」の5つの観点で比べると、自社に合うかどうかを判断しやすくなります。無料トライアルで試す場合も、この観点ごとに確認項目を決めておくと、担当者の印象だけで決めてしまう失敗を防げます。
| 観点 | 確認すること | 試用時の確かめ方 |
|---|---|---|
| 文字起こしの精度 | 日本語に最適化されているか、専門用語・社内用語を辞書登録できるか | 実際の定例会議の録音を使い、誤変換の数と種類を数える |
| 話者分離・話者識別 | 対面会議・Web会議・ハイブリッド会議・電話のそれぞれで発言者を区別できるか | 4人以上の対面会議で、発言者の割り当て誤りがどのくらいあるかを見る |
| 要約・抽出の機能 | 要約テンプレートを変更できるか、決定事項やToDoを分けて抽出できるか | 自社の議事録フォーマットに近い形で出力できるかを確認する |
| 連携 | 使っているWeb会議システム、チャット、顧客管理ツール、ファイル共有との連携 | 議事録が共有されるまでの手作業(コピー・転記)が何回残るかを数える |
| 情報管理 | データの保存場所と期間、AIの学習への利用の有無、アクセス権限の設定 | 利用規約とセキュリティ資料を情報システム部門と一緒に確認する |
5つのうち、比較サイトで差が見えにくいのが「話者分離」と「連携」です。文字起こしの精度はどのツールも高い水準をうたっていますが、実際の会議で差が出やすいのは、発言が重なったときや、会議室で複数人が1台のマイクを使うときです。宣伝文句の精度の数値は、静かな環境で1人ずつ話した条件で測られていることもあるため、必ず自社の実際の会議で試すことをおすすめします。
連携については、議事録を作ったあとに「どこに置くか」「誰に知らせるか」が決まっていないと、せっかく短時間で議事録ができても、共有の段階で手作業が残ります。たとえば、チャットツールへの自動投稿や、顧客管理ツールへの商談メモの登録ができるかどうかで、会議後の作業時間は大きく変わります。
料金体系・操作性・サポートの見方
料金体系は、月額の固定制、利用時間に応じた従量制、利用人数に応じた変動制など、ツールによって考え方が異なります。会議の回数が少ない部署で固定制の上位プランを選ぶと割高になり、逆に全社で毎日使う場合は従量制だと費用が読みにくくなります。月あたりの会議時間と利用人数をあらかじめ把握しておくと、プランの比較がしやすくなります。具体的な金額はプランや時期によって変わるため、見積もりの段階で基本料金、利用量に応じた料金、オプション料金の内訳を分けて確認してください。
操作性とサポートも、導入後の定着を左右します。録音を始めてから議事録が共有されるまでの操作が少ないほど、会議の担当者が替わっても運用が続きます。対応言語は、海外拠点や外国人の参加者がいる会議では必須の確認項目です。問い合わせの窓口が日本語で、受付時間が自社の業務時間に合っているかも、試用の段階で確かめておきましょう。議事録に特化したツールの一覧を先に見たい場合は、おすすめの議事録作成ツール・ソフトの比較記事や、種類と費用の考え方をまとめた議事録ツールの選び方も参考になります。
中小企業・少人数の会社が選ぶときの考え方
中小企業では、専任の情報システム担当者がいないことが多く、「どこまで任せてよいか」「誰が設定するか」がツール選びの壁になります。総務省の令和7年版情報通信白書によると、日本の中小企業では生成AIの活用方針を明確に定めていない企業が約半数を占め、導入の懸念としては「効果的な活用方法がわからない」が最も多く、次いで社内情報の漏えいなどのセキュリティリスク、ランニングコスト、初期コストが挙げられています。この結果を議事録に当てはめると、最初から全社に広げず、1つの会議・1つの部署で2週間ほど試し、時間の削減とセキュリティの確認事項を記録してから広げる進め方が、迷いや失敗を減らす近道です。
無料プラン・無料トライアルで確かめること
多くのAI議事録ツールには無料プランや無料トライアルがありますが、無料の範囲では月あたりの利用時間、データの保存期間、共有やメンバー管理の機能が制限されていることが一般的です。無料の入り口は、基本的な機能を継続して使える無料プラン、有料機能の一部を試せる範囲限定の無料枠、期間を区切って全機能を試せる無料トライアルの3種類に分けて考えると整理できます。法人で本格的に使う段階では有料プランへの切り替えが前提になることが多いため、無料期間は「自社の会議で精度と話者分離が実用に足りるか」「議事録の共有までの流れが回るか」を確かめる検証期間と位置づけるとよいでしょう。無料プランを業務で使う場合も、学習への利用やデータの保存場所といった情報管理の条件は有料プランと異なることがあるため、利用規約を確認してから機密性の高い会議に使うかを判断してください。
また、議事録をデジタルで蓄積すると、キーワード検索で過去の会議の発言や決定事項を呼び出せるようになります。「前回どこまで決まったか」「誰がその件を担当していたか」を探す時間が減り、議事録が個人のメモではなく組織の情報資産として使えるようになる点も、比較の際に確認したい機能です。検索の対象が文字起こし全文か要約だけか、会議をまたいで横断検索できるかはツールによって異なるため、試用時に過去の議事録を何件か登録して検索してみると違いがわかります。
利用目的に応じたタイプ選定|5タイプ
AI議事録ツールは、利用目的から「議事録作成特化型」「会議運営統合型」「商談記録型」「録音デバイス型」「セキュリティ重視型」の5タイプに分けて考えると、候補を絞り込みやすくなります。同じツールが複数のタイプの特徴を持つこともありますが、自社で一番重視する使い方を1つ決めておくと、比較の軸がぶれません。
| タイプ | 得意なこと | 向いている組織・会議 | 注意したい点 |
|---|---|---|---|
| 議事録作成特化型 | 文字起こしと要約の精度、編集のしやすさ | 会議の進め方は整っていて、記録の手間だけを減らしたい組織 | アジェンダやタスク管理は別のツールで行う必要がある |
| 会議運営統合型 | アジェンダ、資料、議事録、決定事項を一元管理 | 定例会議や経営会議が多く、会議後の宿題の追跡に課題がある組織 | 議事録作成機能の有無や精度はツールによって差がある |
| 商談記録型 | 商談や通話内容の要約、顧客管理ツールへの登録、話し方の分析 | オンライン商談や電話での商談が多い営業部門 | 録音について顧客への説明や同意の取り方を決めておく必要がある |
| 録音デバイス型 | 専用レコーダーで対面会議や外出先の会話を録る | 対面の打ち合わせや現場での聞き取りが多い業務 | 端末の紛失や持ち出しの管理ルールが必要 |
| セキュリティ重視型 | 社内環境での処理、学習への不使用、細かい権限設定 | 役員会議、人事・法務の会議、機密性の高い開発会議 | 導入や運用の費用が高くなりやすく、機能が絞られていることもある |
5タイプのうち、導入後の満足度に差が出やすいのが「議事録作成特化型」と「会議運営統合型」の選び分けです。議事録作成特化型は導入が手軽で、すぐに効果が見えやすい反面、決定事項の担当者や期限の管理は別の仕組みに頼ることになります。会議の数が多い組織ほど、「議事録は早くできたが、そこに書いた宿題が実行されていない」という状態になりやすく、その場合は会議運営統合型のほうが根本的な改善につながります。
業種別に見ると、IT企業の開発チームのように短い定例会議が多い組織は議事録作成特化型、支店や拠点をまたいだ会議が多い企業は会議運営統合型、法律事務所や会計事務所のように顧客の機密情報を扱う士業ではセキュリティ重視型、という選び方が一つの目安になります。複数の部署で使い方が大きく違う場合は、全社で1つに統一するよりも、部署ごとに適したタイプを選び、保存場所と権限のルールだけを共通化する方法も検討できます。
営業部門の場合は、商談記録型の中でも「オンライン商談の録画を取り込むもの」と「電話の通話そのものを記録するもの」で、確認する点が変わります。電話が主な連絡手段の営業チームでは、通話後のメモ入力に追われるほど顧客対応に使える時間が減るため、通話の文字起こしと要約、顧客管理ツールへの自動記録に対応しているかが、選ぶときの中心の観点になります。
MiiTel Phone
商談の電話のあと、メモの入力や共有に時間を取られていませんか?
こんな会社に向いています
電話での商談が多く、通話内容を記録に残したい会社
通話の記録をSFAやCRMに残して共有したい会社
セキュリティ・情報管理の注意点
AI議事録ツールには会議の音声とその内容がそのまま蓄積されるため、導入前に「データがどこに保存され、誰が見られ、AIの学習に使われるか」を確認することが欠かせません。会議では、取引先の情報、人事評価、未発表の製品計画など、社外に出てはいけない情報が話されることが少なくありません。
経済産業省と総務省が取りまとめた「AI事業者ガイドライン」(2026年10月時点の最新版は第1.2版)では、AIを業務で使う事業者(AI利用者)にも、プライバシーの保護やセキュリティの確保、適切な情報管理への配慮が求められています。AI議事録ツールに当てはめると、確認すべき点は次のように整理できます。
| 確認項目 | 具体的に見るところ | 社内で決めておくこと |
|---|---|---|
| 学習への利用 | 音声やテキストがAIモデルの学習に使われるか、使わない設定にできるか | 学習に使われる設定のツールは機密会議で使わない |
| 保存場所と期間 | データを保存する国や地域、保存期間、削除の方法 | 録音データを何日で削除し、テキストだけを残すかを決める |
| アクセス権限 | 会議ごと、部署ごとに閲覧できる人を制限できるか、操作の記録が残るか | 役員会議や人事の会議は閲覧者を限定する |
| 認証・暗号化 | 多要素認証やシングルサインオン、通信と保存データの暗号化、第三者認証の取得状況 | 退職者や異動者のアカウントを停止する手順を決める |
| 参加者への説明 | 録音していることを参加者にどう伝えるか | 社外の参加者がいる会議や電話では、冒頭で録音と利用目的を伝える |
特に社外の参加者がいる会議や、顧客との電話・商談では、録音していることを事前に伝えることが信頼関係の面でも重要です。会話の中に個人に関する情報が含まれる場合は、個人情報保護法に基づく取り扱いの検討が必要になることもあります。どのような説明や同意が必要かは会議の内容や相手によって異なるため、社内の法務担当者や専門家に確認したうえで運用ルールを決めてください。
なお、本記事の法令やガイドラインに関する記述は一般的な情報提供を目的としたもので、法的助言ではありません。個別の判断は、最新の法令・ガイドラインや専門家の意見をもとに行ってください。
導入でよくある失敗パターン4つ
AI議事録ツールの導入でつまずく原因は、ツールの性能よりも「使い方のルールが決まっていないこと」にある場合がほとんどです。よくある4つの失敗と、その対策を導入前と導入後で比べると次のとおりです。
| 失敗パターン | Before(よくある状態) | After(対策後) |
|---|---|---|
| 1. AIの出力をそのまま配布する | 要約をそのまま共有し、数字や固有名詞の誤りが後から見つかる | 数字・日付・担当者名・決定事項だけは記録係が確認してから配布する |
| 2. 録音環境を整えない | 会議室のノートPCのマイクで録音し、離れた席の発言が拾えない | 会議室用マイクを置く、発言が重なったら言い直すなど最低限のルールを決める |
| 3. 議事録の置き場所がばらばら | 個人のアカウントに議事録がたまり、後から探せない | 会議の種類ごとに保存先と命名ルールを決め、共有フォルダや業務で使っている管理ツールに集約する |
| 4. 決定事項が実行されない | 議事録は早くできても、宿題の担当者と期限があいまいなまま | 会議の最後に決定事項を読み上げ、担当者と期限を添えて議事録の先頭にまとめ、次の会議で進捗を確認する |
4つのうち、見落とされやすいのが4番目です。AI議事録ツールは会議の内容を記録するのは得意ですが、記録された決定事項が実際に実行されたかどうかまでは追いかけません。議事録作成の時間が短くなったのに会議の成果が変わらないと感じたら、会議のあとの流れ、つまり決定事項をタスクとして管理し、次の会議で進捗を確認する仕組みがあるかを見直すことが大切です。
また、1番目の失敗は、ツールへの信頼が高まるほど起こりやすくなります。導入直後は丁寧に確認していても、慣れてくると確認が省かれがちです。「確認した人の名前を議事録の末尾に書く」といった簡単なルールを設けておくと、確認の習慣が続きやすくなります。
3番目の置き場所の問題は、電話の記録でも同じように起こります。通話後のメモが営業担当者の手元のメモやチャットに散らばると、担当者が替わったときに顧客とのやり取りをたどれません。通話の記録を顧客管理ツールに一本化するルールを、会議の議事録と同じ考え方で決めておくと、引き継ぎで困りにくくなります。
業務効率化の効果をどう確認するか
AI議事録ツールの効果は、「議事録作成にかかる時間」と「議事録が共有されるまでの時間」の2つを、導入前後で比べると確認しやすくなります。感覚的に「楽になった」と感じるだけでは、費用に見合っているかを社内で説明できません。
効果を測るときは、導入前に2週間から1か月ほど、会議の数、1回あたりの議事録作成時間、会議終了から共有までの日数を記録しておきます。導入後も同じ項目を同じ期間記録し、差を比べます。あわせて、議事録の修正にかかった時間も記録しておくと、「作成時間は減ったが確認時間が増えた」といった実態も見えてきます。
目安をつかむために、会議の数と作成時間から削減できる時間を概算してみましょう。以下は仮の数値を入力して計算する簡易シミュレーターで、実際の効果は会議の内容や運用によって変わります。
議事録作成の削減時間を試算(簡易計算)
月あたりの削減時間の目安:14.0時間
年間の削減時間の目安:168時間
入力値から機械的に計算した概算です。録音環境や会議の内容、確認の運用によって実際の効果は変わります。
試算で注目したいのは、確認・修正に残る時間の割合です。この割合は、録音環境や専門用語の多さ、要約テンプレートの作り込みによって大きく変わります。導入直後は割合が高くても、辞書登録やテンプレートの調整を続けると下がっていくことが多いため、1か月ごとに記録を見直し、改善の余地がどこにあるかを確認するとよいでしょう。
総務省の令和7年版情報通信白書では、「メールや議事録、資料作成等の補助」に生成AIを業務で使用していると回答した日本企業の割合は47.3%(2024年度調査)で、他国と比べると低い水準にとどまるとされています。議事録は生成AIを業務に取り入れやすい用途の一つであり、時間の削減を数字で示しやすいため、社内でAI活用を広げる最初の取り組みとして、測定の仕組みも含めて導入すると次の展開につなげやすくなります。
電話での商談が多い部署では、会議の議事録だけでなく、通話後のメモ入力にかかる時間も同じ方法で測れます。通話ごとにメモの入力へ何分かかっているかを2週間ほど記録し、通話の文字起こしと要約で置き換えた場合にどこまで減らせるかを比べてみてください。Sansan株式会社のMiiTel導入事例では、導入後は通話記録のURLと重要な点を2、3点書き残すだけで済むようになり、1商談あたり10分以上の時間短縮につながったと紹介されています。ただし、これは1社の事例であり、効果は通話の件数や運用によって変わります。通話の議事録生成やSFA/CRM連携で自社の入力と共有の手間をどこまで減らせるかは、MiiTel Phoneのサービス詳細で確認できます。
通話後のメモ入力と共有の手間を見直したいなら
MiiTel Phoneのサービス詳細を見るよくある質問(FAQ)
Q1. AI議事録ツールとは何ですか?
A. 会議や通話の音声をAIが自動で文字起こしし、要約や決定事項の抽出までを支援するツールです。音声認識で会話をテキストにし、生成AIで要点を整理する2段階の仕組みで動いています。
Q2. AI議事録ツールはどのように選べばよいですか?
A. 文字起こしの精度、話者分離、要約の機能、連携、情報管理の5つの観点で比べるのが基本です。そのうえで、議事録作成特化型、会議運営統合型、商談記録型、録音デバイス型、セキュリティ重視型のどれが自社の使い方に合うかを決めると候補を絞り込めます。
Q3. ChatGPTやGoogleのAIで、議事録を無料で作れますか?
A. 文字起こし済みのテキストを要約させる使い方なら試せますが、録音からの自動作成は提供元の条件に左右されます。公式ヘルプ(2026年10月15日時点)では、ChatGPTの録音機能はPlus以上などの対象プランとMacのデスクトップアプリに限られ、Google Meetの自動メモ生成は対象のWorkspaceエディションなどが必要です。最新の条件は各公式ヘルプで確認してください。
Q4. AI議事録ツールの料金はどのくらいですか?
A. 月額の固定制、利用時間に応じた従量制、利用人数に応じた変動制など、ツールによって料金体系が異なり、無料プランや無料トライアルを用意しているものもあります。具体的な金額はプランや時期によって変わるため、月あたりの会議時間と利用人数を整理したうえで、資料や公式サイトで基本料金とオプション料金の内訳を確認してください。
Q5. AI議事録ツールは安全ですか?会議の録音データがAIの学習に使われることはありますか?
A. 安全性はツールや契約プランによって異なります。利用規約やセキュリティ資料で、学習への利用の有無と使わない設定ができるか、保存場所と期間、アクセス権限を確認してください。機密性の高い会議では、学習に使われない設定のツールを選び、参加者に録音していることを伝える運用が基本です。
Q6. 中小企業でもAI議事録ツールを導入する価値はありますか?
A. 会議や通話の記録に時間がかかっているなら、少人数の会社でも検討する価値はあります。専任の情報システム担当者がいない場合は、1つの会議で2週間ほど試し、作成時間の変化と確認事項を記録してから広げると進めやすくなります。月あたりの会議時間と利用人数に合う料金体系かも、あわせて確認してください。
まとめ
AI議事録ツールは、会議や通話の記録にかかる時間を減らす有効な手段ですが、成果を出すには選び方と運用ルールの両方が欠かせません。本記事のポイントを5つに整理します。
- AI議事録は音声認識と生成AIによる要約の2段階で動くため、どの段階で誤りが起きているかを切り分けて確認する
- 記録したい会話をWeb会議、対面、電話の3つの経路に分け、ChatGPTやGoogleの無料機能で足りるかを確認したうえで、足りない部分を専用ツールで補う
- 精度、話者分離、要約の機能、連携、情報管理の5つの観点で、自社の実際の会議を使って試し、5つのタイプから一番重視する使い方に合うものを選ぶ
- AI事業者ガイドラインの観点も踏まえ、学習への利用、保存場所、アクセス権限、参加者への説明を導入前に確認する
- 電話や商談の記録が多い場合は、通話の議事録生成とSFA/CRM連携を備えたMiiTel Phoneのようなサービスの資料を取り寄せ、自社の運用に合うかを検討する
議事録を早く作ることはゴールではなく、会議や商談で決めたことを確実に実行するための手段です。記録の自動化と運用ルールの整備を組み合わせて、会議と商談の成果そのものを高めていきましょう。
参考文献
- 経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/ai_shakai_jisso/20260331_report.html
- 総務省「令和7年版 情報通信白書 企業におけるAI利用の現状」https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/html/nd112220.html
- OpenAI ヘルプセンター「ChatGPT Record」https://help.openai.com/en/articles/11487532-chatgpt-record
- Google Meet ヘルプ「Google Meet の自動メモ生成」https://support.google.com/meet/answer/14754931?hl=ja
- Google ドキュメント エディタ ヘルプ「音声で入力、編集する」https://support.google.com/docs/answer/4492226?hl=ja
- 株式会社RevComm「MiiTel Phone」https://miitel.com/jp/service/phone/
- MiiTel 導入事例「60名のインサイドセールスでSansan事業を支える 200超アカウントのMiiTelの使い倒し方」https://miitel.com/jp/case/1783/