AIペットとは?介護・保育・小売で活用する3類型と業務導入5観点
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- AIペットでできることと、代表的な製品の特徴がわかる
- デメリットと、買い切り型・月額型の費用の違いがわかる
- 介護・保育・小売での使い方と、導入の失敗を防ぐ5観点がわかる
AIペットとは、AIやセンサーを搭載し、人の声や触れ方に反応して動いたり鳴いたりするペット型のロボットで、ペットロボットとも呼ばれます。世話のいらないペットとして家庭で楽しまれるだけでなく、介護施設でのレクリエーション、保育・見守りの現場、店舗での体験づくりなど、業務の場でも使われています。
業務で導入する場合は、誰が世話をし、どう効果を確かめるかまで決めておかないと、数か月で棚にしまわれてしまうこともあります。この記事では、できること、代表的な製品の特徴、デメリットと費用の考え方、介護・保育・小売での使い方、導入の失敗と5つの観点を整理します。
あなたの現場でAIペットを活かす、最初の一手を診断
Q1. AIペットを使う(使いたい)のは、どの現場ですか?
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AIペット・ペットロボットとは|できることと3つのタイプ
AIペットとは、カメラやマイク、タッチセンサーで人の働きかけを感じ取り、AIが反応を決めて動きや音で返すペット型のロボットです。
できることは製品によって異なり、触れると鳴いたり動いたりする、呼びかけに反応する、話しかけに言葉で答える、の3つが中心です。目的は、癒やし、会話のきっかけづくり、来店者への体験の提供などです。ロボット全般の定義や業種別の事例は、AIロボットとは|定義・業種別活用事例・AI事業者ガイドライン対応で整理しています。
| タイプ | 主な特徴 | 向いている場面 | 留意点 |
|---|---|---|---|
| 自律移動型 | 車輪や脚で動き回り、顔や声を覚えて近寄ってくる | 共有スペースでのレクリエーション、店舗での体験 | 本体価格や月額費用が高めで、転倒やつまずきへの配慮が必要 |
| 抱っこ・ぬいぐるみ型 | なでると鳴く、しっぽを振るなど触れ合いに反応する | 居室や少人数での触れ合い、認知症ケア | 布や毛の部分の清掃・消毒の手順を決めておく必要がある |
| 会話型 | 音声認識で話しかけに答え、声かけや見守りにも使える | 一人で過ごす時間の話し相手、見守りの補助 | 騒がしい場所では音声を聞き取りにくく、会話がかみ合わないことがある |
どのタイプでも、AIペットが職員の代わりになるわけではありません。触れ合いのきっかけはAIペットがつくっても、声かけや様子の確認、記録は職員が担います。人手に余裕がないまま導入すると「置いてあるだけ」になりやすいため、職員の時間の確保が課題なら、勤怠やシフトの管理を見直すことも対策のひとつです。勤怠管理システム2つの役割の違いは、次の表で確認できます。
AIペットに関わる職員の時間を確保する、勤怠管理システム2つの役割の違い
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:ジンジャー勤怠。GPS打刻に対応したスマートフォンアプリがあり、訪問看護師やホームヘルパーにも向くと商品ページで紹介されています。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:カオナビ勤怠。シフト表の作成と、人員が不足している日の募集をシステム上で行えます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:ジンジャー勤怠。英語やベトナム語など多言語での表示に対応しています。
資料を無料ダウンロード| サービス | ジンジャー勤怠 |
カオナビ勤怠 |
|---|---|---|
| 向いている会社 | シフトの人員の過不足を一目で把握したい施設。訪問系など外出の多い職員や、外国人職員がいる事業所 | 人員が不足する日の募集を含めてシフトを整えたい施設。業務にかかった時間を工数として記録したい事業所 |
| 特徴 | 時間帯ごとの必要人数の表示とシフト未提出のアラート。GPS打刻に対応したスマートフォンアプリ。英語・ベトナム語など多言語に対応 | シフト表の作成と人員不足日の募集。打刻漏れや残業超過のアラート。業務の時間と人件費から工数を算出する工数管理 |
| 注意したい点 | サポートの内容は加入するサポートプランによって異なる。勤怠管理以外の機能の一部はオプション料金が発生する場合がある | タブレット端末では一部のタッチ操作に未対応で、スマートフォンアプリの動作保証はサポート対象外。プランは用途に応じて選ぶ |
| 資料・詳細 |
2サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
AIペットの声かけや充電、清掃を、シフトの中に位置づけたい介護施設の場合の一例が、jinjer株式会社が提供する「ジンジャー勤怠」です。商品ページによると、時間帯ごとに必要な人数を表示して人員の過不足を一目で把握でき、シフトの未提出者にはアラートを出せます。スマートフォンアプリはGPS打刻に対応し、外出の多い職員の勤怠にも使えます。注意点として、サポートの内容は加入するプランによって異なります。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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気になる…
- スマホアプリだと申請や修正画面がわかりにくい
-
別のアプリでは、紙で申請するものもあったが、ジンジャーは申請の種類が多く、打刻関連だけでなく、休暇申請や交通費の申請まで、いろいろな申請ができ、社外でも好きなときに申請ができて、とてもよかった。
-
打刻の漏れや修正についての対応漏れが減った(対応率が向上した)また管理職としてメンバーの勤怠管理が容易になった。管理部門側での対応負荷も減ったようで業務時間が減少、効率化が実現できたため導入満足度は高かった
-
以前は1台のパソコンでしか作業ができず、作業待ちが発生していましたが、クラウド型のジンジャー勤怠を導入したことで、場所を問わず複数人が同時にアクセス・作業できるようになりました。業務効率が大きく向上しました。
業務の効率化を進めることで、職員がより重要な業務、特に高齢者や障がい者など施設利用者への支援に集中できる環境を整えたいと考えていました。
出典:jinjer株式会社のプレスリリース「社会福祉法人 西春日井福祉会の導入について」(PR TIMES、2024年11月26日)
なお、この事例はジンジャー勤怠単体ではなく、ジンジャーの人事労務や給与などの導入事例です。
代表的なAIペット・ペットロボットの特徴|公式サイトで確認した内容
代表的なAIペットは、タイプによって得意なことが異なります。ここでは各製品の公式サイトで確認できた特徴だけを整理します。価格や販売状況は変わるため、最新の情報は各公式サイトで確認してください。
| 製品 | 提供元 | タイプ | 公式サイトで確認できた特徴 |
|---|---|---|---|
| PARO(パロ) | 産業技術総合研究所(AIST)が開発 | 抱っこ・ぬいぐるみ型 | アザラシ型。生きた動物を扱うのが難しい病院や介護施設で、動物療法に近い効果を目指して作られた。ギネス世界記録に認定されたセラピーロボットとして紹介されている |
| Moflin(モフリン) | カシオ計算機 | 抱っこ・ぬいぐるみ型 | 手のひらサイズ。話しかける人を飼い主として認識し、触れ合いから好むしぐさを覚えて自発的に行うようになる。専用アプリ「MofLife」は無料。有料会員サービス「Club Moflin」がある |
| LOVOT(らぼっと) | GROOVE X | 自律移動型 | 自分で走行し、タッチや距離などのセンサーとカメラを搭載。充電ステーションに自分で戻る。法人向けの窓口や、事業者向けの無料トライアルの案内がある |
| aibo(アイボ) | ソニー | 自律移動型 | 犬のようなペットロボット。呼びかけに駆け寄る、触れ合いを喜ぶ、日々成長して個性を身につけると説明されている。公式サイトにはERS-1000シリーズの販売終了が案内されている |
| Romi(ロミィ) | MIXI(2021年の発売時は株式会社ミクシィ) | 会話型 | 話の流れや季節、天気、時間帯を踏まえて、会話AIがその場で返答を生成する。定型文を選ぶ方式ではないと公式に説明されている |
タイプで絞り込むときの考え方
利用者の気持ちを落ち着けたい場面では抱っこ・ぬいぐるみ型、人が集まる共有スペースで注目を集めたい場面では自律移動型、話し相手や声かけの補助が目的なら会話型が候補になります。会話型は、業務の問い合わせ対応などに使うAIチャットボットとは仕組みも用途も異なります。後者はAIチャットボットを業務に導入する実務ガイド|顧客対応・社内ヘルプ・FAQ自動化で解説しています。
犬のようなペットを探している場合は、自律移動型のaiboが候補になります。ただし、公式サイトにはERS-1000シリーズの販売終了が案内されているため、購入や利用を検討するときは、最新の販売状況と修理・サポートの扱いを公式サイトで確認してください。
介護分野での活用|孤独感軽減と認知機能維持
介護分野では、AIペットは主に「利用者の気持ちを落ち着かせる」「会話や交流のきっかけをつくる」という2つの目的で使われています。動物と触れ合うアニマルセラピーに近い体験を、アレルギーや感染症、世話の負担を気にせずに提供できることが、施設にとっての大きな利点です。
孤独感の軽減とコミュニケーションの促進
居室で一人で過ごす時間が長い利用者にとって、呼びかけに反応するAIペットは話しかける相手になります。また、共有スペースにAIペットを置くと「かわいいね」「名前は何ていうの」といった会話が利用者同士や職員との間で自然に生まれます。AIペットそのものより、AIペットをきっかけに人と人の会話が増えることに価値があると考えると、運用の方針を立てやすくなります。
認知症ケアでの使われ方
認知症の利用者が不安になったり落ち着かなくなったりしたときに、抱っこ型のAIペットを手渡して気持ちを落ち着けてもらう使い方があります。昔飼っていたペットの話が出てきて、回想のきっかけになることもあります。ただし、効果の出方は人によって大きく異なり、ロボットを嫌がる人や、本物の動物と思い込んで混乱する人もいます。無理に勧めず、本人の反応を見ながら使うことが前提です。
病院や介護施設での使われ方と、いつから使われているか
病院や介護施設でのAIペットの代表例が、アザラシ型のPAROです。PAROの公式サイトでは、生きた動物を扱うのが難しい病院や介護施設で動物療法に近い効果を目指すこと、患者とその介護者のストレスの軽減や、両者の交流の促進を期待できることが紹介されています(参考:PARO公式サイト)。同サイトによると、初代の設計は2003年から日本とヨーロッパで使われています。一方、カシオのMoflinは2024年11月7日の発売で、家庭向けの製品も含めてAIペットの選択肢は近年広がっています(参考:カシオ計算機のMoflin発表資料)。
国の介護テクノロジー施策との関係
厚生労働省と経済産業省は、ロボット技術の介護利用における重点分野を定め、介護ロボットの開発と導入を支援しています(参考:厚生労働省「介護ロボットの開発・普及の促進」)。このページで紹介されている報告書では、移乗、移動、排泄、見守り・コミュニケーションといった分野が扱われています。介護現場でのテクノロジー活用の情報は、日本医療研究開発機構(AMED)の委託事業として運営される介護テクノロジーポータルサイトで確認できます。導入を検討する際は、自治体の補助制度の対象になるかどうかもあわせて確認するとよいでしょう。
保育・見守り分野・小売分野での活用
AIペットは介護以外の現場でも使われています。分野によって目的と注意点が変わるため、介護分野と並べて比較します。
| 分野 | 主な目的 | 向いているタイプ | 主な注意点 |
|---|---|---|---|
| 介護 | 気持ちの安定、会話のきっかけづくり | 抱っこ型、会話型 | 本人の意思を尊重する、衛生管理、職員の関わり方 |
| 保育・見守り | 子どもの情緒面のケア、命の大切さを考えるきっかけ | 自律移動型、抱っこ型 | 乱暴な扱いによる破損、誤飲につながる小さな部品、撮影データの扱い |
| 小売・体験施設 | 集客、滞在時間の延長、購入前の体験 | 自律移動型、会話型 | 混雑時の安全確保、来店者を撮影する場合の告知 |
保育・見守りでの使い方
保育の現場では、AIペットを「クラスの仲間」として迎え、名前をつけたり順番に触れ合ったりする使い方があります。本物の動物を飼うことが難しい施設でも、生き物との関わり方を考える機会をつくれます。子どもは力の加減が難しいため、触ってよい場所や抱き方をルールとして伝え、職員の目の届く範囲で使うことが基本です。カメラを搭載した製品は、子どもの顔が撮影・保存されるかどうかを事前に確認し、保護者への説明も準備しておきましょう。
小売・体験施設での使い方
店舗や商業施設では、AIペットを入口や売り場に置いて来店者の足を止めるきっかけにしたり、ペット用品売り場で製品と一緒に展示したりする使い方があります。AIペット自体を販売する店舗では、実際に触れてもらう体験が購入の後押しになります。人が多い場所で動き回るタイプを使う場合は、動ける範囲を区切って転倒や接触を防ぎます。
AIペットのデメリットと費用の考え方
AIペットのデメリットは、本物の動物のような温かさや反応の幅に限りがあること、充電・清掃・修理の手間がかかること、販売終了やサービス終了で機能が使えなくなる可能性があることです。業務で使う場合は、あらかじめ対策を決めておくと失敗を防げます。
| デメリット | 起きること | 業務での対策 |
|---|---|---|
| 本物の代わりにならない | 反応が決まった範囲にとどまり、物足りなく感じる利用者もいる | 目的を「会話のきっかけづくり」に置き、本人の反応を見ながら使う |
| 世話の手間がかかる | 充電切れ、毛や布の汚れ、故障に気づかず使えない日が続く | 充電・清掃・不具合連絡の担当と手順を決める |
| 販売終了・サービス終了 | アプリやクラウドの機能、修理の受け付けが終わる可能性がある | 契約や購入の前に、保守とサポートの期間を確認する |
| データの扱い | カメラやマイクで取得した顔や声が保存・送信される場合がある | 利用規約を確認し、利用者や家族に説明できるようにする |
本物のペットの代わりになるか
AIペットは本物の動物と同じ存在ではありませんが、触れると反応する、呼びかけに答えるといった触れ合いの体験は得られます。アレルギーや感染症、世話の負担から動物を飼えない施設や家庭にとっては、代わりの選択肢になります。一方で、生き物としての温かさや予想外のふるまいは再現しきれないため、「本物の代わり」ではなく「触れ合いのきっかけをつくる道具」として位置づけると、期待と実際のずれを防げます。
費用の払い方と保守・サポートの確認
AIペットの費用は、本体を購入して使い続ける買い切り型と、本体とは別に月額の会員料金やサービス料がかかる月額型に大きく分かれます。たとえば、Moflinには修理や手入れの費用がお得になる有料会員サービス「Club Moflin」があります(参考:カシオ計算機のMoflin発表資料)。金額は製品やプランによって異なるため、公式サイトで確認してください。月額型はアップデートや修理の割引、修理中の代替機の貸し出しなどのサポートが含まれることがあり、複数の利用者が毎日触れる業務用途では安心材料になります。買い切り型は初期費用がわかりやすく予算を組みやすい反面、故障時の修理費が都度かかることがあります。本体の価格だけで比べず、数年間使った場合の総額とサポートの範囲で比較しましょう。
導入でよくある失敗パターン4つ
AIペットの業務導入でつまずく原因は、製品の性能より運用の決め方にあることがほとんどです。よくある失敗と改善策を、導入前後で比較します。
| 失敗パターン | よくある運用(Before) | 改善後の運用(After) |
|---|---|---|
| 1. 置いておくだけ | 共有スペースに置き、利用者が自由に触れるのを待つ | 使う時間帯と声かけする職員を決め、レクリエーションの予定に組み込む |
| 2. 管理担当がいない | 充電切れや故障に誰も気づかず、使えない日が続く | 充電・清掃・不具合連絡の担当と手順を決め、シフトに組み込む |
| 3. 使う場所が合わない | テレビの前など騒がしい場所で会話型を使い、反応しないと敬遠される | 試用期間に複数の場所で試し、反応が安定する場所を選ぶ |
| 4. 効果を記録しない | 「なんとなく好評」のまま、継続か解約かを判断できない | 利用回数や利用者の様子を簡単に記録し、定期的に振り返る |
4つの失敗のうち、1つ目と2つ目は「AIペットに関わる職員の時間が確保されていない」ことが根本の原因です。AIペットの世話や声かけは、既存の業務にそのまま上乗せすると後回しになりがちです。担当を決めてシフトに組み込み、勤務時間の中で無理なく回せるようにすることが、導入を定着させる近道になります。
担当を決めても、人員が足りない日には世話や声かけが真っ先に削られます。そうした日の調整を含めてシフトを整えたい場合の一例が、株式会社カオナビが提供する「カオナビ勤怠」です。商品ページによると、シフト表の作成と、人員が不足している日の募集をシステム上で行えます。業務にかかった時間と人件費から工数を算出する工数管理の機能もあり、AIペットの管理に使った時間を数字で振り返る場面にも使えます。注意点として、タブレット端末では一部のタッチ操作に対応しておらず、スマートフォンアプリでの動作保証はサポート対象外と案内されています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
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業務導入5観点
AIペットを業務で導入するときは、製品の機能だけでなく、目的から効果の確認までを一続きで考えることが大切です。次の5つの観点で整理すると、施設に合う製品と運用方法を絞り込みやすくなります。
| 観点 | 確認する内容 | 決めておかないと起きること |
|---|---|---|
| 1. 目的 | 癒やし、会話の促進、集客など、何のために使うか | 製品選びの基準がぶれ、効果も判断できない |
| 2. 対象者 | 誰に使ってもらうか、使いたくない人への配慮 | 嫌がる人に勧めてしまう、特定の人だけが独占する |
| 3. コスト | 本体価格、月額費用、保守・修理費、補助制度の有無 | 月額費用や修理費が想定を超え、途中で解約する |
| 4. 運用体制 | 充電・清掃・声かけの担当、使う時間と場所 | 管理が行き届かず、使われなくなる |
| 5. データと安全 | カメラ・マイクで取得するデータの扱い、転倒・誤飲への配慮 | 利用者や家族から不安の声が上がる、事故につながる |
とくに5つ目のデータの扱いは見落とされやすい観点です。カメラやマイクを搭載したAIペットは、利用者の顔や声を取得し、製品によってはクラウドに送信します。取得したデータが何に使われ、どこに保存されるのかを利用規約やプライバシーポリシーで確認し、利用者や家族に説明できるようにしておきましょう。経済産業省と総務省が公表しているAI事業者ガイドラインでも、AIを利用する事業者にはプライバシーへの配慮や、利用者への適切な情報提供が求められています(参考:経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」)。
製品の機能で見るポイント
製品を比べるときは、次の4点を確認すると違いが見えてきます。1つ目は会話の有無で、言葉で答える製品と、動きや鳴き声で反応する製品があります。2つ目は触れたときの反応で、センサーの数や反応の豊かさによって、触れ合いの印象が変わります。3つ目は自分で動き回るかどうかで、動く製品は共有スペースで目を引く一方、転倒への配慮が必要です。4つ目は充電の方法と稼働時間で、自分で充電台に戻る製品もあれば、職員が充電する製品もあります。
運用体制:世話と声かけを勤務時間に組み込む
ほとんどのAIペットは精密機械で水濡れに弱く、飲み物や食事のある場所、手洗い場の近くでの使用には注意が必要です。充電の方式、1回の充電で使える時間、毛や布の部分を取り外して洗えるかどうかは製品によって異なり、運用体制の負担に直結します。修理を依頼した場合の期間や、その間の代替手段も事前に確認しておくと、利用者を待たせずに済みます。こうした世話や声かけの時間は、職員の勤務時間の中に収めておかないと、残業や後回しの原因になります。
ジンジャー勤怠
AIペットの世話や声かけの時間が、勤務時間の中に収まっているか見えにくくありませんか?
こんな会社に向いています
時間帯ごとの必要人数を見ながら、シフトの人員の過不足を確認したい施設
残業時間の超過や打刻漏れを、アラートで知らせたい事業所
レンタルや試用で確かめる
いきなり購入するのではなく、レンタルや試用期間、店頭での体験を活用して、実際の利用者の反応や使う場所との相性を確かめてから本格導入すると失敗を防げます。法人向けに無料トライアルの窓口を案内している製品もあるため、公式サイトで確認してください。
効果をどう確認するか
AIペットの効果は数字で表しにくいため、「好評だった」という印象だけで継続を判断しがちです。導入前に確認する指標を決め、簡単な記録を続けることで、継続・増台・解約を根拠をもって判断できるようになります。
| 指標の種類 | 記録の例 | 記録のコツ |
|---|---|---|
| 利用状況 | 1日の利用回数、利用した人数、稼働していた時間 | アプリで利用履歴を確認できる製品なら活用する |
| 利用者の様子 | 表情や発言の変化、落ち着かない様子が見られた回数 | 普段の介護記録に一言添える程度にして負担を増やさない |
| 職員の負担 | 管理にかかった時間、声かけに使えた時間 | 勤怠やシフトの記録とあわせて振り返る |
| 来店・集客(小売) | 設置場所の前で立ち止まった人数、関連商品の売上 | 設置前の同じ期間と比べる |
記録は3か月程度を一区切りに振り返ると、季節や行事の影響を均しながら傾向をつかみやすくなります。介護施設では、利用者の様子と同じくらい「職員がAIペットに関わる時間を確保できたか」が重要な指標です。管理や声かけの時間が取れていなければ、効果が出ない原因は製品ではなく人員配置にあるかもしれません。管理にかかった時間を業務ごとの工数として記録できる仕組みがあると、こうした振り返りもしやすくなります。
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よくある質問(FAQ)
Q1. AIペットとペットロボットに違いはありますか?
A. ほぼ同じ意味で使われています。ペット型のロボットのうち、AIで人の顔や声を認識し、反応を変えたり学習したりする製品を特にAIペットと呼ぶことが多く、コミュニケーションロボットと呼ばれることもあります。
Q2. AIペットのデメリットは何ですか?
A. 本物の動物のような温かさや反応の幅に限りがあること、充電・清掃・修理の手間がかかること、販売終了やサービス終了で機能が使えなくなる可能性があること、カメラやマイクで取得するデータの扱いに注意が必要なことです。業務で使う場合は、担当と手順を決め、保守の期間とデータの扱いを契約前に確認します。
Q3. AIペットの維持費はいくらですか?
A. 金額は製品やプランによって異なるため、各社の公式サイトで確認が必要です。費用は、本体の購入費に加えて、月額の会員料金や保守・修理費がかかるかどうかで変わります。買い切り型と月額型があり、数年間使った場合の総額とサポートの範囲で比べると判断しやすくなります。
Q4. 犬のAIペットはありますか?
A. ソニーのaiboは、犬のようなペットロボットです。公式サイトでは、呼びかけに駆け寄る、触れ合いを喜ぶ、日々成長して個性を身につけると説明されています。ただし、公式サイトにはERS-1000シリーズの販売終了が案内されているため、検討するときは最新の販売状況とサポートを確認してください。
Q5. 無料で使えるAIペットアプリはありますか?
A. Moflinの専用アプリ「MofLife」は無料と公式に案内されていますが、Moflin本体の状態を確認するためのアプリです。スマートフォンのアプリで遊べるAIペットもありますが、無料かどうかや機能はアプリごとに異なります。業務で使う場合は、利用規約とデータの扱いを確認し、利用者や家族に説明できる状態にしておきましょう。
Q6. 業務用に導入する場合、何から検討すればよいですか?
A. まず目的と対象者を決め、次にコスト、運用体制、データと安全の順で確認すると整理しやすくなります。充電・清掃・声かけの時間を職員のシフトの中で確保できるかも早めに確かめ、レンタルや試用期間で利用者の反応や使う場所との相性を見てから本格導入すると失敗を防げます。
まとめ
AIペットは、介護施設でのコミュニケーション支援をはじめ、保育や小売の現場でも活用が広がっています。業務で導入する際は、次の5点を押さえておきましょう。
- 自律移動型・抱っこ型・会話型の特徴を理解し、目的と使う場所に合うタイプを選ぶ
- デメリットと、買い切り型・月額型の費用の違いを、公式サイトで確認してから選ぶ
- 目的、対象者、コスト、運用体制、データと安全の5観点で導入を検討する
- 充電・清掃・声かけの担当を決め、職員がAIペットに関わる時間をシフトの中で確保するために、勤怠管理システムの資料を取り寄せて比べる
- 利用状況や利用者の様子を記録し、効果を定期的に振り返る
AIペットは置くだけで効果が出る道具ではなく、職員の関わりがあってこそ力を発揮します。導入を機に、施設の運営体制もあわせて見直してみてください。
参考文献
- 厚生労働省「介護ロボットの開発・普及の促進」、2026年10月15日確認
- 日本医療研究開発機構(AMED)ほか「介護テクノロジーポータルサイト」、2026年10月15日確認
- 経済産業省「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」、2026年10月15日確認
- PARO公式サイト、2026年10月15日確認
- カシオ計算機「Moflin発表資料」、2026年10月15日確認
- GROOVE X「LOVOT公式サイト」、2026年10月15日確認
- ソニー「aibo公式サイト」、2026年10月15日確認
- ミクシィ「Romiに関するお知らせ」、2026年10月15日確認
- jinjer株式会社「西春日井福祉会、「ジンジャー」の導入により勤怠管理・給与計算業務における業務効率化や属人化の解消を推進」(PR TIMES)、2026年10月15日確認

