DX認定・DX補助金・DX加算・DX検定の4制度を1枚で整理|申請の流れと使い分け
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- DX認定(経産省・企業)/DX加算(厚労省・医療介護)/DX補助金(中小企業庁・中小企業)/DX検定(民間検定協会・個人)は所管も対象も別
- 2026年度(令和7年度補正予算事業)から「IT導入補助金」が「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更
- 2026年度診療報酬改定で「医療DX推進体制整備加算」「医療情報取得加算」が廃止され「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設
DX推進を後押しする公的制度は、「DX認定」「DX補助金」「DX加算」「DX検定」の4本柱で整理できます。それぞれ所管省庁も対象も異なるため、自社にどの制度が使えるかを最初に俯瞰しておくことが重要です。本記事では、個人事業主・中小企業・中堅大企業の3つの規模に共通する判断軸で、4制度の概要と申請の入り口、相互の関係を整理します。DXそのものの定義から確認したい場合は、ピラー記事DXとはをあわせてご覧ください。
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DXに関わる公的制度の全体像(4本柱マップ)
DXに関わる公的制度は、所管省庁・対象事業者・支援の仕組みが異なる「4本柱」で整理できます。経済産業省が運営する「DX認定制度」、中小企業庁が運営する各種補助金(デジタル化・AI導入補助金ほか)、厚生労働省が運営する医療・介護分野のDX関連加算、そして民間検定協会や独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が運営するDX関連の資格・検定です。同じ「DX」という言葉が付いていても、それぞれ別制度であり、対象も申請プロセスも異なります。
4制度の関係を整理すると、「企業全体を対象にした認定(DX認定)」「投資費用を支える補助金(DX補助金)」「個別業種の業務評価に組み込まれた加算(DX加算)」「個人のスキルを認定する検定・資格(DX検定)」と、それぞれ役割が補完関係になっています。自社で取り組む順番を決めるとすれば、まず企業向けの「DX認定」と「DX補助金」を入り口に置き、業種が医療・介護であれば「DX加算」を、人材育成として「DX検定」を、それぞれ連動させて活用するのが標準的な動線です。
DX認定制度(経済産業省)
DX認定制度は、情報処理の促進に関する法律第28条に基づき、経済産業省が運営する企業認定の仕組みです。デジタル技術を活用した経営ビジョン・戦略・体制が一定の基準を満たしている事業者を、国が認定します。2024年12月以降は、改訂された「デジタルガバナンス・コード3.0」の新基準に基づく運用が始まっています。
申請対象と認定基準の柱
申請対象は、規模・業種を問わずすべての事業者です。個人事業主から大企業まで申請でき、上場・非上場の別も問いません。認定基準は、デジタルガバナンス・コード3.0の「基本的事項」に沿って、(1)ビジョン・戦略の策定と公表、(2)戦略を実現する体制・組織、(3)ITシステム・デジタル技術活用の方針、(4)情報セキュリティの確保、(5)ステークホルダーへの情報開示の5つの柱で構成されています。
取得後に活用できる支援措置
DX認定を取得した事業者は、複数の支援措置を活用できます。経済産業省が公表している主な内容は次のとおりです。
| 支援措置 | 内容 |
|---|---|
| 人材開発支援助成金(人への投資促進コース) | 高度デジタル人材訓練の対象事業主要件を満たし、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部について助成対象になる |
| ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | 申請時に加点対象となる |
| DX銘柄/DXセレクション | 上場企業はDX銘柄選定の必須要件、中堅・中小はDXセレクションへの自薦応募が可能 |
| 認定ロゴマーク | 自社サイト・名刺等で「DXに取り組んでいる企業」であることを社内外にPRできる |
認定は約2年ごとの更新制で、申請にはDX推進ポータルでの手続きとgBizIDプライムが必要です。最新の申請要項は経済産業省のDX認定制度ページで確認してください。
DXに使える補助金(中小企業庁ほか)
DX推進に活用できる補助金は複数あり、中核となるのが中小企業庁が所管する「デジタル化・AI導入補助金」です。これは2025年度まで「IT導入補助金」と呼ばれていた制度で、令和7年度補正予算事業から名称が変更されました。労働生産性の向上を目的に、AIを含むITツール(ソフトウェア・サービス等)の導入を支援する仕組みです。
DX推進で活用できる主な補助金
| 制度名 | 所管 | 主な対象 |
|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金) | 中小企業庁 | 中小企業・小規模事業者のITツール・AIツール導入費用 |
| ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金 | 中小企業庁 | 設備投資・DX対応の生産プロセス改善(DX認定で加点) |
| 新事業進出補助金(旧 事業再構築補助金 後継) | 中小企業庁 | 中小企業の新分野進出・ビジネスモデル転換 |
| 中小企業省力化投資補助金 | 中小企業庁 | カタログ型/一般型での省力化設備導入 |
申請に必要なものと公募サイクル
デジタル化・AI導入補助金の申請には、gBizIDプライムの取得とIT導入支援事業者(補助金事務局に登録されたベンダー等)との連携が必要です。公募は通常、年複数回に分けて行われ、申請受付期間は数週間単位で区切られます。公募回が後半になるほど予算の残枠が少なくなる傾向があるため、計画的に準備を進めることが推奨されます。最新の公募スケジュールは、補助金事務局の事業スケジュールページで必ず確認してください。
医療・介護DXに関わる加算(厚生労働省)
医療・介護分野では、診療報酬・介護報酬の中に「DX関連の加算」が組み込まれています。2026年度(令和8年度)の診療報酬改定では、医療DXに関する加算体系が大幅に再編されました。具体的には、従来の「医療DX推進体制整備加算」と「医療情報取得加算」が廃止され、新たに「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設されています。
2026年度改定での主な変更点
厚生労働省の「令和8年度診療報酬改定について」に基づくと、医療DXに関する評価軸は「体制を整えること」から「実際に活用すること」へとシフトしています。マイナ保険証の利用実績、電子処方箋の運用、電子カルテ情報共有サービスへの参加状況などが、加算の算定区分に直接影響する形に再設計されました。介護報酬の側でも、科学的介護情報システム(LIFE)の活用を評価する加算が継続的に運用されています。
具体的な点数・要件は厚労省告示で必ず確認
医療・介護DXの加算は、診療報酬は2年ごと、介護報酬は3年ごとに改定されます。本記事公開時点の制度名と概要は上記のとおりですが、具体的な点数・施設基準・算定要件は、厚生労働省の最新告示・通知・疑義解釈で必ず確認してください。医療機関・介護事業所の経営判断は、本記事の概要把握のみで進めず、所管省庁の一次情報と各都道府県の運用通知を必ず参照する必要があります。
DX検定・資格制度(民間検定・国家試験)
DXに関わる検定・資格は、ここまでの3制度(DX認定/DX補助金/DX加算)と性格が異なり、「個人のスキルを認定する仕組み」です。企業認定であるDX認定が「組織」を対象にするのに対して、DX検定・資格は「人」を対象にします。
主なDX関連の検定・資格
| 検定・資格 | 運営 | 位置づけ |
|---|---|---|
| iパスポート(情報処理推進機構) | IPA(独立行政法人) | 国家試験。ITの基礎知識を網羅し、DX領域も出題範囲に含む |
| DX検定 | DX検定協会 | 民間検定。DX領域の知識・スキルを評価 |
| DXビジネス検定 | DX検定協会 | 民間検定。ビジネス側からのDX理解を評価 |
採用・人事の側面では、企業のDX認定取得(組織)と従業員のDX関連資格取得(個人)の両輪が、DX人材育成の標準的な動線になっています。検定・資格の詳細(試験範囲・受験料・難易度・キャリア活用例)は、別記事「DXビジネス検定・DX資格」で詳しく扱います。
4制度を活用する判断ツリー
4制度をどう活用するかは、自社の規模・業種・現在のDX成熟度によって変わります。中小企業の標準的な動線としては、まずDX推進指標で自己診断を行い、その結果をもとにDX認定の申請を検討し、認定取得後にデジタル化・AI導入補助金やものづくり補助金へ進む流れが現実的です。医療・介護事業者であれば、これに加えて厚労省告示の最新内容を確認し、加算の算定要件を満たすシステム整備を進めます。並行して、従業員のスキル底上げにDX検定・iパスポート等を活用します。
個人事業主であれば、まずgBizIDプライムの取得とDX推進指標の自己診断から着手し、必要に応じてデジタル化・AI導入補助金を活用するのが入り口になります。中堅・大企業はDX認定を起点にDX銘柄・DXセレクションへの応募を視野に入れ、DX人材育成は組織的に展開する形が定着しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. DX認定を取らずに補助金は申請できますか?
A. はい、申請できます。デジタル化・AI導入補助金などの主要な補助金は、DX認定の取得を必須要件にしていません。ただし、ものづくり補助金など一部の制度では、DX認定取得事業者が加点対象になります。補助金の活用予定がある場合、認定取得を先行させることで採択の可能性を高められます。
Q2. DX加算とDX認定はまったく別の制度ですか?
A. はい、別制度です。DX加算は厚生労働省が運営する診療報酬・介護報酬の加算で、医療機関・介護事業所が対象です。DX認定は経済産業省が運営する企業認定で、業種や規模を問わずあらゆる事業者が対象になります。所管省庁も対象も異なります。
Q3. 個人事業主でもDX認定は申請できますか?
A. 申請可能です。DX認定制度は規模・業種を問わず、個人事業主から大企業まで申請できます。ただし、認定基準にはビジョン・戦略の「公表」が含まれているため、自社サイト等で対外発信できる体制があることが前提です。
Q4. DX補助金の名称変更で何が変わりましたか?
A. 2026年度(令和8年度)から「IT導入補助金」が「デジタル化・AI導入補助金」に名称変更されました。AI搭載ツールの導入支援が強化された点が大きな変更です。賃上げ要件の取り扱いなど採択条件の見直しも行われているため、申請時は最新の公募要領を必ず確認してください。
Q5. DX検定とDX認定の違いは何ですか?
A. 対象が異なります。DX検定は個人のスキルを認定する民間検定(運営はDX検定協会)です。DX認定は企業を対象にした国の認定(運営は経済産業省)です。個人がDX検定を取得しても、それは企業のDX認定取得にはつながりません。両者を併走させることで、組織と人材の両面でDX推進を進められます。
Q6. 医療DXの加算は2026年度でどう変わりましたか?
A. 2026年度(令和8年度)診療報酬改定で、「医療DX推進体制整備加算」と「医療情報取得加算」が廃止され、新たに「電子的診療情報連携体制整備加算」が新設されました。マイナ保険証の利用率・電子処方箋・電子カルテ情報共有サービスの参加状況などが評価軸になっています。具体的な点数・施設基準は厚生労働省の最新告示で必ず確認してください。
まとめ|今日からできる3つのこと
- 自社が当てはまる制度を「DX公的制度4本柱マップ」で1つに絞る(企業向け/医療介護向け/人材向けの軸で判断)
- 経済産業省の「DX推進指標」で自己診断を行い、自社の現在地と改善余地を可視化する
- 申請に必要なgBizIDプライムの取得から着手し、補助金事務局や経産省の最新公募・申請要項を確認する
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参考文献
- 経済産業省「DX認定制度(情報処理の促進に関する法律第二十八条に基づく認定制度)」2024年(取得日:2026-05-29)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-nintei/dx-nintei.html - 経済産業省「DX推進指標(DXの取組状況を診断する自己診断ツール)」2026年改訂(取得日:2026-05-29)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-shihyo.html - 経済産業省「DXセレクション(中堅・中小企業等のDX優良事例選定)」2026年(取得日:2026-05-29)
https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dx-selection/dx-selection.html - 中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領」2026年(取得日:2026-05-29)
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260310001.html - 中小企業庁「デジタル化・AI導入補助金(複数者連携デジタル化・AI導入枠)」2026年(取得日:2026-05-29)
https://www.chusho.meti.go.jp/shogyo/shogyo/hojyokin/it.html - 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「DX認定制度申請要項」2024年(取得日:2026-05-29)
https://www.ipa.go.jp/digital/dx-nintei/j5u9nn0000005hhp-att/dx-nintei-guidance.pdf
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