AI株とは?6つの業種レイヤーと3つの投資アプローチで全体像を整理

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  • AI株の範囲を3分類と6レイヤーで整理できる
  • 個別株・投資信託・指数連動の違いと始め方がわかる
  • 値動きのリスクと決算書で見分ける視点がわかる

AI株(AI関連株)とは、AIを開発する企業に加えて、AIを動かす半導体やデータセンター、AIを組み込んだソフトウェアやITサービスを提供する企業までを含めた株式の通称です。証券取引所が定めた正式な区分ではないため、同じAI株でも、範囲や値動きの理由は企業によって大きく異なります。この記事では、AI関連企業を3つの分類と業種別の6レイヤーで整理し、個別株・テーマ型投資信託・指数連動という3つの関わり方、始めるまでの流れ、値動きのリスク、決算書で企業を見比べる視点までを解説します。特定の銘柄や金融商品の売買を勧める記事ではありません。

AI株について、まず読むべきポイントを診断

Q1. AI株について、いま一番知りたいことはどれですか?

目次

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  1. AI株とは|AIとの関わり方で見る3つの分類
  2. AI投資・AI投資信託とは|4つの意味を区別する
  3. 業種別6レイヤーで見るAI関連株の広がり
  4. 3つのアプローチ(個別株・テーマ型投資信託・指数連動)の違い
  5. AI株・AI関連の投資信託を始めるまでの流れ
  6. AI株の値動きとリスク|よくある失敗と対策
  7. 決算書で見るAI関連企業のチェックポイント
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ
  10. 参考文献

AI株とは|AIとの関わり方で見る3つの分類

AI株とは、AIの開発・提供・活用によって業績が左右される企業の株式を指す通称です。証券取引所が定めた正式な区分ではないため、どこまでをAI株と呼ぶかは、証券会社や運用会社、メディアによって異なります。AIとの関わり方で見ると、次の3つに分けると整理しやすくなります。

分類 どんな企業か 業績への影響の出方
AIを支える企業(インフラ) AI向け半導体、製造装置、データセンター、電力・冷却設備などを提供する AIへの設備投資が増える局面で、受注や売上に早く表れやすい
AIをつくる企業(開発・提供) AIモデルやクラウド基盤、AIを組み込んだソフトウェアを開発・提供する 利用者数や契約数の伸びが売上につながるまでに時間差がある
AIを使う企業(活用) AIを自社の業務やサービスに取り入れ、効率化や新サービスにつなげる コスト削減や付加価値の向上として、中長期で表れることが多い

同じAI株でも値動きの理由が違うため、ニュースで「AI関連株が上昇」と報じられたときは、どの分類の企業が動いているのかを確認すると背景を理解しやすくなります。また、AI関連と紹介されていても、AI事業が売上に占める割合は企業ごとに大きく違います。話題性ではなく決算書の数字で見分ける方法は、後半の「決算書で見るAI関連企業のチェックポイント」で解説します。

この数字の読み方は、投資先を調べるときだけでなく、自社の経営を点検するときにもそのまま使えます。会社を経営している方や経理を担当している方は、売上の伸び、利益率、現金の動きを、自社でも毎月確認できているでしょうか。他社の決算書は読めても、自社の月次の数字が翌月の半ばにならないと出てこない、という会社は少なくありません。取引明細の入力や集計に時間を取られると、数字を読む時間が残らないためです。日々の取引明細を取り込んで仕訳の候補を作り、決算書やレポートを自動で作成できる会計ソフトがあれば、AI関連企業の決算を読むときと同じ物差しで、自社の状態を見られるようになります。

その一例が、株式会社マネーフォワードが提供するマネーフォワード クラウド会計です。商品ページによると、インターネットバンキングやクレジットカードなど2,400社以上の金融機関と連携して取引明細を取り込め、一度登録した仕訳の内容をAIが学習して勘定科目を提案します(使うほど提案の精度が上がります)。仕訳データを入力すると、決算書やキャッシュフローレポート、収益レポートが自動で作られ、経営状況を確認できます。注意したいのは、AIが誤った仕訳を学習する可能性があるため、入力内容の正確さが常に求められる点です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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  • 日々の仕訳入力が大幅に削減され、手作業で行っていた会計処理が8割ほど減りました。特に銀行連携による自動仕訳、確定申告、年末調整、社会保険や給与計算までの連携が非常に強力で、人的ミスや作業時間の大幅な削減につながっています。

  • 自動入力がとても便利だと感じています。マネーフォワード給与やマネーフォワード請求書からのデータと連携できるので手入力の作業が減り時短になっています。

実際に使ってみたレビュー記事はこちら

【レビュー】マネーフォワードクラウド会計を実際に登録して使ってみた【使い方解説】

数ある会計ソフトの中でそのサービスを使ったらいいかわからないという方も多くいると思います。そこで今回は「マネーフォワードクラウド会計」の無料登録から使い方まで、利用経験ゼロの筆者が実況形式でお伝えします。

導入企業の声も参考になります。鍼灸接骨院を中心に事業を展開する株式会社HITOMIOテクノロジーズは、手入力が中心だった月次決算の作業を見直し、数字を確認する時間が生まれたと紹介されています(個別の事例であり、同様の結果を保証するものではありません)。

現在はいわゆる経理のコア業務が省力化できるようになったことによって、店舗の現金管理や日々の売上の確認などができるようになったことが大きな変化です。

出典: 株式会社HITOMIOテクノロジーズ「マネーフォワード クラウド会計」導入事例(マネーフォワード公式サイト、2021年8月31日公開。公開当時の情報)
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AI投資・AI投資信託とは|4つの意味を区別する

AI投資とは、AI関連企業への投資、AIをテーマにした投資信託、AIが運用に関わる投資信託、AIを調べる道具として使う投資という、4つの意味で使われる言葉です。「AI投資信託」「AIファンド」も同じように複数の意味があり、混同したまま商品を選ぶと想定と違う運用内容になることがあるため、最初に区別しておきましょう。

種類 内容 確認したいポイント
AI関連企業の株式に投資する AIに関わる企業の株式を、個別株として自分で選んで購入する AI事業が売上に占める割合、業績の推移、値動きの大きさ
AIをテーマにした投資信託 AI関連企業の株式に集中して投資する、テーマ型の投資信託 組入上位の銘柄と業種の偏り、国内株か海外株か、信託報酬
AIが運用に関わる投資信託 投資先はAI企業に限らず、銘柄選びや配分の判断にAIの分析を活用する投資信託 AIがどの工程でどこまで判断しているか、運用実績の期間
AIを調べる道具として使う 決算資料やニュースの要約、情報の整理に生成AIなどを使う 出力の正確さを原典で確認する、投資の判断は自分で行う

検索で「AI株」を調べている方の多くが関心を持つのは、AI関連企業の株式そのものや、AIをテーマにした投資信託です。テーマ型の投資信託は、複数の関連企業にまとめて投資できるため、個別株を1社ずつ選ぶより分散が効きやすいという利点があります。ただし、投資先がAIという1つのテーマに集中している以上、市場全体に投資する商品に比べると値動きは大きくなりやすい点に注意が必要です。また、テーマ型の投資信託はアクティブ運用が多く、指数に連動する商品より信託報酬が高めに設定される傾向があります。

投資信託の内容は、運用会社が作成する目論見書や月次レポートで確認できます。組入上位10銘柄を見ると、半導体に大きく偏っているのか、ソフトウェアやITサービスまで広く組み入れているのかが分かり、次の章の6レイヤーのどこに比重があるかを判断する手がかりになります。

4つ目の「AIを調べる道具として使う」場合は、出力の確かめ方に注意が必要です。生成AIに決算資料やニュースを要約させると情報を整理する時間を短縮できますが、数字や固有名詞が正しいとは限りません。総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン(第1.2版)」でも、AIを利用する側は、AIの出力について精度及びリスクの程度を理解し、様々なリスク要因を確認したうえで利用することが挙げられています。売上高や営業利益などの数字は決算短信や有価証券報告書の原典で照合し、投資の判断そのものはAIに任せず、ご自身で行ってください。

なお、株式以外の投資にAIを使う話題は別の記事で扱っています。たとえば不動産投資での物件査定や価格予測については、AI 不動産投資とは?物件査定・価格予測の活用と注意点を解説をご覧ください。

業種別6レイヤーで見るAI関連株の広がり

AI関連株は、AIが動く仕組みの下の層から順に、半導体・製造装置・データセンターなどの基盤から、クラウド、AIモデル、ITサービスまでの6つのレイヤーに整理できます。AIを利用するには、半導体で計算し、データセンターで大量の処理を動かし、その上でクラウドやAIモデル、アプリケーションが提供されるという積み重ねがあるためです。

レイヤー 主な事業内容 業績を見るときの着眼点
1. 半導体(設計・製造) GPUなどのAI向け演算用半導体、メモリの設計・製造、受託製造 データセンター向け売上の比率、製品の供給能力
2. 製造装置・素材 半導体製造装置、検査装置、シリコンウエハーや化学材料 半導体メーカーの設備投資計画、受注残高
3. データセンター・電力・冷却 データセンターの建設・運営、電源設備、空調・冷却、光ファイバーなどの通信部材 建設案件の数、電力確保の見通し、設備工事の受注
4. クラウド・プラットフォーム 計算資源やAI開発環境をインターネット経由で提供する基盤サービス クラウド事業の売上成長率、設備投資額と回収の見通し
5. AIモデル・ソフトウェア 生成AIモデル、AI機能を組み込んだ業務ソフトやSaaS 有料契約数、解約率、AI機能による単価の上昇
6. ITサービス・AI活用 企業のAI導入支援、システム開発、AIを活用した自社サービスの提供 AI関連案件の受注、人手不足の中での生産性向上

一般に、AIへの投資が始まった初期は、下の層である半導体や製造装置の企業から業績が伸びやすいといわれます。AIを動かすための計算能力が先に必要になるためです。その後、データセンターの建設や電力・冷却設備へと需要が広がり、AIが実際の業務やサービスで使われるようになると、上の層であるソフトウェアやITサービスの企業にも収益の機会が移っていくという見方があります。

AI関連企業は、証券取引所の業種区分では複数の業種にまたがります。日本取引所グループが公表している東証上場銘柄一覧(2026年9月末)の「33業種区分」には「AI」という区分はなく、一般に、半導体や製造装置は電気機器や機械、ソフトウェアやITサービスは情報・通信業といったように、それぞれの事業内容に応じた業種に分かれます。「AI関連」という呼び名は、業種ではなく、事業がAIとどう結びついているかを表す通称だと捉えると混乱しません。

国も、この領域を政策の対象として扱っています。経済産業省は「半導体・デジタル産業戦略検討会議」で、AI技術の利活用やフィジカルAI、半導体製造、デジタルインフラの整備などを、今後の政策の方向性に関する検討事項として掲げています。フィジカルAIとは、AIがロボットや産業機械など現実の機械を動かす領域を指す言葉で、人の指示なしにタスクを実行する「AIエージェント」とあわせて、近年の投資テーマとして語られることが増えました。これらは新しい業種ではなく、6つのレイヤーのいずれかに関わる企業が新しい用途で注目されているものと捉えると、整理しやすくなります。

各レイヤーの企業の特徴や、ロボット・フィジカルAIに関わる分野の整理は、AI銘柄とは|半導体・データセンター・電力まで業種別レイヤーで整理【投資助言ではありません】で詳しく解説しています。本記事では、レイヤー別の解説よりも、AI関連企業とどう関わるか、どんなリスクがあるか、数字でどう見分けるかに絞って進めます。

3つのアプローチ(個別株・テーマ型投資信託・指数連動)の違い

AI関連企業への関わり方は、個別株、テーマ型投資信託、指数連動の商品(インデックスファンドやETF)の3つに分けられ、分散の度合い、自分で判断する範囲、コストが異なります。それぞれの特徴を並べると次のとおりです。

観点 個別株 テーマ型投資信託 指数連動(インデックス・ETF)
分散の度合い 1社に集中するため小さい AI関連の複数の企業に分散 対象指数の構成銘柄に広く分散
自分で判断する範囲 銘柄選びから売買の時期まですべて 商品選びが中心で、銘柄選定は運用会社 どの指数に連動させるかの選択が中心
主なコスト 売買手数料(保有中の費用はない) 信託報酬が比較的高めの傾向 信託報酬が比較的低めの傾向
向いている考え方 企業を自分で調べ、特定の企業の成長に期待したい AIというテーマに比重を置きつつ、銘柄選びは任せたい AIを含む市場全体の成長を、低コストで取り込みたい

見落とされやすいのが、指数連動の商品もAI関連企業と無関係ではないという点です。代表的な株価指数には、AIに関わる大手IT企業や半導体企業が組み入れられており、市場全体に投資するだけでも、結果としてAI関連企業をある程度保有していることになります。AI専用の商品を追加で持つ場合は、すでに持っている商品と投資先が重なっていないかを確認しておくと、意図せず特定の業種に偏ることを防げます。

金融庁のNISA特設ウェブサイトでは、資産形成の基本として「長期・積立・分散」の考え方が紹介されています。同じサイトでは、株式や投資信託などに投資することで預貯金よりも高いリターンを期待できる一方、元本割れのおそれもあることが説明されています。AIのように成長への期待が大きいテーマほど値動きも大きくなりやすいため、どのアプローチを選ぶ場合でも、資産全体の中でAI関連の比重をどの程度にするかを先に決めておくことが大切です。

AI株・AI関連の投資信託を始めるまでの流れ

AI株を始めるまでの流れは、資金と目的の整理、口座開設、NISA枠の確認、商品選び、購入後の点検の5段階です。銘柄や商品を選ぶ前に、前半の3段階を済ませておくと、話題性に流されずに判断しやすくなります。

  1. 投資の目的、期間、投資に回せる資金を決める。金融庁は資産形成の基本の1つ目に、収入と支出を把握する家計管理を挙げています。当面使う予定のない余裕資金の範囲で考えます。
  2. 取引する金融機関を選び、口座を開設する。金融庁は「免許・許可・登録等を受けている事業者一覧」を公表しており、金融商品取引業者として登録されているかを確認できます。
  3. NISAの枠を確認する。金融庁によると、2024年からのNISAは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円で、併用すると年間360万円までです。非課税で保有できる総枠は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円が上限です。個別株は成長投資枠で購入でき、つみたて投資枠で買える投資信託は、金融庁が公表する「つみたて投資枠対象商品」の一覧で確認できます。
  4. 関わり方(個別株・テーマ型投資信託・指数連動)と商品を選ぶ。投資信託は目論見書で運用方針と組入上位銘柄、信託報酬を、個別株は決算書でAI関連事業の割合を確認します。
  5. 購入後は、保有している商品どうしで投資先が重なっていないか、AI関連の比重が想定の範囲に収まっているかを定期的に点検する。決算発表の時期に合わせて見直すと習慣にしやすくなります。

積立で購入する場合は、購入の時期を分けられるため、一度にまとめて投資するより価格の変動の影響をならしやすくなります。ただし、積立でも元本が保証されるわけではありません。NISAの制度の内容や商品の対象範囲は変更されることがあるため、口座を開設する前に金融庁の最新の案内で確認してください。

AI株の値動きとリスク|よくある失敗と対策

AI株は将来への期待が株価に織り込まれやすく、決算や金利、規制のニュースで値動きが大きくなります。元本が保証される投資はなく、元本割れのおそれもあります。AI関連の投資で起こりがちな失敗と、事前に意識しておきたい対策を整理します。

よくある失敗 起きやすい原因 意識しておきたい対策
話題になった後に高値で買ってしまう ニュースやSNSで注目が集まってから判断した 購入の理由を事前に書き出し、時期を分けて少しずつ投資する
AIとの関わりが小さい企業を選んでいた 「AI関連」という紹介だけで判断した AI関連事業が売上に占める割合を決算資料で確認する
複数の商品で同じ企業を重ねて持っていた 投資信託や指数連動商品の組入銘柄を確認していなかった 保有中の商品の組入上位銘柄を並べて、重なりを確認する
半導体だけに偏っていた AI株イコール半導体株と捉えていた 6レイヤーのどこに比重があるかを把握し、偏りを自覚しておく
為替や規制の影響を見落としていた 海外での売上や部材の調達先を確認していなかった 決算資料で地域別の売上や、想定している為替レートを確認する
生活資金まで投資に回してしまった 成長への期待から投資額を増やしすぎた 当面使う予定のない余裕資金の範囲で投資する

AI関連株に特有のリスクとして押さえておきたいのが、需要の波と株価水準の2点です。半導体や製造装置、データセンター設備の企業は、顧客であるクラウド事業者や半導体メーカーの設備投資に業績が左右されます。AI向けの投資が一巡したり、計画が先送りされたりすると、受注が急に減ることがあり、半導体業界にはもともと好不況を繰り返すサイクルがあるともいわれます。また、AIという言葉が付くだけで注目される局面では、事業の実態以上に期待が先行し、成長への期待が大きい企業ほど、株価が利益に対して割高な水準まで買われやすくなります。AI・半導体関連株が大きく値下がりしたと報じられる局面は、これまでにもありました。

割高かどうかを確かめる手がかりが、株価を1株あたり利益で割ったPER(株価収益率)などの指標です。日本取引所グループは、各月末現在の規模別・業種別のPER・PBRを公表しており、同じ業種の水準と比べると、期待だけが先行していないかを確認しやすくなります。値動きの大きさに備えるには、一度にまとめて投資するのではなく、積立などで購入の時期を分けて平均的な価格で買う方法も有効とされています。

また、SNSなどで「必ず上がるAI銘柄」「AIが選ぶ高利回り投資」といった勧誘を見かけることがありますが、元本や利益を保証する投資は存在しません。金融庁は、無登録で金融商品取引業を行う者の名称等を公表し、詐欺的な投資勧誘への注意を呼びかけています。取引する金融機関が登録を受けた業者かどうかは、金融庁の免許・許可・登録等を受けている事業者一覧で確認できます。

本記事は、AI関連株の全体像や考え方を整理した一般的な情報であり、特定の銘柄、投資信託、金融商品の購入や売却を勧めるものではありません。お名前.comビジネスコンシェルジュは投資助言を行っていません。実際の投資判断は、目論見書や各社の開示資料を確認したうえで、ご自身の判断と責任で行ってください。必要に応じて、登録を受けた金融機関やファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。

決算書で見るAI関連企業のチェックポイント

AI関連企業の実力は、売上高の成長率、営業利益率、研究開発費と設備投資、営業キャッシュフローなどの決算書の数字で確認できます。上場企業の決算短信や有価証券報告書は、各社のIRページや金融庁のEDINETで誰でも閲覧できます。AI関連企業を見るときに特に確認したい項目は次のとおりです。

確認する項目 分かること AI関連企業ならではの見方
売上高の成長率 事業がどの程度伸びているか 全体の伸びだけでなく、AI関連の事業区分(セグメント)の伸びを見る
営業利益率 本業でどれだけ効率よく稼いでいるか 売上が伸びても価格競争やコスト増で利益率が下がっていないか
研究開発費・設備投資 将来に向けてどれだけ投資しているか 投資額に見合う売上の伸びが続いているか、回収の見通しが示されているか
営業キャッシュフロー 本業で実際に現金を生み出せているか 利益が出ていても、在庫や売掛金の増加で現金が不足していないか
受注高・受注残高 今後の売上の先行きの目安 製造装置や設備工事の企業では、AI需要が続くかの手がかりになる

確認の手順は、まず決算短信で売上高と営業利益の前年比を見て、次に事業区分別(セグメント)の情報でAI関連の事業がどれだけ伸びているかを確かめ、最後に有価証券報告書の事業等のリスクや設備投資の記載で、需要の変化にどう備えているかを読む、という流れが基本です。AI関連と紹介されていても、AI事業が売上に占める割合が小さい企業は、AIの話題が出ても業績への影響が限られることがあります。

ここで挙げた売上成長率、利益率、キャッシュフローといった物差しは、上場企業に限らず、あらゆる会社の経営状態を測るときの基本でもあります。AI関連企業の決算を読み比べるうちに、「自社の利益率は業界の中でどの水準なのか」「前年と比べて何が変わったのか」が気になってくる経営者の方も多いのではないでしょうか。次のセルフチェックで、自社の数字の把握状況を確かめてみましょう。

自社の数字は、AI関連企業の決算と同じ物差しで見られていますか?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

チェックがついた項目が多いほど、数字を集める作業そのものが負担になっています。取引明細の入力や集計を毎月手作業で続けている会社は、その時間を数字の分析にあてられるよう、自動化できる範囲を一度洗い出してみてください。会計ソフトを比べる際は、いま使っている金融機関と連携できるか、AIが提案する勘定科目を自社の運用に合わせて確認できるか、税理士とデータを共有できるかを同じ条件で確かめると違いが見えます。導入前には、無料トライアルや資料で操作感と連携先を確認しておくと安心です。

よくある質問(FAQ)

Q1. AI株とは何ですか?

A. AIを開発する企業に加えて、AI向けの半導体や製造装置、データセンター、AIを組み込んだソフトウェアやITサービスを提供する企業の株式を広く指す通称です。証券取引所の正式な区分ではないため、範囲は情報の発信元によって異なります。

Q2. AI株でどれを選べばよいですか?おすすめの銘柄はありますか?

A. 本記事は特定の銘柄をおすすめしていません。選ぶときは、個別株・テーマ型投資信託・指数連動のどれで関わるか、6レイヤーのどこに比重を置くか、AI事業が売上に占める割合や利益率が決算書でどうなっているか、資産全体の中での比重はどの程度か、という順で自分の条件に当てはめて検討してください。最終的な判断はご自身の責任で行います。

Q3. AI投資のデメリットは何ですか?

A. 主なデメリットは、値動きが大きくなりやすいこと、AIという1つのテーマに集中して下落時の影響を受けやすいこと、期待が先行して割高な水準まで買われることがあること、設備投資の増減や為替・規制の影響を受けることです。元本が保証されるわけではなく、元本割れのおそれがあります。

Q4. 日本のAI関連の上場企業はどう探せばよいですか?

A. 東証の33業種区分に「AI」という区分はなく、AI関連企業は電気機器、機械、情報・通信業など複数の業種にまたがります。証券会社や投資情報サイトのテーマ別検索で候補を見つけたら、各社の決算資料でAI関連事業の売上比率を確認してください。テーマ別の一覧は発信元によって掲載の基準が異なります。

Q5. 個別株と投資信託はどちらがよいですか?

A. 一概には決められません。個別株は企業を自分で調べて選ぶ手間がかかる分、特定の企業の成長を直接取り込めます。投資信託は分散しやすく銘柄選びを任せられますが、信託報酬がかかります。自分が判断できる範囲とコストを比べて検討してください。

Q6. AI関連企業の業績や決算はどこで確認できますか?

A. 上場企業の決算短信や有価証券報告書は、各社のIRページや金融庁のEDINETで閲覧できます。売上高の成長率、営業利益率、研究開発費や設備投資、営業キャッシュフローを確認すると、話題性だけでは分からない企業の実力が見えてきます。

まとめ

AI株は、AIを支える企業、つくる企業、使う企業にまたがる幅広いテーマです。半導体からITサービスまでの6レイヤーで整理すると、同じAI関連でも業績が動く理由やタイミングが違うことが見えてきます。AI株について考えるときは、次の4点を押さえておきましょう。

  1. AI株は正式な区分ではないため、6レイヤーのどこに位置する企業なのか、AI関連事業が売上に占める割合はどの程度かを確認する。
  2. 個別株、テーマ型投資信託、指数連動の3つのアプローチの違いを理解し、保有中の商品との重なりや資産全体の中での比重を決めておく。
  3. 値動きの大きさや為替・規制の影響を踏まえ、余裕資金の範囲で、購入の時期を分けて投資する。
  4. 話題性ではなく、売上成長率、利益率、投資額、キャッシュフローといった決算書の数字で企業を見比べ、自社の数字も同じ物差しで把握できているか点検する。集計に手間がかかる場合は、会計ソフトの資料で連携先や機能を確かめる。

4つ目の点検で、自社の数字の把握に手間がかかっていると感じた場合は、会計ソフトの資料で機能と連携先を確かめてみてください。

参考文献

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