DX人材とは|DSS-P ver.2.0の6類型・育成と外注の進め方

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  • DX人材とIT人材は目的が異なり、DSS-P ver.2.0では6つの人材類型に再編されている
  • 日本企業の85.1%がDX推進人材の不足を感じており、不足は「量」と「質」の両面に及ぶ
  • 役割を定義するだけでなく、誰がどのスキルを持っているかを可視化する仕組みがあってはじめて育成・外注・配置の判断ができる

DX人材という言葉は広く使われていますが、誰を指し何を担う人なのかは企業ごとに解釈が分かれます。経済産業省と独立行政法人IPA(情報処理推進機構)は2022年に「デジタルスキル標準(DSS)」を公表し、2026年4月にはver.2.0へと改訂しました。改訂版では「データマネジメント」類型が新設され、6つの人材類型に再編されています。本記事では、DSS-P ver.2.0の6類型の内容、日本企業の85.1%が人材不足を訴える現状、規模別の育成と外注の判断軸、そして多くの企業が見落としがちな「スキルの可視化」という運用上の壁までを、一次情報を引きながら解説します。

目次

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  1. DX人材とは何か ─ 経済産業省・IPAの定義
  2. DSS-P ver.2.0で再編された6つの人材類型
  3. なぜ85.1%の企業で不足するのか ─ DX動向2025の現状
  4. 業種別に見るDX人材確保の実情
  5. 人材データの可視化という壁 ─ スキルマップ運用の実務
  6. 育てるか外注するか ─ 規模別の判断軸
  7. リスキリングの進め方と公的支援制度
  8. DX推進とデータ管理における法務上の留意点
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|今日からできる4つのこと
  11. 参考文献

DX人材とは何か ─ 経済産業省・IPAの定義

DX人材とは、デジタル技術を活用してビジネスや組織の変革をリードする人材を指します。明確な法的定義はありませんが、経済産業省と独立行政法人IPAが公表する「デジタルスキル標準(DSS)」が、現時点で最も信頼できる公的な指針です。DSSは2022年12月にver.1.0が公表され、2026年4月にver.2.0へと大幅に改訂されました(出典:経済産業省・IPA「デジタルスキル標準ver.2.0(DSSver.2.0)を公表します」2026年4月16日)。

DX人材とIT人材の違い

DX人材とIT人材は、ともにデジタル技術に関わる人材ですが、目的が異なります。IT人材はシステムの設計・開発・運用といった技術提供を主な役割とします。一方でDX人材は、デジタル技術を手段として「ビジネスや組織の変革」をリードする役割を担います。経済産業省「DX推進ガイドライン」では、DXを「データとデジタル技術を活用して、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」と定義しています。技術導入そのものではなく、変革を通じて競争優位を確立する点に重きが置かれます。

DSS-LとDSS-Pの2層構造

デジタルスキル標準は、対象と目的の異なる2つの標準で構成されています。全てのビジネスパーソンが身につけるべき基礎を示す「DXリテラシー標準(DSS-L)」と、DX推進を担う専門人材の役割とスキルを示す「DX推進スキル標準(DSS-P)」です。DSS-Lは「Why(DXの背景)」「What(活用するデジタル技術)」「How(データ活用)」「マインド・スタンス」の4項目で構成され、職種や役職を問わず全社員が共有すべき共通言語となります。DSS-Pは、DXを牽引する6つの人材類型を定義し、役割ごとに必要なスキルを示します(出典:IPA「デジタルスキル標準(DSS)策定の背景・目的」)。

DXリテラシー標準とDX推進スキル標準の2層構造 全社員が学ぶDSS-Lと、専門人材が担うDSS-Pの関係を示す図 DXリテラシー標準(DSS-L) 対象:全てのビジネスパーソン/Why・What・How・マインド DX推進スキル標準(DSS-P)ver.2.0 対象:DXを推進する専門人材(6つの人材類型) ビジネスアーキテクト デザイナー データマネジメント(新設) データサイエンティスト ソフトウェアエンジニア サイバーセキュリティ

DSS-P ver.2.0で再編された6つの人材類型

DSS-P ver.2.0は、AIの進展とデータ利活用の重要性を踏まえ、人材類型を5つから6つに再編しました。経済産業省のプレスリリースでは「データマネジメント類型の新設、ビジネスアーキテクト類型やデザイナー類型のロールの見直し」が改訂のポイントとして示されています。

類型 主な役割 備考
ビジネスアーキテクト ビジネス変革の目的を定義し、戦略を行動に落とし込み、関係者を巻き込んで成果を創出 DX推進の中核
デザイナー 顧客視点でサービス・製品・体験を設計 UI/UX・サービスデザイン
データマネジメント データの安全性・信頼性を確保し、組織全体でのデータ利活用を促進 ver.2.0で新設
データサイエンティスト データ収集・解析、AIシステムの設計・実装・運用 AI活用の中核
ソフトウェアエンジニア 製品・サービスを提供するシステム/ソフトウェアの設計・実装・運用 技術実装の中核
サイバーセキュリティ 情報セキュリティの確保とリスク管理 横断的な安全性担保

出典:IPA「DX推進スキル標準(DSS-P)概要」をもとに編集部作成

IPAは「DXを推進する人材は、他の類型とのつながりを積極的に構築した上で、他類型の巻き込みや他類型への手助けを行うことが重要」と説明しています。指示や依頼の関係ではなく、複数の類型が場面ごとに協働するという考え方です。中小企業や個人事業主では、一人が複数類型を兼務する形が現実的な出発点となります。

自社に必要な類型をどう見極めるか

すべての企業で6類型すべてを揃える必要はありません。DXで何を変えたいか(ビジネスモデル変革なのか、業務効率化なのか、顧客体験向上なのか)によって優先順位は変わります。まずは「ビジネスアーキテクト」相当の役割を担う人を1名定め、自社が解決したい課題に応じて他類型を加えていく方法が一般的です。中堅・大企業ではDX推進部門として6類型を内製化する選択肢がありますが、中小企業では兼務+外部委託の組み合わせ、個人事業主では1人で兼務しつつ伴走型コンサルや研修を活用する形が現実的です。

なぜ85.1%の企業で不足するのか ─ DX動向2025の現状

独立行政法人IPAが2025年6月26日に公表した「DX動向2025」は、日本・米国・ドイツ3か国の比較調査を行い、日本企業の85.1%でDXを推進する人材が不足していることを明らかにしました。この数値は米国・ドイツと比較して著しく高く、日本のDX推進における構造課題となっています(出典:IPA「DX動向2025-AI時代のデジタル人材育成」)。

DX推進人材が不足していると回答した企業の割合(日米独) IPA「DX動向2025」より、日本は米国・ドイツと比べて著しく高い不足率を示す 85.1% 日本 相対的に低位 米国 相対的に低位 ドイツ

量と質の両面で不足している

DX動向2025は、不足が「量」だけでなく「質」の両面に及ぶことを指摘しています。量の不足とは、必要な人数が単純に揃わない状態です。質の不足とは、人数は確保できても期待するスキル水準に達していない、もしくは役割の定義そのものが曖昧で評価できない状態を指します。質の不足は、採用要件を定義できない、研修の効果を測定できない、配置後の活躍が見えないといった形で表面化します。

不足の3つの構造課題

不足の背景には次の3つの構造課題があります。第一に、職務定義の曖昧さです。DX推進を担う人材のスキルセットが明確に定義されていない企業が多く、採用や育成、評価がかみ合わない状況が続いています。第二に、AI活用スキルの要求変化です。生成AIの登場以降、求められるスキルが急速に拡張され、データ分析・プロンプト活用・AIガバナンスなど、評価軸そのものが流動的になっています。第三に、人事制度の硬直性です。従来の職務等級制度や人事評価が、変革を担う人材の働き方と整合しないまま運用されている企業が少なくありません。これらは大企業に固有の課題ではなく、中小企業や個人事業主にも形を変えて発生します。

業種別に見るDX人材確保の実情

DX人材の不足の現れ方は業種によって異なります。ここでは公的機関の政策動向から、3つの業種の特徴的な事情を整理します。

建設業 ─ 生産性向上と担い手不足の両立

国土交通省は「i-Construction」を通じて、ICT施工・BIM/CIM活用など建設現場の生産性向上を推進しています。建設業では現場管理・測量・施工計画のデジタル化が中心的なテーマとなるため、DSS-Pの「ソフトウェアエンジニア」「データマネジメント」に相当する役割を、施工管理の実務経験者と組み合わせて確保する必要性が高い業種です。担い手の高齢化が同時進行しているため、育成には一定の期間を要する前提で計画を立てる企業が多いのが実情です。

医療・福祉 ─ 医療DXと個人情報保護の両立

厚生労働省は「医療DX令和ビジョン2030」のもとで、電子カルテ情報の標準化やオンライン資格確認等システムの整備を進めています。医療・福祉分野では、患者情報という機密性の高いデータを扱うため、DSS-Pの「サイバーセキュリティ」「データマネジメント」類型の重要性が特に高く、システム導入の判断には情報セキュリティとコンプライアンスの両面からの検討が欠かせません。

製造業 ─ 現場データ活用とDX人材の内製化

経済産業省は製造業のDXを「ものづくり白書」等で継続的に取り上げており、IoTセンサーによる稼働データの収集と分析、サプライチェーン全体の可視化が主要なテーマとなっています。製造業では現場の生産技術者がデジタルスキルを習得する「リスキリング型」の育成が比較的浸透しており、DSS-Pの「データサイエンティスト」「データマネジメント」の役割を既存の技術者に担わせる内製化の動きが目立ちます。

人材データの可視化という壁 ─ スキルマップ運用の実務

DSS-P ver.2.0の6類型を理解し、自社に必要な役割を定義できたとしても、次に多くの企業が直面するのは「誰が、どの類型に当たるスキルをどの程度持っているのか」を可視化できないという運用上の壁です。役割の定義(What)と、実際の人材のスキル保有状況(Who)は別の問題であり、後者が整理されていないと、育成対象者の選定・外部委託の切り出し範囲・配置の見直しといった判断がすべて属人的な感覚に依存してしまいます。

Excel管理が陥りやすい3つの限界

DX推進担当者のスキル情報をExcelの一覧表で管理している企業は少なくありませんが、この運用には共通する限界があります。第一に、異動や退職のたびに情報が更新されず、実態と台帳がずれていくことです。第二に、評価・研修履歴・保有スキルが別々のファイルに分散し、育成対象者を抽出するたびに手作業での突合が必要になることです。第三に、経営層やDX推進部門が「誰が何の類型を担えるか」を横断的に見る手段がなく、属人的な記憶に依存した配置判断が続いてしまうことです。

こうした課題に対して、従業員のスキル・評価・経歴データを一元管理し、組織全体で人材を可視化する仕組みとして「タレントマネジメントシステム」を活用する企業が増えています。DSS-Pの6類型を自社の評価軸として登録し、誰がどの類型のスキルを保有しているかをシステム上で可視化できれば、育成対象者の抽出や、外部委託すべき範囲の切り出し、部門をまたいだ人材の再配置といった判断を、感覚ではなく実データに基づいて行えるようになります。DX推進の役割定義(DSS-P)と、実際の人材データの可視化(タレントマネジメント)は、いわば表と裏の関係にあり、どちらか一方だけでは機能しません。

タレントマネジメントシステムの選定にあたっては、DX推進のような専門的な類型・スキル軸を柔軟に登録できるか、既存の人事評価データと連携できるかが確認ポイントになります。具体的な製品の特徴や比較軸は、以下の記事で機能・目的別に整理しています。

育てるか外注するか ─ 規模別の判断軸

DX人材は内製化(育成・採用)と外注(コンサル・委託)の組み合わせで確保するのが現実的です。すべてを内製化できる企業は限られ、すべてを外注化すると変革のノウハウが社内に残らないというトレードオフがあります。経済産業省「デジタルガバナンス・コード3.0」(2024年9月改訂)でも、人材の確保・育成は経営戦略の一部として位置づけられています(出典:経済産業省「デジタルガバナンス・コード3.0」)。

個人事業主:1人で兼務+伴走型コンサル

個人事業主の場合、DX人材を専任で確保することは現実的でなく、経営者本人が複数類型を兼務しながら、外部の伴走型コンサルや研修を組み合わせる形が出発点となります。重要なのは、まずDXリテラシー標準(DSS-L)の4項目(Why/What/How/マインド)を学習し、自社の経営課題を言語化することです。実装はSaaSやクラウドサービスを活用して外部委託化し、自分はビジネスアーキテクト相当の役割に集中する考え方が向いています。無料の公的研修(マナビDX等)から着手する選択肢もあります。

中小企業:推進リーダー+研修+部分外注

中小企業では、DX推進リーダーを1縲・名定め、社内研修と外部委託を組み合わせる形が現実的です。推進リーダーはビジネスアーキテクトの役割を主に担い、データマネジメントやサイバーセキュリティは社内人材を研修で底上げします。実装系(ソフトウェアエンジニア・データサイエンティスト)は外部委託する選択も多く、その際は人材開発支援助成金やIT導入補助金などの公的支援を活用すると初期費用を抑えられます。

中堅・大企業:6類型の内製化+DX認定取得

中堅・大企業では、DX推進部門を設置し、6類型を計画的に内製化する選択肢が現実的です。スキルマップを作成し、各類型ごとに必要な人数と習熟度を定義したうえで、採用・育成・配置を計画します。経済産業省の「DX認定制度」を取得すれば、税制優遇(DX投資促進税制)や対外的なブランディングにつながり、東証「DX銘柄」を視野に入れることも可能です。

陥りやすい3つの失敗パターン

規模を問わず、DX人材確保でよく見られる失敗パターンは3つあります。第一に、外注先に丸投げし、成果物だけを受け取ってノウハウが社内に残らないパターンです。第二に、スキルの定義が曖昧なまま研修だけを実施し、受講後にどう配置・活用するかが決まっていないパターンです。第三に、推進役を専任化できず、既存業務との兼務のまま放置され、DX推進が後回しにされ続けるパターンです。いずれも「役割定義」と「人材データの可視化」を先に済ませておくことで避けやすくなります。

リスキリングの進め方と公的支援制度

既存社員のリスキリングは、DX人材を社内で育てる現実的な手段です。新規採用に比べて時間はかかりますが、業務知識を持つ社員が変革を担うことで、変革ノウハウが社内に蓄積される利点があります。リスキリングは3段階で進めると整理しやすくなります。

段階 対象 内容 想定期間
1. リテラシー底上げ 全社員 DSS-Lの4項目を学習し、DXの共通言語を社内で揃える 1-3か月
2. 役割別習得 推進候補者 DSS-Pの6類型から自社で必要なロールを選び、対応スキルを習得 3-6か月
3. 実務適用 推進担当者 実プロジェクトで習得スキルを適用し、振り返りで定着 6か月以降

編集部作成。期間は目安で、企業規模・業務量により増減します。

活用できる主な公的支援制度

リスキリングを進める際、活用できる公的支援制度がいくつかあります。代表的なものを紹介します。

  • 人材開発支援助成金(厚生労働省):従業員に職務関連の専門訓練を実施した事業主に対し、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成する制度です。「人への投資促進コース」「事業展開等リスキリング支援コース」などDX関連の訓練に対応するコースがあります。
  • 第四次産業革命スキル習得講座認定制度(リスキル/経済産業省):IT・データ等の専門的かつ実践的な教育訓練講座を経済産業大臣が認定する制度です。認定講座は厚生労働省の「教育訓練給付制度」の対象となり、受講者の費用負担を軽減できます。
  • マナビDX(経済産業省・IPA):デジタルスキル標準に準拠した学習コンテンツをポータルサイトで提供しています。無料・有料の講座が並び、リテラシー底上げの初期段階で活用できます。

制度の対象要件や支給額は年度ごとに改定される場合があります。申請前には必ず厚生労働省・経済産業省の公式ページで最新の要件を確認してください(出典:厚生労働省「人材開発支援助成金」)。

DX推進とデータ管理における法務上の留意点

DX推進の過程で人材のスキル・評価・経歴データを一元管理する場合、個人情報保護法上の配慮が必要になります。従業員の評価情報や経歴情報は個人情報にあたり、健康診断結果など要配慮個人情報を含む場合はより厳格な取得・利用・管理が求められます。社内でスキルデータを一元化するシステムを導入する際は、利用目的を従業員に明示し、アクセス権限を必要最小限の範囲に設定するなど、個人情報保護法が求める安全管理措置に沿った運用を行うことが一般的に求められています。

また、DX推進の一環でクラウドサービスを利用する場合、データの保管場所や委託先の管理体制についても確認しておくことが望ましいとされています。本記事の内容は一般的な情報整理であり、法的助言を目的としたものではありません。個別の判断が必要な場合は、個人情報保護委員会の公式情報を確認するか、弁護士等の専門家にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. DX人材とIT人材の違いは何ですか?

A. IT人材は技術提供(システム設計・開発・運用)を主な役割とし、DX人材はデジタル技術を手段として「ビジネス・組織の変革」をリードする役割を担います。両者は重なる部分もありますが、目的が異なります。経済産業省「DX推進ガイドライン」では、DXを「ビジネスモデル・業務・組織・プロセス・企業文化の変革を通じて競争上の優位性を確立すること」と定義しています。

Q2. 小規模事業者でもDX人材は必要ですか?

A. 規模に関わらず必要です。個人事業主の場合は、経営者本人がビジネスアーキテクト相当の役割を兼務する形が一般的です。専任の人材を確保する必要はなく、DXリテラシー標準(DSS-L)の4項目を学習して経営課題を言語化し、必要なときに外部の伴走型コンサルや無料の公的研修(マナビDX等)を組み合わせる形で始められます。

Q3. DX人材の不足はどれくらい深刻ですか?

A. IPA「DX動向2025」によれば、日本企業の85.1%でDXを推進する人材が不足しています。米国・ドイツと比較して著しく高い水準であり、不足は「量」と「質」の両面に及びます。職務定義の曖昧さ、AI活用スキルの要求変化、人事制度の硬直性が背景にあります。

Q4. DX推進部門のスキルを社内でどう可視化すればいいですか?

A. DSS-Pの6類型を自社の評価軸として整理したうえで、誰がどの類型のスキルを保有しているかを一元管理する仕組みを持つことが有効です。Excelでの個別管理は異動・退職による更新漏れが起きやすいため、人事評価データと連携できるタレントマネジメントシステム等を活用し、育成対象者の抽出や配置判断の材料として使う企業が増えています。

Q5. DX研修にかかる費用の相場は?

A. 費用は研修の種類・期間・形式(集合研修/オンライン/個別コンサル等)によって幅があるため、一律の相場を示すことは難しい状況です。重要なのは、人材開発支援助成金などの公的助成や、第四次産業革命スキル習得講座認定制度の対象講座を選ぶことで、自社負担を軽減する設計です。具体的な助成額は厚生労働省・経済産業省の公式ページで最新の要件を確認してください。

Q6. リスキリング助成金は誰でも使えますか?

A. 人材開発支援助成金は、雇用保険適用事業所の事業主が対象で、従業員に職務関連の専門訓練を実施した場合に申請できます。コース別(人への投資促進コース、事業展開等リスキリング支援コースなど)に対象要件と助成率が定められており、年度ごとに改定される場合があります。個人事業主や中小企業も対象になるコースが多くありますが、申請前には必ず厚生労働省の公式ページで最新の要件を確認してください。

まとめ|今日からできる4つのこと

DX人材は「6類型を全部揃える」ことが目的ではなく、自社の経営課題に応じて必要な役割を選び、内製と外注を組み合わせて確保するものです。そして役割を定義しただけでは機能せず、誰がそのスキルを持っているかを可視化できてはじめて、育成・外注・配置の判断が実データに基づいて行えるようになります。規模に関わらず今日から着手できる4つのアクションをまとめます。

  1. 自社に必要な人材類型を、DSS-P ver.2.0の6類型(ビジネスアーキテクト/デザイナー/データマネジメント/データサイエンティスト/ソフトウェアエンジニア/サイバーセキュリティ)で洗い出す。
  2. DXリテラシー標準(DSS-L)の4項目を全社員(個人事業主は経営者本人)の共通言語にし、無料の公的研修(マナビDX等)から学習を始める。
  3. 誰がどの類型のスキルを保有しているかを一元管理する仕組み(タレントマネジメントシステム等)を導入し、Excel管理による更新漏れ・情報分散を解消する。
  4. 人材開発支援助成金や第四次産業革命スキル習得講座認定制度など、活用できる公的支援制度を1つ選び、申請準備に入る。

参考文献

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