DXの課題とは?3つの課題と対策、「2025年の崖」と中小企業が進まない理由

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  • DXの3つの課題と2025年の崖がわかる
  • 課題別の対策と最初の一手がわかる
  • 中小企業が進まない理由と失敗パターンがわかる

DXの課題は、大きく「古い基幹システム(レガシーシステム)」「IT・DXを担う人材の不足」「経営としての方針や予算の不足」の3つに整理できます。経済産業省が2018年の『DXレポート』で「2025年の崖」と呼んだのは、このうち古いシステムを使い続けることで生じる経済損失のリスクでした。2025年を過ぎた今、中小企業の調査では「ITに関わる人材が足りない」が課題の1位となっており、崖の中身はシステムの問題から人の問題へと重心が移りつつあります。この記事では、公的な調査データをもとに、課題別の対策と失敗を避ける進め方までを解説します。

自社のDXが進まない原因と、最初の一手を診断

Q1. 自社のDXが進まない原因として、いちばん近いのはどれですか?

目次

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  1. DXの課題は3つに分けられる|中小企業で最も多いのはIT人材不足
  2. 「2025年の崖」とは|DXレポートが指摘した課題
  3. 中小企業がDXに取り組めない理由|理解度と必要性のギャップ
  4. DXの課題別の対策|システム・人材・方針・予算の進め方
  5. DXの主なメリット|課題を乗り越えた先に得られるもの
  6. 失敗を避けるための3つの戦略|短期・中期・長期
  7. DXが進まない企業に共通する失敗パターン
  8. よくある質問(FAQ)
  9. まとめ
  10. 参考文献

DXの課題は3つに分けられる|中小企業で最も多いのはIT人材不足

DXの課題は、古い基幹システム、人材の不足、経営方針や予算の不足の3つに分けられます。中小企業の調査では、「ITに関わる人材が足りない」(28.3%)が最も多い課題です。

課題の分類 起きること 公的データの例
レガシーシステム 古いシステムが複雑化し、データを活用できず維持費も重い DXレポート(2018年)は、基幹系システムが21年以上稼働している企業が2025年に約6割になると予測
人材の不足 ITやDXを進める人が足りず、特定の社員に偏る 中小機構の調査では「ITに関わる人材が足りない」28.3%、「DX推進に関わる人材が足りない」25.6%
経営方針・予算の不足 目指す姿が定まらず、予算も確保しにくい 中小機構の調査では「予算の確保が難しい」26.0%。ビジョンや経営戦略・ロードマップを策定済みの企業は9.3%

データは、中小機構が2026年2月に公表した「中小企業のDX推進に関する調査(2025年)」(中小企業1,000社が回答)によるものです。人材に関する2つの課題は、いずれも前回調査より増えています(中小機構)。

人材不足への対応は採用だけではありません。同じ調査では、期待する支援策として「研修制度」を挙げた企業が16.0%と前回より増えており、今いる社員を育てる方向に関心が高まっています。社内でITの基礎をそろえ、受講状況や理解度を管理する手段として検討されるのが、eラーニングなどの学習管理の仕組みです。資料請求ができる3つのサービスを、優劣ではなく役割の違いで並べます(商品ページで確認した内容、2026年10月16日時点)。

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「2025年の崖」とは|DXレポートが指摘した課題

「2025年の崖」とは、古いシステムを使い続けると2025年以降に最大で年間12兆円の経済損失が生じ得るとした、経済産業省の警告です。2018年9月に公表された『DXレポート』で示されました(経済産業省)。

複雑化・老朽化・ブラックボックス化した既存システムが残り続けると、データを活用できないだけでなく、維持・保守のコストが高騰し、システムを扱える人材も枯渇すると指摘されました。レポートが挙げた課題は、次のように整理できます。

課題 DXレポートでの指摘 企業にとっての影響
システムの老朽化 基幹系システムが21年以上稼働している企業の割合が、2020年時点の約2割から、2025年には約6割に達すると予測 部品やソフトのサポートが終わり、障害や改修のリスクが高まる
ブラックボックス化 場当たり的な改修の繰り返しで、システムの全体像を誰も把握できなくなる データを活用しようにも、どこに何があるかわからない
維持管理費の増大 放置すると維持管理費が高額化し、IT予算の9割以上になる「技術的負債」の状態になると警告。国内企業のIT関連費用の約80%は、現行ビジネスの維持・運営に使われていると示された 新しい取組に回せる予算が残らない
人材の不足 古いシステムを知る人材の退職と、新しい技術を担う人材の不足が同時に進み、IT人材の不足は2025年に約43万人まで拡大すると試算 システムを直すことも、新しく作ることも難しくなる

4つの課題は互いにつながっています。古いシステムを使い続けるほど維持管理費がかさみ、仕組みを知る人が減るほどブラックボックス化が進みます。レポートはシステムの問題を入口にしながら、最終的には「それを直し、変えていける人と体制がない」ことを問題にしていたといえます。

その後のDXレポート2が示した、ツール導入だけでは足りないという課題

2020年12月に公表された『DXレポート2』は、DXは製品・サービスの導入のみで達成されるものではなく、ツールの導入が完了したからといってDXが達成されるわけではないと指摘しています(経済産業省)。システムの老朽化に目が向きがちですが、変革を担う人と、全社で共通の理解を持つことが先に必要だということです。DXの意味や段階の整理は、DXの意味とは|3段階モデルと関連用語を経産省定義で体系整理で解説しています。

2025年を過ぎた今、崖はどうなったのか

2025年を迎えても、ある日突然すべての企業のシステムが止まったわけではありません。「2025年の崖」は、特定の日に起きる事件ではなく、古いシステムと人材不足を放置した企業ほど、じわじわと競争力を失っていくという構造を示した言葉です。

実際、中小機構の2025年の調査で「既存システムがブラックボックス化している」を課題に挙げた中小企業は8.2%にとどまり、上位は人材と予算の問題が占めています。大規模な基幹システムを持たない中小企業にとって、崖の中心はシステムの老朽化よりも、「デジタル化を進められる人がいない」ことに移っていると考えられます。

中小企業がDXに取り組めない理由|理解度と必要性のギャップ

中小企業がDXに取り組めない主な理由は、人材と予算の不足、効果の見えにくさです。DXを必要だと思う企業は73.3%ですが、理解している企業は49.2%にとどまります。

項目 割合
DXを必要だと思う(「必要」「ある程度必要」の合計) 73.3%
DXを理解している(「理解している」「ある程度理解している」の合計) 49.2%
DXに取り組んでいる(「既に取り組んでいる」「検討している」の合計) 39.1%
DXのビジョンやロードマップを策定済み 9.3%

7割以上の企業がDXを必要だと感じている一方で、理解しているのは約半数、実際に取り組んでいるのは4割弱です。「必要なのはわかるが、何をすればよいかわからない」という企業が多いことが、この数字の差から読み取れます。取組を阻む課題の上位は次のとおりです(複数回答)。

DXに取り組むうえでの課題 割合
ITに関わる人材が足りない 28.3%
予算の確保が難しい 26.0%
DX推進に関わる人材が足りない 25.6%
具体的な効果や成果が見えない 21.4%
DXに取り組もうとする企業文化・風土がない 14.9%
何から始めてよいかわからない 13.9%

規模によって課題の順位は変わります。従業員20人以下の企業では「予算の確保が難しい」(28.1%)が最も多く、「具体的な効果や成果が見えない」(22.5%)が続きます。従業員21人以上の企業では「ITに関わる人材が足りない」(36.4%)と「DX推進に関わる人材が足りない」(34.7%)が突出しています。小規模な企業ほどお金と効果の見えにくさ、ある程度の規模の企業ほど人の問題がネックになっているといえます。

数字に表れにくい組織の課題|社内の温度差と部門間の連携不足

アンケートの選択肢でも、「DXに取り組もうとする企業文化・風土がない」(14.9%)、「経営者の意識・理解が足りない」(9.9%)といった組織の課題が挙がっています。1つは社内の温度差です。経営層がDXの必要性を感じていても、その理由や目指す姿が現場や中間管理職に伝わっていなければ、新しいツールや業務の進め方は「手間が増えるだけ」と受け止められ、使われないまま終わってしまいます。もう1つは部門間の連携不足です。『DXレポート』でも、事業部門ごとにシステムが個別に作られ、全社でデータを横断的に活用できないことが課題として指摘されています。部門ごとにバラバラにツールを入れると、同じデータを何度も入力したり、部門をまたぐ業務だけが紙のまま残ったりしがちです。こうした課題は、経営層が目的を言葉にして全社に共有すること、そして部門をまたいで改善を進める担当者や場を決めておくことで和らげられます。

「DXは意味がない」と感じる企業の理由と、取り組んだ企業の実感

「DXに取り組む予定はない」と答えた企業が挙げた理由は、「具体的な効果や成果が見えない」(25.7%)、「予算が不足している」(20.6%)、「どのように進めればよいかわからない」(14.3%)の順でした。効果の進め方が見えないことが、「意味がない」という印象につながっているといえます。一方、DXに既に取り組んでいる企業(189社)では、78.3%が「成果が出ている」「ある程度成果が出ている」と回答し、従業員規模による大きな差は見られませんでした。取り組む前の不透明感と、取り組んだあとの実感には差があります。

この差を埋める第一歩は、全社員がDXの目的と基本をどこまで理解しているかを把握することです。研修を実施するだけでなく、理解できたかをテストの結果で確かめる場合の一例が、株式会社イー・コミュニケーションズのSAKU-SAKU Testingです。CBT(コンピュータ上で試験を行う方式)の技術を生かしたテスト機能があり、選択式・穴埋め・並び替え・記述の設問を配信できます。用意された設問と自社オリジナルの設問を、1つのテストにまとめることもできます。注意したい点は、AIを使ったリモート監視機能などは有償オプションの契約が必要なこと、日本国外での利用はサポート対象外であることです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

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DXの課題別の対策|システム・人材・方針・予算の進め方

DXの課題への対策は、課題ごとに分けて考えると進めやすくなります。システムは段階的に置き換え、人材は社内で基礎をそろえ、方針は1枚の紙にし、予算は小さく試して効果を示します。

課題 対策の方向 頼れる公的な手がかり
レガシーシステム 全体を一度に入れ替えず、影響の小さい業務から段階的に置き換える。まず、どのシステムが何に使われているかを書き出す 経済産業省『DXレポート』、DX推進指標(自己診断)
人材の不足 採用だけに頼らず、今いる社員のITの基礎をそろえる。改善を担う社内の推進役と、研修の受講状況を確認する人を決める 中小機構の調査で期待する支援策に「研修制度」(16.0%)。研修費用には人材開発支援助成金(厚生労働省)などが使える場合がある
経営方針の不在 解決したい課題を1つに絞り、目指す姿と測る数字を1枚にまとめて全社に共有する 経済産業省「デジタルガバナンス・コード」(経営者に求められる対応)
予算の不足 困っている業務を1つ選んで小さく試し、改善前後の作業時間を数字で示してから予算を相談する 中小機構の調査で期待する支援策の1位は「補助金・助成金」(43.9%)。制度名や募集期間は変わるため、公式サイトで最新の要領を確認する

人材開発支援助成金の対象や要件は年度ごとに見直されるため、使う前に厚生労働省の最新の案内を確認してください。社内の人材育成の進め方と助成金の概要は、DX人材育成の進め方でも整理しています。

DX推進指標で自社の現在地を確かめる

どの課題から手を付けるかを決めるときは、経済産業省の「DX推進指標」が使えます。経営者や社内の関係者がDXの現状や課題の認識を共有し、アクションにつなげるための自己診断ツールで、2019年7月に策定され、2026年2月13日にデジタルガバナンス・コード3.0に基づいて改訂されました(経済産業省)。2026年9月18日からは、提出がWebフォームでの回答に変わっています。診断結果を、上の表のどの課題に当たるかに照らして読むと、最初の一手を決めやすくなります。

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DXの主なメリット|課題を乗り越えた先に得られるもの

DXに取り組んだ中小企業の78.3%が成果を実感しており、成果の上位は業務の自動化・効率化(52.0%)とコスト削減・生産性の向上(43.9%)です。具体的な成果として多く挙がったものは次のとおりです。

メリット 成果として挙げた割合 具体的なイメージ
業務の自動化、効率化 52.0% 手作業の転記や集計が減り、残業が減る
コストの削減、生産性の向上 43.9% 紙や郵送の費用、作業時間が減る
データの一元化、データに基づく意思決定 41.9% 売上や顧客の情報をすぐに確認して判断できる
働き方改革、多様な働き方の実現 31.8% 外出先や自宅からも社内の書類を確認できる

成果の多くは、業務の効率化やコスト削減といった身近なものです。DXというと新しいビジネスモデルづくりのような大きな変革を想像しがちですが、中小企業ではまず日々の業務を楽にすることが成果の中心になっています。こうした小さな成果の積み重ねが、データを活用した経営判断や新しいサービスづくりにつながっていきます。メリットと注意点をあわせて確認したい場合は、DXのメリット・デメリットを中立解説|導入前に見る判断軸も参考になります。

失敗を避けるための3つの戦略|短期・中期・長期

DXの課題は、一度にすべて解決しようとすると失敗しやすくなります。時間軸で分けて、短期は小さな改善、中期は人材育成、長期は方針とシステムの刷新の順に取り組みましょう。

期間 やること 対応する課題
短期(数か月) 困っている業務を1つ選び、クラウドサービスなどで小さく改善する。改善前後の作業時間を測る 効果が見えない、何から始めればよいかわからない
中期(1年程度) 社員全員のITの基礎をそろえる研修を仕組み化し、改善を担う社内の推進役を育てる IT人材・DX推進人材の不足
長期(数年) 経営としてDXの方針とロードマップを定め、古いシステムを段階的に置き換える レガシーシステム、経営方針の不在

短期の改善で効果を数字で示せると、予算を確保しやすくなり、社内の協力も得やすくなります。小さく始めるための具体的な手順は、DXの活用・導入|小さく始めて定着させる実務手順で解説しています。その成果を一部の詳しい社員だけのものにせず、組織全体に広げるのが中期の人材育成です。経済産業省の「デジタルガバナンス・コード」でも、2022年9月の2.0への改訂でデジタル人材の育成・確保が取り込まれ、2024年のデジタルガバナンス・コード3.0でも、DXを進めるための人材は経営者が取り組むべき項目の一つとされています。

中期の人材育成で大切なのは、研修を思いつきで単発に行うのではなく、受講する講座、学習の期限、学んだことを試す業務までを決めて仕組みにすることです。eラーニングを使えば、社員ごとの受講状況を管理者が確認でき、業務の合間に少しずつ学ぶ形を作りやすくなります。

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DXが進まない企業に共通する失敗パターン

DXで成果が出ない企業には、ツール導入が目的化する、特定の社員に任せきりにするなどの共通点があります。典型的な進め方と、改善した進め方を比べてみましょう。

陥りやすい進め方(Before) 改善した進め方(After)
ツールを導入すること自体が目的になっている 解決したい課題と、改善を測る数字を先に決める
DXを情報システム担当者や詳しい社員1人に任せきりにする 経営層が方針を示し、現場の社員も巻き込んで進める
基幹システムを一度にすべて入れ替えようとする 影響の小さい業務から段階的に置き換える
ツールを入れたが、使い方を教えずに現場へ任せる 導入と同時に研修を行い、社員のITの基礎をそろえる
効果を測らずに取組を広げる 小さく試して効果を確認してから、他の業務へ広げる

とくに多いのが、特定の社員に任せきりにするパターンです。その社員が異動や退職をすると取組が止まり、新たなブラックボックスが生まれてしまいます。「2025年の崖」で指摘された、仕組みを知る人がいなくなる問題を、自社の中で小さく繰り返さないよう注意しましょう。失敗パターンをさらに詳しく知りたい場合は、DXのデメリット7選|失敗パターンと対処法を公的データで解説も参考になります。

もう1つ見落とされやすいのが、ツールを入れるほど、守るべきルールも増えることです。クラウドサービスやAIを業務に取り入れると、情報セキュリティ、個人情報、著作権といった基本ルールを、全社員が理解している必要が出てきます。ルールの周知を口頭や配布資料だけに頼ると、誰が理解しているかがわからず、取り組みを広げるたびにリスクが高まります。こうしたルール研修に特化した選択肢の一例が、株式会社OysterのOneCompliance(ワンコンプライアンス)です。コンプライアンス研修に特化したeラーニングで、情報セキュリティ、個人情報保護法、著作権(AIに関する内容を含む)、ハラスメント予防などのコースが用意されています。法令の改正などに合わせてコンテンツが更新される点や、ダッシュボードと自動リマインダーで受講状況を把握できる点が特徴です。ただし、DXそのものを学ぶ内容ではなく、DXを進めるときに守るルールの周知を担う位置づけである点に注意してください。料金体系は受講者数に応じて変わるため、トライアルやデモの内容とあわせて問い合わせで確認する必要があります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. DXの課題にはどのようなものがありますか?

A. 大きく分けて、古い基幹システム(レガシーシステム)の老朽化・ブラックボックス化、ITやDXを担う人材の不足、経営としての方針や予算の不足の3つです。中小機構の2025年の調査では、中小企業の課題の1位は「ITに関わる人材が足りない」(28.3%)でした。

Q2. なぜ日本の中小企業ではDXが進まないのですか?

A. 中小機構の調査では、「ITに関わる人材が足りない」(28.3%)、「予算の確保が難しい」(26.0%)、「DX推進に関わる人材が足りない」(25.6%)が上位でした。DXを必要だと思う企業が73.3%いる一方、理解している企業は49.2%、ビジョンやロードマップを策定済みの企業は9.3%にとどまり、必要性の認識が行動に結びついていないことも一因です。

Q3. DXの失敗事例にはどのようなものがありますか?

A. 企業名を挙げた失敗事例は公開されにくいため、この記事では共通する失敗パターンとして整理しています。ツール導入が目的になる、特定の社員に任せきりにする、基幹システムを一度に入れ替えようとする、導入後に使い方を教えない、効果を測らずに広げる、の5つです。

Q4. 「2025年の崖」とは何ですか?2025年を過ぎた今も関係ありますか?

A. 経済産業省が2018年の『DXレポート』で示した言葉で、複雑化・老朽化した既存システムが残り続けると、2025年以降、最大で年間12兆円の経済損失が生じる可能性があるという指摘です。特定の日に起きる出来事ではなく、古いシステムと人材不足を放置した企業ほど競争力を失っていく構造を示したものなので、2025年を過ぎても関係があります。

Q5. IT人材が社内にいない場合、何から始めればよいですか?

A. 外部からの採用だけに頼らず、今いる社員のITの基礎をそろえる社内教育から始めるのが現実的です。eラーニングなどで学習を仕組み化しつつ、困っている業務を1つ選んで小さく改善し、効果を数字で確かめながら進めましょう。

Q6. 「DXは意味がない」といわれるのはなぜですか?

A. DXに取り組む予定がない中小企業の理由は、「具体的な効果や成果が見えない」(25.7%)、「予算が不足している」(20.6%)、「どのように進めればよいかわからない」(14.3%)が上位です。一方、DXに既に取り組んでいる企業の78.3%は成果が出ていると回答しています。ツールを入れること自体を目的にせず、課題と測る数字を先に決めると、効果を実感しやすくなります。

まとめ

DXの課題は、レガシーシステム、人材不足、経営方針や予算の不足の3つに整理できます。押さえておきたいポイントは次の4つです。

  1. 「2025年の崖」は古いシステムの問題として示されたが、中小企業にとっての中心的な課題は、今やIT人材・DX推進人材の不足に移っている。
  2. DXを必要だと思う企業は7割を超える一方、理解し取り組んでいる企業は半数に満たない。取り組んだ企業の約8割は成果を実感している。
  3. 課題ごとに対策を分け、DX推進指標で現在地を確かめる。短期は小さな業務改善で効果を示し、中期は社内の人材育成を仕組み化し、長期で方針づくりとシステムの段階的な刷新に取り組む。
  4. 社内の学びを仕組みにする方法を検討するときは、研修コースの管理、理解度の確認、ルールの周知のどこに手間がかかっているかを整理し、各サービスの資料で機能を比べる。

参考文献

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