DXで業務効率化を進める方法|可視化・標準化・自動化の3ステップ

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  • 可視化・標準化・自動化の3ステップの順序がわかる
  • 自動化の段階で活用されるRPAの特徴がわかる
  • 順序を守らない場合の失敗リスクがわかる

DXで業務効率化を進めたいと考えても、何から着手すべきか分からず止まってしまうことがあります。実は、業務効率化には「可視化」「標準化」「自動化」という順序があり、この順序を飛ばすと期待した効果が出にくくなります。本記事では、DXで業務効率化を進めるための3ステップを解説します。

目次

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  1. 業務効率化の3ステップ
  2. 自動化の段階で活用されるRPA
  3. 「可視化」の段階で具体的に何をするか
  4. 「標準化」で押さえておきたい進め方
  5. 業務効率化でよくある失敗パターン3つ
  6. 業種別に見る可視化・標準化の進め方の違い
  7. 企業規模別に見る取り組み方の違い
  8. 自動化ツールを選定する際に確認しておきたい点
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ|今日からできる3つのこと
  11. 参考文献

業務効率化の3ステップ

現状の業務を可視化する、業務の進め方を標準化する、標準化した業務を自動化するという3ステップの順序で進めることが、DXによる業務効率化の基本です。

ステップ 内容
1.可視化 業務の手順・所要時間・担当者を明らかにする
2.標準化 担当者によって異なる進め方を統一する
3.自動化 標準化された業務をツールで自動処理する
図1:業務効率化の3ステップ

経済産業省は、企業がデータとデジタル技術を活用してビジネスモデルや組織文化を変革することをDXと位置づけています(経済産業省「デジタルガバナンス・コード」、https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html 2026年8月13日取得)。単に自動化ツールを導入するだけでは、業務が標準化されていない状態では効果が限定的になりがちです。

自動化の段階で活用されるRPA

3ステップ目の「自動化」では、定型的な業務や単純作業をロボットの活用によって自動化するRPA(Robotic Process Automation)が活用されることが多くあります。データ入力・転記・定型メール送付といった、標準化された手順が明確な業務ほど、RPAによる自動化の効果を得やすい傾向があります。

逆に、業務の進め方が担当者ごとに異なる(標準化されていない)状態でRPAを導入しても、例外処理が多発し、運用が安定しません。可視化・標準化を経たうえで自動化に進むという順序を守ることが重要です。

「可視化」の段階で具体的に何をするか

可視化は3ステップの出発点であるにもかかわらず、「なんとなく現状を把握する」という曖昧な取り組みで終わってしまいがちです。具体的にどのような情報を集めればよいかを押さえておくと、この段階を着実に進めやすくなります。

可視化の段階でまず整理すべきは、対象業務の「手順」「所要時間」「担当者」「発生頻度」の4項目です。手順については、担当者にヒアリングしながら、業務の開始から完了までの一連の流れを、抜け漏れなく書き出します。この際、マニュアルに書かれている「建前上の手順」だけでなく、実際に担当者が行っている「実務上の手順」(マニュアルにない独自の工夫や、例外対応の方法)まで含めて確認することが重要です。所要時間は、業務全体の時間だけでなく、可能であれば工程ごとの時間も記録しておくと、後の標準化の段階で「どの工程に時間がかかっているか」を特定しやすくなります。

担当者については、同じ業務を複数人が担当している場合、それぞれの担当者から個別にヒアリングを行うことが重要です。1人の担当者の話だけを聞いて可視化を終えると、他の担当者が独自に行っている工夫や、逆に困っている点を見落としてしまうことがあります。発生頻度(毎日・週次・月次など)を記録しておくと、標準化・自動化の優先順位を検討する際に、頻度の高い業務から着手するという判断がしやすくなります。この4項目を業務ごとに一覧表としてまとめておくことが、次の標準化の段階に進むための土台になります。

「標準化」で押さえておきたい進め方

標準化は、担当者ごとに異なる進め方を1つに統一する工程ですが、進め方を誤ると現場の反発を招き、かえって形骸化してしまうことがあります。

標準化を進める際は、可視化の段階で集めた複数の担当者の手順を見比べ、いきなり「これが正解」と決めつけるのではなく、それぞれの手順の中で優れている点(処理が速い、ミスが少ない、確認が確実など)を洗い出すところから始めることが重要です。特定の1人のやり方をそのまま標準として押し付けると、他の担当者から「自分のやり方の方が優れている部分もあるのに」という反発を招きやすくなります。複数の手順の良い部分を組み合わせた新しい標準手順を、実際に業務を担当しているメンバーを交えて作成することで、標準化された手順への納得感を高めやすくなります。

標準化した手順は、口頭での申し送りだけにとどめず、簡単なマニュアルやチェックリストとして文書化しておくことも重要です。文書化しておけば、新しく担当者が加わった際の引き継ぎもスムーズになり、次の自動化の段階に進む際にも、標準化された手順をそのままツールの設定仕様として活用しやすくなります。標準化した直後は、実際に運用してみて、想定していなかった例外パターンが見つかることも多いため、一定期間試行したうえで、必要に応じて手順を微調整する期間を設けておくと、より実務に即した標準化に仕上がります。

業務効率化でよくある失敗パターン3つ

可視化・標準化を飛ばして自動化から始める、可視化しただけで満足する、自動化後の運用ルールを決めないという3つが、業務効率化でよく見られる失敗の典型です。

失敗パターン1:可視化・標準化を飛ばして自動化から始める。業務の進め方が統一されていない状態でツールを導入し、例外処理が多発するケースです。3ステップの順序を守ることが回避策になります。

失敗パターン2:可視化しただけで満足する。業務の実態を把握した時点で取り組みが止まり、標準化・自動化に進まないケースです。可視化を次のステップにつなげることが回避策になります。

失敗パターン3:自動化後の運用ルールを決めない。ツールを導入した後の管理・見直しの担当が決まっておらず、放置されるケースです。運用ルールを事前に決めることが回避策になります。

業種別に見る可視化・標準化の進め方の違い

3ステップの基本的な順序は業種を問わず共通していますが、可視化・標準化の際に押さえるべき視点は業種によって異なります。自社の業務特性に合わせて、どこに重点を置くべきかを把握しておくと、可視化・標準化の作業が的外れになりにくくなります。

製造業では、生産ラインや検品といった現場作業と、受発注・在庫管理といった事務作業の両方が業務効率化の対象になります。現場作業の可視化では、作業手順だけでなく、設備の稼働状況や不良発生のタイミングまで含めて記録しておくと、標準化の段階で「どの工程にばらつきが生じやすいか」を特定しやすくなります。事務作業側は、受発注データの入力・転記といった定型業務が多く、標準化さえ済めば自動化の効果を得やすい領域です。現場と事務の両方を同時に進めようとすると負担が大きくなるため、まずは事務作業側から着手し、自動化の成功体験を積んでから現場作業の標準化に取り組むという順序も選択肢になります。

小売業・サービス業では、店舗ごと・スタッフごとに接客や在庫確認の進め方が異なりやすく、可視化の段階で店舗間の差異を丁寧に洗い出すことが重要になります。本部が定めたマニュアルと、実際に店舗で行われている運用にずれが生じているケースも多いため、複数店舗からヒアリングを行い、良い運用を横展開する形で標準化を進めると、現場の納得感を得やすくなります。バックオフィス業務(勤怠管理・請求書処理など)は業種を問わず標準化・自動化の効果が出やすい領域であるため、店舗運営の効率化と並行して、バックオフィス業務の可視化にも着手しておくと、全体としての効率化の進捗を実感しやすくなります。

企業規模別に見る取り組み方の違い

業務効率化の3ステップは企業規模を問わず有効ですが、社内リソースの多寡によって、進め方や対象業務の絞り込み方を調整する必要があります。

従業員数十名程度の中小企業では、専任の推進担当者を置く余裕がないことが多く、日常業務と兼務しながら可視化・標準化を進めるケースが一般的です。この場合、いきなり全部門を対象にすると作業が分散して途中で止まってしまいやすいため、最も時間がかかっている業務、あるいは繁忙期に負担が集中する業務を1つか2つに絞り込み、そこから可視化に着手することが現実的です。小規模な組織はもともと担当者間の情報共有がしやすいという利点があるため、標準化の合意形成にかかる時間は比較的短くて済む傾向があります。

従業員数百名を超える企業では、部門ごとに業務の進め方が独立して発展していることが多く、可視化の段階で部門横断の共通フォーマットを用意しておかないと、後で情報を比較・統合する際に手戻りが発生します。また、標準化した手順を全社に展開する際は、部門ごとの事情(取引先の特殊な要望や、法令上の要件など)を考慮しつつ、共通化できる部分とできない部分を切り分ける作業が必要です。自動化の段階では、部門ごとに異なるツールを個別導入すると管理が煩雑になるため、複数部門で共通利用できる基盤を選定できないか、可視化・標準化の段階から情報システム部門と連携しておくことが望ましいといえます。

自動化ツールを選定する際に確認しておきたい点

標準化まで完了した業務を自動化する段階になると、複数のツールの中からどれを選ぶかという検討に入ります。機能の多さだけで選ぶと、実際の運用で使いこなせない、あるいは想定していた業務に適用できないといった事態が起こりやすいため、いくつかの観点を事前に確認しておくことが重要です。

まず確認したいのは、標準化した業務の対象システム(会計ソフト、基幹システム、Webブラウザ上の業務画面など)に、そのツールが実際に対応しているかどうかです。対応範囲が広いことをうたっているツールでも、自社が使っている特定のシステムとの相性によっては、設定に想定以上の手間がかかる場合があります。導入前に、実際に自動化したい業務の一部を使って試験的に動かしてみる(トライアル利用する)ことで、こうしたミスマッチを事前に把握しやすくなります。

次に、運用開始後の保守・修正のしやすさも重要な確認点です。業務システムの画面レイアウトが変更されたり、業務手順そのものが見直されたりした場合、自動化の設定も合わせて修正する必要があります。プログラミングの専門知識がなくても設定を修正できるツールかどうか、社内に修正を担当できる人材を確保できるかどうかを、導入前の段階で検討しておくと、運用開始後に「動かなくなったが誰も直せない」という状況を避けやすくなります。あわせて、失敗パターンの1つとして挙げた「自動化後の運用ルールを決めない」状態に陥らないよう、ツール選定の段階から運用ルールの担当者や見直しのタイミングもセットで検討しておくことが望ましいといえます。

よくある質問(FAQ)

Q1. DXで業務効率化を進める3ステップとは何ですか?

A. 現状の業務を可視化する、業務の進め方を標準化する、標準化した業務を自動化するという3ステップです。

Q2. なぜこの順序が重要ですか?

A. 業務が標準化されていない状態で自動化を進めると、例外処理が多発し運用が安定しないためです。

Q3. RPAとは何ですか?

A. 定型的な業務や単純作業をロボットの活用によって自動化するツールです。

Q4. RPAはどのような業務に向いていますか?

A. データ入力・転記・定型メール送付など、標準化された手順が明確な業務に向いています。

Q5. 可視化しただけで終わってはいけない理由は何ですか?

A. 可視化は効率化の出発点であり、標準化・自動化に進まなければ実際の効果は得られません。

Q6. 自動化後に注意すべきことは何ですか?

A. 運用ルールを事前に決め、導入後も管理・見直しを行う担当を明確にしておくことが重要です。

まとめ|今日からできる3つのこと

  1. 業務を可視化する:手順・所要時間・担当者を明らかにします。
  2. 業務を標準化する:担当者ごとの進め方の違いを統一します。
  3. 標準化した業務から自動化する:順序を飛ばしません。

参考文献

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