SaaSのメリット・デメリット|規模別の導入判断ガイド

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  • SaaSの意味とPaaS・IaaSとの違いがわかる
  • メリット・デメリットを規模別に判断できる
  • 給与計算で自社の運用を点検できる

SaaS(Software as a Service)のメリットは、サーバーを用意せずにすぐ使い始められること、初期費用を抑えられること、保守や法改正への対応を提供会社に任せられることです。一方で、カスタマイズの制約や提供会社への依存といったデメリットもあり、その重みは企業の規模や業務によって変わります。この記事では、SaaSの意味とPaaS・IaaSとの違いから、メリット・デメリット、個人事業主・中小企業・中堅/大企業の規模別の考え方、「やめとけ」と言われる理由、導入でよくある失敗までを整理します。総務省の調査データと、メリットを体感しやすい給与計算ソフトの例もあわせて紹介するので、自社に当てはめて判断する材料にしてください。

自社に合うSaaSの使い始め方を診断

Q1. SaaSで任せたい範囲は、どちらに近いですか?

目次

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  1. SaaSのメリットは給与計算で体感しやすい|役割の違う給与計算ソフト2つ
  2. SaaSとは?意味と、PaaS・IaaSとの違い
  3. SaaSの主なメリット(導入の速さ・コスト・運用負荷の軽減)
  4. SaaSの主なデメリット(カスタマイズの制約・ベンダー依存)
  5. 規模別に見るメリット・デメリットの重み付け
  6. SaaSの代表的な種類|業務領域別に見る身近な例
  7. SaaSが効く業務の見つけ方|給与計算で考える判断のしかた
  8. SaaSの選び方|導入前に確認する6項目
  9. 「SaaSはやめとけ」という言説の実態
  10. SaaS導入でよくある失敗パターン
  11. よくある質問(FAQ)
  12. まとめ
  13. 参考文献

SaaSのメリットは給与計算で体感しやすい|役割の違う給与計算ソフト2つ

SaaSのメリットを最も体感しやすい業務の1つが給与計算です。計算方法が制度で決まっていて、改正への対応を提供会社に任せられるためです。

給与計算に使う社会保険料の保険料額表は、たとえば全国健康保険協会(協会けんぽ)が年度ごとに公表しています。パッケージソフトや表計算ソフトで運用していると、改正のたびに表の差し替えや設定の見直しが担当者の仕事になります。総務省の「令和7年通信利用動向調査」でも、クラウドサービスで利用している内容として「給与、財務会計、人事」を挙げた企業は56.3%にのぼります。担当者が1人か2人の少人数の企業ほど、「改正対応を任せられる」効果が表れやすい業務です。ここでは、お名前.comビジネスコンシェルジュに掲載している給与計算ソフトのうち、役割の異なる2つを並べます。

給与計算ソフト2サービスの役割の違い

自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています

自社の状況:

この状況に合う一例:ジンジャー給与 給与体系ごとに項目や計算式を登録でき、手当や雇用形態の違いに対応しやすい機能が紹介されています。

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この状況に合う一例:freee人事労務 入社・退職の手続きから年末調整まで、従業員が入力した情報をもとに書類を作成できる機能が紹介されています。

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サービス ジンジャー給与 freee人事労務
向いている会社 勤怠や人事労務も同じシリーズでそろえたい会社。給与体系や手当が多様で、計算式を細かく登録したい会社 入社・退社の手続きや年末調整まで、人事労務を1つの仕組みで管理したい中小企業
特徴 画面に表示される流れに沿って、給与計算から給与明細の発行まで進められる。年末調整、月変算定、賞与計算にも対応 勤怠管理、給与計算、入社・退社手続き、年末調整をまとめて管理でき、打刻忘れや残業申請を知らせるアラート機能もある
注意したい点 勤怠や人事のデータを自動で反映するには、他のジンジャーのサービスとの連携が前提。他社のサービスとはCSVでの連携になる 複数人での管理やカスタマイズには融通が利きにくい面がある。電話サポートは一部のプランで別料金
資料・詳細

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表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

給与計算の手作業を減らしたい会社の一例が、jinjer株式会社が提供するジンジャー給与です。商品ページでは、画面に表示される流れに沿って給与計算から明細の発行まで進められること、給与体系ごとに項目や計算式を登録して手当や雇用形態の違いに対応できること、同じシリーズのジンジャー勤怠やジンジャー人事労務と連携すると勤怠データや従業員情報をCSVを介さずに取り込めることが紹介されています。注意したいのは、勤怠や人事のデータを自動で反映するには他のジンジャーのサービスとの連携が前提になる点です。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

jinjer株式会社

ジンジャー給与

ジンジャー給与
出典:hcm-jinjer.com

jinjer株式会社

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低コストで導入したい中小企業向け

全体評価
3 (1件)
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ここがおすすめ!

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  • シリーズ連携で人事情報から給与計算・各種社会保険の電子申請までジンジャーで完結
  • 優れたUIで価格も安く気軽に導入しやすい
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ここが少し気になる…

  • 所得税や住民税率は手動で変更する必要がある
評価・口コミ(一部抜粋)
3
  • ジンジャー給与を導入したことで、勤怠データの手入力ほぼ不要になり、業務負担が大幅に軽減されました。給与計算のミスも減り、確認作業の時間短縮にもつながっています。クラウド上で作業できるため、場所を問わず作業できる点もメリットです。

他システムとの比較記事はこちら

料金の機能の詳細や利用イメージは
「サービス詳細はこちら」をクリック

ジンジャーの公式サイトの導入事例では、介護施設を運営する社会福祉法人三重ベタニヤが、タイムカードの回収から給与計算までに毎月2営業日以上の工数がかかっていたという課題を、勤怠・人事・給与の導入で見直した経緯が紹介されています。

打刻情報がそのままデータ化され、給与計算システムにワンクリックでデータ連携。入力作業や確認工数を大幅に削減。

ジンジャー導入事例 社会福祉法人三重ベタニヤ

SaaSとは?意味と、PaaS・IaaSとの違い

SaaS(Software as a Service)とは、ソフトウェアをインターネット経由で利用できるようにしたサービスの形態で、「サース」または「サーズ」と読みます。自社のパソコンやサーバーにソフトを入れて保守するのではなく、アカウントを契約して、ブラウザなどから使います。

総務省の「国民のための情報セキュリティサイト」では、クラウドサービスを主にSaaS・PaaS・IaaSの3つに分類しています。PaaSはアプリケーションを動かすためのプラットフォーム機能を、IaaSはハードウェアやインフラの機能を、それぞれインターネット経由で提供するサービスです。違いを利用者の立場から整理すると次のとおりです。

種類 提供されるもの 主な利用者 利用側が担う範囲の目安
SaaS 完成したソフトウェア(アプリケーション) 業務でソフトを使う担当者・従業員 アカウント、利用ルール、入力したデータの管理
PaaS アプリケーションを動かすための実行基盤 アプリケーションを開発する技術者 上記に加えて、開発したアプリケーションとその設定
IaaS サーバーやネットワークなどのインフラ システムを構築・運用する技術者 上記に加えて、OSやミドルウェアの設定と運用

つまり、業務で使う側の企業にとっては、ほとんどの場合SaaSが検討の入り口になります。PaaSやIaaSは、自社でシステムを開発したり、独自の環境を構築したりする場合の選択肢です。似た言葉にASP(Application Service Provider)もあります。ユーザーごとにサーバーとソフトを用意する方式をASP、1つのサーバー上のソフトを複数のユーザーで共有する方式をSaaSと区別して説明する解説もありますが、提供会社によっては区別せずに使われています。クラウドやオンプレミスとの関係は、SaaSとクラウドの違いで詳しく整理しています。

SaaSの主なメリット(導入の速さ・コスト・運用負荷の軽減)

SaaSの主なメリットは、すぐに使い始められる導入の速さ、初期費用を抑えられるコスト構造、保守や法改正への対応を任せられる運用負荷の軽減の3つです。これに、場所や端末を選ばない働き方への対応と、データの保全のしやすさが加わります。

SaaSは、提供会社のサーバー上で動くソフトウェアを、インターネット経由で利用する仕組みです。自社でサーバーを購入したり、パソコン1台ずつにソフトをインストールしたりする必要がありません。そのため、自社でシステムを構築・所有する形(オンプレミス型)と比べると、次のような違いが生まれます。

メリット 内容 オンプレミス型との違い
導入が速い 申し込み後、アカウントを発行すればすぐに使い始められる サーバーの調達や構築に数週間から数か月かかることがある
初期費用を抑えられる 月額・年額の利用料が中心で、無料プランや無料トライアルがあるサービスも多い サーバーやライセンスの購入費、構築費が先にかかりやすい
保守・更新を任せられる 機能追加、不具合の修正、法改正への対応を提供会社が行う 更新作業やバージョンアップを自社で計画・実施する必要がある
場所を選ばない インターネット環境があれば、社外や自宅、スマートフォンからも使える 社外から使うにはVPNなどの仕組みを別途用意することが多い
複数人で同じデータを扱える 拠点や部署が違っても、同じアカウント体系で同じ情報を見られ、共同で編集できるサービスもある 拠点ごとにデータが分かれたり、ファイルを送り合ったりして最新版が分かりにくくなる
人数や機能を増減しやすい 必要な機能に絞って始め、人数や利用範囲の変化に合わせてプランを変えられるサービスが多い 最大の利用規模を見込んで、あらかじめ設備やライセンスを用意しがち
他のサービスと連携しやすい 勤怠と給与、会計と請求書など、同じ提供会社のシリーズや外部サービスとデータをつなげられるものがある システム間の連携を自社で開発・保守することが多い
データを保全しやすい データは提供会社のサーバーに保存され、パソコンの故障で失われにくい バックアップの取得と保管を自社で行う必要がある

このうち、多くの企業にとって効果が大きいのは「保守・更新を任せられる」点です。システムの価値は導入した時点ではなく、使い続ける間の手間で決まります。オンプレミス型では、導入後もサーバーの老朽化への対応、OSのサポート終了に伴う入れ替え、セキュリティパッチの適用といった作業が続きます。SaaSではこれらを提供会社が担うため、社内の担当者は本来の業務に時間を使えます。

では、実際の企業はどんな理由でクラウドサービスを使っているのでしょうか。総務省の「令和7年通信利用動向調査」(2025年8月末時点、常用雇用者100人以上の企業が対象)では、クラウドサービスを一部でも利用している企業は83.5%、全社的に利用している企業は60.0%でした。利用の理由は次のとおりです。

クラウドサービスを利用する理由(複数回答) 割合(令和7年)
場所、機器を選ばずに利用できるから 50.7%
安定運用、可用性が高くなるから 45.1%
資産、保守体制を社内に持つ必要がないから 42.8%
既存システムよりもコストが安いから 19.4%

上位に並ぶのは「場所を選ばない」「安定運用」「保守体制を持たなくてよい」といった運用面の理由で、「既存システムよりもコストが安いから」は挙げられた8項目の中で最も低い19.4%です。コスト面のメリットは「総額が必ず安くなる」という意味ではありません。SaaSは初期費用が小さい代わりに、利用料を払い続ける仕組みです。短期間の利用や、人数の増減が多い使い方では有利になりやすい一方、同じサービスを長期間、大人数で使い続ける場合は、累計の利用料がオンプレミス型の総額に近づくこともあります。コスト面のメリットは、「先に大きな投資をしなくてよい」「使わなくなったらやめられる」という支出の柔軟さにあると考えると、判断を誤りにくくなります。なお、同調査ではクラウドサービスを利用した企業の89.4%が「非常に効果があった」または「ある程度効果があった」と答えています。

SaaSの主なデメリット(カスタマイズの制約・ベンダー依存)

SaaSの主なデメリットは、自社の業務に合わせた作り込みが難しいカスタマイズの制約と、仕様変更やサービス終了の影響を受けるベンダー依存の2つです。さらに、障害時に使えなくなる点、利用料の積み重ね、セキュリティ設定の責任といった弱点もあります。

デメリット 起きやすいこと 事前にできる確認
カスタマイズの制約 独自の帳票や承認ルール、計算方法にそのまま対応できない 必須の業務要件を洗い出し、無料トライアルで実際の業務を再現してみる
仕様変更の影響 アップデートで画面や操作が変わり、社内マニュアルの修正が必要になる アップデートの告知方法や頻度を確認し、社内の問い合わせ窓口を決めておく
障害・回線への依存 提供会社側の障害やメンテナンス、自社のインターネット回線の不調で、復旧するまで業務が止まる 稼働実績や障害情報の公開方法、メンテナンスの予告時期を確認し、停止時の代替手順(紙での受付や締め日の調整など)を決めておく
ベンダー依存 値上げやサービス終了の際に、別サービスへの移行が負担になる データをCSVなどで一括出力できるか、解約時のデータの扱いを確認する
利用料の積み重ね 部署ごとに契約が増え、全社でいくら払っているか把握できなくなる 契約の窓口を一本化し、利用中のSaaSを一覧で管理する
支払い方法の制約 サービスによっては、請求書払いや銀行振込に対応しておらず、社内の経理ルールと合わない 申し込み前に、対応する支払い方法と社内の支払い規程が合うかを確認する
利用側のセキュリティ責任 共有設定の誤りや退職者アカウントの放置から情報が漏れる 管理者を限定し、入退社とアカウントの発行・削除をセットで運用する

SaaSのデメリットで見落とされやすいのが、セキュリティの責任の分担です。SaaSではサーバーやソフトウェアの管理は提供会社が行いますが、誰にアカウントを発行するか、ファイルを誰に共有するか、パスワードをどう管理するかは利用する企業側の責任です。「クラウドだから提供会社が守ってくれる」と考えて設定を初期状態のまま使うと、意図せず社外からデータが見える状態になることもあります。独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」でも、クラウドサービスを安全に利用するための確認事項がまとめられているので、導入前に一度目を通しておくと安心です。

また、給与や従業員の情報のように個人情報を扱うSaaSでは、データの取扱いを外部に預けることになります。個人情報保護法では、個人データの取扱いを委託する場合に委託先を適切に監督することが求められるとされています。提供会社のセキュリティ体制や認証の取得状況、データの保存場所を確認し、社内の規程と矛盾しないかを見ておきましょう。具体的にどこまでの対応が必要かは個人情報保護委員会のガイドラインを参照し、判断に迷う場合は専門家に確認することをおすすめします。本記事は一般的な情報の整理であり、法的な助言を目的としたものではありません。

カスタマイズの制約は、給与計算で言えば「自社の手当や雇用形態の計算ルールを、標準の機能でどこまで再現できるか」という確認になります。商品ページでは、ジンジャー給与は給与体系ごとに項目や計算式を登録して、従業員の年次や勤務形態、各種手当に応じた自動計算ができると紹介されています。独自の計算ルールが多い会社は、資料で登録できる項目の範囲を確かめたうえで、無料トライアルで実際の給与データを再現してみるのが確実です。

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給与体系や手当の計算ルールが複雑な会社に

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規模別に見るメリット・デメリットの重み付け

SaaSのメリット・デメリットは、企業の規模によって重みが変わります。個人事業主や中小企業では「手間とコストの削減」が大きく効き、中堅・大企業では「既存システムとの連携」や「統制」のデメリットが判断の中心になります。規模ごとの受け止め方を整理すると次のとおりです。

観点 個人事業主・数名規模 中小企業(数十名規模) 中堅・大企業
導入の速さ 効果大。当日から使える 効果大。部署単位で素早く試せる 効果中。社内審査や連携設計で時間がかかる
初期費用の小ささ 効果大。無料プランで始められる 効果大。設備投資の予算を取らずに始められる 効果中。長期大人数の利用では累計額の比較が必要
保守・法改正対応の外部化 効果大。IT担当者がいなくても最新の状態を保てる 効果大。担当者への業務集中と属人化を緩和できる 効果中。情報システム部門の負担を軽くできる
カスタマイズの制約 影響小。業務をサービスに合わせやすい 影響中。独自ルールの見直しが必要な場合がある 影響大。独自の業務フローや帳票との差が大きくなりやすい
アカウント・契約の管理 影響小。管理対象が少ない 影響中。部署ごとの契約が増えやすい 影響大。数十から数百のSaaSを統制する仕組みが必要
既存システムとの連携 影響小。連携先が少ない 影響中。会計や勤怠との連携可否を確認する 影響大。基幹システムとのデータ連携が選定の前提になる

個人事業主・数名規模:手間の削減が最大のメリット

個人事業主や数名規模の事業では、SaaSのメリットがほぼそのまま効きます。自社でサーバーを管理する余力はなく、法改正を自分で追いかけるのも負担が大きいため、それらを提供会社に任せられることは費用以上の価値があります。業務をサービスの標準機能に合わせやすいので、カスタマイズの制約もあまり問題になりません。注意したいのは、多機能な上位プランを最初から選んでしまうことです。使わない機能に費用を払い続けないよう、無料プランや最小構成から始め、必要になったらプランを上げる進め方が向いています。

中小企業:コスト削減と属人化の解消を両立しやすい

数十名規模の中小企業では、給与計算や勤怠、経費精算といったバックオフィス業務が、特定の担当者1人か2人に集中しがちです。担当者が休んだり退職したりすると業務が止まるリスクがあり、これを和らげられることがSaaSの大きなメリットになります。計算や改正対応がシステム側で行われ、手順が画面上で統一されるため、引き継ぎもしやすくなります。一方で、この規模から目立ち始めるのが、部署ごとにSaaSを契約して費用と管理が膨らむ問題です。誰がどのサービスを契約しているかを一覧で管理し、同じ用途のサービスを重複して契約しないようにすることが、メリットを保つ条件になります。

人事労務の属人化を和らげたい中小企業の一例が、freee株式会社(商号:フリー株式会社)が提供するfreee人事労務です。商品ページでは、勤怠管理、給与計算、入社・退社の手続き、年末調整をクラウド上でまとめて管理でき、従業員に入力してもらった情報を各種書類へ自動で転記できること、打刻忘れや残業の申請状況を知らせるアラート機能があることが紹介されています。留意点として、複数人での管理やカスタマイズには融通が利きにくい面があること、電話サポートは一部のプランで別料金になることが挙げられています。契約は従業員5人からの仕組みで、1か月間の無料プランやお試しプランも用意されています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。

フリー株式会社

freee人事労務

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出典:www.freee.co.jp

フリー株式会社

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経理や労務管理初心者でもとにかく使いやすい給与計算ソフト

全体評価
4.5 (19件)

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  • 既存業務の見直しや操作法のレクチャーなど専任担当が継続的にサポート
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ここが少し気になる…

  • freee会計と連携した際の画面切替が手間
評価・口コミ(一部抜粋)
4.5
  • 時間内と時間外の残業時間が別々に表示され、さらにそれぞれの時給も記載されているところが良いと思います。 ほかのfreeeの機能ともリンクできるので、勤怠であったり毎年恒例の年末調整であったり、情報が共有できます。その点についてとても良いと感じました。

  • 給料手当支給に伴う年金、社会保険料の算出にあたり、都道府県毎で違う料率をサービス側で把握しているため、計算、検算が不要で自動処理でき、月例の面倒な事務が軽減できた。

  • 従業員と人事に関する契約書から労務管理が一括して管理ソフトで可能なため、業務の効率がとても上がる。また、チャットサービスがあるため、不備や操作が不明な場合は手軽に問い合わせることができて助かった。

実際に使用してみたレビューはこちら

他サービスとの比較記事はこちら


ジンジャー給与と比較

弥生給与 Nextと比較

マネーフォワード クラウド給与と比較

機能の詳細や利用イメージは
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freeeの公式サイトの導入事例には、従業員21-50名の製造業である伊予興業株式会社が、紙のタイムカードを集めて給与ソフトに手入力していた運用から、freee人事労務での勤怠集計と給与計算に切り替えた経緯が紹介されています。

勤怠データがそのままシステム上で集計されるため、社員がPC上で打刻を実施してくれてデータが揃えば、給与計算自体はわずか半日で完了するようになりました。

freee導入事例 伊予興業株式会社

中堅・大企業:デメリットをどう管理するかが判断の中心

中堅・大企業では、SaaSの導入そのものより、導入後の統制が課題になります。既存の基幹システムとデータを連携できるか、社内のセキュリティ基準や監査の要件を満たせるか、独自の業務フローをサービスに合わせて見直せるかが主な論点です。部門ごとに数多くのSaaSが使われるようになると、アカウントの発行・削除や契約の管理そのものが大きな業務になります。そのため、シングルサインオンによる認証の一元化や、利用中のSaaSを管理する仕組みを整えたうえで導入を広げる企業が増えています。導入の速さという利点を活かすには、部門単位で試験導入し、効果と運用の課題を確かめてから全社に広げる進め方が現実的です。

SaaSの代表的な種類|業務領域別に見る身近な例

SaaSには、会計や給与計算、契約書の管理、営業支援、ビジネスチャットなど、業務の領域ごとにさまざまな種類があります。総務省の令和7年通信利用動向調査で、企業が利用しているクラウドサービスの内容を見ると、「ファイル保管・データ共有」が73.3%で最も高く、「社内情報共有・ポータル」が61.4%、「電子メール」が57.4%、「給与、財務会計、人事」が56.3%と続きます。自社の業務に近い領域から、解決したい課題と導入前の確認点を整理しておくと、選択肢を絞りやすくなります。

業務領域 解決しやすい課題 導入前の確認点
会計・経費精算 仕訳の手入力、紙の経費精算、月次の締め作業 税制改正への対応方針、銀行やカードとの連携、税理士との共有方法
給与計算・勤怠・人事労務 勤怠集計の手入力、給与明細の配布、入退社の手続き、年末調整 法改正への対応の範囲、勤怠と給与の連携、自社の手当ルールの再現性
契約書管理・電子契約 契約書の郵送・押印、保管場所のばらつき、更新期限の管理 取引先が受け取れる形式か、保存や検索の要件、アカウントの権限設定
営業支援・顧客管理 顧客情報や商談履歴の属人化、案件の進捗が見えない 既存システムとの連携、入力の手間、現場に定着させる運用
ビジネスチャット・Web会議 メールの往復、移動を伴う会議、社外とのやり取り 社外ゲストの扱い、ログの保存期間、共有設定の初期値
ファイル保管・情報共有 ファイルの最新版が分からない、社外からのアクセス 共有範囲の管理、退職者のアカウント削除、データの出力方法

種類の分け方(業種に特化したVertical SaaSと、業種を問わず使えるHorizontal SaaSなど)は、SaaSの種類の解説で詳しく扱っています。経理業務に絞って選びたい場合は経理SaaSの選び方も参考になります。

SaaSが効く業務の見つけ方|給与計算で考える判断のしかた

SaaSが向くのは、手順が法令やルールで決まっていて、各社で差がつきにくい定型業務です。手順が決まっているか、手作業と転記が多いか、特定の担当者に依存していないかの3点で見極めます。

判断の軸 SaaSが効きやすい状態 給与計算に当てはめると
手順が制度やルールで決まっている 各社で手順に差がつきにくく、提供会社の標準機能で足りる 社会保険料や源泉所得税の計算が制度に沿って決まっている
手作業と転記が多い 同じ情報を別のファイルや帳票に何度も入力している 勤怠の集計、給与の計算、明細の作成、振込の依頼で数字を何度も書き写している
特定の担当者に依存している 担当者が休むと手順が分からず、業務が止まる 給与計算のやり方を知っているのが1人か2人だけ

逆に、業務の手順そのものが競争力の源泉になっている場合や、データを社外のサーバーに置けない場合は、SaaS以外の選択肢も含めて検討する必要があります。自社の給与計算の運用が、今のやり方で足りているのかどうかを、次のセルフチェックで確かめてみてください。

給与計算の運用、今のやり方で大丈夫?セルフチェック

当てはまるものを選んでください(登録不要)

SaaSの選び方|導入前に確認する6項目

SaaSを選ぶときは、機能の多さではなく、自社の必須要件を満たせるか、運用を続けられるかを基準にします。導入前に確認しておきたい項目は次の6つです。

確認項目 見るポイント 確認の方法
必須機能 自社の業務で欠かせない機能が標準で使えるか 必須要件を先に書き出し、資料や無料トライアルで1つずつ確かめる
料金の体系 人数や機能の増減で総額がどう変わるか、オプションの有無 現在と将来の人数で見積もりを取り、オプションを含めた総額で比べる
セキュリティ 認証の取得状況、アクセス権限の設定、データの保存場所 提供会社の公式資料を確認し、社内のセキュリティ規程と照らし合わせる
サポート体制 問い合わせ手段(チャット・電話・メール)と対応時間、プランによる違い 自社が使いたい手段が契約するプランに含まれるかを確認する
データの出力と解約 CSVなどで一括出力できるか、解約後のデータの扱い 契約前に出力の方法と解約時の取り決めを確認する
他サービスとの連携 今使っている勤怠・会計などとデータをつなげられるか 連携の方式(標準連携かCSVか)と、連携にかかる手間を確認する

複数のSaaSを並べて比べる場合は、評価の軸を先にそろえることが大切です。比較サイトの見方や、景品表示法に配慮した比べ方は、SaaS比較の正しい方法で解説しています。

サポート体制と運用の見通しを確かめる

6項目のうち、導入後の満足度を左右しやすいのがサポート体制です。SaaSは使い始めるのが簡単な反面、初期設定や社内への定着でつまずくと、使われないまま契約だけが残ります。問い合わせの手段がチャットだけなのか、電話やメールにも対応しているのかは、プランによって異なるサービスが少なくありません。商品ページでは、ジンジャー給与も、組織の規模などに応じて選べるサポートプランが用意され、プランによってチャットのみの対応と、チャット・電話・メールで対応するものがあると紹介されています。契約前に、自社に必要な手段が選ぶプランに含まれているかを確認しておきましょう。

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「SaaSはやめとけ」という言説の実態

「SaaSはやめとけ」という意見の多くは、SaaSそのものの欠点ではなく、自社の規模や業務に合わないサービスを選んだ結果や、導入後の管理不足から生まれています。どのような場面でこうした声が出やすいのかを知っておくと、同じ失敗を避けやすくなります。

よく聞かれる不満は、大きく3つに分けられます。1つ目は「思ったより高くついた」という費用の不満です。これは、人数の増加や上位プランへの変更、オプションの追加を試算しないまま契約した場合や、使っていないサービスの契約が残り続けている場合に起きやすくなります。2つ目は「自社の業務に合わない」という不満で、独自の業務ルールを変えずにSaaSを当てはめようとしたときに起こります。3つ目は「値上げや仕様変更に振り回される」というベンダー依存への不満です。

これらは、SaaSの仕組みを理解して選べば、多くの場合は事前に避けられます。費用は現在と将来の人数で試算し、年に1回は利用中のサービスを棚卸しする。業務への適合は無料トライアルで実際の業務を再現して確かめる。ベンダー依存には、データを出力できるサービスを選び、乗り換えの余地を残しておく。こうした基本を押さえれば、「やめとけ」と言われるような状況に陥る可能性は小さくなります。反対に、次のような条件に当てはまる業務は、SaaSより自社構築やパッケージの方が向いている場合もあります。

  • 業務の手順そのものが競争力の源泉で、独自の作り込みが欠かせない
  • 法令や取引先との契約により、データを社外のサーバーに置けない
  • インターネットに接続できない環境で使う必要がある
  • 同じシステムを長期間、大人数で使い続け、仕様がほとんど変わらない

逆に言えば、法令で決まった計算を正確に行うことが求められ、各社で手順の差がつきにくい業務ほど、SaaSのメリットが素直に出ます。その代表が給与計算です。計算方法が制度に沿って決まっていて自社独自の作り込みをする必要が少なく、改正への対応を提供会社に任せられます。「SaaSが自社に合うか不安」という場合は、まずこうした定型業務から1つ導入し、効果を確かめてから範囲を広げるのが安全です。無料トライアルや無料期間を設けているサービスもあるため、試してみる入り口として向いています。

なお、「SaaSの死」という言葉を耳にして不安を感じている場合は、「SaaSの死」とはで議論の背景を、SaaSの死とは|利用者の3つのリスクで利用者として備えるべき点を整理しています。

SaaS導入でよくある失敗パターン

SaaSの導入で起きる失敗の多くは、サービスの機能不足ではなく、選び方と導入後の運用に原因があります。よくある失敗と、見直し後の状態を整理します。

よくある失敗(Before) 原因 見直し後(After)
月額の安さだけで選び、必要な機能が別料金だった オプションや連携先のサービスを含めた総額を確認していなかった 必須機能を先に決め、それを満たす構成の総額で比較する
部署ごとに似たサービスを契約し、費用が膨らんだ 契約の窓口がなく、誰が何を使っているか把握していなかった 契約の窓口を決め、利用中のSaaSを一覧にして年1回見直す
退職者のアカウントが残り、社外からアクセスできた 入退社の手続きとアカウント管理が連動していなかった 人事の手続きにアカウントの発行・削除を組み込む
導入したが使われず、紙やExcelと併用が続いた 現場が試さないまま導入し、移行の期限も決めていなかった トライアル期間に現場を巻き込み、旧来の方法をやめる日を決める
乗り換えようとしたらデータを移せなかった データの出力方法や解約時の扱いを契約前に確認していなかった CSVなどでの一括出力と、解約後のデータ保持期間を確認して選ぶ

これらの失敗に共通するのは、「導入すれば終わり」と考えてしまう点です。SaaSは使い始めるのが簡単な分、契約やアカウントが増えやすく、放置すると費用とセキュリティの両面で問題が生まれます。導入時には、誰が契約を管理するか、アカウントをどう発行・削除するか、どのタイミングで利用状況を見直すかまでを決めておくと、SaaSのメリットを長く保ちやすくなります。

なかでも、導入したものの現場に定着せず、紙や表計算ソフトとの併用が続く失敗は、人事労務のように全従業員が関わる業務で起きやすくなります。商品ページでは、freee人事労務は操作画面がシンプルで直感的なため従業員が使い始めやすいこと、入社・退社の手続きなどを従業員自身がオンラインで進められることが紹介されています。現場に負担をかけずに移行するには、従業員の入力が必要な手続きを、画面の使いやすさと合わせて資料で確かめておくと安心です。

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よくある質問(FAQ)

Q1. SaaSの一番のメリットは何ですか?

A. 多くの企業にとって大きいのは、サーバーの保守や機能の更新、法改正への対応を提供会社に任せられることです。これに加えて、すぐに使い始められる導入の速さと、初期費用を抑えられる点がメリットとして挙げられます。

Q2. SaaSの弱点(デメリット)は何ですか?

A. 自社の業務に合わせた作り込みが難しいカスタマイズの制約と、仕様変更や値上げ、サービス終了の影響を受けるベンダー依存が主な弱点です。障害時に使えなくなる点や、利用料の積み重ね、アカウント・共有設定の管理責任が利用側にある点にも注意が必要です。

Q3. SaaSを使うと必ずコストは安くなりますか?

A. 必ず安くなるとは限りません。初期費用は抑えられますが、利用料を払い続ける仕組みのため、長期間・大人数で使うと累計額が大きくなることがあります。総務省の令和7年通信利用動向調査でも、クラウドサービスを使う理由として「既存システムよりもコストが安いから」を挙げた企業は19.4%にとどまります。現在と将来の人数、オプション費用を含めた総額で比較するのが基本です。

Q4. 「SaaSは死んだ」とはどういう意味ですか?

A. SaaSが使われなくなるという意味ではなく、AIの普及によって業務ソフトの役割や料金の考え方が変わるという議論を指す言葉として使われています。利用する企業としては、データを書き出せるか、契約条件が変わったときに乗り換えられるかを確認しておくと備えになります。

Q5. SaaSのセキュリティは提供会社に任せておけば大丈夫ですか?

A. サーバーやソフトウェアの管理は提供会社が行いますが、アカウントの発行・削除、ファイルの共有設定、パスワードの管理は利用する企業側の責任です。管理者を限定し、入退社とアカウント管理を連動させるなどの社内ルールが必要です。

Q6. SaaSを初めて導入するなら、どの業務から始めるのがよいですか?

A. 給与計算のように、法令で計算方法が決まっていて各社で手順の差がつきにくい定型業務から始めるのがおすすめです。改正対応を任せられる効果を実感しやすく、無料トライアルや無料期間のあるサービスで試してから範囲を広げられます。

まとめ

SaaSは、導入の速さ、初期費用の小ささ、保守や法改正対応を任せられる運用負荷の軽減といったメリットがある一方、カスタマイズの制約やベンダー依存といったデメリットもあります。その重みは企業の規模や業務で変わるため、一般論ではなく自社に当てはめて判断することが大切です。導入を検討する際は、次の4点を押さえると進めやすくなります。

  1. 自社の規模でどのメリットが大きく効き、どのデメリットが問題になりやすいかを整理する。
  2. 費用は月額の安さではなく、現在と将来の人数、オプションを含めた総額で比較する。
  3. 給与計算のような定型業務から1つ導入し、契約とアカウントの管理ルールを決めてから範囲を広げる。
  4. 給与計算ソフトを検討するなら、勤怠・人事労務との連携を重視するか、入社手続きや年末調整まで1つにまとめるかを軸に、ジンジャー給与とfreee人事労務の資料で自社の運用に合うかを確かめる。

参考文献

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