BPOと業務委託の違いとは?請負・準委任の契約類型と偽装請負の判断基準
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- BPOは業務委託の一種で任せる範囲が広い
- 契約は請負か準委任のどちらかに分かれる
- 偽装請負かは実態で判断され指示は責任者経由
BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)とは、業務プロセス全体の設計から運用、改善までを外部の専門事業者に任せる手法で、業務委託の一種です。BPOを依頼するときに結ぶ業務委託契約は、法律上「請負」か「準委任」のどちらかに分類されます。題名が同じ「業務委託契約書」でも、中身が請負か準委任かで、報酬の発生条件や成果物への責任が変わります。また、現場で発注者が受託側のスタッフに直接指示を出していると、契約書の形に関わらず「偽装請負」と判断されるおそれがあります。この記事では、BPOと業務委託の違い、契約の種類、偽装請負の判断基準、2026年1月施行の取適法との関係、委託先の選び方、契約書の管理方法を、発注担当者と法務担当者の目線で整理します。
BPOの業務委託契約で気になる点を2問で診断
Q1. BPOの業務委託契約で、いま一番確認したいのはどれですか?
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- BPOと業務委託の違い|BPOは業務委託の一種で、任せる範囲が広い
- BPOの業務委託契約は書面で形にする|契約書の締結と管理に使える電子契約システム
- BPOと似た言葉の違い|アウトソーシング・外注・派遣・BPRとの線引き
- BPOのメリット・デメリットと委託先の選び方|契約で備えるポイント
- BPOの業務委託契約は請負か準委任か|契約類型の違いと選び方
- 偽装請負の判断基準|厚生労働省の37号告示と疑義応答集で見るポイント
- 取適法(旧下請法)はBPOの契約にどう関係するか|対象になる取引と求められる対応
- BPOの業務委託で偽装請負になりやすい失敗パターンと対策
- 自社のBPO契約が適法か確認する方法|発注者・受託者のチェックリスト
- よくある質問(FAQ)
- まとめ|BPOの業務委託契約を整えるために押さえたい5つのこと
- 参考文献
BPOと業務委託の違い|BPOは業務委託の一種で、任せる範囲が広い
BPOは業務プロセス全体を外部に任せる手法で、業務委託は業務の一部を外部に任せるときに結ぶ契約の形です。BPOは業務委託の一種にあたります。
業務委託は、自社の業務を外部の事業者に任せるときに結ぶ契約を広く指す言葉です。経理の請求書発行だけ、データ入力だけといった特定の作業を切り出して頼む場合も業務委託にあたります。これに対してBPOは、経理や給与計算、問い合わせ対応などの業務を、手順の設計や運用、改善まで含めてひとまとまりで任せる点が特徴です。BPOを依頼するときの契約は多くの場合「業務委託契約」になるため、BPOは任せ方や目的を表す言葉、業務委託は契約の形を表す言葉と整理すると分かりやすくなります。
| 比較項目 | BPO | 一般的な業務委託(業務代行) |
|---|---|---|
| 任せる範囲 | 業務の流れ全体(設計・運用・改善) | 切り出した特定の作業 |
| 業務の手順を考えるのは | 主に受託者 | 発注者が決めた手順に沿うことが多い |
| 契約期間の傾向 | 中長期の継続契約が中心 | 単発や短期の依頼も多い |
| 主な目的 | 業務全体の効率化と品質の安定 | 特定の作業の負担軽減や人手不足の補完 |
どちらを選ぶかは、業務を流れごと見直して任せたいのか、特定の作業だけを手放したいのかで決まります。契約の形はどちらも業務委託で、その中身は請負か準委任のどちらかに分かれます。どちらの場合も、任せる範囲と責任の所在を書面に残しておくことが、後のトラブルを防ぐ土台になります。
BPOの業務委託契約は書面で形にする|契約書の締結と管理に使える電子契約システム
BPOの業務委託契約は、請負か準委任か、業務範囲や窓口を契約書に残して初めて運用が安定します。契約書の締結と管理は電子契約システムで一本化できます。
BPOの委託先が1社のうちは、紙の契約書やフォルダ管理でも回ります。しかし、経理はA社、給与計算はB社、問い合わせ対応はC社と増えると、契約書ごとに契約の種類、再委託の可否、更新期限を追うだけでも手間がかかります。偽装請負の点検や取適法への対応でも、契約書や発注内容の記録をすぐに示せることが前提です。そこで、契約の締結から保管までを電子で行うサービスの役割の違いを、次の表で整理しました。優劣ではなく、自社の状況に合うものを選ぶための比較です。
BPOの契約書の締結と管理に使える5つの電子契約サービス
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:電子印鑑GMOサインは、立会人型と当事者型の両方の署名に対応しています
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:マネーフォワード クラウド契約は、紙の契約書も他社の電子契約サービスで締結した契約書もまとめて管理できます
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:SMBCクラウドサインは、契約金額や期間を自動で読み取るAI契約書管理機能があります
資料を無料ダウンロード| サービス | Contract One |
SMBCクラウドサイン |
|||
|---|---|---|---|---|---|
| 向いている会社 | 取引先に合わせて署名の方式を選びたい会社 | freeeの会計や人事労務をすでに使っている会社 | 紙と電子の契約書を一か所にまとめたい会社 | 紙の契約書が多く、全社で検索・活用したい会社 | 契約金額や期間の台帳管理と安全性を重視する会社 |
| 特徴 | メール認証の立会人型と、電子証明書の当事者型に対応。文書管理にフォルダと検索があり、保存は電子帳簿保存法に対応 | 弁護士監修の電子契約サービス。リモートでも承認できるワークフローを搭載。従量課金制ではなく、送信件数が増えても料金が変わらない | 契約書の作成から承認・締結・保存・管理までひとつで完結。紙や他社の電子契約サービスで締結した契約書も取り込める。送信料・保管料の追加課金がない | 紙・PDF・電子契約の契約書をAI-OCRと専門スタッフの確認でデータ化。全文検索と期限のアラート通知がある。紙のスキャンは代行 | 契約金額や期間を自動で読み取るAI契約書管理機能。検索機能は電子帳簿保存法の検索要件を満たす。メガバンクのセキュリティ基準を採用 |
| 注意したい点 | 機能やオプションが豊富な分、すべて必要な場合はオプション料金が高額になる場合がある | 画面が簡素な分、場所が分かりにくい機能もある | ハンコの印影にもう少し工夫の余地があるという声がある | 導入時に業務フローの見直しが必要な場合がある | フォルダ管理の自由度が低いという声がある |
| 資料・詳細 |
5サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
表の内容は、各サービスの商品ページ(2026年10月15日確認)に掲載されている情報をもとにしています。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
契約書を電子で結びつつ、取引先に合わせて署名の方法を選びたい場合の一例が、電子印鑑GMOサイン(運営会社はGMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社)です。商品ページでは、メール認証で手軽に締結できる立会人型と、電子証明書で本人性を高める当事者型の両方に対応していること、文書管理機能でフォルダの作成や文書の検索ができ、保存は電子帳簿保存法に対応していることが紹介されています。注意点として、機能やオプションが豊富な分、すべてを使う場合はオプション料金が高額になることがあるため、必要な機能を絞って確認してください。料金はプランによって異なるため、詳しくは資料や公式サイトで確認してください。
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
電子印鑑GMOサイン
GMOグローバルサイン・ホールディングス株式会社
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オプションが豊富で自社にあった機能を選びたい方におすすめ

実際に使用してみたレビューはこちら

【レビュー】『GMOサイン』を実際に登録して使ってみた【使い方解説】
数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、GMOサインの利用経験ゼロの筆者が、ゼロからGMOサインの無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。
ここがおすすめ!
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ここが少し気になる…
- 機能やオプションが豊富でマルチに使えるが、全て必要な場合はオプション料金が高額になってしまう
-
契約が必要な書類の種類、必要な印鑑種類によっての承認フローの設定や、担当者印で進行する場合の設定、送付作業など、視覚的にシンプルでわかりやすい。 法務部門に所属していない、印鑑対応が1回/3ヶ月程度の現場担当であってもスムーズに対応ができる。
-
契約書を巻くのに多い時では1日かかっていた作業が、10-15分ぐらいで終わるという時間効率が圧倒的に良くなった点が挙げられるかと思います。また紙の契約書だとかかる紙台、インク代もバカにならないかと思いますがそこの削減にもつながりました。
-
これまでは複数のメールアドレスで電子印鑑のサービスを使い分けてきたが、このサービスは1つのメールアドレスのみで複数管理できるため、登録する際に非常にありがたかった。
契約件数や取引先の情報が可視化されるようになったことで、法務を統括するホールディングスカンパニーとして、契約管理の精度と効率が大きく向上しました。
日建レンタコム株式会社 出典:電子印鑑GMOサイン導入事例
BPOと似た言葉の違い|アウトソーシング・外注・派遣・BPRとの線引き
BPOはアウトソーシングの一形態で、外注より任せる範囲が広く、人材派遣とは指揮命令権の所在、BPRとは外部に委託するかどうかで区別できます。
| 言葉 | 意味 | BPOとの違い |
|---|---|---|
| アウトソーシング | 業務を外部に任せること全般 | BPOはその一形態で、業務プロセス全体を対象にする |
| 外注 | 社外の事業者に仕事を発注することを指す一般的な呼び方(法律上の契約の種類ではない) | 外注は作業や制作物の発注を含む広い言葉。BPOは設計・運用・改善まで任せる点が特徴 |
| 人材派遣 | 派遣会社が雇う労働者を、派遣先の指揮命令のもとで働かせる仕組み | BPOでは受託者が自社の労働者に指示する。発注者は作業者に直接指示できない |
| BPR | 業務プロセスを根本から見直して再設計すること | 外部への委託ではない。見直したあとの運用先としてBPOを使う場合がある |
とくに混同しやすいのが人材派遣です。派遣は、派遣会社が雇う労働者を発注者の指揮命令のもとで働かせる仕組みで、労働者派遣法のルールが適用されます。一方、BPOや請負・準委任では、業務の進め方を決めて作業者に指示を出すのは受託者で、発注者は作業者に直接指示を出せません。この「指揮命令権がどちらにあるか」が、後で見る偽装請負の問題の出発点です。違いの詳細はBPOと人材派遣の違いで、BPOの意味や読み方から確認したい場合はBPOの意味とはで整理しています。
BPOに向くのは、手順を標準化しやすい定型業務です。たとえば、経理の記帳や経費精算、給与計算や社会保険の手続き、コールセンターなどの問い合わせ対応、総務の備品管理や出張手配があります。一方、経営戦略の立案や商品開発のように、企業の独自性や競争力に直結する業務は、自社に残すのが一般的です。対象業務の一覧はBPOで委託できる業務一覧で分野別に紹介しています。
BPOのメリット・デメリットと委託先の選び方|契約で備えるポイント
BPOのメリットはコア業務への集中と費用の変動費化、デメリットはノウハウが社内に残りにくいことと情報漏洩のリスクで、いずれも契約書の取り決めで備えます。
| 論点 | 内容 | 契約や運用で確認すること |
|---|---|---|
| コア業務への集中(メリット) | 定型業務を任せ、社員を企画や改善に振り向けられる | 任せる範囲と、社内に残す業務を契約書に書き分ける |
| 費用の変動費化(メリット) | 業務量に応じた報酬にすると、閑散期の負担を抑えやすい | 報酬の計算方法(月額・件数・成果)と、追加業務の費用を定める |
| 専門ノウハウの活用(メリット) | 受託者の経験や自動化の仕組みを使える | 成果の指標と、報告の頻度を決める |
| ノウハウの空洞化(デメリット) | 業務の中身が見えなくなり、自社で再開しにくくなる | 手順書の共有、定期報告、契約終了時の引き継ぎを定める |
| 情報漏洩(デメリット) | 顧客や従業員の情報を渡すため、リスクはゼロにならない | 秘密保持、安全管理措置、再委託の条件、事故時の報告を契約に入れる |
| コミュニケーションのずれ(デメリット) | 社風や運用の違いで認識がずれやすい | 窓口を決め、定例の確認の場を設ける |
委託先を選ぶときは、得意分野と実績、ISMS認証やプライバシーマークなどの取得状況、自社の業務量に見合う規模か、導入後のサポート体制を確認します。見積もりは複数社から取り、必要以上のサービスが含まれていないかも見ておきましょう。契約条項そのものの書き方や委託先の監督は、BPO契約とは|業務委託の進め方・主要条文・委託先監督まで実務ガイドで詳しく解説しています。
BPOの業務委託契約は請負か準委任か|契約類型の違いと選び方
BPOの業務委託契約は、成果物の完成を約束する「請負」か、業務の遂行を任せる「準委任」に分かれ、報酬の発生条件と責任の範囲が変わります。
「業務委託」は民法上の契約類型ではなく、請負契約と委任・準委任契約をまとめて呼ぶ実務上の言葉です。民法では、仕事の完成を約束し、その結果に対して報酬を支払う契約を「請負」(第632条)、法律行為の処理を任せる契約を「委任」(第643条)、法律行為ではない事務の処理を任せる契約を「準委任」(第656条)と定めています(e-Gov法令検索「民法」)。BPOで任せる経理処理、データ入力、問い合わせ対応などは法律行為ではないため、委任ではなく準委任にあたるのが一般的です。つまりBPOの業務委託契約は、実質的には「請負」か「準委任」のどちらかと考えると整理しやすくなります。
| 比較項目 | 請負契約 | 準委任契約 |
|---|---|---|
| 目的 | 仕事の完成 | 事務処理の遂行 |
| 報酬が発生する条件 | 成果物の完成・引き渡し | 業務の遂行(履行割合型)または成果の達成(成果完成型) |
| 受託者の主な義務 | 仕事を完成させる義務 | 善良な管理者の注意をもって処理する義務(善管注意義務) |
| 成果物の不具合への責任 | 契約不適合責任を負う | 原則として負わない(善管注意義務違反は別途問題になる) |
| BPOでの典型例 | 月次の給与計算結果の納品、システム開発、資料作成 | コールセンター運営、問い合わせ対応、日々の記帳・入力業務 |
2020年4月施行の改正民法では、準委任にも「成果完成型」(成果に対して報酬を支払う型)があることが明文化されました(第648条の2)。そのため、同じコールセンター業務でも「対応時間に応じて支払う」のか「応答率などの成果に応じて支払う」のかで契約の性格が変わります。給与計算のように、計算結果の納品を約束する請負型と、毎月の計算作業の遂行を任せる準委任型のどちらでも設計できる業務もあります。契約書の題名ではなく、報酬の支払条件、成果物の定義、検収の方法がどちらの類型に沿って書かれているかを確認することが大切です。
請負と準委任のどちらで契約するかの判断の順番
| 確認する順番 | 確認すること | 向く契約 |
|---|---|---|
| 1 | 成果物の完成を約束でき、完成した結果に対して報酬を決めたいか | 請負(例:月次の給与計算結果の納品、資料作成) |
| 2 | 成果物ではなく、業務を遂行すること自体を任せたいか | 準委任(例:コールセンター運営、日々の記帳・入力) |
| 3 | 成果に応じた報酬にしたいが、成果物の完成までは約束できないか | 成果完成型の準委任(民法第648条の2) |
| 4 | 弁護士や税理士に、訴訟や申告などの法律行為を任せるか | 委任(法律行為の委託) |
複数の業務を1つの契約にまとめる場合や判断に迷う場合は、契約書の条項を弁護士に確認してください。契約の種類を決めたら、契約書案を法務や事業部門で確認・承認してから締結する流れになります。この承認を、リモートでも回せる仕組みで整えたい場合の一例が、freeeサイン(運営会社はfreeeサイン株式会社)です。商品ページでは、弁護士監修の電子契約サービスで、リモートでも承認できるワークフローを搭載していること、従量課金制ではないため送信件数が増えても料金が変わらないことが紹介されています。freeeの会計・人事労務などをすでに使っている会社にも向いているとされています。注意点として、画面が簡素な分、場所が分かりにくい機能もあるという声があります。料金はプランによって異なるため、詳しくは資料や公式サイトで確認してください。

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【徹底レビュー】電子契約システム『freeeサイン』を実際に使ってみた!スムーズな契約フローを体験レポート【使い方解説】
数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、freeeサイン利用経験ゼロの筆者が、無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。
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ここが少し気になる…
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-
郵送など紙でのやり取りがなくなり、どこにいてもことがその場で完結でき、スムーズに契約等を行うことができる。また、紙としての保管をしなくても良くなり、書類管理もシステム上で行えることがメリットに感じます。
-
お客様と無事契約書締結でき取引開始ができました。
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普段から『freee経費精算』など全従業員が『freee』のUIに使い慣れているということもあるが、普段から法務部のように電子契約に触れていない事業部門の従業員等においても自身の雇用契約書の締結などに『freeeサイン』でお願いしても使い方がわからないとの言葉を今まで耳にすることもないほど直感的なUIは『freee』ブランド共通の強みだと思う。
freeeサインで契約締結の90%を電子化することに成功
弘栄設備工業株式会社(導入事例の見出し) 出典:freeeサイン導入事例一覧
偽装請負の判断基準|厚生労働省の37号告示と疑義応答集で見るポイント
偽装請負とは、契約は請負や準委任でも、実態は発注者が受託側の作業者に直接指示している状態で、契約書の形式ではなく実態で判断されます。
偽装請負は、契約書の上では請負や準委任の形をとりながら、実際には発注者が受託者の労働者に直接指示を出していて、実態が労働者派遣になっている状態をいいます。派遣の許可や派遣法上の保護を経ずに派遣と同じ働かせ方をしていることになるため、労働者派遣法や職業安定法に違反するおそれがあり、行政指導の対象になりえます。
さらに、労働者派遣法第40条の6第1項第5号は、法律の適用を免れる目的で、請負その他労働者派遣以外の名目で契約を結び、派遣の役務の提供を受けた場合に、発注者がその派遣労働者に労働契約を申し込んだものとみなす制度を定めています(その行為が該当することを知らず、かつ知らなかったことに過失がなかった場合を除く)(e-Gov法令検索「労働者派遣法」)。悪意がなくても、現場の運用しだいで問題になりうる点に注意が必要です。
請負として認められるかどうかは、厚生労働省の「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準」(昭和61年労働省告示第37号、通称37号告示。告示本文)で判断されます。受託者が自社の労働者の労働力を自ら直接利用していること(第2条第1号)と、業務を自己の業務として発注者から独立して処理していること(第2条第2号)の両方が求められます。第3条では、法の規定に違反することを免れるため故意に偽装され、その事業の真の目的が労働者派遣を業として行うことにあるときは、労働者派遣事業を行う事業主であることを免れることができない、と定めています。つまり、契約書の題名や形式ではなく、実態で判断されるのが基本です。
| 37号告示の要件 | 受託者が満たすべき内容 | BPOの現場での確認例 |
|---|---|---|
| 第2条第1号 イ 業務遂行の管理 | 業務の遂行方法の指示、業務遂行の評価を受託者が自ら行う | 作業手順の変更は受託側の責任者を通して依頼しているか |
| 第2条第1号 ロ 労働時間の管理 | 始業・終業、休憩、休日、残業などの指示や管理を受託者が行う | 発注者が作業者に直接残業を頼んでいないか |
| 第2条第1号 ハ 秩序維持・配置の決定 | 服務規律や作業者の配置・変更を受託者が決める | 発注者が作業者を指名したり、面接で選んだりしていないか |
| 第2条第2号 イ 資金の調達 | 業務に必要な資金を自らの責任で調達・支弁する | 業務の経費を発注者が実費で肩代わりしていないか |
| 第2条第2号 ロ 事業主としての責任 | 法律に定められた事業主としての責任をすべて負う | ミスや損害が出たときに受託者が責任を負う契約になっているか |
| 第2条第2号 ハ 単なる労働力の提供でない | 自ら用意した機械・設備・資材で処理する、または自らの企画や専門的な技術・経験で処理する | 受託者独自のノウハウや業務設計があるか、人数と時間を提供するだけになっていないか |
37号告示は請負について定めた基準ですが、準委任など請負以外の名目の契約でも、実態が労働者派遣であれば同じ問題になります。判断が分かれやすいのが、発注者の社内で受託者のスタッフが作業する「常駐型」のBPOです。同じフロアで働いていると、発注者の社員がつい作業者に「この案件を先に処理して」「今日は1時間残って」と声をかけてしまいがちです。こうした直接の指示が日常化すると、第2条第1号の要件を満たさなくなり、偽装請負と判断されるリスクが高まります。
発注者はスタッフにどこまで指示できるか|疑義応答集の考え方
「業務委託で、発注者は現場のスタッフにどこまで指示してよいのか」は、とくに迷いやすい点です。厚生労働省は、37号告示の考え方を場面ごとに示した「疑義応答集」を公開しています(請負を前提とした問答集です。厚生労働省「37号告示に関する疑義応答集」)。最初に公表された疑義応答集の整理のうち、BPOの現場で当てはまりやすい場面をまとめました。
| 場面 | 疑義応答集の考え方 |
|---|---|
| 業務に関係のない日常的な会話(問1) | 発注者が請負労働者と日常的な会話をしても、指揮命令を行ったことにはならず、偽装請負にはあたらない |
| 発注者から受託者へ、作業工程の見直しや作り直しを要求する(問2) | 契約当事者間の注文であり、偽装請負にはあたらない。ただし、発注者が作業者に直接作業工程の変更を指示した場合は、直接の指揮命令にあたり偽装請負と判断される |
| 設備の操作方法の説明など、発注者が行う技術指導(問10) | 受託者の監督の下で労働者に説明を受けさせるなど、示された例に該当するものは、それだけで偽装請負とは判断されない |
| 業務内容が軽微に変わったときの変更指示(問11) | 発注者から作業者に直接変更を指示すると偽装請負にあたる。発注者から受託者に対して変更の説明や指示が行われていれば、特に問題はない |
つまり、発注者の要望は受託者の責任者に伝え、責任者が自社の作業者に指示する形をとることが基本です。窓口となる責任者と連絡の手順は、契約書にあらかじめ書いておきましょう。
この確認は、委託先ごとに契約書を開いて、窓口や再委託の条件がどう書かれているかを見比べることから始まります。委託先が増えるほど、契約書を一覧し、必要な条項をすぐ探せる状態が前提になります。紙の契約書も含めて契約書を検索できる状態にしたい場合には、データ化して全文検索できるサービスも選択肢になります。
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の契約や取引が偽装請負や取適法にあたるかどうかは、弁護士などの専門家にご相談ください。
取適法(旧下請法)はBPOの契約にどう関係するか|対象になる取引と求められる対応
取適法は2026年1月1日に施行された下請法の後継の法律で、BPOの取引が対象になるかは、任せる業務の中身と取引相手の規模で決まります。
下請法は、2026年1月1日から「製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律」(中小受託取引適正化法、通称:取適法)として施行されました。公正取引委員会の資料(公正取引委員会「取適法」)によると、主な改正点は次のとおりです。
| 主な変更点 | 内容 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 用語の変更 | 親事業者は「委託事業者」、下請事業者は「中小受託事業者」に変更 | 社内規程や契約書のひな形の用語を更新しているか |
| 従業員基準の追加 | 資本金の基準に該当しない場合でも、従業員数の基準(役務提供委託等は100人、製造委託等は300人)に該当すれば対象 | 自社と取引先の従業員数を把握しているか |
| 一方的な代金決定の禁止 | 価格協議の求めがあったのに応じず、一方的に価格を決める行為を禁止 | 単価見直しの申し出を受け付ける窓口と、協議の記録があるか |
| 手形払いなどの禁止 | 手形払いを禁止。電子記録債権やファクタリングも、支払期日までに満額を得ることが困難なものは禁止 | 支払方法が、振込など現金で受け取れる形になっているか |
| 振込手数料 | 振込手数料を中小受託事業者に負担させることを禁止 | 手数料を差し引いて支払っていないか |
BPOで注意したいのは、どの取引が対象になるかという点です。公正取引委員会のよくある質問(取適法のよくある質問)では、企業と弁護士・公認会計士・産業医との契約のように、企業が自ら用いる役務の委託は、他者に業として提供する役務ではないため、役務提供委託に該当せず対象にならないとされています。自社の経理や給与計算などの業務を外部のBPO事業者に任せる取引も、自社のために使う業務であれば、同じ考え方になる場合があります。一方、顧客から請け負った業務の一部を協力会社に再委託する場合などは、対象になりえます。
| 取引の例 | 取適法の対象になるか | 確認すること |
|---|---|---|
| 自社の経理・給与計算・総務などの業務を、BPO事業者に任せる | 自ら用いる役務の委託にあたる場合は、役務提供委託に該当せず対象にならないとされている | 任せる業務が、自社内で使うものか、顧客に提供するものかを整理する |
| 顧客から請け負った業務の一部(データ入力、事務処理、問い合わせ対応など)を、協力会社に再委託する | 対象になりえる(資本金や従業員数の要件を満たす場合) | 自社と協力会社の資本金・従業員数、再委託する業務の範囲を確認する |
対象になる取引では、委託事業者に、発注内容等を書面または電磁的方法で明示する義務、代金の支払期日を給付の受領後60日以内のできる限り短い期間内に定める義務、取引の内容を記載した書類または電磁的記録を作成して2年間保存する義務、支払が遅れた場合に遅延利息を支払う義務が課されます(公正取引委員会「委託事業者の義務」)。あわせて、代金の減額や手形払い、価格協議に応じない一方的な代金決定などが禁止されます。
対象になるかどうかは取引の実態や相手の規模によって分かれるため、公正取引委員会の資料や専門家に確認してください(政府広報オンライン「2026年1月から下請法が「取適法」に!」にも概要があります)。対象になる場合に困りやすいのは、ルールを知っていても、契約書や発注の記録が部署ごとに散らばっていて、必要なときにすぐ示せないことです。明示も記録も電磁的な方法で行えるため、契約書を電子データで同じ場所にまとめておくと、2年間の保存と検索がしやすくなります。
契約書を電子データで一か所にまとめ、保存と検索をしやすくしたい場合の一例が、マネーフォワード クラウド契約(運営会社は株式会社マネーフォワード)です。商品ページでは、契約書の作成から申請・承認、締結、保存、管理までひとつで完結できること、紙の契約書や他社の電子契約サービスで締結した契約書も取り込んで一元管理できること、契約書送信料・契約書保管料の追加課金がないことが紹介されています。注意点として、ハンコの印影にもう少し工夫の余地があるという声があります。料金はプランによって異なるため、詳しくは資料や公式サイトで確認してください。

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【正直レビュー】『マネーフォワードクラウド契約』のメリットや機能は?実際に導入してわかったリアルな感想【使い方解説】
数ある電子契約システム、どのサービスを使ったら良いかわからないと言う方も多くいると思います。そこで今回は、電子契約システム利用経験ゼロの筆者が、マネーフォワードクラウド契約の無料登録から初回契約締結までの流れを実況形式でお伝えします。
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ここが少し気になる…
- ハンコの印影にもう少し工夫ができると良い
-
雛形利用により簡単に契約書フォームを作成する事が可能になった。 契約相手とも対面でなくインターネットを使ったワークフローで契約する事が可能となった。 対面では無い為、商談日時のネゴ取り等も不要になった。 契約書をペーパレスで管理する為、契約書管理が楽になった。
-
契約書紙で印刷し、さらに契約先に郵送するなどしていた。近頃は郵便料金が値上がりしているため、印刷から郵送までの工程のコストがかさんでいたという課題があった。ところが、このサービスを利用することで、これらのコストが全くかからなくなった。大変大きなメリットだと感じている。
-
過去の給与明細がしっかり確認できます。開けば通勤手当などよくある手当だけでなく、様々な項目を自由に記載できるようでより企業それぞれに対応していると思われます。 見る側も分かりやすいです。
営業活動においては見積書を出して、その後に注文書、そして最後に請求書と複数の書類が存在するため、それらをクラウド上で一元管理できるのは、非常に便利だなと感じています。
株式会社ワンオールシステム(IT・メディア、11-50名) 出典:マネーフォワード クラウド契約導入事例
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の契約や取引が偽装請負や取適法にあたるかどうかは、弁護士などの専門家にご相談ください。
BPOの業務委託で偽装請負になりやすい失敗パターンと対策
偽装請負の多くは、違法を意図したものではなく、契約締結後の現場の運用が少しずつずれていくことで生まれます。よくある6つのパターンと対策を整理しました。
| 失敗パターン | 起きていること | 対策 |
|---|---|---|
| 常駐スタッフへの直接指示 | 発注者の社員が、受託者の作業者に優先順位や残業を直接指示している | 受託側の責任者を窓口として契約書に明記し、依頼は必ず責任者経由にする |
| 作業者の指名・選考 | 発注者が作業者の面接をしたり、特定の人を指名したりしている | 求めるスキルや体制は業務要件として示し、人選は受託者に任せる |
| 業務範囲があいまい | 「経理業務一式」などの包括的な記載で、追加作業を口頭で頼んでいる | 業務範囲と数量の上限、追加業務の依頼手順と費用を契約書で定める |
| 発注者の勤怠管理への組み込み | 受託者の作業者が発注者の勤怠システムで打刻し、発注者が時間を管理している | 稼働時間の管理は受託者が行い、発注者は月次報告で実績を確認する |
| 人数と時間だけの契約 | 報酬が「1人あたり月何時間」で決まり、業務の成果や手順が受託者に任されていない | 業務の成果や処理件数、受託者側の業務設計を契約の中心に置く |
| 個人情報の取扱いの取り決め漏れ | 顧客や従業員の個人データを渡しているのに、安全管理や再委託の条件を決めていない | 安全管理措置、再委託の条件、取扱状況の報告方法を契約に盛り込む |
最後の個人情報の項目は偽装請負とは別の論点ですが、BPOの契約で見落とされやすい点です。個人情報保護法第25条は、個人データの取扱いを委託する場合、委託先に対して必要かつ適切な監督を行うよう求めています。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)では、委託契約に、安全管理措置の内容とあわせて、委託先での取扱状況を委託元が合理的に把握することを盛り込むことが望ましいとされています。委託先が再委託する場合も、事前の報告や承認などで確認することが望ましく、再委託先が不適切な取扱いをしたときは、元の委託元による法違反と判断されうる点にも注意が必要です。
これらの失敗に共通するのは、契約書の内容と現場の運用が一致していないことです。契約を結んだ担当者と、日々委託先とやり取りする現場の担当者が別の場合は、契約書で決めた窓口や業務範囲、再委託の条件を現場に共有しておく必要があります。
委託先に個人データを渡す契約ほど、契約書で取り決めた安全管理や再委託の条件を、契約の期間や金額とあわせて台帳で追える状態にしておきたいところです。契約金額や契約期間を自動で読み取って台帳に登録したい場合の一例が、SMBCクラウドサイン(運営会社はSMBCクラウドサイン株式会社)です。商品ページでは、契約金額や契約期間を自動で読み取って登録するAI契約書管理機能があること、組み合わせ検索や範囲指定検索など電子帳簿保存法の検索要件を満たす検索機能があること、メガバンクの厳格なセキュリティ基準が採用されていることが紹介されています。注意点として、フォルダ管理の自由度が低いという声があります。料金はプランによって異なるため、詳しくは資料や公式サイトで確認してください。

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- AI契約書管理機能搭載
- メガバンクの厳格なセキュリティ基準が採用されている
ここが少し気になる…
- フォルダ管理の自由度が低い
今は社内システムで稟議を回し、SMBCクラウドサインを利用して発注するという流れになったので、どんな発注をしているのかがシステム上ですぐにわかります。いきなり請求書が届いて混乱するようなこともなくなりました。
株式会社山一建設 経理部 平野陽一氏(発注書での利用事例) 出典:SMBCクラウドサイン導入事例
自社のBPO契約が適法か確認する方法|発注者・受託者のチェックリスト
BPO契約の点検は、契約書の条項と現場の運用の両方を見て行います。発注者と受託者それぞれの立場で、確認したい項目をまとめました。
発注者(委託する側)のチェックリスト
- 契約書で請負か準委任かが分かるように、報酬の支払条件と成果物の定義を書いているか
- 業務範囲、数量の上限、追加業務の依頼方法と費用を契約書で定めているか
- 受託側の責任者を窓口として定め、自社の社員が作業者に直接指示を出していないか
- 作業者の選考や指名、勤怠管理を自社で行っていないか
- 個人データを委託する場合、安全管理措置、再委託の条件、報告方法を契約に明記しているか
- 顧客から請け負った業務を再委託するなど取適法の対象になりうる取引かを、資本金と従業員数の両方で確認し、対象なら発注内容の明示と記録の保存を行っているか
- 委託料の支払期日が給付の受領から60日以内で、支払方法に手形などを使っていないか
受託者(委託を受ける側)のチェックリスト
- 自社の作業者への指示や評価、勤怠管理を自社の責任者が行っているか
- 発注者から作業者に直接指示が出ていないか、出ていれば責任者経由に戻しているか
- 業務に必要な設備や手順を自社で用意し、自社のノウハウで業務を設計しているか
- 業務範囲外の依頼を受けたとき、追加業務として契約に沿って扱っているか
- 再委託をする場合、発注者の承諾を契約に沿って得ているか
- 取適法の対象取引であれば、価格協議を求める記録を残しているか
チェックリストで引っかかった項目があれば、まずは契約書を見直し、次に現場の運用を契約に合わせる順番で進めると混乱が少なくなります。委託先が複数ある場合は、委託先ごとに契約の種類、窓口、再委託の可否、取適法の対象かどうか、更新期限を一覧にしておくと、点検や次の更新時の見直しが楽になります。
この一覧を表計算ソフトで作ることもできますが、紙で締結した契約書が多いと、一覧づくりそのものが負担になります。紙の契約書を含めて、契約書をデータ化して検索や期限の通知に使いたい場合の一例が、Contract One(運営会社はSansan株式会社)です。商品ページでは、紙・PDF・電子契約の契約書をAI-OCRと専門スタッフの確認によってデータ化できること、データ化した契約情報を全文検索でき、契約期限が近づいたときにアラートで通知する機能があること、これまでの紙の契約書はスキャン作業を代行してもらえることが紹介されています。注意点として、導入時に業務フローの見直しが必要な場合があります。料金はプランによって異なるため、詳しくは資料や公式サイトで確認してください。

ここがおすすめ!
- あらゆる契約書を正確にデータ化し、AIで扱いやすいデータベースを構築
- Contract One内で生成AIを活用することで、法務部門に限らず全社での契約データの活用を促し、さまざまな部門の課題を解決
- 法改正への対応をサポート
ここが少し気になる…
- 導入時、業務フローの見直しが必要な場合も
Contract Oneを導入したことで、契約書を一元管理できるようになり、全社統一の契約書管理マスターデータを構築でき、関連情報の把握や検索も容易になりました。
イオンマーケティング株式会社 総務部ご担当者様 出典:Sansan株式会社ニュースリリース(2026年1月22日)
ここまでのチェック項目を、自社の契約書の管理状況に引きつけて確認してみましょう。
自社のBPO契約管理セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の契約や取引が偽装請負や取適法にあたるかどうかは、弁護士などの専門家にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q1. BPOと業務委託は同じ意味ですか?
A. 同じではありません。BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)は、業務プロセス全体の設計・運用・改善まで外部に任せる手法です。業務委託は、業務を外部に任せるときに結ぶ契約の形を指す言葉で、BPOの多くは業務委託契約として結ばれます。BPOは業務委託の一種と整理すると分かりやすくなります。
Q2. アウトソーシングや外注と、業務委託の違いは何ですか?
A. アウトソーシングは業務を外部に任せること全般を指し、BPOもその一形態です。外注は社外に仕事を発注することを指す一般的な呼び方で、法律上の契約の種類ではありません。業務委託は契約の形を表す言葉で、法律上は請負か準委任に分かれます。BPOは、これらの中でも業務プロセス全体を任せる点が特徴です。
Q3. BPOの契約は請負と準委任のどちらにしますか?
A. 成果物が明確で完成を約束できる業務(給与計算結果の納品や資料作成など)は請負、業務の遂行そのものを任せる業務(問い合わせ対応や日々の入力作業など)は準委任が選ばれる傾向があります。報酬の発生条件と成果物への責任が変わるため、業務の性質に合う類型を選び、契約書に書いてください。
Q4. 委託先のスタッフに、発注者が直接指示してもよいですか?
A. 作業者一人ひとりへの作業の割り振りや時間の指示は、受託者の責任者を通して行います。業務に関係のない日常的な会話や、示された例に当たる設備の操作説明などは、それだけで偽装請負とは判断されませんが、作業工程の変更などを作業者に直接指示すると偽装請負にあたります。具体的な場面は、厚生労働省の疑義応答集で確認してください。
Q5. 取適法(旧下請法)はBPOの発注にも関係しますか?
A. 取引の中身によります。公正取引委員会のよくある質問では、企業が自ら用いる役務の委託は役務提供委託に該当せず、対象にならないとされています。一方、顧客から請け負った業務を協力会社に再委託する場合などは、資本金や従業員数の要件を満たせば対象になりえます。判断に迷うときは、公正取引委員会や専門家に確認してください。
Q6. 業務委託はやめたほうがいいですか?
A. 一概にやめたほうがよいとはいえません。任せる範囲を決め、契約の種類を整理し、現場の指示を受託者の責任者経由にするなど、偽装請負を避ける運用ができていれば、業務委託は有効な手段です。一方で、ノウハウが社内に残りにくい、情報漏洩のリスクがあるといった点は、報告の取り決めや秘密保持を契約書に入れて備えます。委託先が増えたら、契約書を電子データで一元管理し、検索や更新期限の通知を使うと、点検を続けやすくなります。
まとめ|BPOの業務委託契約を整えるために押さえたい5つのこと
BPOは業務委託の一種で、結ぶ契約は請負か準委任のどちらかに分かれます。現場の指示の出し方しだいで偽装請負と判断されるおそれもあるため、次の5点から始めてみてください。
- 任せたい範囲を整理し、BPOにするか、特定の作業だけの業務委託にするかを決める
- 契約書が請負と準委任のどちらに沿って書かれているかを、報酬の支払条件と成果物の定義で確認する
- 受託側の責任者を窓口とし、自社の社員が作業者に直接指示を出さない運用を現場に共有する
- 取適法の対象になりうる取引かを確認し、対象なら発注内容の明示と取引記録の保存を行う
- 委託先が増えてきたら、電子契約システムの資料を取り寄せて、契約書の一元管理と更新期限の管理を検討する
参考文献
- 厚生労働省「労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(37号告示)」https://www.mhlw.go.jp/content/000780136.pdf
- 厚生労働省「37号告示に関する疑義応答集」https://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/gigi_outou01.html
- 公正取引委員会「取適法」https://www.jftc.go.jp/toriteki_2025/
- 公正取引委員会「委託事業者の義務」https://www.jftc.go.jp/toriteki/toritekigaiyo/oyagimu.html
- 公正取引委員会「取適法のよくある質問」https://www.jftc.go.jp/toriteki/toriteki_qa.html
- 政府広報オンライン「2026年1月から下請法が「取適法」に!委託取引のルールが大きく変わります」https://www.gov-online.go.jp/article/202511/entry-9983.html
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
- e-Gov法令検索「民法」https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- e-Gov法令検索「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」https://laws.e-gov.go.jp/law/360AC0000000088


