DXマーケティング(マーケティングDX)とは?進め方5ステップと企業事例、人材育成まで解説
Check!
- マーケティングDXの意味と、デジタルマーケティングとの違いがわかる
- 進め方5ステップと、ゑびやなどの実践例・企業事例がわかる
- リスキリングと国の支援策、商談化率・受注率での効果測定がわかる
DXマーケティング(マーケティングDX)とは、デジタル技術と顧客データを使って、マーケティングの意思決定や業務の進め方そのものを変える取り組みです。広告をWebに移したりツールを入れたりするだけでは成果につながらず、データを読み解いて施策を決められる人材と、その判断を支える仕組みの両方が必要になります。この記事では、デジタルマーケティングとの違いや背景、進め方5ステップ、データドリブンマーケティングの実践例と企業事例に加え、経済産業省の検討会資料で示されたリスキリングの定義と国の支援策、商談化率・受注率を使った効果測定までを整理します。
自社のマーケティングDXのつまずきどころを診断
Q1. マーケティングDXで、いま一番困っているのはどちらですか?
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マーケティングDXとは|デジタルマーケティングとの違いと、つまずきやすい2つの壁
マーケティングDXとは、顧客データをもとに「誰に・何を・いつ届けるか」を決め、施策と組織を継続的に改善していく取り組みです。ツールを入れること自体ではなく、判断の仕方を変えることが中心になります。
ただし、実際につまずくのはツール選びより、人と運用の2か所です。1つは、集めたデータを読み解いて施策を決められる担当者が社内にいないこと。もう1つは、施策の実行から分析、改善までを毎月続ける手が足りないことです。この2つに対応する外部サービスの例として、社員教育の仕組みであるSmart Boardingと、Instagram運用代行のトリドリライクスを、役割の違いで比べます。
マーケティングDXのつまずきどころ別|役割の違いで比べる2サービス
自社の状況を選ぶと、合うサービスが強調されます。優劣ではなく役割の違いで並べています
この状況に合う一例:Smart Boarding自社の資料や動画で研修コースを作り、学習の進み具合を確認できます。
資料を無料ダウンロードこの状況に合う一例:トリドリライクスInstagramのアカウント設計から投稿の運用、分析までを任せられます。
資料を無料ダウンロード| サービス | Smart Boarding |
トリドリライクス |
|---|---|---|
| 向いている会社 | OJTや研修など社員教育に悩み、担当者のスキルを社内で底上げしたい会社 | Instagramで見込み客と接点を持ちたいが、運用と分析の人手が足りない会社 |
| 特徴 | 社員研修・OJT・eラーニングを1つのシステムで運用。自社の資料や動画でオリジナルの研修コースを作成でき、学習進捗も管理できる | アカウントの設計から投稿の運用、分析・改善までをサポート。投稿は週3回以上で、分析月次レポートで結果を確認できる |
| 注意したい点 | 電話やメールでの相談、教育プログラムの設計といった手厚いサポートは「充実サポートプラン」のみ | Instagram・TikTokがメインのサービスで、他のSNSには対応していない |
| 資料・詳細 |
2サービスの資料をまとめて請求(入力は1回・無料)
まとめて資料をダウンロード表は横にスクロールできます。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
データを読み解いて判断できる担当者を社内で育てたい場合の一例が、株式会社FCEのSmart Boardingです。商品ページによると、社員研修・OJT・eラーニングを1つのシステムで運用でき、自社の資料や動画を組み合わせたオリジナルの研修コースを作成して、LMS機能で受講者ごとの学習進捗や理解度を確認できます。メンバー・管理職・経営層の階層に分けて学習プログラムを整える「キャリアマップ」の考え方もあるため、マーケティング担当者に求めるスキルを、自社の業務に即した内容で研修に落とし込む土台になります。注意点は、電話やメールでの相談、教育プログラムの設計といった手厚いサポートを受けられるのが「充実サポートプラン」のみであることです。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。
株式会社FCE
Smart Boarding
株式会社FCE
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目指したい社員教育を実現!OJTや研修など社員教育に悩んでいる企業におすすめ


LearnOとの比較はこちら

【2026年最新】LearnO vs Smart Boardingを徹底比較|どちらがあなたに合う?評判・機能・料金で検証!
今、eラーニングシステムを導入する企業が増えています。特に「LearnO」と「Smart Boarding」は2大人気サービスで、評価を見てもどちらが本当に自社に合うサービスなのか悩んでいる方も少なくありません。本記事では、徹底比較したビジコン編集部が目的別・使い方別に違いを明確に解説します。
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- 内定者・新人教育からリーダー・管理職育成まであらゆるシーンで活用
- 属人化を防いでいつでも何回でも学習できる環境を実現
- 自社オリジナルコースの作成や学習進捗管理も行える
気になる…
- 電話やメール相談、教育プログラム設計といった手厚いサポートを受けられるのは「充実サポートプラン」のみ
導入企業の声として、株式会社シーアールイーの事例を引用します。
Smart Boarding導入により、場所に関わらず全社員が「同じ基準の教育」を受けられる環境が整いました。
出典:Smart Boarding導入事例 株式会社シーアールイー様
デジタルマーケティングとの違い
マーケティングDXは、デジタル技術とデータを使ってマーケティングの仕組みや組織のあり方まで変え、顧客への価値と事業の成果を高める取り組みです。Web広告やSNSの運用といった個々の施策をデジタル化する「デジタルマーケティング」とは、変える範囲が異なります。
| 比較項目 | デジタルマーケティング | マーケティングDX |
|---|---|---|
| 位置づけ | 施策や手段(戦術) | 仕組みや組織の変革(戦略) |
| 変える範囲 | 広告、メール、SNSなどの個別チャネル | 意思決定の方法、部門間の連携、評価指標、人材育成まで |
| 主な担い手 | マーケティング部門 | 経営層、マーケティング、営業、カスタマーサポートなど部門横断 |
| ゴール | 施策ごとの効率化(クリック数、獲得単価の改善など) | 顧客体験の向上と、売上・利益につながる継続的な改善の仕組みづくり |
マーケティングDXが求められる背景
背景の1つは、顧客の購買行動の変化です。BtoBでも、担当者が営業に会う前にWebで情報を集め、候補を絞り込んでから問い合わせる流れが一般的になりました。営業が接点を持つ前の行動はデータとしてしか見えないため、そのデータを読んで先回りできる企業とそうでない企業で、商談の機会に差がつきやすくなっています。
- 購買前の情報収集がWebに移り、営業が見えない行動をデータで把握する必要が出ている
- MA、SFA、CRM、BIツールなど、顧客データを蓄積して分析する環境が整ってきた
- 人手が限られるなかで、経験や勘に頼った属人的な運用では施策の優先順位を付けにくい
顧客が損失を避けようとして購入を先延ばしにするといった意思決定の癖も、施策を考えるうえで押さえておきたい論点です。心理学の理論をマーケティングに応用する考え方は、プロスペクト理論とは?3つの心理作用と2つの関数・マーケティング活用例を解説で整理しています。
マーケティングDXで得られる4つのメリット
| メリット | 具体的な変化 |
|---|---|
| データにもとづく意思決定 | 予算配分や施策の継続・中止を、担当者の感覚ではなく商談や受注の数字で判断できる |
| 業務の効率化 | メール配信、リストの作成、レポートの集計などの手作業が自動化され、企画や分析に時間を使える |
| 顧客体験の向上 | 顧客の関心や検討段階に合った情報を届けられ、的外れな営業や一律の案内が減る |
| 新しい収益機会の発見 | 蓄積したデータから、これまで狙っていなかった業種や、既存顧客への追加提案の余地が見つかる |
マーケティングDXでよく使われる仕組みには、次のようなものがあります。
- MA(マーケティングオートメーション):見込み顧客の行動を記録し、メール配信やスコアリングを自動化する
- SFA・CRM:商談の進み具合や顧客との接点を記録し、営業と共有する
- CDP:Web、店舗、問い合わせなどに散らばった顧客データを1か所にまとめる
- BIツール:売上や商談のデータをグラフにして、傾向を見つけやすくする
- ABMツール:狙う企業を選び、その企業ごとの接点や反応をまとめて把握する
ただし、ツールはあくまで手段です。どのデータをどの判断に使うのかが決まっていないまま導入すると、データはたまっても意思決定は変わりません。BtoBのSaaS企業がデータを使って顧客獲得の型を設計する考え方は、SaaSマーケティングとは?PLG・SLG・CLGの違いと自社に合うモデルの選び方も参考になります。
マーケティングDXの進め方5ステップ
マーケティングDXは、目的を決めてから小さく試し、効果を測って広げる順番で進めると失敗しにくくなります。全社のシステムを一度に入れ替える必要はありません。
| ステップ | やること | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 1. 目的と指標を決める | 「商談化率を上げる」「既存顧客の解約を減らす」など、事業の成果につながる目的と測る数字を決める | 「DXを進める」自体が目的になってしまう |
| 2. データを集めて整える | 名刺、問い合わせ、Webの閲覧履歴、商談記録など、社内に散らばったデータを1つの顧客・企業にひも付ける | 部署ごとに企業名の表記が違い、同じ顧客として集計できない |
| 3. 分析して狙いを定める | 過去に受注した企業の共通点を洗い出し、優先して狙う企業群を決める | 分析結果を読み解ける人がいない |
| 4. 小さく施策を試す | 狙う企業群に合わせたコンテンツや営業アプローチを、期間と対象を区切って試す | 最初から全顧客に展開して、結果の良し悪しが分からなくなる |
| 5. 効果を測って広げる | ステップ1で決めた数字の変化を確認し、うまくいった型を他の商材や部門に広げる | 施策前の数字を記録しておらず、効果を説明できない |
表の「つまずきやすい点」を見ると、多くがツールではなく人と運用の問題であることが分かります。特にステップ3の「分析結果を読み解ける人がいない」は、マーケティングDXが止まる最大の原因の1つです。この点は、後半のリスキリングの章で詳しく扱います。次のセルフチェックで、自社がどの段階でつまずきやすいかを確認してみましょう。
マーケティングDXのつまずきどころ、セルフチェック
当てはまるものを選んでください(登録不要)
データドリブンマーケティングの実践例
データドリブンマーケティングは、大がかりな分析基盤がなくても、手元のデータから始められます。代表的な場面ごとに、データの使い方を整理します。
受注企業の共通点から狙う企業を決める
過去1年から2年の受注企業を一覧にし、業種、従業員数、所在地、最初の接点(問い合わせ、展示会、紹介など)を並べると、受注しやすい企業の傾向が見えてきます。たとえば「従業員100人から300人の製造業で、紹介経由の案件は受注率が高い」と分かれば、同じ条件の企業を優先リストにし、展示会で集めた名刺の中からも該当企業を先にフォローできます。これは、狙う企業を絞って営業と一体で攻めるABM(アカウントベースドマーケティング)の「アカウント選定」をスプレッドシートで行う形で、最初の一歩として取り組みやすい方法です。
Webの閲覧行動から営業のタイミングを判断する
料金ページや導入事例ページを繰り返し見ている企業は、検討が進んでいる可能性が高いといえます。閲覧企業や閲覧ページを把握できる仕組みがあれば、問い合わせを待たずに、検討段階に合った資料や事例を持って営業が接触できます。「いつ連絡するか」をデータで決めることで、営業の空振りを減らせます。
商談の結果をマーケティングに戻す
マーケティングが渡したリードのうち、どれが商談になり、どれが受注したかを営業から戻してもらうと、成果につながる施策とそうでない施策が区別できるようになります。資料請求は多いのに商談化しない施策があれば、予算を商談化率の高い施策に移す、といった判断が数字でできるようになります。
施策の実行と分析を外部に任せる
受注企業の傾向が見えても、投稿の作成や配信といった施策の実行と、結果の分析を毎月続ける人手が足りないことがあります。BtoCや店舗型のビジネスなど、Instagramで見込み客と接点を持つ会社であれば、運用と分析を外部に任せる選択肢があります。一例が、株式会社トリドリのトリドリライクスです。商品ページによると、アカウントの設計から投稿の運用、分析・改善までをサポートし、文字入れ画像・ハッシュタグ・キャプションつきの投稿を週3回以上実施します。分析月次レポートで結果を数値化できるため、「施策を打って、数字で確認し、次に反映する」という流れを外部と分担して回せます。
注意点は、Instagram・TikTokがメインのサービスで、他のSNSには対応していないことです。BtoBで主な接点が展示会や紹介の会社には合いにくいため、自社の見込み客がどこにいるかを先に確認しておきましょう。料金はプランによって異なるため、資料や公式サイトで確認してください。なお、商品ページに導入企業名の掲載はありますが、事例ページは確認できなかったため、事例の引用は行いません。
基本情報

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- 文字入れ画像・ハッシュタグ・キャプションつきの投稿を「週3回以上」実施
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- Instagramのプロによるアカウント設計から徹底的な分析までトータルサポート
気になる…
- Instagram・TikTokがメインのサービスのため、他SNSは非対応
Instagram投稿の作成・運用・計測において、目的やターゲットの現状に合わせた運用を実現するなら、トリドリライクスの利用がおすすめです。

企業事例|データで意思決定する体制に切り替えた有限会社ゑびや
データにもとづく意思決定を軸に事業を立て直した例として、伊勢神宮内宮のおはらい町で飲食店を営む有限会社ゑびやがあります。関西経済連合会のKANSAI DX AWARD 2023でグランプリを受賞した取り組みで、同会の紹介ページによると、POSデータ、人流データ、天気予報などのオープンデータ、店内の客の動線データを店舗運営と経営判断に活用しています。
- 通行人数に対する入店者数の割合から、おはらい町における自店のシェアを計算する
- 来店前に閲覧したサイトなど入店動機を調べ、PRやイベントの企画に反映する
- 値上げの判断を、平均客単価のシェアの変動をもとに行う
同ページでは、2012年当初に約1億円だった売上が、現在(グループ全体)では約8億5千万円になったと紹介されています。この数字は事業全体の成果であり、マーケティング施策だけの効果ではありません。ここから学べるのは規模ではなく順番です。まず紙で管理していたデータを蓄積し、狙う相手と効果を数字で確認してから、次の施策を決めています。本記事の5ステップと同じ考え方で、中小企業でも手元のデータから始められます。
マーケティングDXにリスキリングが欠かせない理由|経産省資料の定義
マーケティングDXを進めるには、データを集める仕組みと同時に、そのデータを読み解いて施策を決められる人材が必要です。ツールを入れても使いこなせる人がいなければ、判断の仕方は従来のままになります。そこで注目されているのが、社員に新しいスキルを身に付けてもらうリスキリングです。
リスキリングの定義
経済産業省の「デジタル時代の人材政策に関する検討会」(第2回、2021年2月)で、リクルートワークス研究所が提出した資料「リスキリングとは」では、リスキリングを「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得する/させること」と定義しています。
同資料は、DXの時代にはIT部門だけでなく、事業のあらゆる工程にいる人が「デジタルで価値を生み出す」ための新しいスキルを身に付ける必要があるとし、それを可能にする人材戦略が企業のDX戦略に欠かせないと指摘しています。マーケティング部門はまさにその対象で、勘と経験で施策を決めていた担当者が、データを根拠に判断する働き方へ移ることは「今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化」にあたります。
リカレント教育・OJTとの違い
| 区分 | 主な目的 | 進め方の特徴 |
|---|---|---|
| リスキリング | 事業や職務の変化に合わせて、これまでと異なるスキルを身に付ける | 企業の戦略に沿って、働きながら学ぶ。学んだ内容をすぐ業務で使う |
| リカレント教育 | 生涯にわたり学び直しを続ける | 一度仕事を離れて大学などで学ぶ形も含む。個人の意思が起点になりやすい |
| OJT | 今の業務のやり方を覚える | 先輩や上司から既存の手順を学ぶ。新しいスキルの習得には向きにくい |
マーケティング担当者に必要なスキル
マーケティングDXで担当者に求められるスキルは、高度なプログラミングより、データを業務の判断に結びつける力が中心です。
- データの読み解き:集計表やグラフから傾向と例外を見つけ、仮説を立てる
- 指標の設計:商談化率や受注率など、施策の良し悪しを判断する数字を決める
- ツールの運用:MA、SFA、ABMツールなどの設定や、データの整え方を理解する
- 部門間の調整:営業やカスタマーサポートと数字の定義をそろえ、結果を共有する
- 生成AIの活用:分析の下準備や文章作成をAIに任せ、判断と検証に時間を使う
これらのスキルは、一度の外部研修では定着しにくいため、自社のデータや業務に即した教材を用意し、学習の進み具合を確認しながら続ける仕組みが必要です。研修・OJT・eラーニングを1つのシステムで運用できる仕組みなら、マーケティング部門向けの研修コースを自社の資料や動画で作り、受講者ごとの進捗や理解度を確認できます。
国の支援策|人材開発支援助成金・キャリアアップ支援事業・Reスキル講座
リスキリングには研修費用と業務時間がかかりますが、国の支援策を使うと負担を抑えられます。企業が使う制度と、社員個人が使う制度があるため、目的に合わせて選びます。
| 制度名(所管) | 使う人 | 主な支援内容 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 人材開発支援助成金 事業展開等リスキリング支援コース(厚生労働省) | 事業主 | 新規事業やDXに必要な訓練の経費を、中小企業は75%、大企業は60%助成。訓練中の賃金も1人1時間あたり中小企業1,000円、大企業500円を助成 | 令和8年度末までの時限措置。訓練開始日の1か月前までに計画届が必要。令和8年8月の改正で受講回数の上限が設けられ、特定業務への適用を伴わない汎用的なDX研修は対象外と明確化された |
| リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業(経済産業省) | 在職者個人 | キャリア相談、リスキリング、転職支援を一体で提供。受講費用の1/2(上限40万円)を補助し、転職して1年継続就業すると1/5(上限16万円)を追加補助 | 採択された補助事業者の講座を受ける必要がある。令和8年度末まで実施予定 |
| 第四次産業革命スキル習得講座(Reスキル講座)認定制度(経済産業省) | 社会人個人(企業の研修選びにも活用可) | IT・データ分野などの専門的・実践的な講座を経済産業大臣が認定。要件を満たすと、厚生労働省の教育訓練給付で受講費用の最大80%が支給される | 給付を受けるには雇用保険の加入期間などの要件がある |
企業としてマーケティング部門の研修を計画する場合は、人材開発支援助成金が中心になります。令和8年8月の改正で、DX関連の訓練は汎用的な内容では対象外になると明記されたため、「自社のマーケティング業務でデータをどう使うか」まで踏み込んだ研修内容にしておくことが大切です。助成率や要件は改正されることがあるため、申請時は必ず厚生労働省や都道府県労働局の最新情報を確認してください。
マーケティングDXでよくある失敗パターンと成功のポイント
マーケティングDXの失敗は、ツールの性能より、目的の曖昧さや人と運用の準備不足から起きることがほとんどです。代表的なパターンと回避策を整理します。
| 失敗パターン | 起きやすい状況 | 回避策 |
|---|---|---|
| ツール導入が目的になる | 話題のツールを入れたが、何を改善するかが決まっていない | 先に改善したい指標を決め、その指標を動かすためにツールを選ぶ |
| データがたまるだけで使われない | レポートは毎月出るが、誰も施策の判断に使っていない | レポートを見て決めることを会議の議題にし、判断の担当者を決める |
| 研修が一度きりで終わる | 外部研修を受けたが、学んだ内容を試す業務がない | 研修の直後に実データを使った課題を用意し、学びを業務で使う場を作る |
| 営業とマーケティングが分断される | リードの質をめぐって部門間で対立し、商談結果が共有されない | 「商談化したリード」の定義を両部門でそろえ、共通の指標で評価する |
| 狙う顧客を絞らない | すべての見込み顧客に同じ施策を行い、人手が足りなくなる | 受注しやすい企業群を選び、優先度の高い企業から手厚く対応する |
成功させるための4つのポイント
- 経営層を巻き込み、部門横断で目的と指標を共有する
- スモールスタートで、1つの商材・1つの施策から成功体験を作る
- データを読み解く人材を、一度きりで終わらせず継続して育てる
- 自社に足りない部分(人材育成や運用の手間)は、外部のサービスやパートナーに任せる範囲を決めて活用する
外部に任せる範囲の考え方は、BPOとコンサルの違い|業務委託との関係・コンサル型BPOと選び方で整理しています。任せる範囲を決めずに依頼すると、成果の確認が難しくなります。
効果測定|商談化率・受注率の追い方
マーケティングDXの効果は、リードの数ではなく、商談化率と受注率のように売上に近い数字で測ります。量の指標だけを追うと、受注につながらないリードを増やす施策が高く評価されてしまうためです。
| 指標 | 計算式 | 分かること |
|---|---|---|
| 商談化率 | 商談になった件数 ÷ 獲得したリード数 | マーケティングが集めたリードの質と、渡すタイミングが適切か |
| 受注率 | 受注件数 ÷ 商談件数 | 狙った企業が自社の商材に合っているか、営業の提案が刺さっているか |
| 平均受注単価 | 受注金額の合計 ÷ 受注件数 | 狙う企業を絞ったことで、1件あたりの取引規模が変わったか |
| 受注までの期間 | 初回接点から受注までの平均日数 | 検討段階に合った情報を届けられているか |
たとえば、月にリード200件、商談20件、受注4件の場合、商談化率は10%、受注率は20%です。狙う企業を絞った結果、リードが150件に減っても商談が24件、受注が6件になれば、商談化率は16%、受注率は25%に上がり、受注件数も増えています。リード数だけを見ると後退に見える変化も、商談化率と受注率で見れば改善だと判断できます。
これらの数字を追うには、リードごとに「どの企業か」「どの施策から来たか」「その後どうなったか」を1つにつなげて記録する必要があります。導入前の数字を1か月から3か月分記録しておき、施策後と同じ条件で比べると、効果を社内に説明しやすくなります。
施策の数字を毎月集計し、結果を次の施策に反映する作業は、運用する施策が増えるほど負担になります。Instagramを集客の中心にしている会社なら、分析月次レポートを含む運用代行を使って、集計と改善の手間を外部と分担する選択肢もあります。
よくある質問(FAQ)
Q1. DXマーケティング(マーケティングDX)とは何ですか?
A. デジタル技術と顧客データを使って、マーケティングの意思決定や業務の進め方、組織のあり方まで変える取り組みです。個別の施策をデジタル化するだけでなく、データにもとづいて判断し改善し続ける仕組みを作ることを指します。
Q2. デジタルマーケティングとマーケティングDXの違いは何ですか?
A. デジタルマーケティングはWeb広告やSNSなど個々の施策や手段を指します。マーケティングDXは、それらを含めて意思決定の方法、部門間の連携、評価指標、人材育成まで変える、より広い戦略レベルの取り組みです。
Q3. マーケティングDXは何から始めればよいですか?
A. 商談化率など改善したい指標を1つ決め、過去の受注企業の共通点を洗い出すところから始めます。受注しやすい企業群が分かれば、狙う企業を絞った施策を小さく試せます。
Q4. DXでマーケティングを変えた成功事例がある企業は?
A. 伊勢神宮内宮のおはらい町で飲食店を営む有限会社ゑびやが、KANSAI DX AWARD 2023でグランプリを受賞しています。POSデータや人流データなどを経営判断に活用した取り組みで、関西経済連合会の紹介ページで確認できます。
Q5. マーケティングDXにリスキリングは必要ですか?国の支援策はありますか?
A. ツールを導入しても、データを読み解いて施策を決められる人がいなければ判断の仕方は変わらないため、必要です。企業向けには厚生労働省の人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)があり、中小企業は訓練経費の75%が助成されます。
Q6. マーケティングDXの効果はどう測ればよいですか?
A. リード数ではなく、商談化率、受注率、平均受注単価、受注までの期間など売上に近い指標で測ります。導入前の数字を記録しておき、施策後と同じ条件で比べることが大切です。
まとめ
マーケティングDXは、ツールの導入ではなく、データにもとづいて狙う顧客と施策を決め、結果を次の判断に戻す仕組みを作ることです。その仕組みを動かすには、データを読み解ける人材の育成が欠かせず、国の助成金や支援事業を使えば研修の負担も抑えられます。最後に、今日から取り組める3つのことを整理します。
- 商談化率や受注率など、改善したい指標を1つ決めて、現状の数字を記録し、過去の受注企業の共通点から優先して狙う企業群を決める。
- データを読み解く担当者を決め、人材開発支援助成金などを使って業務に直結する研修を計画する。
- 人材育成の仕組みや施策運用の外部活用を検討する場合は、Smart Boardingやトリドリライクスなどの資料で、自社の課題に合うか比べる。
参考文献
- 経済産業省 デジタル時代の人材政策に関する検討会(第2回)資料「リスキリングとは DX時代の人材戦略と世界の潮流」(リクルートワークス研究所) https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_jinzai/pdf/002_02_02.pdf
- 厚生労働省「人材開発支援助成金」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html
- 経済産業省「リスキリングを通じたキャリアアップ支援事業」 https://careerup.reskilling.go.jp/
- 経済産業省「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」 https://www.meti.go.jp/policy/economy/jinzai/reskillprograms/index.html
- 関西経済連合会 KANSAI DX AWARD 2023 グランプリ 有限会社ゑびや https://www.kankeiren.or.jp/kansai-dx/award/2023/01/
- Smart Boarding導入事例 株式会社シーアールイー様 https://smartboarding.net/example/11815
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