SaaS業界への転職ガイド|職種別の難易度・年収の見方・未経験からのルートを解説

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  • SaaS業界の市場動向と、職種別の転職難易度がわかる
  • 今の経験から入りやすい職種と、未経験からの転職ルートがわかる
  • 年収の見方と、選考の適性検査を含むよくある失敗の防ぎ方がわかる

SaaS業界への転職は、営業だけでなくマーケティング、カスタマーサクセス、エンジニアなど職種の選択肢が広く、未経験からでも入口がある点が魅力です。一方で、職種によって求められる経験や難易度、年収の決まり方は大きく異なります。この記事では、SaaS業界への転職を考えている人に向けて、市場の動き、職種別の難易度、未経験からのルート、年収の見方、よくある失敗パターンを順に整理します。あわせて、中途採用の選考で多くの企業が取り入れている適性検査についても紹介します。

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目次

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  1. SaaS企業の中途選考で使われる適性検査を知っておく
  2. SaaS業界への転職、まず知っておきたい市場動向
  3. 職種別の転職難易度(IS/FS/CS/マーケ/エンジニア)
  4. 未経験からの転職ルートと必要な準備
  5. 年収の目安(職種・経験年数別)
  6. 転職活動でよくある失敗パターン
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ
  9. 参考文献

SaaS企業の中途選考で使われる適性検査を知っておく

SaaS企業の中途採用では、書類選考や面接に加えて、Web上で受ける適性検査を取り入れる企業が少なくありません。職種ごとに分業して成果を数字で管理する組織が多いため、能力だけでなく、価値観や働き方がチームに合うかどうかを確かめる目的で使われます。どのような検査が使われているのかを事前に知っておくと、選考の流れを見通しやすくなり、当日に慌てずに済みます。

適性検査 企業側から見た特徴 転職者から見たポイント
TG-WEB CAREER 前職での成果発揮の傾向などを確認でき、ジョブ型採用にも対応 これまでの働き方が問われるため、職務経歴と一貫した回答を意識する
ミキワメAI 適性検査 自社社員のデータと比べて、組織とのマッチ度を段階で示す 正解を探すより、素直に回答したほうが入社後のミスマッチを防げる
アッテル適性検査 AIを使い、既存社員のデータから採用基準をつくる 対策が難しい設計のため、事前の暗記より体調を整えて臨むことが大切
Talent Analytics(3Eテスト) 知的能力と性格・価値観を短時間で測定 能力検査が含まれるため、計算や読解の形式に慣れておくと安心

表の「企業側から見た特徴」は、企業の採用担当者向けに中途採用の適性検査を比較した記事の内容をもとにしています。企業がどのような観点で適性検査を選び、何を見極めようとしているのかを知ることは、転職者にとって選考の意図を理解する手がかりになります。応募先がどの検査を使っているかは、選考案内のメールや受検画面で確認できることが多いため、名前を見かけたら特徴を調べておきましょう。

SaaS業界への転職、まず知っておきたい市場動向

SaaS(Software as a Service)とは、ソフトウェアを購入してパソコンに入れるのではなく、インターネット経由で月額や年額の利用料を払って使うサービスのことです。会計、勤怠管理、営業支援、コミュニケーションツールなど、企業の業務の多くがSaaSに置き換わりつつあり、提供する企業の数も増えています。

総務省の「通信利用動向調査」では、企業のクラウドサービス利用が年々広がっていることが示されています。また、IPA(情報処理推進機構)の「DX動向」調査では、多くの企業がDXを進めるうえで人材不足を課題に挙げています。SaaSを使う企業が増えるほど、SaaSを売る・導入を支える・開発する人材の需要も高まるため、転職市場でもSaaS企業の求人は多い状態が続いています。

観点 SaaS企業の特徴 転職者への影響
収益の仕組み 売り切りではなく、利用料が毎月積み上がるサブスクリプション型 契約後も使い続けてもらう仕事(カスタマーサクセス)の重要性が高い
組織の形 マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスに分業 職種ごとに入口があり、未経験でも入りやすいポジションがある
評価の方法 商談化率や解約率などの指標で成果を数字で管理 年齢や社歴より成果が評価されやすい一方、数字へのこだわりが求められる
企業の成長段階 創業間もないスタートアップから上場企業、外資系まで幅広い 同じ職種名でも、担当範囲や安定性、報酬の仕組みが大きく異なる

職種別の転職難易度(IS/FS/CS/マーケ/エンジニア)

SaaS業界の主な職種は、インサイドセールス(IS)、フィールドセールス(FS)、カスタマーサクセス(CS)、マーケティング、エンジニアです。未経験からの入りやすさは職種によって差があり、一般的にはインサイドセールスが最も入りやすく、マーケティングやエンジニアは経験者採用が中心です。

職種 主な仕事 未経験からの難易度 評価されやすい経験
インサイドセールス 電話やメール、オンラインで見込み客と接点を持ち、商談をつくる 低め(未経験可の求人が多い) 販売・接客、コールセンター、数値目標のある仕事
フィールドセールス 商談で課題を聞き取り、提案して受注につなげる 中程度(法人営業経験があると有利) 法人営業、提案営業、業界の実務経験
カスタマーサクセス 契約後の顧客の活用を支え、継続利用や追加契約につなげる 中程度(サポート職経由なら入りやすい) 顧客対応、業務改善、研修や説明の経験
マーケティング Web広告、セミナー、コンテンツなどで見込み客を集める 高め(経験者採用が中心) Web運用、広告運用、データ分析の実績
エンジニア サービスの開発・運用、機能改善 高め(開発経験が前提になることが多い) Webアプリケーション開発、クラウド環境の運用経験

営業系の職種の分担や仕事内容をさらに詳しく知りたい場合は、SaaS営業の仕事内容と職種の違いを解説した記事もあわせて参考にしてください。このほか、SaaS企業には、技術的な質問に答えながら営業を支援するセールスエンジニア、導入時の設定を支援する導入コンサルタント、問い合わせに対応するカスタマーサポートなどの職種もあります。

未経験からの転職ルートと必要な準備

未経験からSaaS業界を目指す場合は、いきなり希望の職種を狙うより、入りやすい職種から入って経験を積み、社内で職種を広げていくルートが現実的です。

今の経験 入口になりやすい職種 その後に広げやすい職種
販売・接客・個人営業 インサイドセールス フィールドセールス、カスタマーサクセス
コールセンター・サポート カスタマーサポート、インサイドセールス カスタマーサクセス
事務・企画・Web運用 インサイドセールス、マーケティングのアシスタント マーケティング
業界の実務経験(医療・建設・経理など) その業界向けSaaSの営業、カスタマーサクセス 導入コンサルタント、プロダクト企画
SE・社内IT エンジニア、セールスエンジニア プロダクトマネージャー

応募前に準備しておきたいこと

  • 応募先のSaaSが「誰の、どんな業務課題を解決するサービスか」を短く説明できるようにする
  • 無料トライアルや製品デモがあれば実際に触り、使いやすい点・改善できそうな点を言葉にしておく
  • 前職の成果を、件数・割合・期間などの数字で説明できるよう整理する
  • サブスクリプション型ビジネスで重視される継続率や解約率の考え方を理解しておく
  • 適性検査がある場合に備えて、能力検査の出題形式に一度触れておく

ITの基礎知識に不安がある場合は、在職中に学び直しを進めておくと選考でも話しやすくなります。厚生労働省の教育訓練給付制度では、一定の条件を満たす人が指定講座を受講した場合に、費用の一部が支給されます。対象講座にはITやデジタル分野のものも含まれているため、学び直しの費用を抑えたい人は確認しておきましょう。

書類と面接の準備に加えて、選考の途中で受ける適性検査も見落とせません。中途採用向けの適性検査には、能力だけでなく、前職での働き方や組織との相性を測るものがあります。企業がどのような検査を選んでいるのかを知っておくと、選考の意図をつかんだうえで臨めます。

年収の目安(職種・経験年数別)

SaaS業界の年収は、企業の規模や成長段階、担当する顧客の規模、職種によって大きく異なります。公的統計にはSaaS業界だけを切り出した年収のデータはないため、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」で近い職種(営業職、ソフトウェア作成者など)の水準を確認しつつ、求人票に記載された提示額と比べるのが現実的です。下の表は、求人でよく見られる傾向を整理したものです。

職種 未経験・経験浅め 経験者・リーダー層 年収の決まり方の特徴
インサイドセールス 営業職の中では控えめな提示額から始まることが多い チームリーダーや職種変更で上がりやすい 商談化数などに応じたインセンティブがある場合も
フィールドセールス 法人営業経験の有無で提示額に差が出やすい 大企業向けの担当は高めの提示が多い 固定給と受注に応じたインセンティブの組み合わせ
カスタマーサクセス サポート職からの移行は同水準から始まることが多い 大口顧客の担当やマネージャーで上がる 継続率や追加契約の指標で評価される
マーケティング 未経験求人自体が少ない 施策の成果を数字で示せる人は高めの提示 固定給中心の企業が多い
エンジニア 開発経験が前提のため、未経験枠は限られる 技術領域や設計経験で大きく差がつく スキル評価に応じた固定給が中心

求人票を比べるときは、金額だけでなく、固定給とインセンティブの割合、目標を達成した場合の想定年収、評価の時期と昇格の条件を確認しましょう。2024年4月からは、労働条件を明示する際に就業場所・業務の変更の範囲も示すことが求められています(厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」)。入社後に別の職種へ配置転換される可能性があるかどうかも、この欄から読み取れます。

転職活動でよくある失敗パターン

SaaS業界への転職では、業界のイメージだけで応募先を決めてしまい、入社後にギャップを感じるケースがあります。よくある失敗と、その防ぎ方を整理します。

よくある失敗(Before) 防ぎ方(After)
「SaaS業界は成長しているから」という理由だけで応募する 応募先のサービスが解決する課題と、自分の経験がどう役立つかを結びつけて志望理由を組み立てる
職種名だけで求人を選び、担当範囲を確認しない インサイドセールスとフィールドセールスの兼務の有無、担当する顧客の規模を面接で確認する
想定年収の上限だけを見て判断する 固定給とインセンティブの内訳、目標の達成率の実績を確認する
適性検査を準備なしで受け、実力を出し切れない 能力検査の出題形式に事前に触れ、性格検査は職務経歴と一貫した姿勢で素直に回答する
スタートアップと大企業の違いを考えずに選ぶ 裁量の大きさ、研修の有無、組織変更の頻度など、自分に合う環境を先に決めておく

応募先のSaaS企業を見極める3つの視点

失敗を防ぐには、職種だけでなく応募先の企業そのものを見極めることも大切です。SaaS企業は、提供するサービスの種類や成長段階によって働き方が大きく変わります。応募前に、次の3つの視点で整理しておくと比較しやすくなります。

視点 確認すること 働き方への影響
サービスの種類 業種を問わず使われる汎用型(ホリゾンタルSaaS)か、特定の業界に特化した業界特化型(バーティカルSaaS)か 業界特化型では、その業界の実務知識が強みになりやすい。汎用型では幅広い業種の顧客を担当することが多い
組織の成長段階と収益性 事業を拡大している段階か、利益を重視する段階か。上場企業なら決算資料で売上の伸びや解約率の説明を確認する 拡大期は裁量が大きい一方で役割が変わりやすい。利益重視の段階では生産性や数値管理がより厳しくなる傾向がある
プロダクトへの共感 主な顧客層、競合サービスとの違い、自分がそのサービスの価値を説明したいと思えるか 契約後も顧客に使い続けてもらうビジネスのため、プロダクトに納得できていないと提案や支援を続けにくい

職種ごとの仕事内容や必要なスキルは、厚生労働省の職業情報提供サイト(job tag)でも確認できます。自分の強みがどの職種と重なるかを整理しておくと、面接だけでなく適性検査の結果とも一貫した自己説明がしやすくなります。企業が中途採用でどのような人物像を見極めようとしているかは、適性検査の比較記事からも読み取れます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 未経験でもSaaS業界に転職できますか?

A. できます。インサイドセールスやカスタマーサポートは未経験可の求人が比較的多く、入口になりやすい職種です。販売・接客やコールセンターの経験、数字で成果を説明できる経験があると、選考でアピールしやすくなります。

Q2. SaaS業界で未経験から最も入りやすい職種は何ですか?

A. 一般的にはインサイドセールスです。電話やオンラインで見込み客と接点を持つ仕事で、行動量や対応の丁寧さが評価されやすいためです。経験を積んだ後、フィールドセールスやカスタマーサクセスへ広げるルートがよく見られます。

Q3. SaaS業界の年収はどのくらいですか?

A. 企業の規模や成長段階、職種、担当する顧客の規模によって大きく異なり、一律の相場では判断できません。厚生労働省の賃金構造基本統計調査で近い職種の水準を確認しつつ、求人票の固定給とインセンティブの内訳を比べるのが現実的です。

Q4. SaaS企業の選考では適性検査がありますか?

A. 書類選考や面接に加えて、Web上で受ける適性検査を取り入れる企業があります。能力検査のほか、価値観や前職での働き方、組織との相性を測るものもあるため、出題形式に事前に触れ、職務経歴と一貫した姿勢で回答することが大切です。

Q5. SaaS業界に転職する前に勉強しておくべきことは何ですか?

A. サブスクリプション型ビジネスの仕組み(継続率や解約率の考え方)、応募先のサービスが解決する業務課題、ITの基礎知識の3点です。学び直しの費用を抑えたい場合は、厚生労働省の教育訓練給付制度の対象講座も確認するとよいでしょう。

Q6. スタートアップと大手SaaS企業のどちらを選ぶべきですか?

A. 裁量の大きさや幅広い経験を求めるならスタートアップ、研修制度や安定性を重視するなら大手企業が向いている傾向があります。同じ職種名でも担当範囲や報酬の仕組みが異なるため、求人票と面接で具体的に確認して判断しましょう。

まとめ

SaaS業界は、クラウドサービスの広がりとともに人材の需要が高く、営業からエンジニアまで多様な職種に入口がある業界です。転職を考えるときは、次の3点を意識すると判断しやすくなります。

  1. 自分の経験に近い職種を入口に選び、入社後に職種を広げるルートを描く。
  2. 求人票では金額だけでなく、担当範囲、評価の指標、報酬の仕組み、業務の変更の範囲を確認する。
  3. 書類・面接に加えて適性検査にも備え、職務経歴と一貫した自己説明ができるよう準備する。

参考文献

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