AI画像作成を業務で使う手順|著作権・規約の注意点と管理方法

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  • AI画像作成を業務で使うまでの5つの手順と、用途別の確認レベルがわかる
  • 利用前に確認したい規約5項目と、著作権侵害を避ける4つの原則がわかる
  • 生成した画像をあとから説明できる管理台帳の記録項目がわかる

AI画像作成ツールを使えば、提案書の挿絵やWebサイトのアイキャッチ、SNS投稿用のビジュアルを短時間で用意できます。一方で、業務で使うとなると「生成した画像を社外向けに使ってよいのか」「社内の情報を入力して問題ないのか」「部署ごとにバラバラに作った画像をどう管理するのか」といった疑問が次々に出てきます。

この記事では、AI画像作成を業務で使うまでの基本手順と用途別の使い分けに加えて、入力前に確認したいツールの利用規約、文化庁の考え方に基づく著作権の注意点を整理します。生成した画像をあとから確認できるようにする管理台帳の作り方や、導入効果を試算できる簡易シミュレーターも用意しました。

あなたが先に確認すべきポイントを診断

Q1. AI画像作成を業務で使ううえで、いま一番気になっていることはどれですか?

目次

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  1. AI画像を業務で使い続けるなら|生成素材の管理・公開に使えるCMSの比較
  2. AI画像作成を業務で使うまでの5つの手順
  3. 用途別の使い分け|社内資料・提案スライド・Web・SNS
  4. 入力前・利用前に確認したいツールの利用規約5項目
  5. AI画像作成と著作権の考え方|類似性と依拠性
  6. 著作権侵害を避けるための4つの原則
  7. 生成した画像の管理台帳|あとから説明できる記録の残し方
  8. AI画像作成の業務利用でよくある失敗パターン
  9. 導入効果をどう確認するか|作業時間の簡易シミュレーター
  10. よくある質問(FAQ)
  11. まとめ|AI画像作成を業務で安全に使うために
  12. 参考文献

AI画像を業務で使い続けるなら|生成素材の管理・公開に使えるCMSの比較

AI画像作成を一時的な試用で終わらせず業務に定着させるには、生成した画像をどこに保存し、誰の確認を経て公開するかという仕組みが必要です。Webサイトやオウンドメディアに載せる画像が多い企業では、その受け皿としてCMSを見直す選択肢があります。

AIで画像を作ること自体は、担当者1人でもすぐに始められます。しかし、利用が広がると「同じような画像が部署ごとに何枚もある」「どの画像がAI生成なのか分からない」「公開前に誰も権利を確認していなかった」という状態になりがちです。CMS(コンテンツ管理システム)は、Webページや画像素材をまとめて管理し、作成者と承認者の権限を分けて公開までの流れを整えられる仕組みです。AIで作った画像を記事やページに組み込む前の確認工程を、CMS上のワークフローとして固定しておけば、担当者が入れ替わっても同じ手順で運用できます。

お名前.comビジネスコンシェルジュの比較記事で紹介しているCMSのうち、画像などのデジタル素材の管理や、生成AIとの連携に特徴がある3つを並べると次のとおりです。

サービス名(運営会社) 強み 留意点
Adobe Experience Manager(アドビ株式会社) Adobeの生成AIを活用したWebコンテンツ作成に対応し、タグ付け機能でデジタルアセットの管理や検索がしやすい 料金を確認するには問い合わせが必要
HeartCore(ハートコア株式会社) あらゆるデジタル資産を一元管理できるオールインワンパッケージ型で、連携が豊富でカスタマイズ性も高い ライセンス費用がやや高く、操作方法も複雑
Studio(Studio株式会社) AIを搭載し、チームでのコンテンツ作成・管理やリアルタイム共同編集が可能で、権限設定も自由に行える 有人サポート(チャット)はMiniプラン以上で利用できる
画像などのデジタル素材管理に特徴があるCMS3サービスの強みと留意点(2026年9月時点の比較記事掲載内容をもとに整理)

大量の画像素材を検索しやすく整理したいならアセット管理に強いタイプ、既存のWebサイトや業務システムとの連携まで一体で考えたいならオールインワン型、少人数のチームで作成から公開まで素早く回したいなら共同編集と権限設定に強いタイプというように、自社の運用規模で向き不向きが分かれます。どのCMSでも、AIで作った画像を一律で公開してよいわけではありません。後述する著作権や規約の確認を、公開前の承認ステップとして組み込めるかという観点で比較すると選びやすくなります。

AI画像作成を業務で使うまでの5つの手順

業務でのAI画像作成は、用途と公開範囲を決める、ツールと規約を確認する、プロンプトで生成する、候補を選んで人が仕上げる、確認と記録を経て公開するという5つの手順で進めると、手戻りと権利トラブルを減らせます。

手順 やること つまずきやすい点
1. 用途と公開範囲を決める 社内資料、提案書、Webサイト、SNS、印刷物のどれに使うか、誰が見るかを決める 公開範囲を決めないまま作ると、必要な確認レベルが判断できない
2. ツールと規約を確認する 商用利用の可否、生成物の権利の扱い、入力データの学習利用設定を確認する 無料プランと有料プランで条件が異なる場合がある
3. プロンプトで生成する 主題、雰囲気、配色、構図、余白を具体的に指示し、複数案を出す 「おしゃれに」など抽象的な指示だけでは狙いから外れやすい
4. 候補を選んで人が仕上げる ブランドの色やトーンに合う案を選び、文字や細部は編集ソフトで整える 画像内の文字や手指などの細部が崩れていることがある
5. 確認と記録を経て公開する 類似作品の有無、事実との整合、規約を確認し、生成条件を台帳に残して公開する 生成条件を残していないと、公開後の問い合わせに説明できない
AI画像作成を業務で使うまでの5つの手順

手順3のプロンプトは、「誰に何を伝える画像か」を先に1文で書いてから、主題、雰囲気、配色、構図、余白の5要素を足していくと組み立てやすくなります。たとえば「中小企業の経営者向け提案書の表紙。落ち着いた青系の配色、オフィスで打ち合わせをする人物のシルエット、右側に見出しを置く余白を広めに確保」といった具合です。特に余白の指示は見落とされがちですが、資料やバナーでは後から見出しを載せる場所が必要になるため、最初に入れておくと作り直しが減ります。

手順4では、画像生成AIが日本語の文字や細かい図表を正確に描くのが苦手な点に注意が必要です。社名や数値、日付などの情報は画像の中に生成させず、資料作成ツールや画像編集ソフトで後から載せる方が確実です。1回の生成で満足できる結果が出ることは少ないため、気に入った部分と直したい部分を言葉にして次の指示に反映させる、という繰り返しを前提にスケジュールを組んでおきましょう。

ツールのタイプと選ぶときの3つの観点

AI画像作成ツールは、大きく分けて画像生成に特化した専用サービス、デザインツールやプレゼンテーションソフトに組み込まれた機能、対話型の生成AIから画像を作れる機能の3タイプがあります。専用サービスは表現の幅や細かな調整に強く、デザインツール組み込み型は生成した画像をそのままバナーや資料に配置できる手軽さがあり、対話型は日本語で相談しながら修正を重ねやすいという違いがあります。業務で使うツールを選ぶ際は、次の3つの観点で比べると判断しやすくなります。

観点 確認すること 業務で差が出る場面
1. 日本語での指示の通りやすさ 日本語のプロンプトで狙いどおりの画像が出るか、英語での指示が前提か 担当者が英語に不慣れな部署でも同じ品質で使えるか
2. 得意な表現のジャンル 写真風、イラスト、アイコン、画像内の文字描写など、どの表現が得意か アイキャッチ中心か、図解やバナーの文字入れまで任せたいかで適性が変わる
3. 無料範囲と有料プランの条件 無料で生成できる枚数や機能の制限、有料プランで変わる商用利用や学習利用の条件 試用で評価した結果が、本番で使うプランの条件でも成り立つか
AI画像作成ツールを業務用に選ぶときの3つの観点

まずは無料の範囲で、自社で実際に作る予定の画像を2、3種類試し、仕上がりと作業のしやすさを比べるのが確実です。そのうえで本番に使うプランを決め、次の章で紹介する利用規約の5項目をそのプランの条件で確認してから、全社での利用を始めましょう。

用途別の使い分け|社内資料・提案スライド・Web・SNS

AIに任せられる範囲と必要な確認の深さは、画像を使う用途と公開範囲で変わります。社外の目に触れる用途ほど、人による確認と記録を厚くするのが基本です。

用途 AIに任せやすい範囲 人が担う範囲 確認レベルの目安
社内資料・研修スライド イメージ画像、アイコン風の挿絵、スライド構成のたたき台 数値や手順など内容の正確さの確認 基本(担当者による確認)
提案書・企画書のスライド 表紙や章扉のビジュアル、概念を表すイメージ画像 訴求の核になる構成、図解の正確さ、先方の情報の扱い 中(上長または別担当者の確認)
Webサイト・オウンドメディア 記事のアイキャッチ、背景ビジュアル、バナーの素材 類似作品の確認、実物との誤認がないかの確認、生成条件の記録 高(承認者による公開前チェック)
SNS投稿・広告 投稿サイズごとのバリエーション作成、複数案の比較 表示ルールへの配慮、ブランド表現の一貫性、投稿後の反応への対応 高(承認者による公開前チェック)
用途別に見たAI画像作成の役割分担と確認レベル

社内資料や研修スライドは、閲覧者が限られるためAIに任せる比重を高めやすい用途です。ただし社内向けであっても、経営会議の資料や規程の説明資料のように判断の根拠になるものは、図解の数値や手順が正しいかを人が確認する工程を省かないようにしましょう。

提案書や企画書のスライドでは、自社の強みや解決策の独自性といった訴求の核は人が練り上げ、AIには表紙や章扉のビジュアル、概念を伝える挿絵を任せる役割分担が効率的です。先方の社名やロゴ、未公開のプロジェクト名をプロンプトに含めるかどうかは、次の章で扱う学習利用設定と社内ルールに従って判断します。

Webサイトや広告に使う画像は、不特定多数が閲覧するため最も慎重な確認が必要です。商品や店舗の実写写真とAIのイメージ画像が混在すると、実物と異なる印象を与えるおそれがあります。どこまでを実写とし、どこからをイメージ画像とするかを社内で決め、必要に応じて「画像はイメージです」といった注記を添える運用にしておくと安心です。

入力前・利用前に確認したいツールの利用規約5項目

AI画像作成ツールを業務で使う前には、商用利用の可否、生成物の権利の扱い、入力データの学習利用、プランごとの条件差、禁止されている用途の5項目を、そのツールの最新の利用規約で確認しておく必要があります。

確認項目 見るべきポイント 確認しないと起きやすいこと
1. 商用利用の可否 販促物や広告、有料サービス内で使えるか 社外向けに使えない条件の画像を公開してしまう
2. 生成物の権利の扱い 生成物を利用者が自由に使えるか、提供者側の利用権が残るか ロゴやキャラクターとして独占的に使えない可能性に後から気づく
3. 入力データの学習利用 入力した文章や参考画像がサービス改善や学習に使われるか、設定で止められるか 社外秘の情報や取引先の資料が意図しない形で扱われる
4. プランごとの条件差 無料プラン、個人向けプラン、法人向けプランで権利や学習利用の条件が違うか 試用時の条件のまま本番利用してしまう
5. 禁止用途と表示ルール 実在の人物の画像生成、誤認を招く用途などの禁止事項、AI生成である旨の表示の要否 規約違反でアカウントが利用停止になる
AI画像作成ツールの利用前に確認したい利用規約の5項目

最近は、画像生成専用のサービスだけでなく、デザインツールやプレゼンテーションソフト、オフィス向けの資料作成ツールにもAI画像作成の機能が組み込まれています。同じ会社の製品であっても、AI機能部分だけ別の規約や補足条件が定められていることがあるため、「いつも使っているツールだから大丈夫」と判断せず、AI機能の規約を個別に確認しましょう。規約は改定されることがあるので、確認した日付と版を記録しておくと、あとで条件が変わったときに比較できます。

機密情報の扱いについては、ツールの設定だけに頼らず、社内で「入力してよい情報」と「入力してはいけない情報」を明文化しておくことが大切です。経済産業省と総務省が公表している「AI事業者ガイドライン」でも、AIを利用する事業者に対して、入力する情報の適切な管理や、出力結果を人が確認することが求められています。たとえば、個人情報、取引先から預かった資料、未発表の商品情報は入力しない、参考画像として社外の写真を読み込ませない、といったルールを決め、利用者に周知しておきましょう。

もう1つ見落とされやすいのが事実確認です。AIは、実在しない製品の外観や、実際とは異なる街並み、存在しない表示マークを、それらしく描いてしまうことがあります。資料やWebページで「実際の様子」として受け取られる使い方をする場合は、描かれた内容が事実と矛盾しないかを人が確認してください。

文化庁の整理では、AIで生成した画像でも、既存の著作物との「類似性」と「依拠性」が認められれば、人が描いた場合と同じく著作権侵害になり得るとされています。AIを使ったかどうかではなく、何を、どのように生成して利用したかが問われます。

文化審議会著作権分科会法制度小委員会が公表した「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日)では、AIと著作権の関係を、AIの開発・学習段階と、生成・利用段階に分けて整理しています。業務でAI画像作成ツールを使う企業に主に関係するのは、生成・利用段階です。この段階では、生成した画像が既存の作品の創作的な表現と似ているか(類似性)、既存の作品をもとにして作られたといえるか(依拠性)によって、侵害に当たるかが判断されるとされています。

依拠性については、利用者が既存の作品を知っていて、その作品名や作家名、キャラクター名をプロンプトに入力した場合や、既存の画像を読み込ませて似た画像を作らせた場合には、認められやすくなると考えられます。また、利用者が既存の作品を知らなかったとしても、AIの学習データにその作品が含まれていた場合には、依拠性が推認される可能性があるという整理も示されています。つまり「知らなかった」だけでは安全とはいえず、生成された画像そのものの確認が欠かせません。

一方、生成された画像そのものに著作権が発生するかという点については、人がAIを道具として使い、創作的な寄与をしたと認められるかどうかで判断されるとされています。簡単な指示を入力しただけで生成された画像は、著作物と認められない可能性があります。自社で作った画像であっても、他社に同じような画像を使われたときに権利を主張できない場合がある点は、ロゴやキャラクターなど長く使うデザインをAIで作る際に意識しておきましょう。

著作権以外の権利にも注意が必要です。実在の人物に似た顔を生成すれば肖像権やパブリシティ権の問題が生じる可能性があり、他社のロゴやブランドに似たマークが画像に入り込めば商標の問題につながるおそれがあります。人物や看板、商品パッケージが写り込む画像は、特に丁寧に確認しましょう。

なお、本記事の内容は著作権に関する一般的な考え方を紹介するもので、法的助言ではありません。個別の画像の利用可否について判断に迷う場合は、弁護士などの専門家に相談してください。より詳しい論点は、AI画像生成の著作権|3局面とNGプロンプト例でも解説しています。

著作権侵害を避けるための4つの原則

業務でAI画像を作るときは、固有名をプロンプトに入れない、既存画像を読み込ませて似せない、公開前に類似作品を確認する、判断に迷う画像は使わないという4つの原則を社内ルールにしておくと、侵害のリスクを大きく下げられます。

  1. 固有名をプロンプトに入れない:作品名、作家名、キャラクター名、ブランド名を指示に使わず、「水彩風の柔らかいタッチ」「幾何学模様のフラットなデザイン」のように、表現の特徴を組み合わせて指示します。画風そのものはアイデアとして保護されないとされていますが、特定の作品の表現に寄せる指示は依拠性を疑われる原因になります。
  2. 既存の画像を読み込ませて似せない:他社の広告やWebサイトの画像を参考画像として入力し、似た画像を作らせる使い方は避けます。参考にしたい場合は、自社で撮影した写真や、権利関係が明確な素材だけを使いましょう。
  3. 公開前に類似作品を確認する:画像検索サービスで似た画像がないかを調べ、担当者以外の目でも確認します。有名なキャラクターやロゴ、実在の人物に似ていないかは特に注意して見ます。
  4. 判断に迷う画像は使わない:似ているかどうか判断がつかない画像は、使用を見送るか、明確に異なる表現になるまで作り直すことを基本方針にします。作り直しの手間は、公開後に差し替えや謝罪対応をする手間より小さく済みます。

文化庁は「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)も公表しており、AIを利用する立場ごとに確認すべき事項がまとめられています。社内ルールを作る際は、この資料の利用者向けの項目を下敷きにすると、抜け漏れを防ぎやすくなります。

生成した画像の管理台帳|あとから説明できる記録の残し方

AIで作った画像は、どのツールで、誰が、どんな指示で、いつ作り、誰の確認を経て公開したかを記録しておくと、公開後に権利や表示について問い合わせがあっても、根拠をもって説明できます。

前述のとおり、依拠性の判断ではプロンプトの内容や参考画像の有無が問題になり得ます。記録がなければ「作品名を入れていない」ことを示せません。また、ツールの規約は改定されることがあるため、生成した時点の規約やプランを残しておくことにも意味があります。最低限、次の項目を台帳に残しておくことをおすすめします。

記録項目 記録する内容の例 役立つ場面
生成日と作成者 生成した日付、担当者名、所属部署 問い合わせ時に経緯を確認する相手が分かる
ツール名とプラン 使用したツール、契約プラン、確認した規約の日付 規約改定後も生成時点の条件を確認できる
プロンプトと参考素材 入力した指示文、読み込ませた参考画像の出所 既存作品に依拠していないことを説明できる
人による加工の内容 トリミング、文字入れ、色調整、合成など 創作的な寄与の有無を整理するときの材料になる
確認者と公開先 類似確認をした人、承認者、掲載したページや媒体 差し替えが必要になったとき、掲載箇所をすぐ特定できる
AI生成画像の管理台帳に残したい5つの記録項目

利用量が少ないうちは表計算ソフトの台帳でも十分ですが、画像の点数や関わる人が増えると、画像ファイルと記録が別々の場所にあることで照合の手間がかかるようになります。画像素材に生成条件や確認者の情報をタグとしてひも付けたり、作成者と承認者の権限を分けて公開前の確認を必須にしたりできるCMSを使えば、台帳と公開フローを1つの仕組みにまとめられます。特に、1枚の画像を複数のページで使い回している場合は、差し替えが必要になったときに掲載箇所をすぐ洗い出せることが大きな利点になります。

AI画像作成の業務利用でよくある失敗パターン

AI画像作成の失敗は、ツールの性能よりも、試用時の条件のまま使い続ける、確認と記録を省く、担当者ごとにルールがばらつくといった運用面から起きることがほとんどです。

失敗パターン 起きること 回避策
無料プランで作った画像をそのまま広告に使う 商用利用や権利の条件を満たさず、差し替えが必要になる 本番利用の前に、使うプランの規約を改めて確認する
有名作品の名前を入れて画風を寄せる 既存作品との類似を指摘され、公開停止や謝罪対応が必要になる 固有名を使わず、表現の特徴の組み合わせで指示する
取引先の資料を参考として入力する 守秘義務や社内規程に反する情報の扱いになる 入力禁止情報を明文化し、学習利用の設定を確認する
イメージ画像を実物のように見せる 実際の商品や店舗と違うと受け取られ、信頼を損なう 実写とイメージの使い分けを決め、必要に応じて注記する
生成条件を残さず公開する 問い合わせを受けても経緯を説明できず、対応が長引く 管理台帳に生成条件と確認者を記録してから公開する
部署ごとに別ツール・別基準で使う ブランド表現がばらつき、確認漏れも把握できない 利用ツールと確認基準を全社で統一し、窓口部署を決める
AI画像作成の業務利用でよくある失敗パターンと回避策

ポスターやチラシのように印刷物として使う場合は、これらに加えて解像度や色の再現といった印刷特有の注意点があります。印刷用途についてはAIでポスター作成|印刷で失敗しない手順と注意点、企画から制作までの流れはAIでポスター・チラシ作成|制作フローと著作権で詳しく解説しています。

導入効果をどう確認するか|作業時間の簡易シミュレーター

AI画像作成の導入効果は、1点あたりの作成時間がどれだけ短くなったかだけでなく、確認と記録にかかる時間を差し引いた正味の削減時間で見ることが大切です。

AIを使うと素材探しやラフ作成の時間は短くなりますが、その分、規約や類似作品の確認、台帳への記録という新しい作業が発生します。確認工程を省いて削減時間だけを大きく見せると、あとで権利トラブルの対応に時間を取られかねません。下のシミュレーターで、自社の画像作成の点数と作業時間を入れて、確認時間を含めた正味の効果を試算してみてください。

AI画像作成の作業時間 簡易シミュレーター

1か月の正味の削減時間:10.0時間

1年間に換算すると:120.0時間

※入力値にもとづく簡易計算です。実際の効果は、画像の用途や確認体制によって変わります。

試算で正味の削減時間がマイナスやゼロに近くなる場合は、確認工程が属人的で毎回時間がかかっていることが多いものです。確認項目をチェックリストにし、台帳の入力欄を決めておくだけでも1点あたりの確認時間は短くなります。また、効果は時間だけで測るものではありません。作成できる画像の案が増えたことでA/Bテストができるようになった、外注していた素材の一部を内製できた、といった変化も記録しておくと、導入の判断材料になります。

画像をWebサイトやオウンドメディアで数多く公開している企業ほど、確認と記録の時間が効果を左右します。画像の登録から承認、公開、差し替えまでを1つの管理画面で行えるようにすると、担当者が変わっても同じ手順で運用でき、確認時間のばらつきも抑えられます。

よくある質問(FAQ)

Q1. AIで作成した画像は商用利用できますか?

A. 利用するツールの規約で商用利用が認められていれば、販促物やWebサイトに使えるのが一般的です。ただし無料プランと有料プランで条件が異なる場合があるため、実際に使うプランの最新の規約を確認してください。既存作品と似ていないかの確認も別途必要です。

Q2. AIで作った画像が既存の作品に似てしまったらどうなりますか?

A. 文化庁の考え方では、AIで生成した画像でも既存作品との類似性と依拠性が認められれば、著作権侵害になり得るとされています。似ていると感じた画像は使わず、固有名を含まない指示で作り直すのが安全です。

Q3. 社内の資料や取引先の情報をAI画像作成ツールに入力してもよいですか?

A. 入力した情報が学習やサービス改善に使われるかはツールとプランによって異なります。設定を確認したうえで、個人情報や取引先から預かった資料、未発表の情報は入力しないなど、社内で入力ルールを決めておくことをおすすめします。

Q4. AIで作った画像に著作権は発生しますか?

A. 人がAIを道具として使い、創作的な寄与をしたと認められるかどうかで判断されるとされています。簡単な指示だけで生成した画像は著作物と認められない可能性があるため、ロゴなど長く使うデザインをAIで作る場合は注意が必要です。

Q5. 提案書やスライドに使うAI画像は、どこまでAIに任せてよいですか?

A. 表紙や章扉のビジュアル、概念を伝える挿絵はAIに任せやすい部分です。訴求の核になる構成や図解の数値、先方の情報の扱いは人が担い、社外に出す資料ほど別の担当者による確認を挟むことをおすすめします。

Q6. 生成した画像はどのように管理すればよいですか?

A. 生成日と作成者、ツール名とプラン、プロンプトと参考素材、人による加工の内容、確認者と公開先を台帳に記録しておくと、公開後の問い合わせにも説明できます。画像の点数が多い場合は、素材と承認フローをまとめて管理できるCMSの活用も選択肢になります。

まとめ|AI画像作成を業務で安全に使うために

AI画像作成は、社内資料から提案スライド、Webサイト、SNSまで幅広い業務の時間を短縮できる一方、公開範囲が広がるほど権利と情報管理の確認が重要になります。今日から取り組めることを整理すると次のとおりです。

  1. 画像を使う用途と公開範囲を先に決め、それに応じた確認レベルを設定する
  2. 使うツールとプランの規約で、商用利用、権利の扱い、学習利用など5項目を確認する
  3. 固有名を使わない、既存画像を読み込ませないなど、著作権侵害を避ける4原則を社内ルールにする
  4. 生成条件と確認者を管理台帳に記録し、画像が増えてきたらCMSで素材と公開フローをまとめる

AIは画像を作る作業を速くしてくれますが、使ってよい画像かどうかを判断し、その経緯を残すのは人の役割です。本記事の手順と台帳を活用し、安心して使い続けられる運用づくりに役立ててください。

参考文献

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