BPOの意味とは|アウトソーシングとの違い・対象業務をわかりやすく解説

Check!

  • BPOの正式名称と意味、アウトソーシングとの違いがわかる
  • 経理・人事・ITサポート・カスタマーサービスなどBPOの対象業務がわかる
  • BPOのメリット・デメリットと、導入時によくある誤解がわかる

BPOとは「Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)」の略で、社内の業務プロセスを、企画・設計から実行・改善まで一括して外部の専門企業に任せることを意味します。単に作業を外注するのではなく、業務の進め方ごと委ねる点が特徴です。この記事では、BPOの意味と正式名称、アウトソーシングとの違い、対象になる業務、経営戦略としての位置づけ、メリット・デメリット、導入時によくある誤解までを、中小企業の担当者にもわかりやすく整理します。

あなたの会社に合うBPOの始め方を診断

Q1. 外部への委託を検討している業務は?

目次

開く

閉じる

  1. BPOの具体例、おすすめのオンラインアシスタントを比較する
  2. BPOとは|Business Process Outsourcingの意味|アウトソーシングとの違い・対象業務(経理・人事・ITサポート・カスタマーサービス)
  3. 経営戦略としてのBPOの位置づけ
  4. BPOのメリット・デメリット
  5. BPO導入でよくある誤解パターン
  6. よくある質問(FAQ)
  7. まとめ
  8. 参考文献

BPOの具体例、おすすめのオンラインアシスタントを比較する

BPOの意味を言葉で理解しても、「自社の場合は何を任せればよいのか」はイメージしにくいものです。中小企業がBPOを最も身近に体験できる具体例が、オンラインアシスタントです。オンラインアシスタントは、総務・経理・秘書業務などをチャットやクラウドツール経由でまとめて依頼できるサービスで、月20時間や30時間といった単位で契約できるものが多く見られます。大規模なBPO契約と違い、少ない業務量から始められるのが特徴です。

オンラインアシスタントのタイプ 任せられる業務の例 向いている会社 留意点
チーム対応の汎用型 秘書業務、総務、経理、Web更新など幅広い事務 任せたい業務が複数あり、窓口を一本化したい会社 月額が比較的高めになりやすい
少時間・低価格型 データ入力、日程調整、リサーチなど定型作業 まず月10時間程度から試したい個人事業主・小規模企業 専門性の高い業務は対応範囲外のことがある
バックオフィス特化型 記帳、請求書発行、給与計算の補助、労務手続き 経理・人事の担当者が兼務で手が回らない会社 扱う情報が多いため、情報管理体制の確認が必要

オンラインアシスタントを使うと、業務の切り出し方、手順書の整え方、依頼と報告のやり取りといった「BPOを使いこなす基本」を小さな負担で経験できます。料金や対応業務、試用期間の有無など、主要サービスを具体的に比べた記事を用意しているので、BPOの具体的な姿をつかむ参考にしてください。

BPOとは|Business Process Outsourcingの意味|アウトソーシングとの違い・対象業務(経理・人事・ITサポート・カスタマーサービス)

BPOは、企業活動の業務プロセスの一部を、企画・設計から実施まで一括して専門企業に外部委託することです。英語のBusiness(業務)、Process(工程)、Outsourcing(外部委託)の頭文字をとった言葉で、日本語では「業務プロセスの外部委託」と訳されます。

アウトソーシングとBPOの違い

アウトソーシングは外部委託全般を指す広い言葉で、BPOはその一形態です。違いは「どこまで任せるか」にあります。一般的なアウトソーシング(外注)は決まった作業を依頼するのに対し、BPOは業務の設計や改善まで委託先が担います。

比較項目 一般的なアウトソーシング(外注) BPO
任せる範囲 データ入力や発送など、切り出した個別の作業 経理業務全体など、業務プロセスのまとまり
業務の設計 発注側が手順を決めて指示する 委託先が手順の設計や見直しまで担う
期間 単発・短期の依頼が多い 継続的な中長期の契約が多い
目的 一時的な人手不足の解消、作業負担の軽減 業務の効率化・品質向上、コア業務への集中
成果の見方 依頼した作業が完了したか 処理期限や正確性など、合意した品質基準を満たしたか

なお、人材派遣は派遣された人材に自社が直接指示を出す仕組みで、業務の遂行責任は自社にあります。BPOは委託先が業務の遂行に責任を持つため、自社から委託先のスタッフへ直接指示を出さない点が大きく異なります。

BPOの対象になる主な業務

BPOの対象になりやすいのは、多くの企業に共通して存在し、手順を標準化しやすい業務です。代表的な領域は次のとおりです。

領域 委託される業務の例
経理 記帳、請求書発行、支払処理、経費精算のチェック、月次決算の補助
人事 給与計算、勤怠集計、社会保険手続き、採用の応募者対応
ITサポート 社内ヘルプデスク、PCのキッティング、アカウント管理
カスタマーサービス コールセンター、メール・チャットでの問い合わせ対応
総務・秘書 日程調整、備品手配、郵便物の処理、資料作成

経理や人事のように管理部門が担う業務は「バックオフィス」、コールセンターのように顧客と接する業務は「フロントオフィス」と呼ばれ、BPOはその両方が対象になります。

経営戦略としてのBPOの位置づけ

BPOは単なるコスト削減の手段ではなく、限られた経営資源をどこに集中させるかという経営判断の一部です。自社の強みを生む業務(コア業務)に社員の時間を使い、それ以外の業務(ノンコア業務)は専門企業の仕組みを活用する、という考え方が基本にあります。

コア業務とノンコア業務を分ける

コア業務とは、商品開発や営業、顧客との関係づくりなど、自社の競争力に直結する業務です。ノンコア業務とは、経理処理や社内手続きのように、どの会社でも必要だが自社らしさを出しにくい業務です。BPOの検討は、この線引きから始まります。

人手不足時代の選択肢としてのBPO

少子高齢化で採用が難しくなるなか、すべての業務を自社の社員だけで回す前提は崩れつつあります。特に中小企業では、経理や総務を1人の担当者が兼務しているケースも多く、その担当者が休むと業務が止まるリスクを抱えています。BPOには、業務を仕組みとして外部に持つことで、属人化を解消し事業を継続しやすくするという意味合いもあります。

会社の規模によって変わるBPOの意味合い

会社の規模 BPOの主な目的 始めやすい形
個人事業主・従業員数名 経営者自身の事務作業を減らし、本業の時間を確保する オンラインアシスタントに月10時間程度から依頼する
従業員数十名 兼務担当者の負担軽減と、業務の属人化の解消 経理や総務など1領域ずつ委託する
中堅・大企業 業務の標準化、拠点をまたいだ効率化、コスト構造の見直し 複数部門の業務をまとめて専門企業に委託する

BPOのメリット・デメリット

BPOには大きなメリットがある一方、任せ方を誤ると社内にノウハウが残らないなどのデメリットもあります。両面を理解したうえで検討しましょう。

メリット デメリット
社員がコア業務に集中できる 委託した業務のノウハウが社内に残りにくい
専門企業の知識と仕組みで、業務の品質が安定しやすい 業務の切り出しや引き継ぎに、立ち上げ時の手間がかかる
採用・教育の手間を減らし、人件費を変動費化できる 業務量が少ないと、かえって割高になる場合がある
担当者の退職や休職で業務が止まるリスクを下げられる 顧客情報などを預けるため、情報漏えいへの備えが必要
繁忙期の業務量の増減に対応しやすい 急な仕様変更に、社内の担当者ほど柔軟には対応できない

情報漏えいへの備えは、特に注意したいポイントです。個人情報保護法では、個人データの取扱いを委託する場合、委託元は委託先を必要かつ適切に監督しなければならないとされています(個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」)。また、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」でも、委託先の管理が対策の1つとして挙げられています。

BPOの委託先を選ぶときの確認ポイント

BPOは業務プロセスごと中長期で任せるため、委託先選びが成果を大きく左右します。価格だけで比べず、次の観点をあわせて確認しましょう。

確認する観点 具体的に見るポイント
セキュリティ体制 情報の取扱いルール、アクセス権限の管理、第三者認証の取得状況、再委託の有無
専門性と実績 委託したい業務や同じ業種での対応実績、担当者の知識・資格
対応範囲と拡張性 今の業務だけでなく、将来委託範囲を広げたときにも対応できるか
品質基準と報告 処理期限や正確性などの基準(SLA)を合意できるか、定期報告や改善提案の仕組みがあるか
費用の妥当性 初期費用と月額費用の内訳、業務量が増減したときの料金の変わり方

委託前には、自社側でも「どの業務を」「どこまで」任せ、「何をもって成果とするか」を整理しておくと、委託先の提案を比べやすくなります。

デメリットの多くは、いきなり大きな範囲を委託することで大きくなります。まずは日程調整や資料作成のような総務・秘書業務など、扱う情報が限られ、手順も決めやすい業務で試してみると、費用も立ち上げの負担も抑えながらBPOの効果を確かめられます。

BPO導入でよくある誤解パターン

BPOという言葉の意味を正しく理解していないと、導入後に「思っていたのと違う」という事態が起こりがちです。よくある誤解と、正しい捉え方を整理します。

よくある誤解(Before) 正しい捉え方(After)
BPOは大企業だけが使う仕組みだ オンラインアシスタントのように、月数十時間から使えるサービスもあり、小規模な会社でも始められる
BPOは外注と同じで、作業を渡せば終わりだ 業務プロセスごと任せるため、委託範囲や品質基準を事前に合意し、定期的に報告を受ける必要がある
BPOの目的はコスト削減だけだ 本当の狙いはコア業務への集中と業務の安定化。費用だけで判断すると効果を見誤る
委託すれば社内に担当者はいらない 委託先との窓口と、業務内容を理解している責任者は社内に残す必要がある
委託先のスタッフに直接細かく指示してよい 請負契約では指示は委託先の責任者を通す。直接の指揮命令は偽装請負とみなされるおそれがある

最後の誤解は法令面のリスクにつながります。請負契約なのに発注側が委託先のスタッフへ直接指揮命令をしている状態は、実態として労働者派遣とみなされるおそれがあります。厚生労働省は「請負を適正に行うために」で、労働者派遣と請負を区分する基準を公開しています。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の契約や個人情報の取扱いに関する判断は、弁護士などの専門家にご相談ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. BPOとは何の略で、どういう意味ですか?

A. BPOはBusiness Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の略です。社内の業務プロセスを、企画・設計から実行・改善まで一括して外部の専門企業に委託することを意味します。

Q2. BPOとアウトソーシングの違いは何ですか?

A. アウトソーシングは外部委託全般を指す言葉で、BPOはその一形態です。一般的な外注が決まった作業を依頼するのに対し、BPOは業務プロセスのまとまりを、手順の設計や見直しも含めて委託先に任せる点が異なります。

Q3. BPOの対象になるのはどのような業務ですか?

A. 経理、人事、ITサポート、カスタマーサービス、総務・秘書などが代表的です。多くの企業に共通して存在し、手順を標準化しやすい業務ほど委託しやすくなります。

Q4. BPOと人材派遣の違いは何ですか?

A. 人材派遣は派遣された人材に自社が直接指示を出し、業務の遂行責任は自社にあります。BPOは委託先が業務の遂行に責任を持つため、自社から委託先のスタッフへ直接指示は出さず、委託先の責任者を通してやり取りします。

Q5. BPOのメリットとデメリットは何ですか?

A. 主なメリットは、社員がコア業務に集中できること、業務の品質が安定しやすいこと、担当者の退職などで業務が止まるリスクを下げられることです。デメリットは、社内にノウハウが残りにくいこと、立ち上げに手間がかかること、情報漏えいへの備えが必要なことです。

Q6. 中小企業でもBPOは利用できますか?

A. 利用できます。オンラインアシスタントのように、総務・秘書業務や経理などを月数十時間単位から依頼できるサービスもあります。範囲が明確な業務から小さく始め、効果を確かめてから委託の範囲を広げると失敗を防ぎやすくなります。

まとめ

BPOとは、業務プロセスを企画・設計から実行まで一括して外部の専門企業に任せることです。BPOの意味を押さえるうえで、次の3点を意識しましょう。

  1. BPOはアウトソーシングの一形態で、作業単位ではなく業務プロセスごと、改善まで含めて任せる点が特徴である。
  2. 目的はコスト削減だけでなく、コア業務への集中と、属人化の解消による業務の安定化にある。
  3. 大企業だけの仕組みではなく、オンラインアシスタントのように小さな業務量から始められる形もある。

参考文献

同じカテゴリの記事を探す

同じタグの記事を探す

同じタグの記事はありません

top