SaaSマーケティングとは|PLG・The Model型とDX活用の設計

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  • SaaSは契約後まで設計
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SaaSマーケティングは、資料請求や広告運用だけでなく、契約後の定着、アップセル、解約抑止までを一続きで設計する考え方です。買い切り型の商材と違い、SaaSは使い続けてもらうことで価値が積み上がるため、獲得数だけでなく利用開始後の体験や営業・カスタマーサクセスとの連携が成果を左右します。個人事業主、中小企業、中堅・大企業のいずれでも、顧客接点を分断しない設計が重要です。特に、本記事では、PLGとThe Model型の違い、DXマーケティングへの活かし方、設計ステップを規模に偏らない形で整理します。

目次

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  1. SaaSマーケティングとは|契約後まで含めて設計する成長活動
  2. SaaSでマーケティングが重要になる理由
  3. PLGとThe Model型の違い
  4. DXマーケティングに活かす設計
  5. SaaSマーケティングを設計するステップ
  6. 指標と注意点|リード数だけで判断しない
  7. よくある質問(FAQ)
  8. まとめ|今日からできる3つのこと
  9. 関連記事
  10. 参考文献

SaaSマーケティングとは|契約後まで含めて設計する成長活動

SaaSマーケティングとは、SaaS型サービスの認知獲得から商談化、利用開始、継続利用までをつなげるマーケティング活動です。一般的な商材では購入時点が大きなゴールになりますが、SaaSでは契約後に利用が定着し、業務の中で価値を感じてもらうことが重要です。そのため、広告やコンテンツだけで完結せず、営業、プロダクト、カスタマーサクセスと連携して顧客体験を設計します。

図1:SaaSマーケティングの対象範囲認知から継続利用まで、SaaSマーケティングが関わる範囲を示す図 SaaSマーケティングは契約後まで含めて設計する 12345 認知比較検討商談化導入定着 課題に気づく価値を理解営業へ接続利用開始継続利用 獲得数だけでなく、利用開始後の体験と継続利用まで見る
図1:SaaSマーケティングの対象範囲

SaaSの基本構造を整理したい場合は、先にSaaS企業のビジネス構造とマーケ戦略を確認すると、収益モデルと本記事の関係がつかみやすくなります。本記事では、株式投資や銘柄評価ではなく、事業運営におけるマーケティング設計に範囲を絞ります。投資・財務指標の見方はSaaS銘柄の見方(投資・財務指標)で扱います。

SaaSでマーケティングが重要になる理由

SaaSでは、見込み顧客がサービスを知ってから契約するまでの距離が短いとは限りません。無料トライアル、資料請求、比較検討、社内稟議、部門横断の確認など、顧客ごとに検討プロセスが分かれます。さらに、契約後も初期設定や利用定着の壁があります。マーケティングは「問い合わせを増やす係」ではなく、顧客が自社の課題を理解し、適切なタイミングで営業や利用支援につながる状態を作る役割を持ちます。

規模重視しやすい観点設計のポイント
個人事業主短時間で価値が分かること無料資料、導入手順、料金の考え方を分かりやすく示す
中小企業現場負担と費用対効果営業・経理・管理部門など、実務課題別の導線を作る
中堅・大企業部門連携、セキュリティ、稟議比較検討資料、管理体制、運用後の定着支援を示す

クラウドサービスの利用が広がるほど、顧客は複数のSaaSを比較しながら選びます。だからこそ、機能を並べるだけでなく、どの課題に向いているのか、導入後に何を変えるのか、誰が運用するのかを説明するコンテンツが必要です。これはDXマーケティングで重視される、顧客接点とデータ活用の考え方にもつながります。

PLGとThe Model型の違い

SaaSマーケティングでは、PLGとThe Model型という2つの考え方がよく使われます。PLGはProduct-Led Growthの略で、プロダクト体験そのものを成長の起点にする考え方です。無料トライアル、チュートリアル、プロダクト内メッセージなどを通じて、顧客が自分で価値を理解しやすい状態を作ります。

図2:PLGとThe Model型の比較プロダクト主導型と分業連携型の違いを整理した図 PLGとThe Model型は役割が異なる PLG The Model型 Product-Led Growth 分業連携で商談を前に進める ・無料トライアルや体験導線を重視・プロダクト内の行動データを見る・小さく試して価値を伝える・マーケ、インサイド、営業を分担・リードから商談までの橋渡し・高単価や複雑な商材に向きやすい 併用 低単価・セルフサーブ寄りはPLG、高単価・説明型は分業連携を厚くする
図2:PLGとThe Model型の比較

一方、The Model型は、マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールス、カスタマーサクセスのように役割を分け、顧客情報を引き継ぎながら商談を前に進める考え方です。検討期間が長い商材、関係者が多い商材、個別提案が必要な商材では、この分業連携が有効に働きやすくなります。詳しい営業側の設計は、SaaS営業とマーケの役割分担(The Model型)も参考になります。

どちらか一方に寄せるのではなく、商材の価格帯、導入難易度、顧客の情報収集行動に合わせて組み合わせることが大切です。たとえば、入り口はPLGで試しやすくし、一定の利用行動が出た顧客には営業が伴走する設計も考えられます。

DXマーケティングに活かす設計

SaaSマーケティングは、DXマーケティングと相性が高い領域です。Webサイト、広告、メール、ウェビナー、営業活動、プロダクト利用状況などの接点を分断せず、顧客理解に戻していくことで、施策の精度を高められます。経済産業省のデジタルガバナンス・コード3.0でも、データとデジタル技術を活用した経営変革、ビジネスモデルや業務の変革、データガバナンスの重要性が示されています。

図3:DXマーケティング連携ループデータ、施策、営業、定着をつなぐ循環図 DXマーケティングはデータを部門横断で循環させる 顧客理解接点データを統合 広告・コンテンツ営業連携利用開始支援定着・改善 課題別に訴求商談情報を共有導入後のつまずきを減らす解約理由を施策へ戻す
図3:DXマーケティング連携ループ

実務では、マーケティング部門だけで完結させないことが重要です。広告で獲得したリードが商談化しない場合、訴求がずれているのか、営業の確認項目が不足しているのか、導入後の期待値が高すぎるのかを部門横断で見直します。DXマーケティング視点からのSaaS活用では、デジタル接点を活用したマーケティング全体の考え方を整理しています。

ただし、顧客データを扱う場合は、取得目的、利用範囲、アクセス権限、外部委託の管理を明確にする必要があります。スコアリングや自動配信を使う場合も、顧客にとって不自然な接触が増えないよう、利便性と管理のバランスを見ます。

SaaSマーケティングを設計するステップ

最初に行うのは、施策の種類を増やすことではありません。誰のどの課題を解決するSaaSなのかを整理し、顧客が比較検討する順番に合わせて導線を作ることです。そのうえで、営業に渡す条件、商談後のフィードバック、導入後の定着状況を見える化します。

図4:SaaSマーケティング設計ステップ顧客理解から改善までの4ステップを示す図 SaaSマーケティング設計の4ステップ 1234 顧客理解導線設計KPI設定改善運用 誰の課題か言語化する認知から導入までつなぐ量と質を分けて見る学びを施策へ戻す 施策を増やす前に、対象・導線・指標・改善会議をそろえる
図4:SaaSマーケティング設計ステップ
ステップ行うこと確認すること
顧客理解業種、職種、課題、導入背景を整理する自社都合の機能説明になっていないか
導線設計記事、資料、ウェビナー、相談導線を役割分担する検討段階ごとに次の行動が分かるか
KPI設定リード数、商談化率、利用開始率、継続状況を見る量だけでなく質も見ているか
改善運用営業・CSの声をコンテンツと訴求へ戻す定例で見直す仕組みがあるか

個人事業主であれば、まずは1つの課題に絞った記事や資料から始める方法があります。中小企業では、営業担当とマーケ担当が同じ顧客像を見られるように、問い合わせ理由や失注理由を記録します。中堅・大企業では、部門ごとのKPIが分かれやすいため、マーケティング、営業、カスタマーサクセスの指標を同じ会議体で確認する設計が有効です。

指標と注意点|リード数だけで判断しない

SaaSマーケティングでは、リード数だけを見ると判断を誤りやすくなります。たとえば、資料請求が増えても、商談につながらない、導入後に使われない、想定外の顧客層が多いといった状態では、成長活動としては見直しが必要です。指標は、マーケティング単体ではなく、営業と定着の流れまで含めて読みます。

指標見る目的注意点
リード数接点の量を確認する数だけで良し悪しを決めない
MQL / SQL営業に渡す条件を整理する定義を部門間でそろえる
商談化率訴求と顧客課題の一致を見る営業側のヒアリング結果も確認する
利用開始率契約後の立ち上がりを見る初期設定の負担を見落とさない
継続利用・解約理由価値が定着しているかを見る広告訴求と実利用の差を確認する

また、本記事では特定のSaaSマーケティングツールの優劣やランキングは扱いません。個別ツールを選ぶ場合は、自社の顧客データの扱い、権限管理、営業や既存システムとの連携、運用できる人員を確認します。株式投資や銘柄選定を調べている場合は、本記事ではなくS-015の範囲として切り分けます。

よくある質問(FAQ)

Q. SaaSマーケティングと通常のBtoBマーケティングは何が違いますか?

A. 大きな違いは、契約後の利用定着までマーケティング設計に含める点です。BtoBマーケティングの基本は共通しますが、SaaSでは継続利用が重要になるため、営業やカスタマーサクセスとの連携がより重視されます。

Q. PLGとThe Model型はどちらを選ぶべきですか?

A. 商材の特性によって異なります。セルフサーブで価値を体験しやすいSaaSはPLGと相性がよく、関係者が多い商材や個別提案が必要な商材はThe Model型の分業連携が向きやすいです。併用する設計も考えられます。

Q. SaaSマーケティングで最初に見る指標は何ですか?

A. 初期は、リード数だけでなく、商談化率や問い合わせ理由を合わせて見ると改善しやすくなります。導入後は、利用開始率や解約理由も確認し、訴求と実際の価値にずれがないかを見ます。

Q. 個人事業主でもSaaSマーケティングは必要ですか?

A. 大規模な分業体制がなくても、顧客課題、導線、指標を整理する考え方は役立ちます。たとえば、1つの顧客課題に絞った記事、資料、相談導線を用意し、問い合わせ内容を記録するだけでも改善の材料になります。

Q. SaaSマーケティングの記事で株式投資の話も扱いますか?

A. 本記事では扱いません。株式投資、銘柄、株価、財務指標の見方は別の検索意図です。SaaS銘柄に関する情報を調べている場合は、投資判断ではなく業種分類や指標の見方として整理された関連記事を確認してください。

まとめ|今日からできる3つのこと

SaaSマーケティングは、広告や資料請求だけでなく、利用開始後の定着までを見据える設計です。PLGとThe Model型は対立する考え方ではなく、顧客の検討行動や商材の複雑さに応じて組み合わせます。DXマーケティングの観点では、データを部門横断で見直し、顧客体験を改善し続けることが重要です。

  1. 自社SaaSが解決する顧客課題を1つの文章で整理する
  2. 認知、比較、商談、導入、定着のどこで離脱しているかを確認する
  3. マーケティング、営業、カスタマーサクセスで同じ指標を見る場を作る

関連記事

参考文献

  • 経済産業省「DXレポート2.2」2022年、https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html、2026-06-05取得
  • 経済産業省「デジタルガバナンス・コード3.0 ~DX経営による企業価値向上に向けて~」2024年、https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc3.0.pdf、2026-06-05取得
  • 総務省「情報通信白書 令和7年版」2025年、https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r07/、2026-06-05取得
  • 総務省「通信利用動向調査 / ICT活用調査」2025年、https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/statistics/data/index.html、2026-06-05取得
  • National Institute of Standards and Technology「The NIST Definition of Cloud Computing」2011年、https://nvlpubs.nist.gov/nistpubs/Legacy/SP/nistspecialpublication800-145.pdf、2026-06-05取得

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