SaaS型CRMの選び方|5つの判断基準

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  • CRM・MA・SFAの業務カテゴリマップがわかる
  • 個人情報を扱う際の確認事項がわかる
  • 導入前の5つの判断基準がわかる

CRM、MA、SFAといった似たクラウドサービスが並ぶと、どれを導入すべきか、どの順序で揃えるべきか迷うことがあります。顧客接点のどの段階を支えるかで整理すると、選びやすくなります。本記事では、SaaS型CRM・クラウドサービスの選び方を、業務カテゴリ別マップと5つの判断基準で解説します。

目次

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  1. SaaS型CRM・クラウドサービスとは
  2. CRM・MA・SFAの業務カテゴリマップ
  3. 個人情報を扱う際の確認事項
  4. 導入前の5つの判断基準
  5. 導入順序で失敗しないための考え方
  6. SaaS型CRM選定でよくある失敗パターン3つ
  7. 業種別に見るCRM・MA・SFA活用の傾向
  8. データ連携で確認すべきポイント
  9. 権限設定とアクセス管理の考え方
  10. 既存システムからのデータ移行で注意すべき点
  11. 運用開始後に見直すべき指標
  12. よくある質問(FAQ)
  13. まとめ|今日からできる3つのこと

SaaS型CRM・クラウドサービスとは

SaaS型CRM・クラウドサービスとは、顧客情報を中心に、営業・マーケティング活動を支えるクラウド提供のツール群を指します。CRM、MA、SFA、問い合わせ管理といった異なるツールは、それぞれ顧客接点のどの段階を支えるかによって役割が異なります。

CRM・MA・SFAの業務カテゴリマップ

CRMは顧客情報の一元管理、MAは見込み顧客の育成、SFAは営業活動の進捗管理という役割分担があります。顧客接点の初期段階(見込み顧客育成)から後期段階(商談・契約)まで、役割ごとにツールを組み合わせて活用します。

ツール 主な役割
CRM 顧客情報の一元管理
MA 見込み顧客の育成
SFA 営業活動の進捗管理
図1:CRM・MA・SFAの役割分担

営業活動の進捗管理を強化したい場合、SFA(営業支援ツール)の導入が有効な選択肢になります。案件の進捗状況を可視化し、営業活動全体の把握を助けます。

個人情報を扱う際の確認事項

顧客の個人情報を扱うクラウドサービスでは、個人情報保護法に基づく取り扱い方針や、データの保存地域を確認しておくことが重要です。個人情報の管理責任は、サービス利用者側にも一定の範囲で発生します。

導入前の5つの判断基準

業務範囲、データ連携、権限・監査、運用負荷、費用・制度という5つが、導入前の判断基準です。個人事業主から大企業まで、企業規模によって優先すべき条件が異なります。IT導入補助金が適用できる場合もあるため、確認しておくと導入コストを抑えられる可能性があります。

導入順序で失敗しないための考え方

CRM・MA・SFAを一度にすべて導入しようとすると、現場が新しい操作に慣れる負担が大きくなりやすいため、自社の顧客接点における最大の課題がどの段階にあるかを見極めてから、優先度の高いツールから順に導入する進め方が実務的です。

見込み顧客はある程度いるものの、その後の育成・フォローが手薄になっている企業であれば、MA(マーケティングオートメーション)を優先的に導入し、メールやコンテンツ配信を通じて見込み顧客との関係を維持する仕組みを整えることが効果的です。一方、営業担当者ごとに進捗状況がバラバラで、案件の抜け漏れが発生している企業であれば、SFA(営業支援ツール)を優先し、案件の進捗を一元管理できる状態を先に作ることが優先されます。

すでに一定の顧客基盤があり、既存顧客への継続的なフォローや、部署をまたいだ顧客情報の共有に課題を感じている企業であれば、CRMを軸に据えて他のツールと連携させていく進め方が向いています。いずれの場合も、最初に導入したツールが定着してから次のツールを検討することで、現場の混乱を最小限に抑えながら、段階的に顧客接点全体の管理体制を整えていけます。

SaaS型CRM選定でよくある失敗パターン3つ

CRM・MA・SFAの役割を混同する、個人情報の取り扱い方針を確認しない、企業規模に合わない優先順位で選ぶという3つが、SaaS型CRM選定でよく見られる失敗の典型です。

失敗パターン1:CRM・MA・SFAの役割を混同する。顧客接点のどの段階を支えるツールか分からず、導入順序を誤るケースです。役割分担を理解することが回避策になります。

失敗パターン2:個人情報の取り扱い方針を確認しない。データの保存地域や管理責任の範囲を確認せず、後からリスクに気づくケースです。導入前に確認することが回避策になります。

失敗パターン3:企業規模に合わない優先順位で選ぶ。大企業向けの評価基準を中小企業がそのまま使い、過剰な機能を選んでしまうケースです。自社の規模に応じた優先順位をつけることが回避策になります。

業種別に見るCRM・MA・SFA活用の傾向

顧客との接点の持ち方は業種によって大きく異なり、CRM・MA・SFAのどれを重視すべきかも、業種の特性によって傾向が分かれます。

製造業やIT業界のようにBtoBの法人営業が中心の業種では、商談が成立するまでのリードタイムが長く、複数の担当者が関わることも多いため、SFAで案件の進捗を可視化し、担当者間の引き継ぎ漏れを防ぐ運用が重視される傾向があります。また、展示会やセミナーで獲得した見込み顧客を中長期的に育成する必要がある業種では、MAを組み合わせて、定期的な情報発信を自動化する体制を整える企業も多く見られます。

一方、小売業やサービス業のように、個人の顧客と継続的な関係を築く業種では、CRMを軸に、購買履歴や問い合わせ履歴を一元管理し、リピート率の向上につなげる活用方法が中心になります。会員制のサービスを展開している企業であれば、CRMに蓄積した顧客データをもとに、誕生日クーポンの配信や休眠顧客への再アプローチといった施策を行うケースも一般的です。自社の業種における顧客との関わり方を整理したうえで、どのツールを軸に据えるかを判断することが、無駄のない導入につながります。

データ連携で確認すべきポイント

CRM・MA・SFAを複数導入する場合、ツール間でデータをどう連携させるかが、運用の負担を左右する重要な論点になります。それぞれのツールが持つ顧客データが分断されたまま運用されると、同じ顧客の情報を複数のツールに手入力する二重入力が発生し、入力ミスや情報の食い違いが起きやすくなります。導入を検討する段階で、候補となるツール同士がAPI連携に対応しているか、あるいはCSVファイルでのデータ書き出し・取り込みしかできないのかを確認しておくことが重要です。

API連携に対応しているツール同士であれば、見込み顧客がMAで獲得された時点でCRMに自動的に情報が反映され、その後SFAで商談化した際にも、担当者が改めて顧客情報を入力し直す必要がなくなります。一方、CSV連携のみに対応するツールの組み合わせでは、定期的にファイルを書き出し、別のツールに取り込む作業が発生するため、担当者の作業負荷が増えるだけでなく、取り込みのタイミングによっては情報が最新の状態に更新されていない期間が生じる点にも注意が必要です。

また、連携する項目が多いほど、どちらのツールを正としてデータを管理するかというルールを事前に決めておく必要があります。たとえば顧客の連絡先情報をCRMとMAの両方で編集できる状態にしておくと、どちらが最新の情報かが分からなくなり、営業担当者が古い連絡先に架電してしまうといったトラブルにつながります。連携を検討する段階で、どの項目をどちらのツールで一元管理するかを決めておくことで、運用開始後の混乱を避けやすくなります。

権限設定とアクセス管理の考え方

顧客情報を扱うクラウドサービスでは、誰がどの範囲の情報にアクセスできるかという権限設定を、業務フローに合わせて適切に設計することが求められます。営業担当者全員が全顧客の情報を閲覧できる状態にしておくと、業務上は便利に見えても、退職者や異動者のアカウント管理が甘くなった場合に、不要な範囲まで情報が閲覧できる状態が残ってしまうリスクがあります。担当エリアや担当顧客の範囲に応じて、閲覧・編集できる情報の範囲を分けて設定できるかどうかは、導入前に確認しておきたい観点の一つです。

特に複数の部署でツールを共有する場合、営業部門とマーケティング部門で必要な情報の粒度が異なることも多く、部署ごとに閲覧範囲を分けられる機能があるかどうかで、運用のしやすさが変わってきます。加えて、誰がいつどの顧客情報を閲覧・編集したかを記録する操作ログの機能があるかどうかも、個人情報の取り扱いを社内で説明する際の材料になります。操作ログを確認できる仕組みがあれば、情報漏えいが疑われる事態が発生した際にも、原因の特定や影響範囲の把握がしやすくなります。

権限設定は、導入時に一度決めたら終わりというものではなく、組織の体制変更や担当者の異動に合わせて定期的に見直す必要があります。特に人数の少ない中小企業では、権限管理を専任で担当する人材を置きにくいこともあるため、管理画面から簡単に権限を変更できるか、変更履歴が残るかといった操作性の面も、比較検討の際に確認しておくとよいでしょう。

既存システムからのデータ移行で注意すべき点

これまで表計算ソフトや紙の顧客台帳で顧客情報を管理していた企業がクラウドサービスに移行する場合、データ移行の作業そのものが導入の成否を左右することがあります。移行前のデータには、担当者ごとに入力形式が異なっていたり、同一顧客の情報が重複して登録されていたりするケースが少なくありません。移行作業を始める前に、既存データの形式をある程度統一し、重複データを整理しておくことで、クラウドサービス側に取り込んだ後の混乱を減らせます。

移行のタイミングも重要な検討事項です。決算期や繁忙期に移行作業を行うと、担当者が新しいツールの操作に慣れる余裕がなく、旧システムと新システムの情報が並行して更新される期間が長引きやすくなります。比較的業務が落ち着いている時期を選び、移行後しばらくは旧システムのデータも参照できる状態を残しておくことで、移行直後に情報が見つからないといったトラブルを防ぎやすくなります。

また、移行作業を外部の担当者や導入支援サービスに依頼する場合でも、顧客の個人情報を含むデータを扱うことになるため、委託先が個人情報の取り扱いについてどのような方針を持っているかを確認しておくことが望まれます。移行後は、実際に登録された件数が移行前の件数と一致しているか、主要な項目が正しく反映されているかを、一部のデータを抽出して確認する作業も行っておくと安心です。

運用開始後に見直すべき指標

CRM・MA・SFAは導入して終わりではなく、実際に運用を始めた後、定期的に活用状況を振り返ることで、初めて投資に見合った効果を確認できます。導入直後は操作に不慣れな担当者も多く、入力が徹底されない、必要な項目が空欄のまま放置されるといった状態が起こりがちです。運用開始から一定期間が経過した段階で、実際にどの程度データが入力・更新されているかを確認し、現場に定着しているかどうかを把握することが、最初のチェックポイントになります。

SFAを導入している場合は、案件の進捗状況が最新の状態に保たれているか、商談が長期間動かないまま放置されていないかといった観点で見直すと、営業活動のどこに課題があるかが見えやすくなります。MAを導入している場合は、配信したメールの開封率やクリック率、見込み顧客が商談化に至るまでの期間といった数値を継続的に確認することで、育成の仕組みがうまく機能しているかを判断できます。CRMを導入している場合は、既存顧客からの問い合わせ対応にかかる時間や、リピート率の推移を確認することで、顧客情報の一元管理が実際の業務改善につながっているかを見極められます。

こうした指標を定期的に振り返る場を設けずにいると、せっかく導入したツールが形だけ利用され、以前の業務のやり方に戻ってしまうことも珍しくありません。月に一度など、無理のない頻度で活用状況を確認する機会を設け、入力ルールの見直しや、担当者への使い方の再共有を行うことで、ツールを長期的に活用し続けられる体制を作りやすくなります。

よくある質問(FAQ)

Q1. SaaSとクラウドサービスの違いは何ですか?

A. クラウドサービスはより広い上位概念で、SaaSはそのうちアプリケーションが完成した形で提供される部分を指します。

Q2. CRMとSFAはどちらを先に導入すべきですか?

A. 顧客情報の一元管理が先に必要な場合はCRM、営業活動の進捗管理を優先したい場合はSFAから始める方法があります。

Q3. MAは必ず導入が必要ですか?

A. 見込み顧客の育成プロセスがある事業でなければ、必須ではありません。

Q4. 個人情報の管理責任は誰にありますか?

A. サービス提供者だけでなく、利用者側にも一定の範囲で管理責任が発生します。

Q5. IT導入補助金は適用できますか?

A. 対象となる場合があるため、導入前に確認することが推奨されます。

Q6. 無料プラン利用時の注意点は何ですか?

A. 機能制限やデータ保存件数の上限を事前に確認しておくことが重要です。

まとめ|今日からできる3つのこと

  1. ツールの役割分担を理解する:CRM・MA・SFAを混同しません。
  2. 個人情報の取り扱いを確認する:導入後に気づくことを避けます。
  3. 自社規模に応じた優先順位をつける:過剰な機能を選びません。

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