SaaSとSIerの違いとは?パッケージ・自社構築を含む4つの選択肢と選び方

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  • SaaSとSIerの違いと依頼先の考え方がわかる
  • 4つの導入方式を費用やスピードで比べられる
  • SIerが批判される理由と発注側の対策がわかる

SaaSとSIerの違いは、SaaSがクラウド上の完成したソフトウェアを借りる「提供形態」であるのに対し、SIerはシステムの設計・開発・導入を請け負う「事業者」だという点です。同じ土俵の選択肢ではないため、システム導入で本当に比べるべきなのは、SaaS・パッケージ・スクラッチ開発(自社構築)という導入方式と、そのうちどこまでをSIerに任せるかです。本記事では、SaaS・SIer・SESの違いと、4つの軸での選び方、SIerが批判される理由と発注側の対策を解説します。

システム導入の方式、どこで迷っていますか?

Q1. いま検討している業務は、どちらに近いですか?

目次

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  1. SaaSとSIerの違い|導入方式と依頼先は別の話
  2. SaaSの強みを実例で見る|低コスト・自動更新・導入スピード
  3. パッケージの特徴|買い切り型とカスタマイズ性
  4. SIer(自社構築)に依頼する場合の特徴
  5. SIerが「ダメ」と言われる理由と、発注側でできること
  6. 業務別に見る使い分けの例|SaaSで足りる業務とSIerが向く業務
  7. 4つの選択肢をどう判断するか|費用・スピード・カスタマイズ
  8. ビジネスモデル・営業スタイル・働き方の違い(参考)
  9. よくある質問(FAQ)
  10. まとめ
  11. 参考文献

SaaSとSIerの違い|導入方式と依頼先は別の話

SaaSはクラウド上の完成品を月額で借りる提供形態、SIerはシステムの設計・開発・導入を請け負う事業者です。実務では「SaaS」「パッケージ」「スクラッチ開発」の3つの導入方式があり、後ろの2つの導入・構築をSIerが担うことが多い、という関係になります。

SIer(エスアイアー)は「System Integrator」の略で、設計から開発、導入、稼働後の保守までを請け負う事業者です。SaaSは「Software as a Service」の略で、クラウド上のソフトウェアをインターネット経由で使う提供形態です。つまりSaaSは「何を使うか」、SIerは「誰に作ってもらうか」の話であり、導入方式と依頼先を分けて考えると混乱しません。なお、同じIT業界の用語にSESがあります。SESは、技術者の作業時間を提供する形で契約されることが多く(準委任契約)、完成した成果物への責任を負う請負契約とは性質が異なります。

区分 どういうものか SIerの関わり方
SaaS クラウド上の完成品を、月額・年額の利用料で使う 基本的に不要。複数のSaaSや社内システムとの連携を依頼する場合に関わることがある
パッケージ 市販のソフトウェアを購入し、自社のサーバーやPCに導入する。必要に応じて設定変更や追加開発を行う 導入作業やカスタマイズを、販売代理店やSIerが担うことが多い
スクラッチ開発(自社構築) 自社の業務に合わせて、ゼロからシステムを作る 自社に開発部門がなければ、SIerに開発を委託するのが一般的
SIer(依頼先) 上記のうち、パッケージ導入やスクラッチ開発を請け負う事業者 要件定義から保守まで、契約で決めた範囲を担当する
SES(技術者の提供) 技術者の作業時間を提供する契約形態。事業者の名前としても使われる 自社の開発体制を補う目的で使われる。完成責任の有無は契約によって異なる

クラウドの階層(SaaS・PaaS・IaaS)との関係は、SaaS・PaaS・IaaSの違いの記事で整理しています。

SaaSの強みを実例で見る|低コスト・自動更新・導入スピード

SaaSの強みは、初期費用を抑えて月額で使い始められること、法改正や機能追加が提供事業者側で反映されること、契約から数日で使い始められることの3つです。

会計業務は、仕訳や決算書の形式が法令や会計基準で決まっており、会社ごとの違いが小さい業務です。作るより完成品を借りるほうが合理的になりやすい領域で、標準的な業務をSaaSに任せたい場合の一例が、マネーフォワード クラウド会計です。

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インストール型(パッケージ)からの移行に限らず、SaaSの特徴を自社構築と比べると、次のようになります。

比較項目 SaaS(クラウド会計ソフトの場合) 自社構築(SIerに依頼する場合)
初期費用 不要または少額。月額・年額の利用料で始められる 要件定義・設計・開発費がまとまってかかる
導入までの期間 アカウント登録と初期設定で、早ければ当日から使える 規模によるが、数か月から1年以上かかることもある
法改正への対応 インボイス制度や電子帳簿保存法などへの対応が、提供事業者のアップデートで反映される 改修を都度発注する必要があり、費用と期間がかかる
利用場所 ブラウザやスマートフォンアプリから、場所を選ばず使える 設計次第。社内ネットワーク限定になることもある
留意点 自社独自の帳票や処理には合わせられないことがある 自由度は高いが、保守費と運用の手間が続く

総務省の令和7年通信利用動向調査では、クラウドサービスを一部でも利用している企業は83.5%、全社的に利用している企業は60.0%でした。利用する理由の上位には「場所、機器を選ばずに利用できるから」(50.7%)が挙がっています。「SaaSで足りる業務かどうか」は、まず代表的なSaaSがどこまでできるのかを具体的に知っておくと判断しやすくなります。SaaSの選び方の全体像は、SaaS比較の正しい方法の記事も参考にしてください。

パッケージの特徴|買い切り型とカスタマイズ性

パッケージは、完成したソフトウェアを購入して自社環境に導入する方式です。標準機能をそのまま使えば比較的早く導入でき、追加開発で自社の業務に寄せることもできる、SaaSとスクラッチ開発の中間に位置する選択肢です。

パッケージの代表的な料金体系は、ライセンスを購入する買い切り型に、年間の保守契約料が加わる形です。自社のサーバーやPCで動かすため、データを社内に置いておきたい場合や、インターネットにつながない環境で使いたい場合に向いています。近年は同じ製品をクラウド版(SaaS)でも提供するメーカーが増えており、「オンプレミス版のパッケージ」と「クラウド版」を選べることもあります。

  • 向いているケース:業界特有の機能が必要で、その業界向けの製品がある(建設業向けの原価管理、医療機関向けの電子カルテなど)
  • 向いているケース:データを自社のサーバーで管理したい、ネットワークの制約がある
  • 注意点:カスタマイズを重ねるほど、製品のバージョンアップ時に改修費がかかる
  • 注意点:サーバーの管理やバックアップ、セキュリティ対策を自社で行う必要がある
  • 注意点:保守期限(サポート終了)が来ると、買い替えや移行の検討が必要になる

パッケージで失敗しやすいのは、「自社のやり方に合わせるため」と追加開発を重ねた結果、製品の標準から大きく離れてしまうケースです。経済産業省のレガシーシステムに関するレポートでも、システムのカスタマイズ箇所が増えて機能追加や変更が難しくなる「肥大化・複雑化」や、仕様がわからなくなる「ブラックボックス化」が課題として挙げられています。パッケージを選ぶなら、業務を製品の標準機能に合わせる割合をできるだけ高くするのが基本です。

SIer(自社構築)に依頼する場合の特徴

SIerに依頼してシステムを自社構築する最大の利点は、自社独自の業務や、既存の基幹システムとの複雑な連携にも合わせられる自由度の高さです。その代わり、要件定義への関与、まとまった開発費、稼働後の保守費用という負担を自社が引き受けることになります。

SIerへの依頼は、おおむね「要件定義、設計、開発、テスト、導入、保守」の順に進みます。費用は「エンジニアが何人、何か月作業するか」をもとにした人月単位で見積もられることが多く、要件が膨らめばそのまま費用と期間に跳ね返ります。そのため、何を作るか・何を作らないかを決める要件定義に、自社の担当者がどれだけ深く関われるかが、成否を大きく左右します。

確認しておきたい点 内容
契約形態 完成に責任を負う請負契約か、作業の遂行に対して支払う準委任契約か。工程ごとに分けることもある
仕様変更の扱い 開発途中で要件を変えた場合に、追加費用がかかる範囲と決め方
保守の範囲 不具合の修正だけか、法改正対応や機能改善も含むか。年間費用の目安
成果物と権利 設計書などのドキュメントを納品してもらえるか、ソースコードの権利がどちらにあるか
依頼先を変える場合 将来、別の会社に保守を移せるか(特定の会社に依存する「ベンダーロックイン」を避けられるか)

自社構築は、他社にない業務の仕組みそのものが競争力になっている場合には有力な選択肢です。一方で、会計や勤怠管理のように、どの会社でも手順がほぼ同じ業務まで作り込むと、開発費と保守費をかけても差別化にはつながりにくくなります。こうした標準的な業務はSaaSに任せ、SIerへの依頼は自社ならではの領域に絞ると、費用と期間を抑えやすくなります。なお、契約の個別の条件は、必要に応じて弁護士などの専門家に確認してください。本記事は法的助言ではありません。

SIerが「ダメ」と言われる理由と、発注側でできること

SIerが批判されやすい主な理由は、人月単位で費用が決まる受託の仕組み、多重下請け構造、発注側が設計を任せきりにする「丸投げ」の3つです。SIerそのものが悪いのではなく、契約の結び方と発注側の関わり方で結果が大きく変わります。

経済産業省のレガシーシステムモダン化委員会の総括レポート(2025年5月)は、日本のソフトウェア産業について、ユーザー企業が既存業務の効率化のために開発を委託し、ベンダー企業が受託による低リスクで長期安定のビジネス(SIビジネス)を行ってきた構造を指摘しています。その結果、ユーザー企業のITに対する自律性が下がる「丸投げ体質」、システムのブラックボックス化、ベンダーロックインといった課題が生じるとされています。ベンダー企業の側でも、労働量の対価として値付けをする受託型のため生産性向上の動機が働きにくいこと、多重下請け構造があることが挙げられています。

批判されやすい点 起こりやすいこと 発注側でできる対策
人月単位の見積もり 要件が膨らむほど、費用と期間もそのまま増える 作る範囲を絞り、標準的な業務はSaaSに任せる
丸投げ 仕様を自社で把握できず、システムがブラックボックス化する 要件定義に自社の担当者が参加し、設計書などを納品してもらう
ベンダーロックイン 保守を他社に移せず、改修費の交渉力が下がる ドキュメントや権利の扱いを契約の前に確認する
多重下請け 実際の担当者が見えにくく、責任の所在が曖昧になりやすい 担当体制と再委託の有無を契約の前に確認する

ここで押さえておきたいのは、SIerを避ければよいという話ではないことです。自社独自の仕組みや、既存の基幹システムとの複雑な連携、大規模な業務の作り込みは、SaaSでは対応しきれないことも多く、SIerの力が必要になります。大切なのは、SaaSで足りる業務まで作らないこと、そして作る業務は発注側が主体的に関わることです。

業務別に見る使い分けの例|SaaSで足りる業務とSIerが向く業務

標準的な手順で足りる業務はSaaS、業界特有の機能が必要な業務はパッケージ、自社独自の仕組みが競争力の源泉になっている業務はSIerへの依頼が基本です。実際には、1つの会社の中で業務ごとに使い分けるのが一般的です。

業務の例 向きやすい方式 理由
会計・経費精算・勤怠管理 SaaS 法令や制度で手順が決まっており、会社ごとの違いが小さい
業界の商習慣が強い受発注・在庫の管理 パッケージ(業界向けの製品) 業界向けの製品があれば、標準機能で多くをまかなえる
ECサイトの運営 SaaS(必要に応じて連携開発を追加) 標準機能で始め、独自の機能や既存システムとの連携だけを足す考え方がとりやすい
自社独自の価格計算や業務ロジックが競争力になっている業務 スクラッチ開発(SIer) 他社の製品では再現できない仕組みそのものが価値になる
基幹システムと複数のSaaSをつなぐ連携 SIerによる連携開発 SaaS単体では、自社の既存システムとのつなぎ込みまで対応できないことがある

近年は、SaaSを軸にしつつ、足りない部分だけSIerに連携開発を依頼する組み合わせも増えています。SIerの中には、自社でSaaSを開発・提供している会社や、SaaSの導入支援を事業にしている会社もあるため、「SIerに頼む=必ずゼロから作る」というわけではありません。SaaSを提供している会社自身も、自社の本業の外にある業務ではほかのSaaSを使う例があります。前掲の導入事例のように、ビジネスチャットを提供するChatwork株式会社が、経理にクラウド会計ソフトを使っているのも一例です。

どの業務をどの方式にするかを決めるときは、次の「4つの選択肢をどう判断するか」の順番で、標準的な業務から先にSaaSで足りるかを確かめるのが近道です。

4つの選択肢をどう判断するか|費用・スピード・カスタマイズ

判断の軸は、費用(初期と継続の総額)、導入スピード、カスタマイズ性、保守運用の責任範囲の4つです。一般に、カスタマイズ性が高い方式ほど、費用と導入期間、自社が負う保守の責任が大きくなります。

判断軸 SaaS パッケージ スクラッチ開発(SIerに依頼)
初期費用 小さい 中程度(ライセンス購入と導入費) 大きい(開発費)
継続費用 利用料が続く(人数や機能で増える) 保守料、サーバー費用 保守費、改修費、サーバー費用
導入スピード 速い(数日から数週間) 中程度(数週間から数か月) 遅い(数か月から1年以上)
カスタマイズ性 低い(設定の範囲内) 中程度(追加開発で対応) 高い
保守運用の責任 基盤は提供事業者。利用企業は設定・権限・データ管理を担う 製品の不具合はメーカー、サーバー管理は自社 自社(保守契約の範囲でSIerが対応)
向いている業務 会計、勤怠、経費精算、グループウェアなど標準化しやすい業務 業界特有だが、業界向け製品がある業務 自社独自の仕組みが競争力になっている業務

判断に迷ったら、次の順で絞り込むと整理しやすくなります。

  1. システム化したい業務を書き出し、「どの会社でもほぼ同じ手順の業務」と「自社独自の業務」に分ける
  2. 前者は、まずSaaSで要件を満たせるかを確認する(無料体験や資料請求で機能を確かめる)
  3. SaaSで足りない場合、業界向けのパッケージがないかを探す
  4. それでも合わない、または独自の仕組みが競争力の源泉になっている業務だけ、SIerへのスクラッチ開発の依頼を検討する
  5. 費用は初期費用だけでなく、5年程度の利用期間の総額で比べる

SaaSは初期費用が小さい一方、利用人数が増えるほど月額が積み上がるため、長期間・大人数で使う場合は総額が逆転することもあります。逆にスクラッチ開発は、稼働後も保守費と改修費が続く点を見落としがちです。どの方式も「最初にいくらかかるか」ではなく「使い続ける期間にいくらかかるか」で比べることが大切です。次のチェックで、いま自社構築や手作業にかけている業務の中に、SaaSに任せられるものがないかを確かめてみましょう。

標準的な業務に、作り込みや手作業をかけていませんか?セルフチェック

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ビジネスモデル・営業スタイル・働き方の違い(参考)

SaaS企業は、継続利用の月額料金で収益を積み上げるストック型のビジネスです。SIerは、案件ごとに人月単価で開発や導入を請け負うプロジェクト型が中心です。この違いは、発注する側から見た提案の受け方や、契約後の関係にも表れます。

比較項目 SaaS企業 SIer
収益の仕組み 月額・年額の利用料(サブスクリプション) 案件ごとの開発費・導入費(人月単価)と保守費
提案の中心 自社製品の機能で課題を解決できるかを示す 顧客の要件を聞き取り、実現方法と体制を提案する
契約後の関係 使い続けてもらうことが重要なため、定着支援(カスタマーサクセス)に力を入れる 納品後は保守契約を通じて関係が続く
発注側の注意点 自社の要望が製品に反映されるとは限らない。解約時のデータの持ち出し方を確認する 要件が膨らむと費用も膨らむ。特定の会社への依存を避ける工夫が必要

「SaaSとSIerの違い」は、就職・転職の文脈で営業職などの働き方の違いとして語られることもあります。一般に、SaaS企業は自社製品の改善と顧客の定着支援、SIerは顧客ごとのシステム構築と保守が仕事の中心になるといわれますが、実際の働き方は企業によって大きく異なるため、個別の企業の採用情報で確認してください。

発注する企業にとって大切なのは、相手のビジネスモデルを知ったうえで提案を受け止めることです。SaaS企業は自社製品を前提に提案し、SIerは作る前提で提案する傾向があるため、両方から話を聞いて比べると判断の偏りを防げます。SaaS側の提案がどの程度の水準なのかは、会計のような身近な標準業務の製品で実際の機能を確かめておくと、比較しやすくなります。

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よくある質問(FAQ)

Q1. SaaSとSIerの違いは何ですか?

A. SaaSはクラウド上の完成したソフトウェアを月額などで利用する提供形態で、SIerは企業の要件に合わせてシステムの設計・開発・導入・保守を請け負う事業者です。SaaSは「何を使うか」、SIerは「誰に作ってもらうか」の話であり、導入方式と依頼先を分けて考えると整理しやすくなります。

Q2. SaaS・パッケージ・スクラッチ開発はどう違いますか?

A. SaaSはクラウド上の完成品を借りる方式、パッケージは市販のソフトウェアを購入して自社環境に導入する方式、スクラッチ開発は自社の業務に合わせてゼロから作る方式です。この順にカスタマイズ性は高くなり、費用と導入期間も大きくなる傾向があります。

Q3. SaaSとSIerに依頼する自社構築では、どちらが安いですか?

A. 初期費用はSaaSのほうが小さいのが一般的です。ただしSaaSは利用人数や期間に応じて利用料が積み上がり、自社構築は稼働後も保守費や改修費が続くため、5年程度の利用期間の総額で比べる必要があります。会計や勤怠管理のように手順がほぼ同じ業務は、SaaSで足りることが多い領域です。

Q4. SIerが「ダメ」と言われるのはなぜですか?

A. 人月単位で費用が決まる受託型の仕組みや多重下請け構造、発注側が任せきりにする「丸投げ」によるブラックボックス化やベンダーロックインが課題として指摘されているためです。経済産業省の総括レポートも、こうした構造を挙げています。SIerを避けるのではなく、要件定義への参加や成果物の納品、保守の範囲を契約で確認することが対策になります。

Q5. 「SaaSは死んだ」とはどういう意味ですか?

A. 生成AIなどの進化によって、従来型のSaaSの価値が下がるのではないかという議論を指して使われる言葉です。SaaSの利用が実際に減ったことを示す言葉ではなく、総務省の令和7年通信利用動向調査では、クラウドサービスを一部でも利用している企業は83.5%でした。詳しくは、「SaaSの死」は本当かの記事で検証しています。

Q6. SaaSとSIerを組み合わせることはできますか?

A. できます。標準的な業務はSaaSを使い、自社独自の業務やSaaS同士・既存システムとの連携部分だけをSIerに依頼する組み合わせは、費用と導入期間を抑えやすい方法です。SaaSの導入支援を行うSIerもあります。

まとめ

SaaSはクラウド上の完成品を借りる提供形態、SIerはシステムの構築を請け負う事業者で、同じ土俵の選択肢ではありません。実務では、SaaS・パッケージ・スクラッチ開発という導入方式と、そのうちどこまでをSIerに任せるかを、費用の総額、導入スピード、カスタマイズ性、保守運用の責任範囲の4つの軸で比べて決めます。標準化しやすい業務はSaaS、業界特有の業務はパッケージ、独自の仕組みが競争力になっている業務だけSIerに依頼して作る、という使い分けが基本です。まずは次の3つから始めてみてください。

  1. システム化したい業務を、どの会社でも同じ手順の業務と自社独自の業務に分ける
  2. 標準的な業務は、マネーフォワード クラウド会計のようなSaaSの資料や無料体験で、標準機能だけで回せるかを確かめる
  3. SIerに依頼する場合は、5年程度の総額と保守の範囲、成果物の扱い、再委託の有無まで含めて見積もりを比べる

参考文献

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