dx セキュリティとは?DX推進で見落としやすいリスクと対策

Check!

  • DXで守る対象は社外にも広がる
  • 主な脅威は委託先・脆弱性・復旧遅延
  • 対策は棚卸しと権限設計から始める

DXを進めると、紙の業務をデジタル化するだけでなく、顧客情報、取引データ、クラウドサービス、外部委託先、リモート環境など、守るべき範囲も広がります。dx セキュリティとは、こうした変化を前提に、業務の便利さと情報保護を両立させる考え方です。本記事では、個人事業主・中小企業・中堅大企業のいずれにも共通するリスクと、導入前に確認したい対策の進め方を整理します。

目次

開く

閉じる

  1. DXセキュリティとは|DX推進で守る対象が広がる理由
  2. DXで増える主なセキュリティリスク
  3. セキュリティを後付けにしないDX推進ステップ
  4. 企業規模別の対策ポイント
  5. ツール・外部委託・社内体制の選び方
  6. よくある質問(FAQ)
  7. まとめ|今日からできる3つのこと
  8. 関連記事
  9. 参考文献

DXセキュリティとは|DX推進で守る対象が広がる理由

DXセキュリティとは、DXとは何かを理解したうえで、データ、業務フロー、システム、利用者、外部サービスをまとめて守る考え方です。従来の情報セキュリティは、社内PCやサーバーの保護に意識が向きがちでした。しかし、クラウド利用やSaaS導入、オンライン商談、外部委託が広がると、管理すべき範囲は社内ネットワークの外にも広がります。

経済産業省は、企業のDXに関する自主的な取り組みを促すため、経営ビジョンやデジタル技術への対応を「デジタルガバナンス・コード」として整理しています。DXは経営課題であるため、セキュリティも情報システム部門だけに任せるのではなく、経営・業務・現場が共通のルールを持つことが重要です。

図1:DXで守る対象の広がり DX推進により、社内端末だけでなくクラウド、顧客接点、委託先まで守る対象が広がることを示す図。 従来 社内端末・サーバー DX推進後 クラウド・SaaS 顧客データ・業務データ 外部委託先・リモート環境 守る範囲を業務全体へ広げる
図1:DXで守る対象の広がり

DXで増える主なセキュリティリスク

DXで業務がつながるほど、攻撃者が狙う入口も増えます。IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2025」では、組織向けの脅威として、ランサム攻撃、サプライチェーンや委託先を狙った攻撃、システムの脆弱性を突いた攻撃、内部不正、標的型攻撃、リモートワーク等の環境を狙った攻撃などが挙げられています。

DXの現場では、営業、経理、人事、製造、医療、教育など、複数部門が同じデータやシステムを使います。そのため、ひとつの部門で設定ミスや権限管理の不備が起きると、他の業務にも影響が広がることがあります。セキュリティは「止めるための制限」ではなく、業務を安定して続けるための前提として考えることが大切です。

図2:DXで注意したい主なセキュリティリスク DX推進時に確認したい5つのリスクをカードで整理する図。 DXで確認したい5つのリスク ランサム攻撃 業務停止・復旧遅延 委託先攻撃 外部連携から波及 脆弱性悪用 更新漏れ・設定不備 内部不正 権限過多・ログ不足 リモート環境 端末・回線・認証
図2:DXで注意したい主なセキュリティリスク

セキュリティを後付けにしないDX推進ステップ

DX推進の進め方では、現状把握から小さく始めることが重要です。セキュリティも同じで、ツール導入後に慌てて権限やログを整えるより、企画段階から業務要件に入れておくほうが運用しやすくなります。おすすめの流れは、業務とデータの棚卸し、重要度の整理、権限設計、バックアップと復旧手順、定期的な見直しです。

図3:DXセキュリティの5ステップ DX推進時にセキュリティを組み込む5ステップを示す図。 1棚卸し 2重要度整理 3権限設計 4復旧手順 5見直し 小さく始め、運用で改善する
図3:DXセキュリティの5ステップ

たとえば、顧客管理をクラウド化する場合は、誰が顧客情報を閲覧できるか、退職者のアカウントをどう止めるか、障害時にどのデータから復旧するかを先に決めます。こうした確認を後回しにすると、便利な仕組みが増えた分だけ、運用の抜け漏れも増えやすくなります。

企業規模別の対策ポイント

dx セキュリティは、企業規模によって始め方が変わります。個人事業主は、まずアカウント、端末、バックアップの管理を整えることが現実的です。中小企業は、担当者任せにせず、経営者がリスクと対策費用を把握する必要があります。中堅・大企業では、部門横断のルール、委託先管理、インシデント時の連絡体制まで設計します。

規模優先して確認したいこと進め方の例
個人事業主端末、ID、パスワード、バックアップ多要素認証、端末更新、クラウド保存先の整理
中小企業社内ルール、権限、委託先、復旧手順責任者を決め、重要データと利用サービスを一覧化
中堅・大企業部門横断統制、ログ監視、サプライチェーンCISO等の責任体制、監査、教育、訓練を組み合わせる

ツール・外部委託・社内体制の選び方

セキュリティ対策は、ウイルス対策ソフトや監視ツールだけで完結するものではありません。DXツールの選び方を考える際は、機能だけでなく、アクセス権限、ログ保存、バックアップ、障害時の支援、委託先の管理体制も確認します。SaaSを利用する場合は、SaaSセキュリティの考え方とあわせて確認すると、クラウド利用時の論点を整理しやすくなります。

確認項目見るポイント確認する理由
アクセス権限利用者ごとに権限を分けられるか不要な閲覧・操作を減らすため
ログ誰が、いつ、何をしたか追えるかトラブル時の原因確認に使うため
バックアップ保存頻度と復旧方法が明確か障害やランサム攻撃時の復旧に備えるため
委託先管理責任範囲、連絡先、再委託の有無を確認できるか外部連携からのリスクを把握するため
教育利用者向けのルールや研修があるか設定だけでは防げないミスを減らすため

よくある質問(FAQ)

Q. DXセキュリティは何から始めればよいですか?

A. 利用中のクラウドサービス、保存しているデータ、アクセス権限を一覧化するところから始めます。守る対象が見えると、優先順位をつけやすくなります。

Q. 中小企業でも専門部署が必要ですか?

A. 専門部署をすぐに置けない場合でも、責任者、相談先、緊急時の連絡方法を決めることはできます。外部支援を使う場合も、社内の判断者を明確にしておくことが大切です。

Q. DXツールを入れればセキュリティも改善しますか?

A. ツール導入だけでは十分ではありません。権限設定、ログ確認、運用ルール、教育、バックアップまで含めて設計することで、DXの効果を安定して活かしやすくなります。

Q. 外部委託するときの注意点は何ですか?

A. 委託先が扱う情報、責任範囲、再委託の有無、インシデント時の連絡体制を確認します。契約前だけでなく、運用中の見直しも必要です。

Q. セキュリティ対策はどこまで行えばよいですか?

A. 業種、扱う情報、利用するシステム、委託先の有無で変わります。まず重要データと業務への影響度を整理し、復旧が遅れると困る業務から対策を進めます。

まとめ|今日からできる3つのこと

dx セキュリティは、DXを止めるためのものではなく、デジタル化した業務を安定して続けるための土台です。ツール導入、クラウド利用、外部委託が増えるほど、守る対象は広がります。まずは次の3つから始めると、現状を把握しやすくなります。

  1. 利用中のクラウドサービスと保存データを一覧化する
  2. 重要データにアクセスできる人と権限を見直す
  3. バックアップと緊急時の連絡手順を確認する

関連記事

参考文献

  • 経済産業省「サイバーセキュリティ経営ガイドライン Ver.3.0」2023年、https://www.meti.go.jp/policy/netsecurity/mng_guide.html、2026年6月6日取得
  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティ10大脅威 2025」2025年、https://www.ipa.go.jp/security/10threats/10threats2025.html、2026年6月6日取得
  • 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン 第4.0版」2026年、https://www.ipa.go.jp/security/guide/sme/about.html、2026年6月6日取得
  • 経済産業省「デジタルガバナンス・コード3.0」2024年、https://www.meti.go.jp/policy/it_policy/investment/dgc/dgc.html、2026年6月6日取得

同じカテゴリの記事を探す

同じタグの記事を探す

同じタグの記事はありません

top