SaaSの種類を3軸で解説

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  • SaaSの種類を整理する3つの軸がわかる
  • Horizontal・Verticalの違いがわかる
  • 企業規模別に優先すべき軸がわかる

SaaSの種類を調べても、「業種横断型」「業種特化型」「業務領域別」といった分け方が並び、どの軸で自社に合うものを探せばよいか迷うことがあります。本記事では、SaaSの種類をHorizontal・Vertical・業務領域別という3つの軸で解説します。マルチテナント・シングルテナントといった技術面の型分類はSaaSの型と具体例の記事、業界別の具体的なサービス例はSaaSの代表例の記事もあわせてご覧ください。

目次

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  1. SaaSの種類は3つの軸で整理できる
  2. Horizontal SaaSとVertical SaaSの違い
  3. 業務領域別に見るSaaSの種類
  4. 自社に合うSaaSの種類を選ぶ視点
  5. 複数種類のSaaSを組み合わせる際の考え方
  6. SaaSの種類選びでよくある失敗パターン3つ
  7. 導入検討時の情報収集の進め方
  8. Vertical SaaSが業界特有の課題に対応する仕組み
  9. SaaS選定時に確認しておきたい比較ポイント
  10. 事業の成長段階に応じたSaaSの種類の見直し
  11. よくある質問(FAQ)
  12. まとめ|今日からできる3つのこと

SaaSの種類は3つの軸で整理できる

業種横断か業種特化かという軸(Horizontal・Vertical)、社内部門ごとの業務機能という軸(業務領域別)という2種類の視点を組み合わせることで、SaaSの種類を整理できます。単なる一覧として見るのではなく、この3軸を使って自社の課題解決に必要なSaaSを特定していく方法が実用的です。

Horizontal SaaSとVertical SaaSの違い

Horizontal SaaS(業種横断型)は業界を問わず共通する業務に対応し、Vertical SaaS(業種特化型)は医療・製造業・不動産・建設等の特定業界の固有ニーズに対応します。Vertical SaaSは業界用語・帳票・規制要件に合わせて設計されている点が特徴です。

整理の視点
Horizontal/Vertical 業種を問わないか、特定業界に特化するか
業務領域別 経理・人事・CRM等、社内部門ごとの機能
図1:SaaSの種類を整理する視点

業務領域別に見るSaaSの種類

経理・会計、HR・人事労務、CRM・SFA、マーケティング、コラボレーションといった業務領域で、SaaSの種類を整理できます。コラボレーション領域では、社内のスケジュール共有やファイル管理を担うグループウェアが代表的な位置づけにあります。

自社に合うSaaSの種類を選ぶ視点

個人事業主、中小企業、中堅・大企業という企業規模に応じて、3軸のどれを優先すべきかが変わります。個人事業主は業務領域別に必要な機能を絞り込みやすく、大企業は業種特化型の要件まで踏まえた検討が必要になる場合があります。

複数種類のSaaSを組み合わせる際の考え方

1社が1種類のSaaSだけで業務を完結させるケースは少なく、業務領域ごとにHorizontal SaaSとVertical SaaSを組み合わせて使うのが実務上の一般的な姿です。

たとえば製造業の企業であれば、経理・人事・コラボレーションといった業種を問わない業務にはHorizontal SaaSを使い、生産管理や品質管理といった製造業特有の業務にはVertical SaaSを使うという組み合わせが一般的です。すべての業務を1つのサービスでまかなおうとすると、業界特有の要件に対応しきれず、結局Excelや紙の運用に戻ってしまうことがあるため、業務ごとに適した種類を選び分ける発想が重要になります。

複数のSaaSを組み合わせる場合に注意したいのが、システム間でのデータ連携です。Horizontal SaaSとVertical SaaSがそれぞれ独立してデータを管理していると、同じ顧客情報や取引先情報を複数のシステムに二重で入力する手間が発生しやすくなります。導入するSaaSを選ぶ際は、単体の機能だけでなく、既に使っている他のSaaSとどこまで連携できるかも、あわせて確認しておくと運用の手間を減らしやすくなります。

SaaSの種類選びでよくある失敗パターン3つ

3軸を組み合わせずに1軸だけで判断する、Vertical SaaSを業種を問わず使えると誤解する、企業規模を踏まえずに優先軸を決めるという3つが、SaaSの種類選びでよく見られる失敗の典型です。

失敗パターン1:3軸を組み合わせずに1軸だけで判断する。業務領域だけを見て、業種特化の要件を見落とすケースです。3軸を組み合わせて検討することが回避策になります。

失敗パターン2:Vertical SaaSを業種を問わず使えると誤解する。特定業界向けの機能を他業種で使おうとし、要件が合わないケースです。VerticalとHorizontalの違いを理解することが回避策になります。

失敗パターン3:企業規模を踏まえずに優先軸を決める。大企業向けの検討プロセスを個人事業主がそのまま使い、負担が大きくなるケースです。自社規模に応じた優先軸を選ぶことが回避策になります。

導入検討時の情報収集の進め方

3軸で自社に必要なSaaSの種類を特定した後は、それぞれの軸に沿って候補を絞り込みながら情報収集を進めると、効率よく比較検討できます。

まず業務領域別の軸で、自社が最も課題を感じている業務(経理・人事・営業管理等)を特定し、その領域を扱うSaaSの候補を洗い出します。次にHorizontal・Verticalの軸で、自社の業種に固有の要件(業界特有の帳票、規制対応等)がどの程度あるかを確認し、汎用的なHorizontal SaaSで足りるのか、業種特化型のVertical SaaSが必要なのかを判断します。この2段階で候補を絞り込んでから、各サービスの資料請求や無料トライアルに進むと、闇雲に多くのサービスを比較する手間を減らせます。

情報収集の際は、公式サイトの機能一覧だけでなく、同業他社の導入事例が公開されているかも確認すると参考になります。特にVertical SaaSでは、自社と近い規模・業態の企業がどのように活用しているかを知ることで、導入後のイメージがつかみやすくなります。複数の候補が残った場合は、それぞれの無料トライアルを同じ期間・同じ条件で試し、実際に使う担当者の意見も取り入れたうえで最終判断することをおすすめします。

Vertical SaaSが業界特有の課題に対応する仕組み

Vertical SaaSは、業界固有の業務フロー・帳票様式・規制要件をあらかじめシステムに組み込んでいる点で、Horizontal SaaSと設計思想が異なります。Horizontal SaaSが「どの業種でも使える汎用的な機能」を目指して設計されるのに対し、Vertical SaaSは特定業界の実務担当者へのヒアリングを重ねて、その業界でしか使われない専門用語や業務手順をそのまま画面や項目名に反映していることが多くあります。

たとえば建設業向けのVertical SaaSであれば、工事台帳や原価管理といった建設業特有の管理項目があらかじめ用意されており、Horizontal SaaSの汎用的な会計機能だけでは対応しづらい業界特有の帳票出力にも対応していることがあります。医療機関向けであれば、診療報酬制度や各種法定様式に沿った入力項目が用意されているケースが見られます。不動産業向けでは、物件情報や契約書類の管理を、宅地建物取引業法などの関連する法令を踏まえた形で扱える設計になっている場合があります。こうした業界特有の要件は、汎用的なHorizontal SaaSをカスタマイズして再現しようとすると、開発コストや運用の手間が大きくなりがちです。

ただし、Vertical SaaSであれば必ず自社の業務に完全に合致するとは限りません。同じ業界であっても、企業ごとに業務フローや取扱商材が異なるため、導入前には自社の実際の業務フローとサービスの標準機能を照らし合わせ、どこまでが標準機能でカバーでき、どこから追加のカスタマイズや運用の工夫が必要になるかを確認しておくことが望ましいといえます。業界特化をうたうサービスであっても、対応範囲は提供会社によって差があるため、資料だけで判断せず、可能であれば同業他社の導入事例や無料トライアルを通じて実際の使い勝手を確認することをおすすめします。

SaaS選定時に確認しておきたい比較ポイント

SaaSの種類を3軸で絞り込んだ後は、セキュリティ体制、サポート体制、他システムとの連携範囲、データの持ち出しやすさという観点で、候補となるサービス同士を比較検討すると判断がしやすくなります。種類の分類だけで導入を決めてしまうと、実際に運用を始めてから想定外の制約に気づくことがあるため、この段階での確認が重要です。

セキュリティ体制については、通信の暗号化やアクセス権限の細かさ、第三者機関によるセキュリティ認証の取得状況などを確認しておくと安心です。特に顧客情報や人事情報など機微な情報を扱う業務領域のSaaSでは、自社の情報セキュリティ方針と照らし合わせて問題がないかを事前に確認しておく必要があります。サポート体制については、問い合わせ方法(電話・メール・チャット等)や対応時間、導入時の初期設定支援の有無を確認しておくと、社内にIT担当者が少ない中小企業でも安心して運用を始めやすくなります。

他システムとの連携範囲については、既に社内で使っている会計ソフトや勤怠管理システムなどとAPI連携やデータ連携ができるかを確認します。連携が難しい場合、手作業でのデータ移行や二重入力が発生し、SaaS導入によって期待していた業務効率化の効果が薄れてしまうことがあります。データの持ち出しやすさについては、将来的に他のサービスへ乗り換える可能性も見据えて、自社が入力したデータを標準的な形式(CSV等)でエクスポートできるかどうかを、契約前の段階で確認しておくと、長期的な運用の柔軟性を確保しやすくなります。

事業の成長段階に応じたSaaSの種類の見直し

創業期・拡大期・成熟期といった事業の成長段階に応じて、最適なSaaSの種類の組み合わせは変化するため、一度導入した構成を固定的なものと考えず、定期的に見直す姿勢が重要です。創業期に選んだ構成が、組織や業務が拡大した後もそのまま最適であり続けるとは限りません。

創業期は従業員数が少なく、業務も特定の担当者が兼務していることが多いため、まずは経理・コラボレーションといった業務領域で汎用的なHorizontal SaaSを1つずつ導入し、最小限の構成で運用を始めるケースが一般的です。この段階では、業種特化型のVertical SaaSを導入するコストや学習の負担が、得られる効果に見合わないことも少なくありません。事業が拡大し、専門部署が生まれる段階になると、部署ごとに求める機能の専門性が高まり、業種特有の要件に対応できるVertical SaaSへの切り替えや追加導入を検討する企業が増えてきます。

成熟期に入り、社内の業務プロセスがある程度固まってくると、今度は個別に導入してきた複数のSaaS間の連携不足や、重複する機能への二重投資が課題として表面化しやすくなります。この段階では、新しいSaaSを追加するのではなく、既存の複数のSaaSを棚卸しし、業務領域ごとに本当に必要な機能を再整理したうえで、統合や見直しを検討することが有効です。SaaSの種類を選ぶ作業は、導入時の一度きりの意思決定ではなく、事業の成長に合わせて定期的に見直していく継続的なプロセスとして捉えることが、長期的な業務効率化につながります。

よくある質問(FAQ)

Q1. SaaSの種類はどのように整理できますか?

A. Horizontal・Vertical(業種横断/特化)という軸と、業務領域別という軸を組み合わせて整理できます。

Q2. Horizontal SaaSとVertical SaaSの違いは何ですか?

A. Horizontal SaaSは業種を問わない機能、Vertical SaaSは特定業界の固有ニーズに対応する機能を提供します。

Q3. 業務領域別の分類にはどのようなものがありますか?

A. 経理・会計、HR・人事労務、CRM・SFA、マーケティング、コラボレーションなどがあります。

Q4. 個人事業主はどの軸を優先すべきですか?

A. 業務領域別に必要な機能を絞り込む視点が扱いやすい傾向があります。

Q5. 大企業はどの軸を優先すべきですか?

A. 業種特化型の要件まで踏まえた検討が必要になる場合があります。

Q6. コラボレーション領域の代表例は何ですか?

A. 社内のスケジュール共有やファイル管理を担うグループウェアなどがあります。

まとめ|今日からできる3つのこと

  1. 3軸を組み合わせて検討する:1軸だけで判断しません。
  2. VerticalとHorizontalを区別する:誤解しません。
  3. 自社規模に応じた優先軸を選ぶ:一律の視点で判断しません。

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